さみしい夜の句会報 第171号を発行しました

さみしい夜の句会
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                    UnsplashKumiko SHIMIZUが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第171号(2024.5.26-2024.6.2)

第171回の参加者52名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

さみしい夜の句会第三回のリアル句会は7月20日に札幌市にて開催します。事前投句は雑詠3句、選者は落合魯忠さん、真島久美子さん、月波与生です。欠席投句を受け付けていますので遠方の方もご参加ください。詳しくは、ここをクリックしてください。

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◆ 参加者(52名)

参加者:石原とつき、かれん、しまねこくん、みさきゆう、片羽 雲雀、宮坂変哲、胡椒 黒、水の眠り、syusyu、帰ってきた笛地静恵、何となく短歌、佐竹紫円、くろさわたお、西脇祥貴、クイスケ、まつりぺきん、ハッカ飴、おかもとかも、うつわ、りゅうせん、ユミヨシ、西沢葉火、徳道かづみ、汐田大輝、蔭一郎、東こころ、もりや、靈夢、花野玖、みずほ、馬勝、平松泥沸、椎名つの、雷(らい)、crazy love、山羊の頭、池田 突波、石川聡、桑原雑、エミリー・メープル・ボーン、太代祐一、カゲキ・ちゃけぞう、souko守宮、メタル麺、みほ、朝森たけ、たっかん、名犬ぽち、alcoholic猫、マグロ、川合大祐、月波与生

