さみしい夜の句会報 第168号を発行しました

さみしい夜の句会
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                     UnsplashGlen Carrieが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第168号(2024.5.5-2024.5.12)

第168回の参加者51名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

ネットの川柳ばかり読んでいるとネット川柳が川柳のすべてだと錯覚することがあります。が、川柳はもっと間口が広い器でもっといろいろな楽しみ方ができます。これは他の短詩であっても同様でしょう。であればTLから流れてくるものにあまり翻弄されないようにして、マイペースで作品を書き続けてほしい(継続してほしい)と思うわけです。

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◆ 参加者(51名)

輪井ゆう、水の眠り、しまねこくん、宮坂変哲、蔭一郎、星野響、徳道かづみ、帰ってきた笛地静恵、くろさわたお、かれん、こう、syusyu、西脇祥貴、クイスケ、おかもとかも、平松泥沸、まつりぺきん、何となく短歌、片羽 雲雀、西沢葉火、りゅうせん、ハッカ飴、みさきゆう、もりや、柊琴乃(あさがお)、霜の花、青アツト、小沢史、菊池洋勝、ダリア220、しろとも、岡村知昭、石原とつき、古城エッ、花野玖、黒木九、くろさわたお、朝森たけ、みずほ、エミリー・メープル・ボーン、うたたね凛、うつわ、靈夢、れいすいき、いずみ、もふもふ、汐田大輝、頂き菩薩23ちゃん、うめパパ、、静句でもいいかも、月波与生

