さみしい夜の句会報 第155号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第155号(2024.2.4-2024.2.11)

第155回の参加者は54名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

「さみしい夜の句会」を始めた頃は川柳がTLにどんぶらこと流れておらず、少数の人が過去作をいくつか流す程度だったものが、今や当たり前の風景としてTLをゆったり流れていっている。それも未発表作ばかり。「ネットに新作を流すなんてもったいない」と言われていたのだ。

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◆ 参加者(54名)

しまねこくん、souko 守宮、古城エッ、何となく短歌、花野玖、はゆき咲くら、汐田大輝、砂原妙々、西脇祥貴、石原とつき、百舌、温(ハル)、西沢葉火、りゅうせん、水の眠り、石川聡、みしま、おかもとかも、岡村知昭、朝森たけ、しろとも、片羽 雲雀、かれん、靈夢、汐音 葉月、馬勝、エミリー・メープル・ボーン、いずみ、まつもともとこ、月立耀、みさきゆう、蔭一郎、城水めぐみ、かきもちり、涼閑、まつりぺきん、ヴたこ だょ、さー、池田 突波、うつわ、東こころ、雷(らい)、武井窓花、Tatsuo Kanase、上崎、と金、ユウ、えみ、やは、牧野林めりぃ、そとねこ、短歌マガジン、加那屋こあ、琳譜bot、月波与生