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◆ 川柳・俳句

半ズボンみぎへ曲がればみぎ曲がる syusyu

たれも坐らぬ席にひと鉢ひやし麥 syusyu

空気食べつづけて満腹の空気 蔭一郎

5週目の由来 全てに抗えよ クイスケ

キスせがむソーダ水の音耳元へ クイスケ

ソムリエの触れた時空が歪み出す 汐田大輝

禁断の匂いを嗅いだ犬時間 汐田大輝

尼寺で消える魔球を投げていた 汐田大輝

鼻唄を歌えどヨハン・シュトラウス 宮坂変哲

流血のすきまにとてもつめたい川 椎名つの

百年後火星を歩むメカ芭蕉 平松泥沸

僕たちはカインとアベル天瓜粉 馬勝

堕天使は耳の後ろを洗わない りゅうせん

覆面をして変わらない蝸牛 しまねこくん

生きてゐる限り蛍は虫の息 しまねこくん

逃走の前に四時間ほど遊ぶ souko守宮

とりどりの彫刻刀で掘った波 まつりぺきん

   *

わたしからあふれるまでのさとう水 かれん

ヒマラヤンレイピストに死 片羽雲雀

冥界の風引き連れて揚羽蝶 佐竹紫円

仕方なく結界を買うコンビニで くろさわたお

有限悟性車青く塗る中島みゆき 西脇祥貴

狼煙(有料会員限定) おかもとかも

頭蓋骨を圧迫するものは誰 うつわ

親もコモドもドラえごん 西沢葉火

餅焦げるあなたわたしが嫌いだね 徳道かづみ

急転の直下まで大阪地下街 帰ってきた笛地静恵

義理で買うチケット夜を終わらせて 東こころ

今日は加賀 百萬石の「お水取り」 靈夢

走馬灯横顔ばかり生き生きと 花野玖

水になる記憶と知ってからの今 雷

気紛れに文書く夜の蝸牛 池田突破

行く春や行かぬ花だけ置き去りに 桑原雑

中八できぬって個性 エミリー・メープル・ボーン

どうせならドリンクバーで失恋を 太代祐一

雨垂れに呼ばれて濡れる夜の床 カゲキ・ちゃけぞう

止んで田吾作寿司のメダカ元気 石川聡

はじまりは真夏の夜の三十度 みほ

   *

関係者各位テーマソングを変えました 月波与生

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◆ 短歌

好きだった私の一部薄皮と一緒にアセトンで剥げばもうゴミ ハッカ飴

ダンゴムシ育てる子供を育ててる食物連鎖を逆向きで行く ハッカ飴

お土産に浮かれたタンブラーもらう 仲はいいです 仲はいいけど 胡椒 黒

切り株?と尋ねたくなる髪型の、そうその人です僕の恋人 胡椒 黒

アカウント生きてるだけで七つある七面性を探されぬため 胡椒 黒

ラブホテル 人工甘味料の中二人ぼっちでたしかめあえば水の眠り

プールには水が張られて乱反射 万華鏡めく夏の眩暈の 水の眠り

あやざやかに手裏剣のように届けたい不器用なぼくの恋しい心を 水の眠り

炭酸をグラスに注ぐとうるさいと言ったあなたの寝言は可愛い ユミヨシ

ふたりいて他にすることないでしょと体温だけが本物だった ユミヨシ

サブリミナル効果じゃけど、羊羹あるで「岡山のことわざ」 より 石原とつき

寸前なエル・カネックをして大盛りな焼きそばパン応用 石原とつき

   *

真四角の折りを出されて開かずに受け取ることはできないのです みさきゆう

夜明け 君に会えぬ日がかさっと増える曇りの空の 何となく短歌

三玉二百円具のないラーメン市長なんか要らない もりや

追い縋った夢の舳先で潮騒の反射を沈める昏い結膜 みずほ

不満やらさみしいとかさ嬉しいもいくつになってもいつでもおいで crazy lover

初給料君には君の道がある余すことなく使い尽くせよ 山羊の頭

平日に流し込まれるレイトショーは常温水 今日は何曜 メタル麺

知らぬ間に指を差されて嗤われて気付かないのは幸せですか 朝森たけ

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◆ 詩・短文

投稿作品はありませんでした。

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◆ 作品評から

あやざやかに手裏剣のように届けたい不器用なぼくの恋しい心を 水の眠り
 ~愛しいじゃなくて恋しいってのが不器用なぼくをより近く感じました(たっかん)

とりどりの彫刻刀で掘った波 まつりぺきん
 ~「とりどり」は彫刻刀に掛かっていると最初は思いましたが、波にも掛かっていると読むこともできますね。刻むものと刻まれるもの。凸と凹のどちらもとりどりであること。あと、とりどりという言葉から、「色」という言葉が勝手に頭の中から引き出されて、波打ち際の色の濃淡も喚起されました。(平松泥沸)

たれも坐らぬ席にひと鉢ひやし麥 syusyu
 ~「無人の席」と言えばよい所を、初句七音のあえてのだめおし。「ひと鉢」と断り、見せるところ。カメラがズームで寄っていく感覚。否応なく見せられてしまう。「たれも」と「ひやし」のひらがなの呼応。短い字数だからこそ可能な技。川柳の怪談。(帰ってきた笛地静恵)

カラコンのドットがばれそうよそ事を考えているせっかくのキス 胡椒 黒
 ~事、考、もかなにしてカタカナとひらがなだけがいいかも。カラコンからの始まりが面白い。(月波与生)

生足の裏へ平らなニューヨーク 帰ってきた笛地静恵
 ~足の裏は川柳によく使われるパーツなので常套句多数なのだけど「平らなニューヨーク」とはよく飛ばしました。意味は知らんけど。(月波与生)

生きてゐる限り蛍は虫の息 しまねこくん
 ~虫だからね。不可抗力な部分もある。(名犬ぽち)

炭酸をグラスに注ぐとうるさいと言ったあなたの寝言は可愛い ユミヨシ
 ~コレスキ(alcoholic猫)

ふたりいて他にすることないでしょと体温だけが本物だった ユミヨシ
 ~好き。(マグロ)

伸び切つてからがパンティー黒揚羽 しまねこくん
 ~「家に帰るまでが遠足」みたいな文ですが何言ってるんでしょうね。黒揚羽がいいです。(月波与生)

寸前なエル・カネックをして大盛りな焼きそばパン応用 石原とつ
 ~カツサンド武器よさらばのらば歪む(川合大祐)

失恋を言葉にすると「この道を2度と運転しないということ」 ハッカ飴
 ~現実としてもう二度と歩かないであろう道って無数に存在しています。歩かないと思っていた道を数十年ぶりに歩いた時の怖さ。「鍵」(筒井康隆)を思い出します。(月波与生)

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◆ 第171回句会報ダウンロードはこちらから

第171回句会報(PDF)

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