さみしい夜の句会報 第175号を発行しました

さみしい夜の句会
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                   UnsplashRobert Likovszkiが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第175号(2024.6.23-2024.6.30)

第175回の参加者58名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

怒涛の6月30日締切が終りました。満天の星も初めて川柳誌上大会を開催しましたが、やはり投句者は「より多くの打席に立つ」ことをお薦めします。特に「自分の川柳には個性がないなあ」と感じている人はできるだけ多くの誌上大会に参加してください。1年もやれば何か掴めます。さて7月もいろいろ大会があります。どんどん打席に立ってください。

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◆ 参加者(58名)

しまねこくん、帰ってきた笛地静恵、りゅうせん、何となく短歌、いずみ、涼閑、もん、西脇祥貴、かれん、ユミヨシ、クイスケ、岡村知昭、水の眠り、西沢葉火、花野玖、みさきゆう、ヴたこ だょ、小沢史、汐田大輝、辻恵太、もりや、太代祐一、雷(らい)、宮坂変哲、ひうま、しろとも、まつりぺきん、桑原雑、西沢葉火、蔭一郎、朝森たけ、ハッカ飴、池田 突波、あかるくてまるい、おかもとかも、もゆら、星野響、平松泥沸、上崎、涼、古城エッ、片羽 雲雀、syusyu、深名、souko守宮、城水めぐみ、エミリー・メープル・ボーン、turug、さんそ、みほ、ひらがなのみっきい、月立耀、とるばどーる、名犬 ぽち、STOP60(スー)、たまこ、わちよ、月波与生

