さみしい夜の句会報 第177号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第177号(2024.7.7-2024.7.14)

第177回の参者63名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

今週の土曜日(20日)。いよいよ3回目のリアル句会を札幌市にて開催します。事前投句を整理していていい句が多かったので特選句は選者3人バラバラになるでしょう。面白い句会になりそうです。と、いうことで次回の句週報はお休み。8月4日、178&179の合併号として発行します。

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◆ 参加者(63名)

何となく短歌、水の眠り、岡村知昭、石川聡、朝森たけ、胡椒 黒、宮坂変哲、帰ってきた笛地静恵、しまねこくん、しみず わかな、桑原雑、西脇祥貴、THE FULL-SHOW、しろとも、クイスケ、しんいち、星野響、石原とつき、もん、ユミヨシ、西沢葉火、輪井ゆう、あまもり あもり、メタル麺、菊池洋勝、平松泥沸、梓川葉、Nichtraucherchen、くろさわたお、鯖味噌煮、蔭一郎、雷(らい)、汐田大輝、りんか、古城エッ、まつりぺきん、はゆき咲くら、涼閑、ユタカⒷ、無作為、、花野玖、みさきゆう、東こころ、遼旅、西沢葉火、ハッカ飴、syusyu、えみ、カゲキ・ちゃけぞう、もふもふ、souko守宮、うつわ、花野玖、馬勝、月立耀、城水めぐみ、池田 突波、donc@脱原発、とるばどーる、名犬 ぽち、猫又、月波与生

