さみしい夜の句会報 第158号(2024.2.25-2024.3.3)
第158回の参加者は51名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
句会報ですが、3月9日は「らくだ忌第3回川柳大会」参加のため京都へ行きます。そのため11日発行予定の159号はお休みして18日に160号との合併号として発行します。ご了承願います。また大会に参加される方、どなたとも初対面と思いますがお気軽にお声がけください。京都は「ふらすこてん句会」以来の訪問になります。
◆ 参加者(51名)
かれん、涼閑、しまねこくん、夜鳥、紗千子、syusyu、ちゃんみーぃ、クイスケ、西脇祥貴、石原とつき、おかもとかも、水の眠り、西沢葉火、上崎、菊池洋勝、海馬、古城エッ、うつわ、円山すばる、池田 突波、しろとも、蔭一郎、さー、りゅうせん、朝森たけ、靈夢、鴨川ねぎ、souko守宮、温(ハル)、エミリー・メープル・ボーン、まつりぺきん、何となく短歌、片羽 雲雀、汐田大輝、岡村知昭、峯ひろき、花野玖、馬勝、石川聡、Tomoko、crazy lover、奈津実、ゆりのはなこ、みゆう、千春、みさきゆう、やは、安里和幸、山羊の頭、onwanainu、月波与生
◆ 川柳・俳句
春泥を捏ねれば捏ねるほど世論 しまねこくん
ぶらんこが満腹するまで漕ぎたまへ しまねこくん
貝が言う引越し先は痒かった 千春
to doと気圧でどうかしてる閏 片羽雲雀
追い焚くか追い焚かれるか抱かれるか おかもとかも
バス停を肩甲骨の下に刺せ まつりぺきん
藁を焼く匂いに似てる一周忌 かれん
風邪ひけば水母の味のするポテチ 蔭一郎
リンスインシャンプーイン四月の戯曲 上崎
雪柳、夕凪、やわらかなはめつ 上崎
淡雪や男ばかりの露天風呂 夜鳥
「地獄?」「だったね」息が中島みゆき 西脇祥貴
船を発たせて傾いていく額縁よ 海馬
いい意味で卒業ですと放流す しろとも
喋らせろ首の断面冷めるまで 安里和幸
*
指にゆび絡めた夜の遠花火 涼閑
沈みゆく弥生の雪に埋めた指 紗千子
女の子そだててかなし雛かざり syusyu
贖罪を、月に魅入られたサロメには クイスケ
みんな笑って天下フフ 西沢葉火
隆起する海底に止む冬鴎 菊池洋勝
目覚めたらホントの夢を見ていたの うつわ
僕は三月を持て余す男です 池田 突波
早咲きの綿毛消えないしゃぼん玉 さー
縞馬のアドリア海とエーゲ海 りゅうせん
結婚と 地震のあった 閏年 靈夢
影だけが見送っていく転校生 鴨川ねぎ
二月尽初診患者は予約不可 souko守宮
二丁目セブン異次元馴染み エミリー・メープル・ボーン
春の雨街の半分消えている 汐田大輝
菩提樹がまだ返さない伝書鳩 souko守宮
粉末のフクロウの啼く枕元 岡村知昭
うかうかと朧月夜を二駅分 花野玖
まさしくこれでニーチェはころぶ 石川聡
カップ麺美味しそうだね弁当より crazy lover
比喩ってさグーとかチョキとかパーとか、ね 奈津実
旧かなと新かなの混じる冬銀河 ゆりのはなこ
月並みななみなみの月を掬って やは
わたくしの卑小さも鳴る寒怒濤 安里和幸
辛し命わが身いとしい思う自由 山羊の頭
*
閏年だけ売っているへそ図鑑 月波与生
◆ 短歌
あの頃は少し敏感だったので記憶が少し血で滲んでる みゆう
ジ、ジ、ジージ 接触不良により今は 遠距離なので壊れそうです 水の眠り
会話する電車のなかの距離だって手話は確かにやさしく届き 水の眠り
性欲の定義は広く寂しくて湯タンポを抱く行為も含む 峯ひろき
*
火星の用心棒たりえる「へっちゃらよ」お姉様な輪ゴム 石原とつき
掬(スク)いたい諦めたこと止めたこと玉虫色に輝かせたい 古城エッ
初人生TrueとBadの両方の選択選び(ゲームオーバー) 円山すばる
お寺にて毎週見掛ける顔がありきっとおんなじ悲しみの中 朝森たけ
雨に濡れ見えるものは玉ぼけ世界見たくないものはフィルター越しに 温 (ハル)
今日これで死ねば明日が来ないのに起きて出かけて涙するのだ 何となく短歌
鼻と鼻触れあう距離にいた君と弁護士を通して話し合う 馬勝
寝不足にギックリ背中の駄目押しでピラティス諦め毛布にくるまる Tomoko
表面に跡つけてすべるくらいの会話が楽だ 割らない氷onwanainu
こんなにも鈍色のmatter言い訳はしない私はわたしに誓う みさきゆう
◆ 詩・短文
だめだ。寝れないなぁ〜
そして静まり返ったこの空間になれない。
月曜から不安だ。(ちゃんみーぃ)
◆ 作品評から
黒猫の白目につづく夢の日常 汐田大輝
~「夢の日常」。不思議な言葉だが作者の言いたいことが伝わりにくくなったのでは。「夢」は使いやすいが伝わりにくい言葉。(月波与生)
鍋焼や不器用が割る箸の音 菊池洋勝
~うまくいってない時は割り箸もヘンに割れたりします。あの食欲が失せるような音が聞こえてくるようです。(月波与生)
まさしくこれでニーチェはころぶ 石川聡
~こんばんは。今日は休みだったので(とはいえちょっと仕事はしましたが)、古本屋でニーチェの「反時代的考察」を買いました。(石原とつき)
上様と書かれるお方はレジ前で後ろの人に恐縮してる 水の眠り
~「領収書くださいカミサマで!」と大きな声で言った後輩も結婚して子供ができてエラそうなことを言うようになってから疎遠になった。(月波与生)
町をみる客が一人もいない窓 雷
~私が暮らしてることこはひなびた温泉町なのでそんな窓だらけです。でも十和田湖はもっと悲惨で廃墟ホテルが、、、。 (月波与生)
チチヤスのかわいいとこを先に食べ今日はチチかなそれともヤスか さー
~おっさんのエロいタワゴトかと思ったらチチヤスヨーグルトのことだったんですね。チー坊というらしい。(月波与生)
鯛焼きくらいひとりぼっちで食うよ souko守宮
~ひとりとは言えても「ひとりぼっち」とはなかなか自分で言えない言葉だと思うが最近はフツーに言えるのかな。「鯛焼きくらい」のくらいがぼっちっぽく切ない。(月波与生)