さみしい夜の句会報 第163号を発行しました

さみしい夜の句会
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                     UnsplashChris Barbalisが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第163号(2024.3.31-2024.4.7)

第163回の参加者58名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

今月22日に開催する#さみしい夜の句会リアル句会である『春風句会』の投句をお待ちしております。課題は「春風」(月波与生・真島久美子共選)です。Xより #春風句会 を付けておひとりさま1句だけご投句ください。お待ちしております。

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◆ 参加者(58名)

小沢史、宮坂変哲、しまねこくん、星野響、エミリー・メープル・ボーン、syusyu、花野玖、クイスケ、水の眠り、石原とつき、朝森たけ、海馬、おかもとかも、帰ってきた笛地静恵、西沢葉火、唯有、輪井ゆう、何となく短歌、汐田大輝、石川聡、りゅうせん、夜鳥、佐竹紫円、岡村知昭、池田 突波、西脇祥貴、片羽 雲雀、陰一郎、古城エッ、みさきゆう、いずみ、かれん、涼閑、souko守宮、ユウ、しろとも、もゆら、月立耀、温(ハル)、れいすいき、山羊の頭、こばやし南子、紗千子、下野(したの)みかも、かきもち もちり、ホンダ ユウキ、syusyu、きのきよせ、くろさわたお、Tomoko、雷(らい)、亀野歩、霧雨魔理沙、まつりぺきん、日下 一行、チャコまん、夜月雨、月波与生

