基本データ
文 なかがわちひろ
絵 さとうゆうすけ
出版社 BL出版(1,600円+税)
口承文芸とは
口承文芸とは、文字をもって記録された文芸に対して、口から耳へと伝えられてきた文芸をいい、神話、歴史、伝説、諺(ことわざ)、唱え言、童唄(わらべうた)、昔話の類を含む。(日本大百科全書(ニッポニカ)「口承文芸」の解説より)
「ノロウェイの黒牛」は人から人へ、口から口へ伝承されてきたお話です。
なので、語り部によってずいぶんとお話が変わり、魔女が洗濯女だったり、黒牛が赤牛だったりすることがあるそうです。
また、幼い聞き手を飽きさせないように、語り手は様々な工夫をこらし物語を面白く膨らませます。「ノロウェイの黒牛」から他の物語の楽しいエッセンスを感じるのはそのためでしょう。
そうしてむかしばなしは、時を超えこれからも語り継がれていきます。その時代にマッチした工夫をこらしながら。
今回、口承文芸である「ノロウェイの黒牛」が、かたちのある絵本となりました。それも知る機会のすくないスコットランドの昔話です。さとうゆうすけさんの扉絵が「しらない国」へと導きます。
むかしむかし…
身の毛もよだつ怪物とされるノロウェイの黒牛と結婚してもいいというむすめ。
黒牛の背にのり、果てしない旅に出たむすめは
黒牛にかけられた呪いを知り……
(見開き裏面の紹介文より)
この絵本を紹介した記事
いろんな方が書かれていますが、文を担当されたなかがわちひろさんのブログから
なかがわちひろ ときたま日記 わたしの本のこと
などがありますから読書するときの参考にしてください。
絵本を読むことの大切さ
たくさんの国にたくさんのむかし話があります。
なかにはつじつまが合わなかったりご都合主義だったり
子どもに聞かせたくないお話もあるかもしれません。
しかしどんな本を読んでどんな感動をするかは子どもたちの自由です。
じつまが合わない物語も、ご都合主義の物語も子どもたちのもつ想像力で
かけがえのない物語として記憶されていくことでしょう。
そして、毎日忙しい大人のみなさん。絵本なら数分で読むことができます。
1日の終わり、眠る前の数分間を絵本を読みながら絵を感じてください。
1日1冊眠る前に絵本を読み、それが1年続いたら…。
今、想像できる以上に素晴らしい生活を送ることができることでしょう。
絵本を読む生活を始めてみませんか。