さみしい夜の句会報 第126号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第126号(2023.7.16-2023.7.23)

第126回の参加者は73名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。何度か書いていますが投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

コロナ禍ではZoomを使用した句会が全国各地で開催された。実験的にZoomを使用した百人規模の句会もあった。が、アフターコロナの大会は以前のクローズな状態に戻ったしまったようだ。現在、句会、大会を定期的に動画配信しているのは「北田辺」、「らくだ」。くんじろうさんのとこだけという状況だ。何故広まらなかったのだろう。

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◆ 参加者(73名)

しまねこくん、星野響、何となく短歌、燕雀之心、hyuutoppa 突波、ダリア220、西脇祥貴、あやめ、元さん、藤井皐、酔名、阿笠香奈、おかもとかも、西沢葉火、海馬、しろとも、温 (ハル)、さー、もふもふ、蔭一郎、みさきゆう、萩原 アオイ、東こころ、ひうま、奥 かすみ、りゅうせん、モリマサ公、みんみん、*紫陽花*、マトリョ、石川聡、花野玖、ゆう(かっしー)、まつりぺきん、石原とつき、かのん、森砂季、汐田大輝、小沢史、はゆき咲くら、短歌初心者、雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜、流天、syusyu、佐竹紫円、む~みんママ、上崎、moca、しげ、須賀 善昭、凪ちひろ、松嶋豊弐、片羽anju 雲雀、雷(らい)、マッキントッシュ、徳道かづみ、日下 昊、涼閑、くらぽー、富永顕二、馬勝、鷺沼くぬぎ、M*A*S*H、天やん、とるばどーる、ササキリ ユウイチ、Tomoko、川合大祐、帰ってきた笛地静恵、つき、笠原メイ、妻の不倫からの13年の苦しみを開放したい40代男性、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

てのひらに煙うっすら排卵日 小沢史

サヨナラが違う夜明けを連れてくる りゅうせん

合格が出るまで押せり心太 しまねこくん

踏切は股関節との出会いの場 おかもとかも

ななふしのふじやのしわにぶらさがる ひうま

初恋は3つほどあり夏の夢 東こころ

浅葱色藤色琥珀色の火事 上崎

脊髄や永井荷風のツイッター 蔭一郎

付け髭で別の団扇になりました しまねこくん

火照りとはあらゆる麓に潜むもの おかもとかも

腫れた目と手ブレ補正の効いた朝 まつりぺきん

トラウマをひきずる漏電ブレーカー りゅうせん

お揃いの秘密ならべて夏の夜 東こころ

もつれた指が音楽室のピアノから 海馬

逢瀬へと羽黒蜻蛉のしずけさで 星野響

真ん中に鋏を入れてみても滝 しまねこくん

人間不信を犬に見透かされて夏 もふもふ

「ほんとう」の匂いを捜す李下の旅 西脇祥貴

死地(city)を練るタイパコスパを扱き交ぜて 西脇祥貴

大好きな火に逢うだいすきな焼き場 西脇祥貴

サンダルで夜道を行けば届く星 佐竹紫円

炎昼をみなしごハッチと飛んで逝ったか 石川聡

バス乗り過ごしカンナに赤く𠮟られる 石川聡

祖母山と傾山にカクキュー味噌 石川聡

reading 喉仏から火種めく みさきゆう

梅雨明けてポルシェに道を譲られる hyuutoppa

夜明け前キタジマサブロが鳴いている 藤井皐

ブックカバーをすり抜けて 西沢葉火

ネイルして並んでしゃべる夏祭り さー

競うように生き死ぬ交わる 空蝉 ダリア220

満月に見透かされてる恋心 マトリョ

心音と同じリズムのソーダ水 花野玖

弟に母ちゃんでべそと罵られ かしくらゆう

雲の峰 ひとりで登る ただひとり かのん

昼寝覚ここはあの世と諭される 汐田大輝

セミの声夏が満ちてく空仰ぐ 流天

夜光虫あなたひみつを守れるの syusyu

お芋しか入っていないカレーパン 森砂季

こんばんは しげ

海の日や保険証にて身を示す 須賀 善昭

水無月を食べ損ねても7月か 松嶋豊弐

猫のやう愛でられ深く息をせり 片羽雲雀

名前を覚えて見えてないものを忘れる 雷

蝉しぐれ裏切りながら生きること 徳道かづみ

浜辺で口を開けていれば活鯵 日下昊

はぐれ者同士で遊ぶ子猫たち 涼閑

熱帯夜きみのかたちに曲げられて くらぽー

冷蔵庫 戦争映画の音 富永顕二

泌尿器科ネットで探す夏休み 馬勝

海の日も吾は海の子是非も無く 鷺沼くぬぎ

水鉄砲構えた君たちはどう生きるか M*A*S*H

微熱かと額に手を当て気温計 天やん

日焼けした背中みたいな別れ方 萩原 アオイ

死んだふりしても汗がでて困る 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

らんちゅうなところどころな落武者な限りなく機微 石原とつき

真面目すぎるんだよなんてまた言われSNSの傍観者でいる *紫陽花*

切り取った海をあげよういつだって青の記憶で満たせるように みさきゆう

生きているアイネクライネ私にも差し伸べる手はあるということ みさきゆう

嘘をつくことすら下手な私には想い伝える資格もなくて 何となく短歌

初めて空を見上げた君の抱きし青雲の思ひ久しくあれ 燕雀之心

光る海海鳥が飛ぶサンセット夏の欠片と波がまぶしい 元さん

翼などないから自由に飛べるって神様はまた ひとりで泣いた しろとも

思い立ち重い腰を上げて飲み会に参加してまた1人で飲んでる 酔名

ひとつずつひとつずつ捨てるマタニティグッズよどうか私を忘れて 萩原 アオイ

教科書の隙間に夏が滑り込み蛍光色のスイカが生まれる 奥 かすみ

手元狂いシャインマスカットひとふさを一気に食べて忘れてました モリマサ公

太陽と雲のすきまのみずいろのクラッシュゼリー口に含んだ はゆさく

限りなく続く宇宙の片隅で出会った事は皮肉な定め 短歌初心者

きれいとは言えない指で目を擦る涙の理由隠したいから 雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜

