さみしい夜の句会報 第135号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第135号(2023.9.17-2023.9.24)

第135回の参加者は74名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

川柳大会が以前のように開催されているようなので注意喚起を。遠方の大会へ参加する場合は宿泊することになりますがこのとき異性に対し「どこのホテルを予約した?」と訊くのはセクハラ行為に、自分もそのホテルを予約するとストーカー行為とみなされる場合があります。親しき中にも礼儀あり。最低限のマナーを守って大会を楽しみましょう。

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◆ 参加者(74名)

ひうま、もふもふ、地下二階、しまねこくん、りゅうせん、奥かすみ、温(ハル)、流天、何となく短歌、池田 突波、古城、水の眠り、syusyu、透影 弦、酔名、みくたん、うつわ、西脇祥貴、元さん、おかもとかも、天やん、藤井皐、西沢葉火、太代祐一、踊る六郎と手毬唄の会、白雨冬子、石原とつき、石川聡、花野玖、蔭一郎、さー、片羽anju 雲雀、梓川葉、とるばどーる、まつりぺきん、小沢史、萩原 アオイ、ゆりのはなこ、上崎、海馬、星野響、ダリア220、佐竹紫円、crazy lover、donkey、カゲキ・ちゃけぞう、透影 弦、赤端独楽男、円山すばる、碧乃 そら、雪上牡丹餅、たろりずむ、ぱさ、鴻鵠之志、凪ちひろ、雷(らい)、鴻鵠之志、涼閑、Take、風を見たのは誰でしょう?、円山すばる、しろとも、砂原妙々、在原涙、みんみん、宮坂変哲、燕雀之、チョコミント・ブルー、ゆう(かっしー)、む~みんママ、馬勝、富永顕二、抹茶金魚、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

