manten_senryu

さみしい夜の句会

さみしい夜の句会報 第73号を発行しました

第73回の参加者は72名でした。  ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。 それぞれが得意な方法で川柳を活性化する活動を始めとても刺激的です。創作は孤独な作業ですが活動をどんどん公開していくことで川柳を盛り上げていきましょう。
おとなが読む絵本

#7 スープとあめだま

「おねえちゃん こんな ゆきのなか でかけるの?」  「ゆきだから でかけるんだよ。ボランティア。ホームレスの ひとたちを たすけるの。」  おねえちゃんに誘われてホームレスを助けるシェルターに行くことになった。  (岩崎書店紹介文から) 物語のはじまりはこんなちいさなところから始まります。 ヒマだから姉に誘われ、寒い雪の日にシェルターに行くことになったのです。 ここで誰と会い何を考えどうしていくのか。 物語は適度に省略しながらゆっくりとシェルターでの数時間 ホームレスのひととのふれあいを描いていきます。
今日の川柳

#6 キューピーの媚態に象の足を乗せ 高田寄生木

現代川柳において「象」が登場してきたのはいつからだろうか。 不勉強のため『この句が象を書いた最初の川柳である』というのは見つけられないが 登場後、現在においても頻繁にかつ、飽きることなく書かれる「象」は何を象徴(という言葉にも象が入るが)しているのだろう。 この句はまず「媚態」に目が行く。しなをつくるの「媚態」は女の動作を特定するものではないが 「キューピーの」とあるので、女、子供のしぐさ、句の前半はフェニズムについて書いたのではないかと思われる。
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句集

#4 青森懸川柳年鑑ねぶた 2022年(第3集)の紹介

青森懸川柳年鑑ねぶたとは、青森県在住もしくは青森県の川柳社に所属する川柳人がその年の作品10句を提出して、川柳の年鑑を作り長く記録しましょう(あってるかな?)という趣旨で青森県川柳連盟が企画しているもので、今年が3回目。 「発刊にあたって」を読むと1回目が170人、2回目が176人、今回が190人が参加したとのこと。 この数字、他の地域では考えられないかもしれない。当然提出していない人もいるわけで、それを数えるともの凄い川柳愛好人口である。 そう、青森県は川柳が盛んな県である。レベルも低くない、というか全国屈指だと思う。 川柳に限らず俳句、短歌等も盛んなので短詩が好きな県民性なのだろう。 特に川柳は青森県人の気質に合っていると思う。 ほとんどの人は勉強しなくてもすぐ書けちゃうのだ。そこから先はいろいろではあるが。 青森懸川柳年鑑ねぶたとは、そういうアンソロジーである。
さみしい夜の句会

さみしい夜の句会報 第72号を発行しました

第72回の参加者は84名でした。  ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。  7月8日。  安倍前首相が暗殺されました。事件の詳細については正確な続報を待ちたいですが、考えてしまったのは言葉のもつパワーです。政権末期、政策の失敗やモリカケ、桜を観る会の疑惑で「アベヤメロー」の声が強くなったとき、「アベシネー」の声も聞かれました。まもなく安倍首相は辞任し、そして今回の事件です。小さな声が増幅され大きなパワーとなって現実の事となったようにも見えます。  言葉には言霊がありますから詩歌を創作する人間として、より丁寧に扱う必要があることを実感しました。
月波与生の川柳

月波与生の川柳 #1 無言館

無言館 無言館の開け方春の始めかた 始めたら無人にできぬ駅ピアノ ピアニストみようみまねを解いてゆく 難解な解体ショーは七日目に 七人の知らん子が来て牛洗う 蝸牛や平らになった土饅頭 土星語を話さぬ土星人の猿 猿山を富士と名付ける太閤記 太陽がふたつ書かれたDNA パスワード“absurd"で閉じる無言館 花盗人ぬすむ無罪らしき罪 無花果の青さすべてが敵だった
おとなが読む絵本

#6 だいじょうぶくん

作   魚住直子 絵   朝倉世界一 発行日 2022年3月 発行社 ポプラ社 (1,480円+税) ともだちがいなくても楽しく生きている大人もいれば ひとりだと死んでしまいそうな大人もいます。 環境が変わって新しい人間関係になじめなかったそうたくん。 どのようにして新しい環境になじみ友達を作ったでしょう。 ともだちのつくり方を忘れた大人に この本は語りかけます。
今日の川柳

#5 雨の音 確かなレとか君のファとか 高橋由美

雨が降っている。 ではなく「音」としているのでこの句の「音を聞いてくれ」ということになる。 確かな「レ」、何だろう。 レはレモンのレ、レの音で始まる歌だろうか? ということで調べる。 ほう、「君が代」が「レ」から始まり「レ」で終わる歌らしい。 これはこれで面白し、確かな「レ」なのだけと、多分違うだろう ということで却下。
句会

まつりと詩歌 作品募集

日本現代詩歌文学館では現在「まつりと詩歌」というテーマにて展示会を行っておりますが 開催中の展示にちなみ「まつり」を題材とした詩歌作品を募集しています。 川柳部門にて、本サイトの管理人である月波与生が選者となっております。 たくさんの「まつり」作品をお寄せください。
今日の川柳

#4 老人は死んでください国のため 宮内可静

この句が最初に登場したのは1997年12月、作者の宮内可静さんは78歳だったという。 なので、若者が老人に向けて書かれた川柳ではない。 老人が(自分を含む)老人に対して詠んだ川柳だ。 当時は賛否両論で騒然だったと樋口由紀子さんが金曜日の川柳で書いている。 実は高齢者の自殺は他の年代に比べても多い。 二十代も三十代も四十代も多いが景気が良くなって経済的に潤ってくると減る。 だから現在は危険なのだけど。 しかし七十代は他の年代ほど影響を受けにくい。 世の中がどうあろうと一定数の高齢者は常に死を選ぶ傾向があるのだ。 その理由は「迷惑をかけたくない」である。 そう考えたとき、この句は宮内さんの内面から湧いてきた自分の声に聞こえやしないか。
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