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◆ 川柳・俳句

地下駅の卵管抜けて立夏の空 池田 突波

春の昼ホラー映画を少しだけ 汐田大輝

春の夜のポ音が水に溶けていく 汐田大輝

早くザビエルになりたい もう夏 汐田大輝

夜明け前の知事室で蟹歩き 汐田大輝

瞽女歌が吹き出しているマンホール 汐田大輝

甘糟の生まれ変わりの毒蛾です 汐田大輝

いい人とブリュレ決定的違い いずみ

川底に似た葉桜の肌触り 蔭一郎

恋なのか五月九日から木の香 蔭一郎

仏壇と半チャーハンを分けて食う 蔭一郎

芍薬の痒みに進む腕時計 蔭一郎

俯瞰またパンツに骨から納めてる おかもとかも

食べるなといったのにデビッドボウイ 黒木九

極細のてんとう虫による刺殺 岡村知昭

結婚を前提としたどつきあい 帰ってきた笛地静恵

フランスに行けば毛虫もフランス語 しまねこくん

渡す手を離れるまではカーネーション しまねこくん

撫で肩のスタン・ハンセン夏来たる 宮坂変哲

滝行がサプリになってつまらない りゅうせん

涙目に鶴を見つける 西沢葉火

   *

彷徨ってどんどん暗い迂回路へ 輪井ゆう

頁繰るほどに黝む指と薔薇 星野響

死にたいと息するように言う男 徳道かづみ

マンションでっかい渦に飲み込まれ くろさわたお

茶封筒は過ぎてオーロラは消えて かれん

カーネーションもらふことないみち歩み syusyu

だまし絵の幻想青い夜明け前 涼閑

菩薩 旗 ジオラマ 日 中島みゆき 西脇祥貴

サロメからレース越しに産まれる大火 クイスケ

蛍死ぬ充電はまた間に合わず 平松泥沸

出がらしな人たちだけを載せた船 まつりぺきん

放たれたひつじの躑躅を追いかけて 片羽雲雀

愉しいとばかり思っていた週末論 もりや

「元気?」まで打ち込んで消す夏の宵 柊琴乃

逃げ水が流れこむのは父の沼 小沢史

新駅のロータリーかな燕来る 菊池洋勝

またシたい卯月曇の安ホテル ダリア220

蝿取りリボンに昨夜の夢の跡 しろとも

月なき夜肩寄せ合うて巣立鳥 花野玖

十二音(じゅにーく)というキラキラ名 エミリー・メープル・ボーン

カナブン食い逃げしていつもの朝 うたたね凛

号泣は日にち薬の効き始め うつわ

高速の時速零キロ立夏過ぐ もふもふ

地下駅の卵管抜けて立夏の空 池田 突波

ポイントを貯めて払ったかけうどん 頂き菩薩23ちゃん

子どもの日柱の傷で値が下がる うめパパ

   *

キリストを探す顔認証の森 月波与生

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◆ 短歌

書店には幸せになれる本ならび  答えはそこにないと知ってる 水の眠り

外食で一人焼肉できたときどこでも生きていける気がした 水の眠り

耳もとでほしいと言えば栗の花  香るあなたは手をはわせてる 水の眠り

一本の花の一生だと思う同じ話を繰り返す祖母 ハッカ飴

エニタイム仕事しなくちゃ症候群食べ終わったら続きをやろう 何となく短歌

星をあきらめながら棲むこの部屋に欠片を吊るさないでおくれよ みずほ

   *

せぼねこしふしぶしぜんぶいたいのがつらいこのかわりならいいのに みさきゆう

トーストに ピーナツバターを ざりざりと塗りつつ君を 思い出す春 霜の花

着信音好きな子からと胸高鳴り公式ライン恨む午前2時 青アツト

おどろおどろしいテクニックを超合金ロボな沈むべし 石原とつき

音信が途絶えた日から強くなる無機質という浮遊の安堵 古城エッ

幼少の貧しい記憶打ち消して新築の家高い車よ 朝森たけ

『寂しい』と 言いつつライン 有ると厭 我儘過ぎる 自分が嫌い 靈夢

気がつけば積もり積もって7連勤連休お前はもう死んでいる れいすいき

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◆ 詩・短文

Bye-Bye-Handの方程式
#待ってくれないわ のうた
   いまだけ許して
待ってくれない (涙くらい) わ (こう)

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◆ 作品評から

芍薬の痒みに進む腕時計 蔭一郎
 ~芍薬の季節。予想外に温かい。ちょっと戸外で動いた。時計のバンドの下にまで、汗をかいた。指先を入れて、かいた。そのせいか。ちょっと進んでいる。そうそう、デジタルではなくて、アナログの時代の腕時計。進んだり遅れたりしていました。時報で合わせて。(帰ってきた笛地静恵)

母の日の古傷に塗るマーガリン 汐田大輝
 ~すべての男は女から生まれるので母のいない男はいない。傷の癒えないマーガリンを塗るという行為が疎外を感じさせる。 (月波与生)

仏壇と半チャーハンを分けて食う 蔭一郎
 ~沁みます。高齢の男性の単身世帯。近所の食堂が、今でも配達をしてくれる。助かる。ラーメンはかろうじて食ったが、半チャーハンは、妻と二人で分け合う。仏壇にあげる。母の日だ。子どもたちも、家を出た。めったに帰らない。日本の今日の風景。鋭く切り取る。(帰ってきた笛地静恵)

外食で一人焼肉できたときどこでも生きていける気がした 水の眠り
 ~わかります。一見で居酒屋お一人様カウンター席で「とりあえず生」でも生きてます。(静句かも)

初恋は初恋鍋にして食べた苦かったからちょこっと泣いた 天乃ふみ
 ~「初恋鍋」がいい。ぐちゃぐちゃで苦いだろう、ちょこっと泣くだろうと思う。(月波与生)

窓にまだ四月の拭き跡が残る 蔭一郎
カツ丼を五月の鷹と食べにゆく 蔭一郎
 ~こだわって日まで入れてみても面白いのでは。

一億分の一でばったり出くわして久しぶりって微笑ませてよ 何となく短歌
 ~「一億分の一」とは?日本の人口か、はたまた1回で射精した精子の数か。最近ばったり久しぶりしてないなーと思っている一億分の一の人。(月波与生)

黙るのなかに犬もだまって 石畑由紀子
 ~衝撃的。自分では作れないがこういうのを読むと14字川柳の可能性を感じる。(月波与生)

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◆ 第168回句会報ダウンロードはこちらから

第168回句会報(PDF)

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