秋茄子魔法が解けた下半身 馬勝

クラウドファンディングの流れ弾に当たる 海馬

反対に回せば柿に戻る皮 しまねこくん

かわるがわるおれを清書してくれないか おかもとかも

新宿の消印残す中傷句 富永顕二

雨を一本抜いてみる 西沢葉火

長生きをして物足りぬ敬老日 しまねこくん

あずなぶるシャア専用の赤い羽根 たろりずむ

黙殺か撲殺かジャスミンティー飲むか 藤井皐

全員でゴールテープを無駄にする おかもとかも

貞子とかぶるニュース速報 たろりずむ

カプセル・トイの見えないへその緒 海馬

風鈴の語りはいつもほの暗い 海馬

ピーマンに一番近い王子様 しまねこくん

トーテムポールから今年は抜け出そう 藤井皐

ニードルを必要とする夜を開ける 片羽雲雀

女湯と男湯分かれおでん鍋 さー

宵越しの角をぶつける電子辞書 ひうま

御苑にてヨガをやめない女たち 太代祐一

一問について秋風一答す しまねこくん

鉄アレイきみはわたしの外部です 蔭一郎

家を継ぐつもりはないと秋彼岸 もふもふ

秋雨を集めて囃し立てるなよ 地下二階

群読の続きとしてマンモス狩り おかもとかも

舞い上がる二蝶のロンド天高く 流天

秋彼岸予告篇の中を生きて 池田 突波

愚弄され折れるこころや露の玉 syusyu

また今日も柘榴を食べて臨時お夜勤 みくたん

吾子の言うみんみ(雨)が近き時雨雲 天やん

髪の香やふわりあんたと秋日向 鈴

秋、木は駅 白雨冬子

ブシャー!ブシャー!梨の武蔵は死んだの差 石川聡

どしゃ降りの墓参なんにもすることなし 花野玖

品のある来賓席のパイプ椅子 まつりぺきん

待ち合わせ血をにじませた梨持って 小沢史

わが秋思レントゲンには映らない ゆりのはなこ

棺にはうすむらさきの飴玉を 上崎

さみしいとさびしい連れて夕花野 星野響

秋の雨恋なのか性欲なのかわからない ダリア220

水の中漂うだけ、そうしよう donkey

誘えども誘えど断られ独り旅 カゲキ・ちゃけぞう

数(人を食った)分(母の埋まる土)間 西脇祥貴

国道脇なんぼか折れてる曼珠沙華 赤端独楽男

ピストンを止めるじっくり見たいから 雪上牡丹餅

六月の頃の記憶のない九月 雷

コスモスの夢に囚われ無口な夜 涼閑

ジョバンニにまだなれなくて星流る しろとも

むしのねにみましのねじのゆるぶよる 砂原妙々

フェス参りプテラノドンを飼い慣らし みんみん

鰯雲次こそ当たれ宝くじ 宮坂変哲

ギプスから滲み出る自我を舐めてみる かしくらゆう

寝てばかり何も残らず悔い残る チョコミント・ブルー

別れた恋人と飲む二杯目のコーラ 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

ずっとずっとしがみついてた離れたら溺れるとばかり思ってたから 何となく短歌

失くなった選択肢のうち大半は端から叶わぬ夢物語 何となく短歌

自己愛のかたまりだろうか阿部定の境界線がわたくしにもある 水の眠り

優しさは所詮偽善だ。それでもきっと、今も誰かが救われている 碧乃 そら

世の中はグラデーションもあるけれどミントチョコよりバニラをえらぶ 水の眠り

譲れないことがあります 心臓と目は自分色に塗りたいのです 奥 かすみ

暗闇に灯った君が天使だと胸にしまって頼むチューハイ 古城

しめやかであけない夜であるように明るくなった世界に線引き 透影 弦

おっさんに頭を下げて飲む高級酒より1人で飲む安酒のほうがいい 酔名

消えて行く太陽の日々勇ましさ夏よお疲れ秋の労い 元さん

ういういしい若草色は鮫をミディアムをこだわりすぎる 石原とつき

都合の良い女でしたがあまりにも最低な人は捨てるまでかも 梓川葉

暖色を着てくれという君の服黒青ばかり吊るされている とるばどーる

死が降りてくる夜ばかり待っている私は明日も鳥籠にいる 萩原 アオイ

星が見えないこんな日は一人きり世界に取り残されたみたいで 佐竹紫円

死んじまえ言われた方が気楽だねおいぼれぼろろ明日は我が身か crazy lover

石上に三年いれば発芽する前に心が枯れるね無情 透影 弦

どこからか聞こえてくるよさみしげなワルツを踊る少女の足音 凪ちひろ

振り払い親より守ってくれた優しい手握りたくて月を見上げる 円山すばる

忍ふれと色に出てつる我か恋は物の文無き一方の胸 ぱさ

美しく切なき声で鳴く君は空に焦がれし籠の鳥らむ 鴻鵠之志

絶対に僕の物にはならぬのに毎月お金払わされてる Take

虚しさを感じた先に行き着いた『死』という選択 今はまだ、でも 在原涙

鈴虫や凛々と鳴く秋の宵咽び泣く吾その気高さに 燕雀之心 迷いきて騒ぐ足長蜂を、1匹1匹外へと誘う む~みんママ

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◆ 詩

堂々と
水路に一輪 曼珠沙華
” ケ・セラ・セラなんとかなるわよ “
美輪様のような美しさ。(温(ハル))

書かれなかった音楽は存在しないのか
書かれたけれども歌われなかった歌は存在しないのか
書かれたけれども歌われなかった歌は存在するといえるのか
脳裏で鳴るものは存在するのかしないのか
そもそも存在するとはどういうことか
音楽は存在するのか(風を見たのは誰でしょう?)

ヘッドライトが眩しくてサービスエリアでひと休み
灰色の霧は幻想なんだな
高級車は乗りこなせないけど
中古の軽はまずまずの乗り心地
小さめのブルーシートだけど
ゆったりと何人かは座れるみたい
ハイウェイを降りて旧街道へ (うつわ)

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◆ 作品評から

世の中はグラデーションもあるけれどミントチョコよりバニラをえらぶ 水の眠り
 ~私も原点バニラを食べたくなります。(チョコミント・ブルー)

推し変はやめてあなたにかぶりつく  東こころ
 ~ジャニーズ句として読んでしまう。「あなたにかぶりつく」が妙に生々しい。作者にとっては迷惑なことだろうが。(月波与生)

コスモスと気絶している風がある 蔭一郎
 ~〈コスモスと/気絶している風がある〉と読むか〈コスモスと気絶している/風がある〉と読むか。ちなみに秋桜と最初に書いたのはさだまさしらしい。(月波与生)

今日飲んだ水の量より少しだけ多いくらいが目から出ていく 萩原アオイ
 ~いやいやそれはないだろうと思ったが、すぐに哀しみをしっかり現した言葉だと感じた。(月波与生)

友殴り我殴り木は動かない 修平 
 ~〈友が叩いても自分が叩いても木は動かない〉と読めば平凡であるが〈自分が友を殴り、友も自分を殴った平和な日…〉的に読み異常に感じた。(月波与生)

風鈴の語りはいつもほの暗い 海馬
 ~いつも、の部分はよいのですか?(抹茶金魚)

カシオペア自分本位のSEXする ダリア220
 ~自著『いちご畑と…』がAmazonで☆ひとつを付けたのが誰かうすうす知っているが曰く「性的な句がけしからん」のだそうだ。きっと自分本位のSEXをする人なのだろう。(月波与生)

息吸って吐くのも面倒くさくってグラスのように砕けたくって 何となく短歌
 ~「呼吸するのが面倒なキャラは『北斗の拳』に出て来たがこの作品は「グラスのように~」の後半で緊張感を加速してあのキャラを払拭する。(月波与生)

振り返ったままの蜥蜴で死んでいる 雷
 ~「蜥蜴が」ではなく「蜥蜴で」がいい。では何故死ぬ間際に振り返ったのだろうか。やがて静かに死に際を考える。(月波与生)

彼岸花土手を次々降り川へ しまねこくん
 ~本来、葉も出さずひと所に群れてじっと咲くだけの彼岸花が、一斉に「土手を次々降り」て川へ飛び込んでいく。川面は真っ赤な血の様に染まる。彼岸花の移動は想像し難いでしょうけど、例えば宮沢賢治のドッテテ、ドッテテと歩く電信柱の童話等を知っていればわかるのではと。。。(石川聡)

翻るZ世代に押すいいね 太代祐一
 ~ロシア・バルチック艦隊との日本海海戦にあたり、全軍の士気を鼓舞するためにZ旗(Z=後がない)を掲げ「皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ」と言った秋山真之のエピソードを引いて、Z世代の川柳の旗手像を浮き彫りにしている?巧いなあ!(石川聡)

十代を呪い返すみどりの指 西脇祥貴
 ~なんでみどりの指なのか気になります。呪いとみどり色からの連想で、映画『エクソシスト』の主役の少女リーガンが悪霊に憑依されて吐いていたのが得体の知れないみどり色の液体だったのを思い出しました。(石川聡)

雑誌からはみ出した水または粉 おかもとかも
 ~この句見逃していましたが面白いです!雑誌から水や粉がはみ出しちゃう発想が新鮮。おいらは食い意地が張ってるから、デュラム・セモリナ粉とかパン用の小麦粉「春よ恋」とか、季節的に新蕎麦粉と水を思い浮かべるけど。他にも色々に読める句ですね(石川聡)

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◆ 第135回句会報ダウンロードはこちらから

第135回句会報(PDF)

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