さみしい夜の句会報 第165号&第166号を発行しました

さみしい夜の句会
スポンサーリンク

                      UnsplashMélanie THESEが撮影した写真

スポンサーリンク

さみしい夜の句会報 第165号&166号(2024.4.14-2024.4.28)

第165回&第166回の参加者65名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

先日行われた「卑弥呼の里川柳大会」は参加者約140名ながら10代~90代までのすべての年代が参加するという珍しい川柳大会となりました。老人に若者の川柳はわからない(その逆の然り)と言われるが、今大会の各選者の選による上位句を並べると、とても興味深い結果が見えてくる。このような全世代参加型川柳大会が今後も増えることを期待します。

スポンサーリンク

◆ 参加者(65名)

しまねこくん、何となく短歌、菊池洋勝、帰ってきた笛地静恵、syusyu、上崎、うつわ、西脇祥貴、クイスケ、石原とつき、西沢葉火、花野玖、おかもとかも、宮坂変哲、輪井ゆう、水の眠り、かれん、もりや、crazy lover、池田 突波、蔭一郎、雷(らい)、汐田大輝、佐竹紫円、海馬、エミリー・メープル・ボーン、しろとも、小沢史、古城エッ、紗千子、半岬チロ、太代祐一、くろさわたお、花野玖、靈夢、はゆき咲くら、片羽 雲雀、涼閑、Tomoko、鵠、さー、れいすいき、岡村知昭、雪夜彗星、まつりぺきん、石川聡、桂月、ひうま、星野響、りゅうせん、天やん、えみ、やは、souko守宮、東こころ、凪ちひろ、電車侍、かきもちもちり、名犬ぽち、やぶ、森砂季、ろうる(楼瑠)、坊 真由美、月波与生

