さみしい夜の句会報 第134号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第134号(2023.9.10-2023.9.17)

第134回の参加者は62名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

コロナ罹患後の症状、特に倦怠感と集中力低下が改善せず8月末からずっと低空飛行が続いています。句会も大会も欠席、柳誌への提出もすべてお休みしていますがこのままだと書けなくなるのでは、という不安もあり今週の締切分からはリハビリを兼ねて少しづつ書いていこうと思います。罹患後の方が辛いとは思いもしませんでした。

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◆ 参加者(62名)

比島アルト、藤井皐、雷(らい)、西沢葉火、水の眠り、石原とつき、しまねこくん、岡村知昭、温 (ハル)、佐竹紫円、syusyu、西脇祥貴、石川聡、おかもとかも、元さん、ダリア220、しろとも、涼、汐田大輝、うつわ、海馬、古城、凪ちひろ、透影 弦、やは、池田 突波、M*A*S*H、蔭一郎、太代祐一、蜜、萩原 アオイ、donkey、何となく短歌、Take、東こころ、まつりぺきん、白石ポピー、saku、涼閑、輪井ゆう、山田小太郎、鴨川ねぎ、りゅうせん、修平、上崎、ひうま、燕雀之心、山田真佐明、みや、萬某、片羽anju 雲雀、さー、syusyu、宮坂変哲、とるばどーる、梓川葉、いずみ、月硝子、赤端独楽男、キミと白、詩書え、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