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◆ 川柳・俳句

何月の海でも魚 知らない子 やは

履く靴を選ぶタイプのシンデレラ さー

定位置に立てばさみしい蝶番 上崎

菓子パンの空洞説にある派閥 蔭一郎

雪泥にとどく動悸がとまらない 蔭一郎

FAXのあの音させて走る野火 蔭一郎

にわとりの卵にしてはカリフォルニア 岡村知昭

おぼろづき上目遣ひのうまき人 花野玖

飛び出しも梅を嗅ぐのも禁止です しまねこくん

春遅々と一塁ベース増やしけり しまねこくん

勇ましく死ぬ用もなし春の雪 しまねこくん

淋しさの目の奥にあるヘルシンキ みしま

息白しラマーズ法の猫ひろし 馬勝

陰翳礼讃きゅうりのイボを数えます かれん

福助のうすき笑いをパンに載せ 汐田大輝

うるわしき廃墟を抱いて眠る牛 汐田大輝

   *

春浅しドーナツ店へ回り道 souko 守宮

原因も結果もない2人だけ 砂原妙々

王政の髪を結う中島みゆき 西脇祥貴

春ショール全て長さを計りけり 百舌

ココアあたりの喫茶店 西沢葉火

画数が劣化していく誕生日 りゅせん

やなことあってフィナンシェに避難 石川聡

春の喉 開かれてゆくBethlehem みしま

蕎麦猪口は目線に支配されている おかもとかも

茶碗欠け思い出せないプロローグ しろとも

雪泥のテキスタイルのドロワーズ 片羽雲雀

別れとは 突如訪る ものと知る 靈夢

かご盛りのみかんに信長の花押 いずみ

「言葉つかい」になって魔法をかけた本 まつもともとこ

リセットボタン連打の末の破裂音 城水めぐみ

来ぬ人は行方知れずと冬夜空 涼閑

準急に乗れずめそめそ四分休符 まつりぺきん

銀河鉄道の火の粉か椿落つ 池田 突波

詠み終える前に旅立つ芭蕉さん うつわ

不器用な告白をして雪だるま 東こころ

認められたい顔なら顔認証にした 雷

切り花に軟膏を塗る破戒僧 Tatsuo Kanase

恋愛の後の後その後は後/エミリー・メープル・ボーン

とり皮をあつめてパリし弟よ えみ

   *

わたしよりさびしい人が七を引く  月波与生

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◆ 短歌

六花舞う星座を模して砂浜に未来の地図をかくわたしたち水の眠り

放課後の教室はもうオレンジでわたしひとりで空気すいこむ 水の眠り

ざざ降りの慚愧の森にいる人を草原で待つときどきは呼ぶ みさきゆう

いつまでも凍ったままのさよならをみぞれのように零して漸う みさきゆう

雪つもる冬のプールは翡翠色赤に染め行く女子補習 ヴたこ だょ

死んだふりどうせ一人の寝室で手首だけ切る朝まで暇で ヴたこ だょ

   *

行き先は天候任せ旅人はバイクに跨り楽園目指す 古城エッ

棚の隅地層のように重なった不揃いの皿我が家の歴史 何となく短歌

ゆるゆるでゆるゆるゆるるるるるるる 包丁すべる 今夜はおやすみ はゆき咲くら

そこらへんなカメレオンなエピローグ深呼吸へ伝達 石原とつき

今朝もまた女子アナ伝える三連休いいよ僕には関係ないし 朝森たけ

私たち強くて脆い者だからこれからずっと、支え愛たい 汐音 葉月

母に聞くあなたが母となった日の痛みを癒す娘になれたか 月立耀

声帯が君の形を忘れてる夢で走ったみたいな叫び かきもちり

怒りの炎空 染める燃えつくし記憶も灰となれ 温 (ハル)

傷などはほんとうはもう許せててこんな場所まで歩いてきたし/madoka.t

お悔やみを 待つわたくしは 生け垣の 花より音もなく 咲いている と金

正されてあなたの想う我となり 酔わぬ身体の我を忘れて ユウ

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◆ 詩・短文

※ 掲載はありません。

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◆ 作品評から

棚の隅地層のように重なった不揃いの皿我が家の歴史 何となく短歌
 ~不揃いの皿!我が家も一緒です!大きさ一緒でも微妙に波打ってるデザインだったりしてうまく重ならないんですよね(牧野林めりぃ)

有名な高慢電車通りますちきちき来たぞ信号黄色 山羊の頭
 ~「高慢電車」「ちきちき来たぞ」は面白い。「信号黄色」で素に引き戻されたような。(月波与生)

ぷるぷるゼリー危な絵の白い肌 いずみ
 ~「危な絵」ときて白い「肌」まで言った方がいいかどうか。「危な絵の白」で止めたくもあり。(月波与生)

雪泥にとどく動悸がとまらない 蔭一郎
 ~せつデい、とドく、ドうき、ガ
前半から中盤への濁音の畳みかけが「雪泥」の語観(ビジュアルからうけるイメージ)、語の響き(韻)への照応を見事にみせている。
最後のフレーズ「とまらない」が、切迫感やオドロオドロシさを増幅させているところが、たまらない!!(石川聡)

準急に乗れずめそめそ四分休符 まつりぺきん
 ~揺れてるつり革音符に各停(そとねこ)

ゆるゆるでゆるゆるゆるるるるるるる 包丁すべる 今夜はおやすみ はゆき咲くら
 ~包丁をどう使おうとしているのか。ちょっと怖い感じがします(短歌マガジン)

駅の名に森があるから亡き人が囁いてくる木霊《こだま》となって 唯有
 ~『ミツバチのささやき』という映画はとてもいい作品なのだけど言葉では伝えにくい。例えば本句を提示して「こういう映画みたことある?」と繋げるのもいい。(月波与生)

泣きやんで九官鳥の屁とわかる 岡村知昭
 ~まず九官鳥は屁をするのか?という問題がある。するとしてどうやって聞き分けるか?句は簡単に九官鳥の屁を言い当てる。(月波与生)

FAXのあの音させて走る野火 蔭一郎
 ~もう、いまの若い人たちはあの音わからないんじゃないかしらね…(加那屋こあ)

王政の髪を結う中島みゆき 西脇祥貴
 ~「王政の髪を結う」が何の象徴表現なのか?気になるのは置いといて、17音に収められていて好き♪(石川聡)

いつまでも凍ったままのさよならをみぞれのように零して漸う みさきゆう
 ~「漸う(ようよう)」が結語に使ってあるの、自分には衝撃でしたー!凄い♪(石川聡)

勇ましく死ぬ用もなし春の雪 しまねこくん
 ~かっこいい、思わず笑ってしまった(笑)(琳譜bot)

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◆ 第155回句会報ダウンロードはこちらから

第155回句会報(PDF)

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