さみしい夜の句会報 第121号&第122号を発行しました

さみしい夜の句会
スポンサーリンク
スポンサーリンク

さみしい夜の句会報 第121号・122号(2023.6.11-2023.6.25)

第121回、第122回の参加者は105名でした。(今回は合併号です)ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。
先週不在にしたため今回は合併号での発行となりました。次回より通常運転の予定です。句報編集上ご投句はテキストでお願いします。画像の場合でも別途テキストを付加してください。(テキストがない場合句報に反映されません)ご協力よろしくお願いします。

スポンサーリンク

◆ 参加者(105名)

Take、水の眠り、西脇祥貴、薫子、輪井ゆう、おかもとかも、元さん、岡村知昭、しまねこくん、しろとも、天やん、小沢史、西沢葉火、森内詩紋、片羽anju 雲雀、温(ハル)、上崎、みさきゆう、maz mo、菊池洋勝、奥かすみ、短歌初心者、萩原 アオイ、何となく短歌、石原とつき、モリマサ公、花野玖、汐田大輝、凪ちひろ、syusyu、雲心、はゆき咲くら、hyuutoppa 突波、かのん、まつりぺきん、馬勝、鴨川ねぎ、雪夜彗星、ほたる、抹茶金魚、Ryu_sen、ひうま、ダリア220、ぱさ、碧乃 そら、ATARI934、たろりずむ、ともなう、石川聡、しろとも、Born Slippy(モンモン)、涼閑、流天、蔭一郎、KBLib、ちゅけ⁽彩緒、佐竹紫円、雷(らい)、さー、睦月ヨシ、みゆう、とびら、藤井皐、えびたからいち、みんみん、む~みんママ、うたたね凛、snuddle、あをみさき、黒穂2022、とるばどーる、星野響、crazy lover、ǝǝɯouɐ、高田月光、longroof、みおうたかふみ、不自見、東こころ、着流きるお、カゲキ・ちゃけぞう、姫川 一桜里、こたろう、雪上牡丹餅、上峰子、森砂季、うっかり(俳句とか)、五十嵐創、入竹野乃子、日下 昊、宮坂変哲、どこにでもドア、須賀善昭、黒穂+、mine、M*A*S*H、najimi、のんのん、東こころ、酔名、宮原 凱、歩、鷺沼くぬぎ、月波与生