推し変はやめてあなたにかぶりつく  東こころ

コスモスと気絶している風がある 蔭一郎

翻るZ世代に押すいいね 太代祐一

街へ出て肌色以外を見て帰る おかもとかも

月曜の砂しか吐けぬトースター いずみ

投げ銭の代わりにおこげ栗ごはん さー

達筆にタンパク質とダンボール 蔭一郎

振り返ったままの蜥蜴で死んでいる 雷

ほんもののひのえうまにあわせるから 西脇祥貴

うっすらと金木犀の哲学史 上崎

友殴り我殴り木は動かない 修平

早急に秋を澄ませていた機械 蔭一郎

合鍵が無ければ梨の実でも駄目 しまねこくん

滑り台滑る白装束の列 蔭一郎

吸い付いて良いかあられもなく葡萄 しろとも

おちょぼ口しないと読めない秘伝の書 おかもとかも

亀の街だから亀しか食べられぬ 岡村知昭

蟻塚にいにしえの春 眺めたい やは

干してなほ烏賊に分別残りけり しまねこくん

カシオペア自分本位のSEXする ダリア220

むりすじの村へ菫の種が降る 西脇祥貴

ピーマンの赤裸々すぎる写真集 しまねこくん

飴売りは知らないアザラシの無事を 岡村知昭

メルカリをうっすら無視する栃 藤井皐

双曲線ファウルボールはY軸へ 鴨川ねぎ

似てないと思った娘婿だった 雷

朝顔とゆびきりをした 西沢葉火

迷つたら鶏頭燃ゆる方へ行く 佐竹紫円

倒されてゑのころ草の未遂かな syusyu

秋の夜虫達の声心地いい 涼

暗闇を見たくてドアの鍵壊す 汐田大輝

心臓が青りんごより弾むので 海馬

後は僕に任せてください唐辛子 池田突波

ピーマンに羊の脳を詰める意味 M*A*S*H

胸を張り鴉が街を闊歩する 太代祐一

このままですごく涼しいこれでいい donkey

戸籍では確かエヌエーオーエイチ まつりぺきん

去りぎわのあなたの表情の青葡萄 石川聡

親指に丸い血痛痛針睨む 蜜

寂しげな後ろ姿を照らす月 涼閑

月照らすまっさらな手紙積む部屋 輪井ゆう

心の移ろい察した時に鳴いた鳥の名 山田小太郎

沈黙の代償として首が無い りゅうせん

Y路地で妄想仮面すっぴんに うつわ

秋晴れをもやもやしたる通信欄 ひうま

ウォンバットのタスマニアは冬の装い 燕雀之心

山に霰叩きて起きる 山田真佐明

とこしえに沈まぬ乳房カシオペア 片羽雲雀

喜んで生き喜んで死ぬがいい 宮坂変哲

きれぎれに法師を呼ばう秋の蝉 月硝子

未使用の陶器に罅入れる夜長 赤端独楽男

砂時計から作る自分だけの砂漠 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

息吸って吐くのも面倒くさくってグラスのように砕けたくって 何となく短歌

今日飲んだ水の量より少しだけ多いくらいが目から出ていく 萩原アオイ

ネッシーは排卵は事後報告はあっけないビール  石原とつき

路端の片隅にある一輪の花だけ放つ恋慕の匂い 比島アルト

まばたきをしない魚の目は澄みて 身も蓋もない水槽を蹴る 水の眠り

作り笑み鏡よ鏡見透かされ魔法が解ける夜の憂鬱 元さん

冷蔵庫に貼られたままの時刻表2つ並んであの頃縒(よ)れる 古城

なんだかね急に悲しくなっちゃって急にさみしくなっちゃって秋 凪ちひろ

憧れた街の埃で咳き込んで土の匂いに安堵する夜 透影 弦

振り上げた拳の上手い下ろし方今月三台テレビを壊す Take

一房の一粒ごとに茫漠のけものを孕むこれは葡萄 白石ポピー

もう何が刺さっていたのかわからない大切の変容 断捨離は続く saku

ほろびゆく海をみていた足元につめたい波がささやいてゆく みや

母もまた祖母と同じく特養へ僕も辿るは先ず同じ道か 萬某

両の手がシーツの波を泳ぐ時つま先曲げて合図を告げて とるばどーる

十年も騙され続けるそのひとはほんとはぜんぶ知ってるのかも 梓川葉

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◆ 詩

雨ふれと
願ってみても
叶わない
雫一粒くれないか?
渇いた心にくれないか? (温(ハル))

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◆ 作品評から

このままですごく涼しいこれでいい donkey
 ~秋風の心地良さが伝わってきます。すっかり過ごしやすいでしょうね。大阪の宴に向けて体調管理してくださいね。楽しいレポート待ってます(水の眠り)

去りぎわのあなたの表情の青葡萄 
 ~俳人・秋尾敏に〈急ぐなよ葡萄は一粒ずつ青い〉
という句があります。葡萄でこれよりすごい句、あるかな。
上五の「急ぐなよ」は、加藤楸邨の〈木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ〉から持ってきてるんですよ。秋尾敏のこの句、わたしにとって衝撃的過ぎて、解釈も鑑賞もなにも出てきません。(蔭一郎)

うっすらと金木犀の哲学史 上崎
 ~何故かわからないけど、金木犀の香りと哲学史とのペアリングが凄くしっくりきます。(石川聡)

熱波師にサブリミナルな本能寺 りゅうせん
 ~熱波師って凄いインパクトの造語だなって思ったけど、まてよと、念のため調べたらドイツ系サウナの専門用語だった!!レジェンドな熱波師に、鮭&鱸(すずき)、箸休めサトシ、五塔熱子などの方々がいて名前もインパクトが強すぎだったwwwサウナ界すごいな! (石川聡)

 ~「熱波師」も「サブリミナル」も「本能寺」も面白い言葉だけど繋げると何故かそれほどに面白くない。言葉のインフレ。こういう時は各言葉で3句書く。(月波与生)

鼻息の音して地球温暖化 修平
 ~今夏は地球温暖化が原因で猛暑日が続いて…と言われても今更どうにもならない。温暖化も最初は「鼻息の音」程度の些細なことだったのだ。(月波与生)

友殴り我殴り木は動かない 修平
 ~自分のように大切な友達を善意とはいえ殴ってしまったことで、自分のことも心理的に殴ってしまう結末になったが、自分という本筋(プライド)は、友の本筋も以前のまま全く変われない
→それが悲しいのか、嬉しいのかよく自分でも分からない。勝手にそんな、気持ちにさせてもらいました(キミと白)

案山子にもヤクルト置いて行きますね しまねこくん
 ~外出先から戻ると机の上に(ヤクルトレディからの)「お疲れ様です」のメモとヤクルトが置かれていたのを思い出す。(月波与生)

憎しみも引力だろう青林檎 馬勝
 ~迫力のある句で魅かれた。青林檎の着地も力の落とし具合がいい。(月波与生)

迷つたら鶏頭燃ゆる方へ行く 佐竹紫円
 ~よく「迷ったら○○の方へ進め」と言われていますが、「鶏頭の燃ゆる方へ行け」とは、どういうことでしょうか?参考のために教えてください(詩書え)

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◆ 第134回句会報ダウンロードはこちらから

第134回句会報(PDF)

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