今日の川柳

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#6 キューピーの媚態に象の足を乗せ 高田寄生木

現代川柳において「象」が登場してきたのはいつからだろうか。 不勉強のため『この句が象を書いた最初の川柳である』というのは見つけられないが 登場後、現在においても頻繁にかつ、飽きることなく書かれる「象」は何を象徴(という言葉にも象が入るが)しているのだろう。 この句はまず「媚態」に目が行く。しなをつくるの「媚態」は女の動作を特定するものではないが 「キューピーの」とあるので、女、子供のしぐさ、句の前半はフェニズムについて書いたのではないかと思われる。
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#5 雨の音 確かなレとか君のファとか 高橋由美

雨が降っている。 ではなく「音」としているのでこの句の「音を聞いてくれ」ということになる。 確かな「レ」、何だろう。 レはレモンのレ、レの音で始まる歌だろうか? ということで調べる。 ほう、「君が代」が「レ」から始まり「レ」で終わる歌らしい。 これはこれで面白し、確かな「レ」なのだけと、多分違うだろう ということで却下。
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#4 老人は死んでください国のため 宮内可静

この句が最初に登場したのは1997年12月、作者の宮内可静さんは78歳だったという。 なので、若者が老人に向けて書かれた川柳ではない。 老人が(自分を含む)老人に対して詠んだ川柳だ。 当時は賛否両論で騒然だったと樋口由紀子さんが金曜日の川柳で書いている。 実は高齢者の自殺は他の年代に比べても多い。 二十代も三十代も四十代も多いが景気が良くなって経済的に潤ってくると減る。 だから現在は危険なのだけど。 しかし七十代は他の年代ほど影響を受けにくい。 世の中がどうあろうと一定数の高齢者は常に死を選ぶ傾向があるのだ。 その理由は「迷惑をかけたくない」である。 そう考えたとき、この句は宮内さんの内面から湧いてきた自分の声に聞こえやしないか。
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#3 お別れに光の缶詰を開ける   松岡瑞枝

光の缶詰を開けると 過去が消えて自分も別なものになってしまうのだろう 見えていたものが見えなくなってしまうのだろう 光の缶詰だからね だから普通は開けない 開けない限りはあなたとわたしの関係は維持される でも 缶詰を受け取ってしまった時点で あなたとわたしは別れることになっていたのである だって 光を見たいじゃないですか しっかり 目を開けて お別れに光の缶詰を開ける 松岡瑞枝 (句集『光の缶詰』(編集工房・円、2001年))
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#2 ぼくら逃亡 海がなければ海創る  岩村憲治

川柳人としての起点をどこに持つか、を考えた時個人的にはこの句がそうなんじゃないかと考える。ぼく(ら)のらも甘いしうっとうしいし「海創る」なんては今は中学生すら言わないだろうとは思う。 だがこの句の海は寺尾俊平の「川柳のユートピアの建設」に呼応しているように思えるし何よりわくわく感に溢れている。 「逃亡」が効いているのだ。何からの逃亡だろう。ここはひとりひとりちがっていい、とにかく逃亡するのだ。で、うっとうしい(ら)が生きてくる。理由はそれぞれみな違うが、ぼく(ら)で逃亡するのである。海も創っちゃうのである。 わくわくするじゃないか。 ということで、川柳のことを考えるとき ぼくはこの句を起点としていきたいと考えている。
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#1 蜘蛛男が繋ぐ the end の余韻 月波与生

毎日川柳ということで、これから(ほぼ)毎日、川柳を一句選んで感想を書いていく。 最初は自句を選んだ。今後自分の句を選ぶことはないだろうから。 蜘蛛男は江戸川乱歩を思い出す人もいるだろうが、この蜘蛛男は仮面ライダーのほう。 仮面ライダーの1回目の怪人が蜘蛛男。 初回の仮面ライダーの映像は小学校低学年の自分には結構衝撃的であった。
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