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◆ 川柳・俳句

吸血鬼だとわかってもディープキス 岡村知昭

気絶したままのメロンであるまいか しまねこくん

本当に息子なのかいぼうふらかい しまねこくん

広告で見てる限りはサングラス しまねこくん

ふんどしか風鈴なのか際どいな しまねこくん

アイリスやクラスに帰国子女ふたり syusyu

子どもらの質問攻めや雨祝 syusyu

こんな世ならゼリーの中にゐたかつた syusyu

夢界から虫刺されからせめてくる クイスケ

一回も名を呼ばれずにイヌは死ぬ クイスケ

ジャンヌ・ダルクと同じ所に傷がある 城水めぐみ

カフェ・ラテにそそぐ映画の予告編 蔭一郎

泣くふりのふりして涙すぐりの実 花野玖

迂回する地植えの正義/胡瓜/星 上崎

射的屋に心当たりの温泉地 帰ってきた笛地静恵

雨しとしと離婚のきつねしんしんと 帰ってきた笛地静恵

酒屋へと酒びん返し五円也 帰ってきた笛地静恵

昔から飛ぶ気はあるが烏賊のまま 西沢葉火

端数のぼくが素数のきみと虚数のゆめをみる。桑原雑

あの頃を漂白剤に漬けて梅雨 池田突破

何事もなかった側の周波数 雷

睡眠の上を恐竜たちの群れ もん

ビートルズ記念日スルーされ夏に いずみ

ビンディーを長押しすれば出られます りゅうせん

天ぷらが貼りついていた左心房 汐田大輝

   *

花の時満ちて天空星月夜 涼閑

読み解くと陸になる中島みゆき 西脇祥貴

ささくれたラメは光を選ばない かれん

カフェで二人でともだオレ 西沢葉火

ガーゼ剥ぐ痛み凌霄花墜つ 小沢史

見て見ぬふりしたのは貝くん理事長 もりや

あなたにはまだ早かった冷蔵庫 太代祐一

性慾を『下弦の月』は 引き寄せる 靈夢

故郷の役場勤めの元ヤンキー 宮坂変哲

紫の中学校が咲いている まつりぺきん

金魚藻に隠れて交わす秘密事 しろとも

板ガムに話通しておいたから おかもとかも

地獄へと垂れた蜘蛛の糸にビーズ 星野響

眉間町眼精疲労交差点 平松泥沸

ドトールが創価と知って行き難い 涼

はつなつと親は置いてけ歌舞伎町 片羽雲雀

溶接を見て蘇る消えた恋 深名

しゃきしゃきの嘘を上手に挟みこむ souko守宮

   *

後悔はほうれん草の赤である 月波与生

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◆ 短歌

新しい法律上の性別と名が書かれてる新たな旅券

  エミリー・メープル・ボーン

膝がしらころんと二つ落ちていてさみしい夜は抱きしめてみる 水の眠り

ああ君が、君が君がと言う君は私じゃなくて君を愛する ハッカ飴

たまに会う体の液体混ざらせる普段はおはようも交わさないのに ハッカ飴

チャージしたICカードの80円がどこにも行けずに沈殿してる ユミヨシ

目が合った どきどきしちゃって駆け出した あの日の思い出フリーズドライ ユミヨシ

もういいや疲れた死にたい地下鉄のホームに並び会社へ向かう ユミヨシ

忘れたい匂い 雨の日の清潔 包帯として死にたいと打つ みさきゆう

   *

大切な用事を反故にして眠る水無月末日ひとでなしになる 何となく短歌

寝不足で朝方気づく虫刺されあぶらねんどの彼女のマリア ヴたこ だょ

たんぽぽの 種舞うように この悩み息吹くだけで 散れば楽なり 辻恵太

何でもないほんの些細な事柄が心に波を起こす雨の夜 朝森たけ

無理するな心が叫び毛がふわりぽっかり空いてためいきひとつ もゆら

炭酸が何十年も絡みつき近づく者を跳ね除けている 古城エッ

喜ばず悲しまずときに怒らずに笑はずに来ぬ今日日曜日 turug

柄じゃない 分かっていても目にナニカ、溢れてしまう夜もあってな さんそ

思い出が手にこぼれて金平糖少し痛くてとても甘くて みほ

人生はサヨナラだけと言う君へ同じ数だけハジメマシテを ひらがなのみっきい

ちょっとずつすり減っていく石鹸に重ねる我が身涙も出ない 月立耀

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◆ 詩・短文

物語が、きちんと、おしまい、と言って終わるのは、そうしないと物語から現実に帰ってこれなくなる人がいるからなんですよ。(桑原雑)

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◆ 作品評から

繋がった夜もわすれてチロルチョコ 東こころ
 ~いいねぇ。#性愛句集倶楽部 にもらいたいくらい。チロルチョコというチープなチョコが二人の行く末を予感させるが予感が外れるのもまた。(月波与生)

みんなで写真撮ろうよのそのみんなの中にぼくはいなかった もりや
 ~「みんなの中にぼくはいない」ことがネガで捉えるかポジで捉えるか世界は変わる。実はそんなに価値のない「みんな」。(月波与生)

窓あけて夏至とわたしをいれかえる 蔭一郎
 ~夏至と入れ替えにわたしはどこへ行くのか。蔭一郎句はわたしが見えるとクッと立ち上がってくる。(月波与生)

酒屋へと酒びん返し五円也 帰ってきた笛地静恵
 ~懐かしいです(とるばどーる)

窓際のオレはかつては5人抜きマラドーナとはだれもしらない 水の眠り
 ~せつな面白い作品。クレーマー、カスハラの大半がかつてのマラドーナの仕業だとしたらホント切ない。(月波与生)

知事室のどの柱にも藁人形 汐田大輝
 ~時事川柳、サラリーマン川柳、伝統川柳、現代川柳…どれを名乗っても通用する。こういう句を見ると〇〇川柳と差別化していくことの意味を考えてしまう。(月波与生)

ふんどしか風鈴なのか際どいな しまねこくん
 ~先輩!!これはじっさい際どいですね。(名犬 ぽち

炭酸が何十年も絡みつき近づく者を跳ね除けている 古城エッ
 ~エッちゃん、おはようございます 。寂夜句良いですね(STOP60(スー))

目が合った どきどきしちゃって駆け出した あの日の思い出フリーズドライ ユミヨシ
 ~甘酸っぱい(たまこ)

もういいや疲れた死にたい地下鉄のホームに並び会社へ向かう ユミヨシ
 ~昔を思い出すな。そんな遠くない過去。(わちよ)

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◆ 第175回句会報ダウンロードはこちらから

第175回句会報(PDF)

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