スポンサーリンク

◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

形だけ抵抗をするゼリーかな 佐竹紫円

八階に点る λ のくびじるし 西脇祥貴

を食われてそれから波の無い額 西脇祥貴

調停≒子宮のとき中島みゆき 西脇祥貴

凧はなぜイカと呼ばれなかったのか 宮坂変哲

青パパイヤだろう夏至に形をあたえれば 石川聡

チャンネルをまわすタイプの霊能者 たろりずむ

迷つたら赤いトマトを投げなさい しまねこくん

ハンカチで包み密室仕上げけり しまねこくん

独りで乳首揉む蛇の脱け殻 ダリア220

月曜とトマトが嫌いピザは好き 馬勝

感情のないピーマンを食べる気だ 森砂季

ゴミ箱にブロックされているらしい 西沢葉火

紫陽花の小数点はアブラムシ こたろう

日経平均と魂の横ばい Ryu_sen

恋文の添削待ちの天気雨 岡村知昭

耳たぶに秘密が揺れて初夏の風 東こころ

後悔の単位としての[kg]  上崎

明け方の国営さよなら公園 上崎

泣くのなら縁もゆかりも無い道で ǝǝɯouɐ

黒南風とハエトリグモはKUMON式 石川聡

アルトの声で森にいる 西沢葉火

雨の日は安倍晴明の卦に頼る いずみ

地図帳の中にだけある右心房 まつりぺきん

天使また飛び立つ夏至の交差点 ひうま

百円でガチャが回せた頃の夏至 しまねこくん

探偵の尾行に気づくかたつむり 蔭一郎

盛岡な文フリ夜の句会知る モリマサ公

あこがれのソナタが響く整骨院 上崎

夏至の夜の燕はいまだ始発駅 上崎

ねえスピカ停車場の靴底は畝 ひうま

friendの最後にsを消した跡 たろりずむ

friendの中にrienとendかな たろりずむ

鉄分を与え黒ずむキティちゃん 石川聡

温度差を感じてぬるい缶ビール ほたる

立ち位置を知らせるLINEの既読無視 ほたる

妹の食べない葱の臭ひかな 菊池洋勝

五月雨で測る土下座のタイミング しまねこくん

天気図の波紋にふれて独り言 上崎

犬以外皆アマゾンに縁がある おかもとかも

短夜やふぁうる・ふらいの恋でした hyuutoppa

来客に母が居間から山羊を呼ぶ 抹茶金魚

美肌かなオツムテンテンゆで玉子 睦月ヨシ

別人かおもたわてんびん座かいな のんのん

夏草やあらゆる隙間我がものに 水の眠り

ひとつぶの秘密を含み軋む顎 輪井ゆう

触れもせずハエトリソウの夜は更ける しろとも

夏の夜や銃後のライトに向く銃口 天やん

だらしなく凌霄花に吸われてる 小沢史

夏だつた、砂糖いつぱいの麦茶と 片羽雲雀

ビー玉の口移しの平行線の発酵なオルゴール 石原とつき

読点の先は空白沖縄忌 花野玖

梅雨暑しマチスの舌を紅く塗る 汐田大輝

杜若そろりあたしの出番かな syusyu

醒めぬ夢白き四葩や夏至の昼 雲心

通学路 花梔子と あかい顔 かのん

くま蝉の幻聴今はあずまびと 雪夜彗星

淋しさの募る夜更けのワイン赤 涼閑

荷おろしの喫水線の夕泊 流天

問題がなかった事のない眼の裏 雷

夏至を呼ぶカン・パネルラ母の声 さー

母無言しばし菖蒲の展開図 藤井皐

滴りて頬をぬぐう手桜桃忌 みんみん

路地裏の猫 二度振り返り うたたね凛

ジレンマのままに徘徊かたつむり あをみさき

銀杏が私の口で熟れている 黒穂2022

掛け声に神輿掲げる夏祭 とるばどーる

足に牡丹が咲いた女と梅雨の花 不自見

ジャイアンフェスティバル山の大噴火 雪上牡丹餅

グーパンのめり込み方や旱空 着流きるお

皿洗い 皆が帰りし 宴の夜 カゲキ・ちゃけぞう

眠らない音それは命の臭い 上峰子

コーラが熱い うっかり

楽園の手前を左折蛍狩り 入竹野乃子

魂のように朽草飛び交い短夜の儚さ 日下 昊

青葉寒イコカで粉のミルク買い 須賀 善昭

透明な薔薇から赤い血が流れ 黒穂+

黄金のトマトはイーハトーヴ産 M*A*S*H

演技したキミは枯れゆく薔薇だろう najimi

この身にも狭霧を纏う多段滝 星野響

月を愛でる暇もなくみたいと思うと曇り空 crazy lover

絵の中の老婆が少しづつ狂う 月波与生

スポンサーリンク

◆ 5・7・5・7・7(短歌)