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◆ 川柳・俳句

メンタームすっと帽子だけが残る 陰一郎

萎んでもきっとセ・シボン 西沢葉火

ウミウシの未来を語る主要五紙 汐田大輝

不適切発言にも保土ヶ谷があるな 帰ってきた笛地静恵

性別に強いて足すなら蛍烏賊 しまねこくん

転がして行けば四月と分からない しまねこくん

ページからページへ臍を曲げてゆく 海馬

恥部という恥部をめぐって囀って 海馬

瘡蓋がはがれて木曜のカラス いずみ

十五歳ごっこに飽きぬ五十歳 岡村知昭

春の池の澄んだ遺体もすこし浮く 石川聡

螺子をただ巻かれるままのヒアシンス 星野響

川柳を分からなくても詠むサロメ エミリー・メープル・ボーン

果てしないエンバーミングわらべうた かきもちもちり

   *

夕桜姉がしずんだ沼覗く 小沢史

母生きて花衣てふ言葉なし syusyu

満開の枝たわますや恋雀 花野玖

犬の肉を犬に食わせるかサロメ クイスケ

こうみえて悩みのタネでもあるんです おかもとかも

春も簡略化花のスタンプ押す 輪井ゆう

コストコへ銀河訛りを聞きにいく りゅうせん

若鮎や禁じられたる掟あり 夜鳥

初蝶に染め上げられてゆく風よ 佐竹紫円

見覚えのある花衣が震えている 池田突破

無理数を胃に詰めて中島みゆき 西脇祥貴

花衣纏えど君は上の空 片羽雲雀

屋根の色とVIOを数値化 かれん

息細く矢として言葉放つ夜 涼閑

葡萄酒の似合う死人になるつもり souko守宮

宵の雨 私も桜もチル時間 ユウ

キラキラとしてないほうが表です しろとも

いいねとか条件反射の朧月 こばやし南子

愛してよポテトのLに似てるでしょ 下野みかも

味のない綿あめに屠る処女性 紗千子

女たち あらゆる分野 優遇や ホンダユウキ

四月馬鹿ほんとに猫を拾つてた きのきよせ

急に来て 嵐のようにすんでいる くろさわたお

白ワイン最後のめんべい八重桜 Tomoko

報告があるにはあって万愚節 雷

春霞見通しなきまま新年度 亀野歩

最近は 女が男 襲う報 霧雨魔理沙

あたたかい潮の流れに掛ける鍵 まつりぺきん

   *

性徴期続くケアレスミス続く  月波与生

忘れ物見つかる初めての場所で 月波与生

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◆ 短歌

真昼間のあたたかい風となり花の開花を早めてみよう  水の眠り

恋愛がわからないと打ち込んで出てきた答えに救われました れいすいき

わがままを言わせてもらう君よりも一秒後に僕は死にたい みさきゆう

   *

死のうと思ったことなどないが死なせてくれと泣いた夜 宮坂変哲

悪夢くずれは尾ひれはひれは極私的りっしんべんで 石原とつき

誰か居てほしいあまりに喘鳴を主ある声と聞き間違える 唯有

すこしずつ道に落としたビスケット帰れないとは知らない僕ら 何となく短歌

留め置いた心を開放していくと群れないことで守られていた 古城エッ

なんだって聞こえないふりほんとはねわかっているよ伝えたい匂い もゆら

ちょうどいい雨の日だからバレないね蛙になって存分泣こう 温

妄想の親友がもう心地よく大きな期待進化を遂げる 山羊の頭

ふざけんなやわくからめし右手から煙のようにほどけゆく月 日下 一行

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◆ 詩・短文

掲載する作品はありません。

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◆ 作品評から

転がして行けば四月と分からない しまねこくん

 ~でも四月は四角でガタガタ音がするかも?(チャコまん)

恥部という恥部をめぐって囀って 海馬
 ~性愛の肉のからみ。あそこも、あそこも。男と女の汗と液の流れる肉弾戦。あの声の淫らさ。すべてを、結句の「囀って」が浄化する。二羽の小鳥の鳴き交わす、美しい歌にすぎない。鳥が飛び去った後には、無があるばかり。海馬さん、好調ですね。(帰ってきた笛地静恵)

性徴期続くケアレスミス続く  月波与生
 ~うまいなあ。からだに、心の成長が、追い付かない。自分が、何をしているのかも、わからない。ミスも多い。思春期の息子や娘を持つ、親の気持ちでしょうか。一句で表現しました。川柳が、ただちに金言や名言であるはずはありませんが、親さんに覚えておいてほしい句です。(帰ってきた笛地静恵)

忘れ物見つかる初めての場所で 月波与生
 ~ああ、わかります。何で、こんなところに、これを置いたのか。この前、リモコンが、洗濯物の上にありました。老いというのは、わびしいものですが、この句は、それを面白い経験として、笑いに変えてくれています。いい句ですねえ。二句と結句の句跨り。「初めて」「の場所で」が効果的。驚きを表現。(帰ってきた笛地静恵)

ページからページへ臍を曲げてゆく 海馬
 ~ああ、わかります。せっかく買ったのに、読んでいくことで、頭にくる度合いが増す本。小生もブックオフの百円の棚で買った、ある時代小説。なんだ、これは!こんなのありえないぞ!!江戸時代だぞ!!!現代小説で、書けばいいだろが!!!!途中で、放り投げました。(帰ってきた笛地静恵)

春風は薄っすら消える住所録 雷
 ~今日郵便物が返送されて来た。アパート名が書いてないので届かなかったらしい。何度かやりとりしている人だったのでいつもと違う人が配達したのだろう。春はそういう季節。(月波与生)

学年が一つ違へば海女と貝 しまねこくん
 ~「海女と貝」ってにっかつロマンポルノのタイトルのような懐かしさ。「学年が一つ違へば」さん付けになる、というのも懐かしい。(月波与生)

いろいろとあって竜宮取り壊し りゅうせん
スラッシュは豚の心臓弁だから りゅうせん
 ~こちらの2句も面白い。「いろいろと」はちょっともったいないかな。モヤッとさせないで具象を書いたほうが良かった。スラッシュ句は文句なし。(月波与生)

偽博士の蜜あふれ出すマンドリン 汐田大輝
逆さまの戦車になっていくチューバ 汐田大輝
 ~2句とも素晴らしい!としか言えない。汐田大輝の世界がだんだん構築されている予感。(月波与生)

真夜中の「嗚呼ー」の返事「いいー」と来 あいつはちゃんと親友なんだ 水の眠り
 ~「あいつはちゃんと親友なんだ」といわれると親友のいない自分は意味もわからずヘナヘナになってしまう。(月波与生)

図書館のサロメ全集を並び替え クイスケ
サロメ初戸山公園飲みでキス エミリー・メープル・ボーン
 ~戸山公園に爽やかな風が吹いて秀逸。中八の句がそんなに憎いわけでもないが直せるのであれば直して提出を。(月波与生)

果てしないエンバーミングわらべうた かきもちもちり
 ~拝見して以来、ずっと景や感覚を想像して頭の中をグルグルしてます…好きです…!。あ、これは下の句なしの川柳が良いと思います…少なくとも私はそちらを押します…!!ひらがなの「わらべうた」でぶつ切りされた感じがすごく想像を掻き立てるし、良い意味で後味が悪いんですよね。そういうのが大好きでして…。また、がありましたら楽しみにしてます。(夜月雨)

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◆ 第163回句会報ダウンロードはこちらから

第163回句会報(PDF)

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