さみしい夜の句会報 第167号を発行しました

さみしい夜の句会
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                    UnsplashSuhyeon Choiが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第167号(2024.4.28-2024.5.5)

第167回の参加者48名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

7月20日、札幌市にて3回目のリアル句会を開催いたします。札幌川柳社副代表である落合魯忠氏をゲスト選者に迎えて披講後に「今回の選に地域性はあったのか」などについてディスカッションする予定です。席に余裕がございますので近郊の方は是非お参加下さい。(雑詠3句の事前投句が必要です)

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◆ 参加者(48名)

しまねこくん、もりや、靈夢、何となく短歌、帰ってきた笛地静恵、syusyu、水の眠り、西脇祥貴、クイスケ、凪ちひろ、一筆居士、おかもとかも、輪井ゆう、まつりぺきん、ハッカ飴、星野響、蔭一朗、もふもふ、涼閑、汐田大輝、くろさわたお、西沢葉火、海馬、奈津実、花野玖、石原とつき、うつわ、りゅうせん、雷(らい)、古城エッ、池田 突波、涼、fuu_、しろとも、朝森たけ、天乃ふみ、小沢史、カゲキ・ちゃけぞう、岡村知昭、石畑由紀子、ヴたこ だょ、souko守宮、人見弐一、かれん、片羽 雲雀、名犬 ぽち、呉石鍵盤堂、月波与生

