さみしい夜の句会報 第116号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第116号(2023.5.7-2023.5.14)

第116回の参加者は70名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

「さみしい夜の句会」作品集第2集は校了していてAmazonの販売開始待ちとなっています。GW中の申請だったので混み合っているのか販売承認に時間がかかっていますが、販売開始までもうしばらくお待ちください。

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◆ 参加者(70名)

しまねこくん、石川聡、hyuutoppa 突波、Tatsuo Kanase、奥 かすみ、岡村知昭、花野玖、syusyu、水の眠り、凪ちひろ、たろりずむ、涼、おかもとかも、西脇祥貴、屑乃ハコ、M*A*S*H、元さん、西沢葉火、石原とつき、星野響、森砂季、とし、何となく短歌、入竹野乃子、球、上崎、片羽anju 雲雀、さー、涼閑、しろとも、カゲキ・ちゃけぞう、灯、鴨川ねぎ、もゆら、みおうたかふみ、萩原 アオイ、KBLib、のんのん、まつりぺきん、mine、とるばどーる、みさきゆう、Ryu_sen、みくたん、ゆう、太代祐一、梓川葉、輪井ゆう、せば、乙ノ、和泉明月子、雷(らい)、さー、Tomoko、鼹、Take、水戸 充希、佐竹紫円、crazy lover、さこ(砂狐)、turug、春町、こたろう、児島成(Joe Kojima)、弌定住佳、宮井いずみ、上峰子、風立 彩羽、十六夜、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

一番星が泣きボクロ 西沢葉火

「娘さんをください」言ひ終へて飲む新茶かな syusyu

青い鳥はここに第三腰椎に 宮井いずみ

アイスクリーム漢字で書くと正義 さこ

歳時記をしまった後の口約束 雷

朝四時の腕に昨日の洗車焼け 雷

パンジーにルチャの仮面をみる病 雷

暗号はひざを抱えてひらくもの 上崎

路地裏へ消えるどの子もアミノ酸 西脇祥貴

青情情情情情情情情情情情情情情情情 西脇祥貴

好きならばちやんと言つてよ時鳥 しまねこくん

太つてる時に限つて夏が来る たろりずむ

本名と同じ名前のチューリップ しまねこくん

見る夢が無いなら虹を見ていろよ しまねこくん

悪食を言い渡される奈良の象 岡村知昭

夏場所やようやく戻る大歓声 石川聡

桜の実誰も相手をしてくれぬ hyuutoppa

暗い箱 血まみれシャドーボクシング Tatsuo Kanase

夏の灯や佐渡の人魚の話聞き 花野玖

雑草をよけて咲く花雪の下 水の眠り

ビール瓶内側にいるダフトパンク おかもとかも

背を向けて見せる泉は可憐なり 屑乃ハコ

TIME誌の表記を変えてチューリップ M*A*S*H

青嵐一人称の滅ぶまで 星野響

あごクイをしたくてワニに飛びかかる 森砂季

想い出が生まれる瞬間冷蔵庫 入竹野乃子

ネタにない確かな感触脳回転 球

カーネーション渡し渡され供えられ さー

僕は誰鏡の中の僕に問う 涼閑

午前2時 孵化し始める罪悪感 しろとも

レトルトの カレー頬張る 勝つは無し カゲキ・ちゃけぞう

キャベジンは飲んだ、いまからビオフェルミン みおうたかふみ

瞳孔がひらいていてもいい男 のんのん

陽は昇り猫はテレビに戻る頃 まつりぺきん

暮春ぽしゅんしょぼんと余花 Ryu_sen

レアメタル ヘビーメタルと どう違う みくたん

永遠を洗車しているお父さん 太代祐一

服を積む来る気はあるんかあの夏 輪井ゆう

真夜中に氷菓を食べるのは何故だ せば

花を植えたい死ぬ前に水をやるためだけに 乙ノ

空気さえ剣と刺さり疲れたこころ 和泉明月子

気怠さを増す気の抜けたソーダ水 佐竹紫円

とまらないアタシのこころもう秋に crazy lover

夏めくや衣一枚脱いだ午後 こたろう

二匹目の蜊蛄追いし奥三河 児島成

朝の来ない夜を待つ 弌定住佳

青い鳥はここに第三腰椎に 宮井いずみ

いつまでが今日なんでしょう時鳥 上峰子

歳時記にアラビア文字の走り書き 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)  