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◆ 川柳・俳句

新築の校舎に百年生きた沙羅 花野玖

らっきょうの残り香のある試着室 蔭一郎

雨を撃つ水鉄砲に雨つめて 蔭一郎

トラップに無数に切れた蛸の足 蔭一郎

炎昼を骨が纏えばひとになる 蔭一郎

めでたしの奥でふおんと笛が鳴る 城水めぐみ

新聞をつのだじろうへ投げ込んで 帰ってきた笛地静恵

あなたのうしろにメリーさんの羊 帰ってきた笛地静恵

葬式がさらに小さく「。」となる 平松泥沸

使い捨てカイロと二度の痴話喧嘩 クイスケ

蜃気楼浮かべ耳からまちづくり クイスケ

ほうじ茶の香り3秒前の駅 もん

ファスナーの先頭車両で祖父を待つ もん

老犬は開かぬドアの前で待つ もん

にんじんは曜日でいえば金曜日 えみ

中居くんが夜空ノムコウに入ってきたそれだけで涙 えみ

蛍烏賊食べられず呼ぶドクターヘリ 菊池洋勝

病気療養責めない自分に変身したくて FULLSHOW 文芸部、

墨田区のあぶくとして暮らす 汐田大輝

ママチャリで薄い氷をゆくスリル 汐田大輝

父さんを辞めて行きたいひとり旅 宮坂変哲

狙撃さる持たないはずの聞く耳を 宮坂変哲

三日月を宿す水曜日の逢瀬 東こころ

その唄はとても潜水艦だった 岡村知昭

マゾヒストなんだね鴉ではなくて 岡村知昭

雨がやんだら涙腺を取る手術 岡村知昭

紫陽花に今日も止まない痛みどめ まつりぺきん

陽性は赤で青なら夏の海 しまねこくん

恋になる前に西瓜を引き上げよ しまねこくん

へん頭痛の栞は宇宙へ散ることば 石川聡

背中から三角形の虹を出す 星野響

導火線の先には一級河川 しろとも

   *

オーロラが死と呼んだ中島みゆき 西脇祥貴、

倒幕を仄めかしつつ遊園地 しんいち

鬼が出る芽かジャガ出るか 西沢葉火

崖っぷち辿り着き見下ろす鏡 輪井ゆう

誰が活けしくたれはてたるゆりの花 Nichtraucherchen

疲れたの詩を歩いてる くろさわたお

だって、あなた私のことあまり好きじゃないでしょう 鯖味噌煮

口つぐむ言わ猿そっと立てる指 涼閑

俯いた視線の先にある土だ 無作為

人ん家の草をむしって肴哉 遼旅

蝮酒のむものまずもねれば明日 syusyu

漏れる漏れる目から尻からなさけなし カゲキ・ちゃけぞう

手も足も出ずに消えゆく蝌蚪の紐 もふもふ

白日の陰で聞こえのいい矛盾 みさきゆう

意外にも蚊には避けられている souko守宮

夏の夜の夢主人戻らぬコースター 池田突破

本物が持てる稼業で水鉄砲 馬勝

   *

うわばみの脱皮モカマタリの匂い 月波与生

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◆ 短歌

ごめん、でも 歪な笑いで誤魔化して生きていくしかない気がしてる 何となく短歌

自転車のかごには君のカバン乗せ二人のかげは夕陽にのびる 水の眠り

取り返しのつかない事になりそうなほんの小さな綻び一つ 朝森タケ

厚切りのポテトチップスによばれてる月曜0時の雷雨烈しく 胡椒 黒

君が全然大丈夫って言うときは大丈夫じゃない、全然 しみずわかな

底抜けの底なし沼の底の音符の透きとおる舌ざわり 石原とつき

からからとまわり続ける扇風機 ノイズが子守唄になる、夏 ユミヨシ

触れたい 雑巾みたいな生き様を晒す額の汗の透明 メタル麺

限られた時間にわたしができること全てをどうかご笑納ください 梓川葉

夜に咲くひまわり畑にひとり待つ明日のひかりに羽を休めて りんか

負荷を超えブラジリアンが効いている心地よく張るハムストリング 古城エッ

一年に一度は毛先を整えてアダムとイブが歯を磨く夏 はゆき咲くら

冷房が寒すぎてこれ人間の矛盾なんだね7月10日 ハッカ飴

僕の手をすり抜けていくアルタイル君は彼女に会えたでしょうか 月立耀

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◆ 詩・短文

句とも詩ともざわめきともつかないものを投稿しても怒られないような場所=タグが存在していることには感謝しかありませんね。どなたかも書いておられたが、大げさに言えば、ここは彷徨っていた魂が静かに救済される場所なのです。(桑原雑)

夕暮れの街を歩く
茜色に染まる空
鳥の囀りが響き
風が頬を撫でていく(あまもり あもり)

ぽつぽつりぽつりぽつぽつぽつぽつぽつぽつ
ざあああああ
夜夜中 慄える雨の沁み込んでゆく躰(ユタカⒷ)


世の中はもはや良くならないのだろうか
マスコミは報道機関としての役割を放棄している
一握りの老人と狂人が支配する世界を
甘受する呆けた我ら (うつわ)

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◆ 作品評から

狙撃さる持たないはずの聞く耳を 宮坂変哲
 ~手厳しい(donc@脱原発)
 ~上手い。(とるばどーる)

崖っぷち辿り着き見下ろす鏡 輪井ゆう
 ~一読。他界に誘われました。(帰ってきた笛地静恵)

ピストルが歯に挟まって話せない もん
 ~ナンセンスが面白い。こういう川柳を取れる選者が増えてほしい。(月波与生)

千年に一度の恋の1日目 くろさわたお 
 ~長い長い千年の恋の一日目。長大な物語が始まる。どんな始まりになるのだろうか。(月波与生)

「人妻です」「セックスレスです」賞味期限切れた食パン撒くような裏垢 ハッカ飴
 ~これは「ような」不要。断定してしまった方が断然いい。(月波与生)

♪ の一音に千の中島みゆき 西脇祥貴
 ~中島みゆきシリーズの中でもこれはわかりやすくていい。この句は中島みゆきも喜ぶんじゃないだろうか。(月波与生)

恋になる前に西瓜を引き上げよ しまねこくん
 ~もう遅いかもよ。(名犬 ぽち)

話し方忘れる前に話して下さい THE FULL-SHOW 
 ~話さないと話し方忘れるし歩かないとちゃんと歩けなくなる。自分を横において「(あなたから)話して下さい」にやさしさを感じた。(月波与生)

ムヒ臭し友の首すじ半夏生 帰ってきた笛地静恵
 ~なんか俳句甲子園っぽいけど作者はもっと年配の男性なので「ムヒ臭し」に哀愁が漂う。おじさんよ、汗臭い日はムヒを塗ろう。(月波与生)

炎昼を骨が纏えばひとになる 蔭一郎
 ~昼の炎える暑さはまさに骨に食い込む。骨喰みの熱気の中を人が歩いている。そのままの叙景だと既視感がでそう。骨が炎熱を纏うことで人に。黒焦げ的な人のシルエット。黒白ハイコントラスト。逆転的表現が熱さのリアリティを加速して凄みがある。(石川聡)

さみしい夜の蛸
と打ち間違えてました。
#さみしい夜の句会
です。すみません。(蔭一郎)
 ~さみしい夜の蛸がさみしすぎていい。「いやタコはないだろ」というツッコミはあるが #さみしい夜の蛸 のタグは今夜もひらひら漂っているかも。(月波与生)

ランドセルあけて散らばる東京都 牛田悠貴
 ~東京都がいいですね。時事的もあってます。「散らばる東京都」は読み手によってさまざまな散らばり方をすろでしょう。それを子供のかばんであるランドセルで回収する。(月波与生)

めでたしの奥でふおんと笛が鳴る 城水めぐみ
 ~ふきょうわおんのふぁんふぁーれ(猫又)

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◆ 第177回句会報ダウンロードはこちらから

第177回句会報(PDF)

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