さみしい夜の句会報 第120号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第120号(2023.6.4-2023.6.11)

第120回の参加者は78名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。編集の都合上作品が画像のみの投稿は掲載されません、ご了承下さい。次回からはテキストでの投稿お願いします。

6月17日から「文学フリマ盛岡」の対応、「川柳の話」誌取材等でしばらく不在となります。次回121回目の週報は122回目(26日頃発行)との合併号となります。ご了承ください。

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◆ 参加者(78名)

しまねこくん、菊池洋勝、はゆき咲くら、東こころ、涼閑、syusyu、凪ちひろ、あをみさき、西脇祥貴、酔名、水の眠り、宮原凱、石原とつき、しろとも、森内詩紋、みおうたかふみ、元さん、たろりずむ、温(ハル)、おかもとかも、みさきゆう、何となく短歌、西沢葉火、ダリア220、片羽anju 雲雀、上峰子、上崎、岡村知昭、無敵さま、石川聡、hyuutoppa 突波、黒穂+、とるばどーる、花野玖、のんのん、まつりぺきん、奥かすみ、星野響、ぱさ、めめ、鷺沼くぬぎ、徳道かづみ、縞田径、ひうま、輪井ゆう、小沢史、あやめ、どこにでもドア、さー、蔭一郎、む~みんママ、星見冬夜、馬勝、雪夜彗星、Take、天やん、高田月光、萩原アオイ、Ryu_sen、佐竹紫円、ちゅんすけ、みゆう、おじゃらりんご、弌定住佳、しろとも、五十嵐創、雷(らい)、姫川一桜里、日下 昊、アルト、えびたからいち、森砂季、みくたん、宮坂変哲、ゆりのはなこ、りっすん、kato mina、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