スポンサーリンク

◆ 川柳・俳句

詐称した袖の長さが死因です かきもちもちり 

感覚に白鳥がいて血を流す やは

枯れた月我が子のような裸体のみ やは

口下手な弁証法が美しい 汐田大輝

ヘーゲルがみだらな鳥になっていく 汐田大輝

ツツジツツジコンビニごはんでもいいよ さー

ぶらじゃーのなかでぢっとまつばくだん かれん

木蓮の浮遊力には蓋をせよ かれん

確認をする指先に止まる蝶 しまねこくん

遠足に行つて帰つて来ない父 しまねこくん

逃げ切つたお水はお湯になるのかな しまねこくん

泣き顔のゾンビを買いに横浜へ 岡村知昭

おとといの震度を知っている牡丹 岡村知昭

春暁や夢精の思ひ当る夢 菊池洋勝

シベリウス的な女体の雄大を 帰ってきた笛地静恵

校庭の水たまりから潜望鏡 帰ってきた笛地静恵

首吊りの紐が空から垂れている 帰ってきた笛地静恵 

摩周湖で円周率がもめていた りゅうせん

海市へと時計の数字逃げてゆく 星野響

休日を全部のっけてるラーメン 石川聡

青春のアルゴリズムや片思い 宮坂変哲

ツッコミや空手チョップやあらへんで宮坂変哲

折り紙に書いたはじめのラブレター さー

出さない手紙に本気のわたくし 石原とつき

とぅるとぅるのトーストなんてはれんちな 太代祐一

それぞれの死角で回る観覧車 雷

泣き顔の虎に意見を求められ くろさわたお

ひとりでもまっすぐに咲いた捩花 輪井ゆう

うちは全員理事国だから おかもとかも

ひとが死ぬ階段果てて桜餅 上崎

踊り場はやがて百年先の庭 上崎

そんなこと聞いておりませぬ地鎮祭 もりや

かがり火を焚くサラリーマンら 鵠

   *

草餅や焼いてもてなす不倫宿 syusyu

土恋し土蹴るきみのふくらはぎ syusyu

純吟に炙り小いわし二合半 うつわ

街灯にあやされる中島みゆき 西脇祥貴

さっくりと人混みを混ぜるサロメ クイスケ

あの人がんの人になる 西沢葉火

彼の人の墓を仰ぎて藤の花 花野玖

事故物件かも知れぬ巣箱かかる 池田 突波

逃水のブレーキ痕は虹の色 蔭一郎

白蝶は生きよ生きよと舞ひにけり 佐竹紫円

手ぶらで金曜日から金曜日までを 海馬

唇の紅サロメから額キス エミリー・メープル・ボーン

からかえば口尖らせる頬刺かな しろとも

茹であがる膵臓恥骨半月板 小沢史

霧雨に障子を破るユーフォリア 紗千子

足下に私が殺した花吹雪 半岬チロ

雨男から晴れ女への旅路 エミリー・メープル・ボーン

信長も 自ら滅び 招き死す 靈夢

パラライズ今夜ハ雨ノ満月デスシネ 片羽雲雀

北十字祈りの声のする夜更け 涼閑

手の中でポロポロ折れるピラカンサ Tomoko

エドモンド・ハレーと言って黙らせる まつりぺきん

会えぬ日の首滑らす指カサブランカ ひうま

行く春やカーラジオに流るる青春 天やん

白湯はもうただの水には戻れません えみ

呼び鈴を押すほど首が伸びてゆく souko守宮

煙草吸う天使と眺めている桜 東こころ

三日月や 地上はすでに 散り桜 電車侍

   *

口笛で誰も知らない音を出す  月波与生

スポンサーリンク

◆ 短歌

不全感  耐えられなくて追いすがるきみの気配にアイネクライネ  水の眠り

ひなげしの野原にすわった写真だけクンちゃんはただこちらを向いて 水の眠り

甘いのに酸っぱくって切ないのそれが恋愛なんだそうです れいすいき

   *

生きてると選択ばかり迫られる思惑の渦決意揺らいで 何となく短歌

かごめかごめ クラスメイトというだけで甘えてた過去を引きずるいまも 古城エッ

いまココが中身のすべて手にいれたかいがあるからプライスレス はゆき咲くら

日永には名残惜しけり夜の闇天の川渡る飛行機の名付け親 雪夜彗星

明日帰る人のために買ういちごとぶどう 桂月

やんなったやんなっちゃったやんなったつぎはぎだらけあしたもおなじ 凪ちひろ

スポンサーリンク

◆ 詩・短文

もうおやめなさい
誰もしあわせになれない
楽しくもなく
美しくない
争いの世界
自らを貶め
つまらなくさびしい
おのれの世界
望むのは現実か
妄想虚構か
決めるのはあなた
もうすぐ夜は明ける(crazy lover)

スポンサーリンク

◆ 作品評から

逃げ切つたお水はお湯になるのかな しまねこくん
 ~煮え切らぬお湯がお水になるんじゃね(名犬ぽち)

校庭の水たまりから潜望鏡 帰ってきた笛地静恵
 ~おはようございます。ユンケル校庭液って浮かびました。(やぶ)

首吊りの紐が空から垂れている 帰ってきた笛地静恵 
 ~とても怖い句ですが、うつを経験したのでこの紐に気がついてしまうことが体感的にわかります。晴れていて気持ちの良い天気でも、固く結ばれた紐を見つけてふらふらと近づいてしまう。充分な休息と医者と薬がこの紐に打ち勝てるハサミです。主体もどうかゆっくり休んでほしいなと思います。(森砂季)

草餅や焼いてもてなす不倫宿 syusyu
 ~味と笑いのある川柳。昔の農家を改造した一軒家。生垣で外からは見えない。和服で盛装した女将が出迎える。もてなしは、地元の草で作った餅。ゆっくりと火鉢で焼く。それを見ている二人。いい匂いだ。ありがたいが、早く二人になりたい。カップル(死語か)の表情が、見えます。(帰ってきた笛地静恵)