あなたを知らずに生きるくらいなら今すぐ死んだ方がましなの 月色萌果

ときに上ときに下見て人生をのらりくらりと生きるが賢し 凪ちひろ

さっきまではしゃいだ指の心太口紅が溶かされてゆく熱帯夜 マッキントッシュ

ふかふかのベッドで眠る君を背に帰りの車嗚咽響いて とるばどーる

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◆ 詩

半身をもがれた百合もお辞儀して
クリームソーダもう一口あげゆ
炎帝に見せた肌肌肌やけど
蟻灼くる一点透視の階段に (あやめ)

オヤスミと
言えることは
普通でも
当たり前でもないんだ、
言えること
伝えることが出来るって幸せなんだよね。(温(ハル))

美容と健康に
足の力をつけて
いったい一万歳まで生きるつもりなの⁇(む~みんママ)

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◆ 作品評から

死地(city)を練るタイパコスパを扱き交ぜて 西脇祥貴
 ~いいですね。(ササキリ ユウイチ)

黄泉戸喫のサカバンバスピス 岩瀬百
 ~「黄泉戸喫」も「サカバンバスピス」も知らなかったので勉強になりました。珍しい言葉なので別々に使って2句にされた方が効果的かも。(月波与生)

背を抱いてそっとFANZAを闇の中 水の眠り
 ~FANZA。「さみしい夜の句会」で読めばFantasiaな何かを想像させ「性愛句集倶楽部」の句として読めば性的なものの暗喩かと思う。句のリズムも良くていい言葉を選ばれた。(月波与生)

バス乗り過ごしカンナに赤く𠮟られる 石川聡
 ~カンナの赤はあでやかで、いかにもキツく叱られそうです。(Tomoko)

脊髄や永井荷風のツイッター 蔭一郎
 ~いまふらんすの梅雨の特撮(川合大祐)

reading 喉仏から火種めく みさきゆう
 ~高校の英語の時間。先生からの指名。立ち上がった彼のreading。きれいな発音。よく響く通る声。私は教室の真横の席。首の大きなアダムの林檎が、上下する。わかっている。AもBもCも、彼に目をつけているのだ。このままでは、ただですみそうにない。うまいなあ。状況が見えます。(帰ってきた笛地静恵)

では先に下がり眉毛になってます おかもとかも
 ~「下がり眉毛」でなければ先に進めない事態。他の者は次々と「下がり眉毛」になって進む。さてどうする……。ということは割りとよくあって今や私の顔は自由自在。(月波与生)

梅雨明けの作法は一子相伝で 星野響
 ~かつて「残心」という電話を切る時のマナーがあったがスマートフォンになった今も続いているのだろうか。一子相伝はあの「残心」のようなものかも知れない。そろそろ梅雨明けだ。(月波与生)

きれいとは言えない指で目を擦る涙の理由隠したいから 雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜
 ~きれいとは言えない指で目を擦るパンダ目のまま失恋します (つき)

バス停を信じて成り上がってゆく 西脇祥貴
 ~田舎には日に1,2本しか来ないバス停があるが待ってれば本当にくるのか不安になる。ここから出ていくことは信じることから始まるのだ。(月波与生)

きらきらな君が4Dプリンタの印刷物じゃない証、脇毛 えびたからいち
 ~3Dプリンタが立体を作る装置で4Dは時間経過に伴って形状が変化する立体物を作成できる装置らしい。その立体物が美女の脇毛だと。(月波与生)

嘘をつくことすら下手な私には想い伝える資格もなくて 何となく短歌
 ~素敵な短歌ですね(笠原メイ)

祖母山と傾山にカクキュー味噌 石川聡
 ~おおお…。よいものをありがとうございます。私の句をもとに、こんなに面白い句を作っていただきました。(川合大祐)

チャパモちゃん棚の裏からパッと出た紺碧のグギギギギクガガガガガッガッガッガ 正。
 ~「チャパモちゃん」もわからないし後半の壊れた擬音も謎。が、↓の写真と合っているのは作品の影響を受けていたからだろう。(月波与生)

木曜に頭を下げる予備動作 まつりぺきん
 ~細かすぎて伝わらないモノマネのようだ。昨日らくだ句会で披講姿を見せてくれた作者。予備動作は何曜日にしたのだろうか。(月波与生)

大好きな火に逢うだいすきな焼き場 西脇祥貴
 ~この句むちゃくちゃ好きです。(小沢史)

日焼けした背中みたいな別れ方 萩原 アオイ
 ~昔は妻と海に行って一緒に日焼けしたなあ。そんな郷愁を想い出しました。(妻の不倫からの13年の苦しみを開放したい40代男性)

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◆ 第126回句会報ダウンロードはこちらから

第126回句会報(PDF)

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