ワンピースにしたらきっとかわいいだろうネモフィラ柄が風にそよいで 凪ちひろ

美少女になりたいわたし美少女に美少女にああなんもしてない 春町

義務感で出勤してる義務感で家路に向かう義務感で寝る 何となく短歌

むりやり笑わないかぎり頓服の頓服たりえない 石原とつき

傘の中 ふいに変わった 雨音で背後に君の 到着を知る 奥 かすみ

さみしさを力に変える孤独力1人で過ごす静かな時間 涼

雨粒がガラスに映る孤独感心を撮す鏡のように 元さん

初夏の午後 冷たい雨が しっとりと空と大地を 濡らして冷やす とし

位牌を受け取らないという最初で最後の抵抗を許せ、父 片羽雲雀

一番目に産まれたけれど一番目に愛されたことは一度もなかった 灯

学食のカオス渦巻く味噌汁に原始生命誕生せし昼 鴨川ねぎ

だれかがね言った一言たわいないたったひとこと心が痛い もゆら

臍の緒を切れば私は母親の役目を終えてそっと痩せゆく 萩原 アオイ

思い出に残る旅行になりましたヘンなことだけ覚えてるから KBLib

Wi-Fiが途切れ途切れになる夜に 別れを綴る手紙書き終え mine

許される恋や愛って規則でもあると云ふのか他人の娯楽 とるばどーる

カラメルがゆっくり滲んでくるようにきみの本音を掬いとりたい みさきゆう

暴走の果てに振られる 恋なれば今この時を しばし楽しむ ゆう

土曜日の呪いにかけられ一人病む女を見て見ぬフリの貴方は 梓川葉

完璧な子供なんです私には 傷があっても曲がっていても Tomoko

水槽の熱帯魚みて過ごす昼夜は寒さとブルーライトが 鼹

大食いの番組放送しておいて食べ物無い子が居ると言うTV  Take

まち針でツンとつついた水ヨーヨー弾けるように涙溢れる 水戸充希

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◆ 詩

50歳を過ぎて思うこと。
若い頃のさみしさは本物だったような気がする。
抱えているさみしさが
自分すべてで、
本物のように思えた。

年を取ったさみしさは、どうだろう。
いろいろな思いの中の一つに過ぎないものになってしまったような気がする。

さみしいけれど。(turug)

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◆ 作品評から

ビール瓶内側にいるダフトパンク おかもとかも
~ダフトパンクがわからず調べたのですが、フランスの電子音楽デュオなんですね。彼らのビジュアルイメージから、ビール瓶の質感、色、形状などのイメージと重なる何かは感じました。彼らの音楽を知っていれば、もっといろいろ感じそう。川柳の鑑賞を通して、予想もしない知識を得ることができました。(まつりぺきん)

雨粒がガラスに映る孤独感心を撮す鏡のように 元さん
~イメージすれば、切なさがしみります。素敵な短歌です(アントニオ すーさん)

むりやり笑わないかぎり頓服の頓服たりえない 石原とつき
~笑顔は妙薬。だからといって笑えないときに無理しても効果はでないもの。しかし笑わなくちゃ、笑わなくちゃ、と思って無理に笑って、顔は引きつって。引きつった顔を元に戻す頓服が、必要かもしれません。(岡村知昭)

滅亡の朝の同人即売会 まつりぺきん
~「同人即売会」はいいが「滅亡の朝」が構え過ぎ。フツーの言葉でフツーのおかしさを書いた方がこの句の世界は生きるのでは。(月波与生)

おっぱいが恋しいくらいお正月 抹茶金魚~
以前〈立ち泳ぎの男よ おっぱいをあげる 月波与生〉という句を書いた。それ以来おっぱいの句は書いていない(封印)。男の選者におっぱいの句を出すとほぼ取ってくれます。(月波与生)

青情情情情情情情情情情情情情情情情 西脇祥貴
 ~十七文字ですが、十七音ではなさそうです。最初が青で、あとは情。
青という字には未成熟なイメージがありますが、その時期って友情とか愛情とか、情に流されながら情を学ぶ、大切な時期なのかなぁ…とか。(まつりぺきん)

瞳孔がひらいていてもいい男 のんのん
 ~①瞳孔が開いているにもかかわらずイケメンである
  ②瞳孔が開いていても生きていられる男である
の二つ読みがあり、どっちもだからどうした?! となるのがいいですね……。(西脇祥貴)

非チャーシュー麺にもチャーシューついてくる さー 
 ~「非チャーシュー麺」とはラーメン(中華そば)のことだろうか。そういえばそうだがわざわざ「非チャーシュー麺」なる言葉まで作り句に仕立てたところが面白い。(月波与生)

春の果て無尽蔵ではない正気 上崎
 ~夢の中でだけ正常な狂人は筒井康隆の短編小説に居そうだが、春は正気が頼りない季節ではある。うっかり眠らないように。(月波与生)

カラメルがゆっくり滲んでくるようにきみの本音を掬いとりたい みさきゆう
 ~相変わらず お美しいです(風立 彩羽)

まち針でツンとつついた水ヨーヨー弾けるように涙溢れる 水戸充希
 ~全体的に柔らかい言葉の響きが集まっているので、ツンの緊張感が活きていて、溢れ出そうとしている気持ちの張り詰め具合がよく伝わってくるなあと思いました。(悠月)

ストロマトライトな花束の各駅停車うつらうつら 石原とつき 
 ~これもリズムがいい。ストロマトライトの意味よりも音として「うつらうつら」と響き合って言葉が弾む。不条理な会話調のより断然こちらがチャーミング。 (月波与生)

くくるくぐるぐぐるガス燈のひかり 宮井いずみ
 ~「く」を踏んでリズムがいい。こういう句を読むと「川柳はリズム」と思う。小難しいリロンは次の次の次あたりでお願いしたい。(月波与生)

二匹目の蜊蛄追いし奥三河 児島成
~手越川、いい名前です川や橋はほんとにいいね。最初はなんて読むの?ザリガニかな?(十六夜)

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◆ 第116回句会報ダウンロードはこちらから

第116回句会報(PDF)

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