ひなげしの野原にすわった写真だけクンちゃんはただこちらを向いて 水の眠り
 ~誰の心の中にもクンちゃんはいますよね。今頃、どうしてるんでしょうね…同じように思い出してくれてたりするのかもなぁ。(ろうる(楼瑠))
 ~あー切ない。最初、背景を読むまえは、亡くしたワンちゃんかなと思いました。そうでなくても、切なくてすてきな物語が見えてくる歌ですね。おめでとうございます。(坊 真由美)

かごめかごめ クラスメイトというだけで甘えてた過去を引きずるいまも 古城エッ
 ~このうた、好きです。記憶のなかの学校って、大人になると良くも悪くも「……あー……」ってなる。その瞬間の切り取りが……(森内詩紋)

確認をする指先に止まる蝶 しまねこくん
 ~初見は「を」と「に」にひっかかりが気になったのですが、「確認」に「止まる蝶」の句なので、ひっかからなくちゃいけないのですね。そうして心にも。(花野玖)

かがり火を焚くサラリーマンら 鵠
 ~大地震か。帰宅困難者。しかし、彼らは負けていない。どこかから見つけてきた、空き缶と薪。電気のない闇の底。篝火を焚く。単なる焚き火ではない。被害者たちに見つけてもらいたいから。大災害との戦いの準備だ。今の時期に適した励ましの句。(帰ってきた笛地静恵)

幽霊とハーゲンダッツ食べる夜意外に朝も好きなんだって ヴたこ だょ
 ~「意外に朝も好きなんだって」に現実感がある。もう知り合いは天国にしかいないという高齢者は多い。(月波与生)

進化論はなかなか鈍器たり得ない不惑 石原とつき
 ~〈進化論不惑になりにくい鈍器〉とやれば句意を残したまま17音字に収まりリズムも出るがどうか。(月波与生)

パートナー欲しいですって繰り返す私に助演女優賞くれ れいすいき
 ~映画「グッバイガール」を思い出したが調べたらマーシャ・メイソンは助演女優賞を受賞していませんでした。でもいい作品。 (月波与生)

春の嵐山光三郎の道 帰ってきた笛地静恵
 ~嵐山光三郎は懐かしい。というか『宝島』とか『ビックリハウス』とか、あの軽薄さだけ戻ってきてほしい。(月波与生)

性別は今川焼と書いておく 小沢史
 ~今川焼、地域によって呼び名が違いますね。わたしの住む地域ではおやきとか浅草焼きとか呼びます。「あのおやつ」自体の名前はなんだって、「あのおやつ」ねと分かります。性別だってグラデーションですからそれでよいのです。それに、皮の部分はみんなおんなじように見えて中身はあんこ、クリーム、豆乳にうぐいす…もうなんだってありなんです。人々に親しまれたおやつのようにやさしくまあるいこころを持ちたいものです。(かれん)

職業に「無し」と書くたび背中から刺されるようで「フリー」と書いた  水の眠り
 ~サラリーマンを定年退職してから「自営」だったり「アルバイト」だったり「無職」だったりを気分によって使い分けている。(月波与生)

野良チェロが帰りの道をついてくる 石畑由紀子
 ~「野良犬が帰りの道をついてくる」をチェロに代えただけやん簡単やんと思ったあなた、やってみなされ難しいから。川柳が誰にでも書けそうで書けない理由がこれ。(月波与生)

土恋し土蹴るきみのふくらはぎ syusyu
 ~なつかしい。春。土も、空気も、温かい。子どもたちは、なぜか、走りたくなる。友のうしろを、追いかけていく。追いつけない。見えるのは、まだ日に焼けていない白いふくらはぎばかり。坂道を、登っているのだろう。舗装されていない。地面は土なのだ。(帰ってきた笛地静恵)

スポンサーリンク

◆ 第165回句会報ダウンロードはこちらから

第165回&第166回句会報(PDF)

タイトルとURLをコピーしました