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◆ 川柳・俳句

鳴くきつねうどん泣きたくない自分 岡村知昭

菜の花に母性が降ってきて困る かれん

口紅を残して私だけ落ちる souko守宮

二股を許してしまふチューリップ しまねこくん

瞑想の力で蜂を帰らせる しまねこくん

黙るのなかに犬もだまって 石畑由紀子

夕焼けを全裸の鶴が落ちてくる 帰ってきた笛地静恵

窓にまだ四月の拭き跡が残る 蔭一郎

ひとりの夜には浴室に武具飾る 蔭一郎

カツ丼を五月の鷹と食べにゆく 蔭一郎

木曜のクッション性に賭けてみる りゅうせん

初夏へスタイロたたみ飛ばしあう りゅうせん

私を剥がすには「いいね」が100万個 奈津実

関節にアクセス 土星の輪消した 奈津実

母の日の古傷に塗るマーガリン 汐田大輝

治りかけの偏頭痛たんぽぽを揺らす 汐田大輝

メーデーの喉に絡まるプラレール 汐田大輝

折り返し地点が眠い隅田川 汐田大輝

山火事の焦げ目が残る越後獅子 汐田大輝

ホットでもクールでも鶴亀算 おかもとかも

はらぺこが蝶になるとはかぎらない 海馬

自らが響くしかない昼の凪 雷

いやいやといやの裏がは春惜しむ syusyu

   *

バリケード張り巡らせてここから出られない もりや

既読無視 ならぬ『スタンプ 送り無視』 靈夢

牛乳の理性する中島みゆき 西脇祥貴、

登ってはサロメの顔色を盗んだ クイスケ

待っているプールサイドのキャラメルを 輪井ゆう

朝まだきふと蝶を生む蝶番 星野響

長電話 融けてしまった かき氷 もふもふ

罪と罰織りなす彩にまみれ夜 涼閑

あなたには反射をしたらいいのかも くろさわたお

シブ屋久島の0時杉 西沢葉火

暮の春少女マンガの恋に泣く 花野玖

赤道な春なみだらこれっきり洗面器 石原とつき

恍惚の母は携帯睨めおり うつわ

メーデーの胸にくしゃくしゃの煙草 池田 突波

孤独だと早死にするの丁度いい 涼

五月の風が四ヶ月の時間も運んで来る fuu_

行く春やパンドラの箱開けました しろとも

砂消しで消せぬ線増え四月尽 小沢史

ほろ酔いを買いすぎ独り全て飲む カゲキ・ちゃけぞう

若葉の傷はほろ苦く甘いもの 人見弐一

ローマにて併用されしヘップバーン 片羽雲雀

   *

誰からともなくけっこう仮面の話題 月波与生

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◆ 短歌

初恋は初恋鍋にして食べた苦かったからちょこっと泣いた 天乃ふみ

一億分の一でばったり出くわして久しぶりって微笑ませてよ 何となく短歌

あくまでもハッピーエンドになるような草稿ならばいくつもあります 水の眠り

   *

寝たいけど眠りたいけど寝れなくて時計見ている鐘の鳴る前 凪ちひろ

言の葉を「句会」ならばと寄せてなお少し寂しい短夜の春 一筆居士

そうめんを茹でてそうめん、また茹でて夏休みのような5月のキッチン ハッカ飴

7番が会社の規定なんだけどちと明る過ぎ?かえってストレス 古城エッ

カーネーション送る母はもう亡くて今年は居間の花瓶に飾る 朝森たけ

スカートが真っ赤に蕩けた朝焼けの去りし背中を輪ゴムで撃てば ヴたこ だょ

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◆ 詩・短文

投稿作品はありません。

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◆ 作品評から

誰からともなくけっこう仮面の話題 月波与生
 ~いいなあ。夜も更けている。もうみんな、だいぶ酔っている。昔からの仲間うちでないと、永井豪でも『けっこう仮面』の話題は、出せない。居酒屋は、客もまばら。聞かれる心配もない。「けっこう」。あれでさあ、前の悪役の頭で、隠れてて。どうなっているんだろう?少年たちの永遠のロマンだった。(帰ってきた笛地静恵)

瞑想の力で蜂を帰らせる しまねこくん
 ~ネコ君、後ろに蛭が集まってきてる!!(名犬 ぽち)

カツ丼を五月の鷹と食べにゆく 蔭一郎
 ~ああ、これいい。好きです。「目つむりてゐても吾を統ぶ五月の鷹」だったでしょうか。寺山修司を代表する句。(記憶で書いています。誤記はご容赦ください。)ネフローゼに病んだ寺山ではなく、元気なころ。高校生でしょうか。健康な彼と、腹いっぱいカツ丼を食う。(帰ってきた笛地静恵)

いやいやといやの裏がは春惜しむ syusyu
 ~「いやいやと」きれいですねえ。「裏がは」の歴史的仮名遣い。戦前にさかのぼる。赤線か、その前の時代でしょうか。娼婦が、我が世の春を惜しむ。感じたい。しかし、商売の上で、本気のそこまでは。ためらう。けなげ。男は、ほれますよねえ。(帰ってきた笛地静恵)

メーデーの喉に絡まるプラレール 汐田大輝
 ~「メーデーの」うまい。シュプレヒコールに参加したい。しかし、声が出ない。「プラレール」買って欲しい。しかし、親に言えなかった。二つの状況が、自然に対比。(帰ってきた笛地静恵)

甘いのに酸っぱくって切ないのそれが恋愛なんだそうです れいすいき
 ~「甘いのに酸っぱくって切ないの」では当たり前なのでもっと言葉を飛ばしてもいいのでは。(月波与生)

ぶらじゃーのなかでぢっとまつばくだん かれん
 ~オールひらがなの句。面白いと思うが「ぶらじゃー」で得をしてるかも。おっぱい系の句に男が選が甘くなることに名前を付けてほしいものだ。(月波与生)

不全感  耐えられなくて追いすがるきみの気配にアイネクライネ  水の眠り
 ~面白いとは思うのだけど「耐えられなくて追いすがる」が説明。せっかくなんでアイネクライネを予感させる言葉にしてみては。(月波与生)

感覚に白鳥がいて血を流す やは
 ~川柳としての立たせ方が「新しいな」と思う。いろいろ言う人もいるだろうがこのまま前進していってほしい。(月波与生)

ほろ酔いを買いすぎ独り全て飲む カゲキ・ちゃけぞう
 ~今はいいけど 起きて後悔(呉石鍵盤堂)

7番が会社の規定なんだけどちと明る過ぎ?かえってストレス 古城エッ
 ~番号あるのか?知らへんわぁ。そーなんですね。あんまり明る過ぎるのは、ダメという事か(STOP60(スー))

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◆ 第167回句会報ダウンロードはこちらから

第167回句会報(PDF)

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