もう少しこうして欲しいと言えなくて鏡の中のこけしを見てる みさきゆう

頼むから誰か注釈つけてくれ「この人生はフィクションです。」と 短歌初心者

来世でも会いたい人寝る前に数えてほろり、途方に暮れる 薫子

ちぎれ雲この街に来た遠くから空に浮かんで見上げてる夏 元さん

新しいデザートになるはずだったバタフライピーに染まるちくわぶ 森内詩紋

ダンゴムシ丁寧に水に沈めてく手のひらで待つやさしい死刑 萩原 アオイ

走行中癇癪起こし自転車の前カゴ立って脱走娘 凪ちひろ

いつからか春のにおい夏となるも我あるために羽ならべてく はゆき咲くら

歯にしみるアイスにあえて挑む時大人は何かと戦っている奥 かすみ

彼人に揺蕩ふ恋の重さ故持ちて忍ぶる日日の憂さ哉 ぱさ

眠られぬ夜は真白き水中花のかそけき息吹に寄り添つてゐる 碧乃 そら

空の果て届く光は遅れども今宵も観ずる雨蛙 ATARI934

前よりも少し苦いのコーヒーが雨窓伝う深夜のダイナー アルト

前よりも少しもうまくならなくてうたがどんどん下手になってく KBLib

鼻歌と寝言の区別もつかないで寝子は世界をまあるく閉じる ちゅけ⁽彩緒

慕はしき方を思ふに深更のみぢかき今宵は相応しからじ 何となく短歌

ひねくれた 欲望抱え 溜め込んではけ口求め ネットさまよう とびら

誰の手も借りずに遂げた結果より周りの力を取り込むプロセス えびたからいち

私の差し延べた手を取る人を求める夜の寂しさの果て ぱさ

神戸発イタリア行きの船に乗り揺られて行きたいな む~みんママ

紫陽花に集う雨滴が惑星の孤独にみえて人生 snuddle

満月の夜けだものになるというあなたの爪にやすりをかける 高田月光

あの昼の暑さを思い出せない酔いの宵のよいよいの肌寒さ longroof

外国の人の背中とおしゃべりなおばちゃん二人組 はさまれた みおうたかふみ

苦しみも痛み悩みも忘れられる、そんな愛が今は必要 姫川 一桜里

変化することのやまない人の世で変わらぬものを抱きしめている 五十嵐創

ニンゲンのようなそぶりで生きている 滴る血は図らずも、赤 mine

ほんとうに寂しく思うのはテキーラを1人で飲む今より 人といる時 酔名

スポンサーリンク

◆ 詩

夕散歩
生暖かい風に包まれる。
鳥達も
家に帰る支度。
子ども達も楽しそうに走って帰る。
どこからか 焼き魚 煮物
色とりどりの 幸せな匂い。
『ごはんだよ』
そんな声が聴こえた気がする夕暮れ。(温(ハル))

本当に私はあの人のことを恨んでいないと言えるのだろうか…
傷つき、傷つけられ、それでも支えてくれた人。感謝こそすれ、恨むだなんてもってのほか。
でも傷ついてしまった私の気持ちはまだ底に眠っている。出会わなければよかった、でも出会わなければ今の私はなかった。(みゆう)

スポンサーリンク

◆ 作品評から

調停≒子宮のとき中島みゆき 西脇祥貴
 ~出た!ニアリーイコール!(石川聡)

明け方の国営さよなら公園 上崎
 ~ちょっといま似たような句をやってたのでびびりました。公開したら「似てねえよ!!!」って言われるかもしれませんけど。国営っぽい名前ですね……こう、景をぽん、と置いてかれるのが上崎さんはうまいと思いました。(西脇祥貴)

friendの中にrienとendかな たろりずむ
 ~句の本筋からは離れちゃうけど、中学校の時英語の先生が「friendの中にはi があります。書き忘れないようにね。友達の中には愛がある、で覚えましょう」って教えてくれたの思い出した。(歩)

地図帳の中にだけある右心房 まつりぺきん
 ~道路が張り巡らされている様子は血管のようですね。バイパスって言葉も道路にも心臓にも使われるなあと思いました。それをひとひねりして、右心房だけを地図帳に移動させる所が面白いですね。この地図帳、ドクンドクンと脈をうってて少し怖いです。(森砂季)
 
 ~右心房は全身を巡って酸素が少なくなった血を受け入れ、新しく酸素を吹き込むのが役割。だとすると、地図帳にある右心房は、疲れた人が戻りそして旅立つ故郷のようなものか。でも、そんな優しい場所は何処にもないのだ。探しても、求めても、それは「地図帳の中にだけ」存在する。(徳道かづみ)

ハンカチで包み密室仕上げけり しまねこくん
 ~一つ前のお句も閉じ込める系ですね。ハンカチの密室の中身は?夏薊なんか良いかな。(鷺沼くぬぎ)

電卓よ電卓この恋をたたくAC 石川聡
 ~理路整然としている。作者はしっかり者なのだろう。カシオとシャープではACの位置が違う。カシオはテンキーの隣にあるので誤って押すことがある。うっかり者はシャープがいい。(月波与生)

うじゃうじゃが家系が切手をなりすますそこから砂丘 石原とつき
 ~石川さんとは対照的な句。何度か読むと雑然として言葉に独自なリズムがあることを知る。巧妙に選んである言葉たち。(月波与生)

しゃっく りが止 まらなくっ てぬるい風 上崎
 ~「ぬるい風」で止まったような。(月波与生)

起きてすぐ珈琲を淹れてこぼしてハチャトゥリアン syusyu
 ~これはもう「ハチャトゥリアン」を見つけたモン勝ち。〈クリストファーと名付けたくなる朝がある 魚澄秋来〉のように愛されてほしい。(月波与生)

「ツイートをさらに表示」をタップして雨が降ったり止んだりを知る 蔭一郎
 ~タップまで知りたい情報もさしてないけどこの雨が止むかは気になる。タップしてしあわせにに生きて行くためには不必要な知識がまた増える。(月波与生)

聞こえない母に聞こえる四葩かな 菊池洋勝
 ~聞こえないはずの母が聞いた花弁が開く音。母はいかにも的な感じなので他の表現もあったのでは。四葩とは紫陽花のこと。(月波与生)

スポンサーリンク

◆ 第121回・第122回句会報ダウンロードはこちらから

第121回・第122回句会報(PDF)

タイトルとURLをコピーしました