#8 ヘレーじいさんのうた ブータン民話

おとなが読む絵本
スポンサーリンク
スポンサーリンク

基本データ

文  肥田美代子
絵  小泉るみ子
出版社 文研出版
発行日 2021年4月 (価格1,430円+税)

スポンサーリンク

こころの豊かさとはなんだろう

ヘレーじいさんが畑を耕していると切り株を見つけます。
切り株を掘り起こすと、おじいさんの顔くらいある大きなトルコ石を出てきました。
「そうだ。こいつを いちばへ うりに いけば おれさまは 大金もちに なれるぞ。」
おじいさんは うれしそうに いちばへ むかいました。

さて

市場へ行く途中、おじいさんはいろいろな人と会い、その都度物々交換をしていきます。
その都度、物の価値は低い物に変わっていきます。
騙されているのではありません。
おじいさんの方から交換を持ちかけ受け取った後は
「おれさまも たいした しょうばいにんに なったもんだ。」
と、満足なのです。

これはお話なので、最後にはほっこりする結末が待っています。
でも、現実はそうではありません。
トルコ石という大金持ちになれるチャンスがありながら
おじいさんは大金持ちどころか小金持ちにすらなれませんでした。
でも、きっと
この結末がなくても、おじいさんはしあわせでした、という終わり方をするでしょう。

本当にそうでしょうか?
こころの豊かさってなんだろう?

この絵本はそういう振り返りができるところによさがあります。

スポンサーリンク

心の豊かさを語る人につけこまれないように

もちろん「ヘレーじいさんのうた」は子どもが対象の絵本ですから、子どもに心の豊さを語るための教材としてはよく出来ています。

しかし本欄は「大人が読む絵本」ですから、額面通りに読んではいけません。

最近新興宗教を装う団体への多額の寄付により家庭崩壊した男性が起こした事件が話題になっています。
この団体への多額の寄付こそ「こころ豊かになるため」のお布施です。
様々な人があなたの心の隙間を狙い「こころを豊かにするため」の方法を知っていると誘います。
どうか誘いには乗らないようにしてください。
こころが貧しいのではないかと悩まないでください。

「こころが豊かではない」と考えて悩む人ほど「こころ豊かな人」なのですから。
いまのままで十分豊かな人なのです。

スポンサーリンク

この本を紹介している記事

文研出版

ブータンの人々を幸せにした民話『ヘレーじいさんのうた』読んでみた。

読書メーター

木かげdeえほん

ブータンに伝わる民話

スポンサーリンク

絵本を読むことの大切さ

「ヘレーじいさんのうた」は民話「わらしべ長者」の逆物語です。
ものの価値が曖昧になっている現代では、
誰もがヘレーじんさんとわらしべ長者の間を行ったり来たりしているのでしょう。
持っているものの価値がはっきりわからないからみんなしあわせな顔ができないのでしょうね。

そして毎日忙しい大人のみなさん
絵本なら数分で読むことができます。
1日の終わり、眠る前の数分間を絵本を読みながら現代を感じてください

1日1冊眠る前に絵本を読み、それが1年続いたら…。
今、想像できる以上に素晴らしい生活を送ることができることでしょう。

絵本を読む生活を始めてみませんか。


タイトルとURLをコピーしました