字足らずの北斗七星 西沢葉火

荒廃してゆく現代についての昔の本 雷

かみさまに数値化されて花の亜種 上崎

鶴渡す 淡々ときたならしいね 西脇祥貴

ズツキーニほどのフアルスを咥えさせ 片羽雲雀

光らなくなった三日月ですそれは 東こころ

無理数の次が竹中工務店 西脇祥貴

立てかけられた母性本能 まつりぺきん

飲み込んで」「いつか鎖が切れるまで まつりぺきん

じゃあまたねそこを曲がると行き止まり 星見冬夜

蜈蚣から足を一本借りて立つ 片羽雲雀

聞こえない母に聞こえる四葩かな 菊池洋勝

調べたが季語ぢやなかつた邦雄の忌 たろりずむ

寄り添つてくれてもシャボン玉だしな しまねこくん

起きてすぐ珈琲を淹れてこぼしてハチャトゥリアン syusyu

人麻呂のひどい胡坐を見ないふり 岡村知昭

しゃっく りが止 まらなくっ てぬるい風 上崎

ハッカ飴乳歯の記憶ごと消して しろとも

雨風の夜半の話の九十九折り 涼閑

キラキラと水平線の永久歯 Ryu_sen

電卓よ電卓この恋をたたくAC 石川聡

うじゃうじゃが家系が切手をなりすますそこから砂丘 石原とつき

錯覚の平和さ今もアオミドロ あをみさき

トマトなら煮たり焼いたり冷やしたり 水の眠り

「こまめな水分補給を」さぁ、白鯨だ 石原とつき

二の足を踏んで躓くさまを見る みおうたかふみ

方言のお忘れものにご注意を おかもとかも

真っ白な嘘に十年ものの黴 上峰子

歌詞カード。中央線には乗りません 無敵さま

恋と決めつけられても困る蛍 hyuutoppa

黒歴史ふいに湧き出る足の裏 黒穂+

くちなしの花買ひ君の待つ家へ 花野玖

網戸から生まれる風の子どもたち のんのん

身体性私性は海霧に溶け 星野響

酔いどれてどこかに帰ってきたような罠 めめ

可燃ごみ用袋の包装はプラごみ 鷺沼くぬぎ

サイダーや呼んでも君の応えなく(いらえ) とるばどーる

腕から羽ばたけぬタトゥーの白鳥 縞田 径

かみしめばぎおんのあるくびよういん ひうま

私より筋肉あるやんごきぶり 輪井ゆう

水芭蕉たまには喪服着てみたし 小沢史

等価なおと等価なこえ等価なうたの夕立 あやめ

落し文平日ひるが都合よく 水の眠り

梅雨寒し産後の鬱に浅田飴 馬勝

諦めた翼梅雨にも濡れられず 雪夜彗星

白シャツの皺や抱かれていても独り 天やん

間違へて蜻蛉生るる真つ昼間 高田月光

気塞ぎの午後や香水瓶の影 佐竹紫円

画数が多くて愛を試せない ちゅんすけ

星の王子様待つツンデレの薔薇もひとり おじゃらりんご

一週間前より三分おきにカッコー時計喧しく 日下昊

アイスが溶けてプラットフォームが夜に 無敵さま

もろもろの事情で球団、みそぎする 森砂季

此処に来て  絡めや起きてる  そこの君 みくたん

梅雨空や飲み食いしても気は晴れず 宮坂変哲

レントゲンに映らない心のさみしさ ゆりのはなこ

蟒蛇は骨を一本ずつ鳴らす 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

あなたなら優しく教えてくれそうでふたりがちゃんと消える方法 五十嵐創

決められた薬の時間決められた通りに飲んで光の街へ 森内詩紋

「ツイートをさらに表示」をタップして雨が降ったり止んだりを知る 蔭一郎

綺麗事一つ言うたびアスファルトの上で蛙が干乾びていく 何となく短歌

おやすみをした後にスマホ眺めて ねぇやっと言えそうだよ 誰に?  はゆさく

生きるのは苦しいことの方が多いかもしれないけど宝石集め 凪ちひろ

ほんとうに寂しく思うのはテキーラを1人で飲む今より 人といる時 酔名

ツイッターよセンシティブなといふ網をかぶせてしまふ論理の未来 宮原 凱

光る街人ゴミ紛れためらいの足取り塞ぎ行き場をなくす

元さん

廃屋のような隣家の庭に咲く空木が濡れて透けてゆく初夏 みさきゆう

窓際にゆれる夕焼け吸い込んでさらに汗ばむふたりの制服

奥 かすみ

窓際に戸惑ふ儘に聞く風の運ふ言と鈍色の胸 ぱさ

にょきにょきとビルが生え出す梅雨の間(あい) 徳道かづみ

何一つ生み出せもせぬ私を育む星の孤独な光 ぱさ

宿題の隙間からヒラ白リボンクラスリレーの残響として さー

君に会ううれしい気持ちの奥底の心に潜む悲しい予感 Take

前のひと作ったレシピ再現すあれより高い食パン使って 萩原 アオイ

寂しさを鬼に食わせて亡骸に愛を注いで生き返らせて みゆう

ありがとういつも通りの今日でした心拍数が少し少ない 弌定住佳

日曜日ベッドから落ち打身になるそれでも痛いイタタタタタタ 姫川一桜里

窓から漏れる淡色の月明かり 何時ぞの涙の訳を思ふ アルト

朝4時の運動会で目が覚める 今日も早速やってくれたね えびたからいち

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◆ 詩

一人の夜フランスサスペンス見ながらビール3本空けてもやしラーメン食べちゃった
こりゃあ痩せないねー!!(む~みんママ)

幼少からの
悲しき記憶よ
この雨と共に
流れてしまえ。
そう念じ
紫煙を燻らせる。(温(ハル))

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◆ 作品評から

起きてすぐ珈琲を淹れてこぼしてハチャトゥリアン syusyu
 ~さみしくなんかない(りっすん)

飲み込んで」「いつか鎖が切れるまで まつりぺきん
 ~この形式、なんてロマンチックなんだろう、繋がらない 」「 がロミオとジュリエットで、お互い別の場面で話していたはずのセリフが偶然繋がっていた瞬間があったりしたのかな…と勝手に想像して、さらにもうどちらにも伝わらないという悲劇にわぁ〜となりました(全部勝手な妄想の中ですが(kato mina)

ソワソワとソーダ水から水を引く 太代祐一
 ~♪ソーダー村の村長さんが …♪という歌あるようにソーダ水は創造を喚起させる力があるようだ。〈そうだとも言えず沈黙ソーダ水 浮千草〉という面白い句もある。(月波与生)

歴代の妻が見上げる宇宙船 たろりずむ
 ~「歴代の妻」というのが何となくかなりスゴイ。どれだけ離再婚を繰り返した人なのだろう。なので最後の「宇宙船」は映画『未知との遭遇』のように壮大なシーンだ。(月波与生)

初対面だけれど虹が出ちやつたよ しまねこくん
 ~人間関係は「初対面」が9割といわれているので虹を出すことができると好感度が高いと思いきや「出ちやつたよ」と思いがけない感があって焦っているのである。(月波与生)

へそ出しの女のへその色見本 太代祐一
 ~へその見本帳かと思ったら「色見本」であるところがマニアック。しかも「へそ出しの女」のみで一般のご婦人は色見本には入らない。(月波与生)

遠ざかる景色にさよなら並べてる引越しセンター後は頼んだ 在原涙
 ~転勤のたびに利用する引越しセンターの手際がよくなっていることに企業努力を感じ感動したものだ。無駄に感傷的ならず「後は頼んだ」なのだ。(月波与生)

池袋東口から目指す海 上崎
 ~池袋からはお台場まで約25km。自転車で行くにはちょうどいい距離感。電車なら江の島あたりがいいかも。でも掲句はカリフォルニアとかを目指してそうだ。(月波与生)

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◆ 第120回句会報ダウンロードはこちらから

第120回句会報(PDF)

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