さみしい夜の句会報 第133号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第133号(2023.9.3-2023.9.10)

第133回の参加者は65名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

10月1日に開催されるさみしい夜の句会のリアル句会である「まわりみち句会」にたくさんのご投句をいただきありがとうございました。全句掲載リストを作成の上当日は、月波与生選と真島久美子選にて披講し、参加者のみなさんと全句を対象にしたディスカッションをしたいと考えています。初めての取り組みですが参加者のみなさんと句会を作っていきたいと思います。

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◆ 参加者(65名)

何となく短歌、しまねこくん、海馬、汐田大輝、石川聡、syusyu、古城、岩瀬百、水の眠り、西脇祥貴、池田 突波、カゲキ・ちゃけぞう、元さん、ダリア220、森砂季、円山すばる、西沢葉火、もふもふ、上崎、太代祐一、温(ハル)、涼閑、凪ちひろ、阿笠香奈、鴨川ねぎ、うつわ、石原とつき、円山すばる、星野響、しろとも、おかもとかも、すみれ、蔭一郎、はゆき咲くら、さー、片羽anju 雲雀、Born Slippy(モンモン)、輪井ゆう、ゆりのはなこ、夏西マグマ、Tomo、りゅうせん、雷(らい)、ぱさ、燕雀之心、修平、ひうま、涼、donkey、碧乃 そら、花野玖、あやめ、saku、crazy lover、佐竹紫円、霧雨魔理沙、まつりぺきん、馬勝、東こころ、雪上牡丹餅、藤野、藤井皐、岡部杏里、鷺沼くぬぎ、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

憎しみも引力だろう青林檎 馬勝

継子史にヴァイオレットが綴じられた 西脇祥貴

内側に手形の多い砂時計 蔭一郎

killing a mosquito in a taxedo 海馬

borders on a baby on a baby chair 海馬

みんなしてスカイツリーの福笑い 太代祐一

お話にならないケーキ食します 太代祐一

8の字を快傑ゾロにしてあげる 森砂季

棺桶に電池を入れる蓋がある 蔭一郎

スパイスの奥のほうから低気圧 上崎

湖に赤塚不二夫の反世界 汐田大輝

散らかした風習つちふまずに刺さる おかもとかも

コスプレのJK急ぐ野分跡 岩瀬百

秋灯し妻の寝言の小匙ほど 池田 突波

熱波師にサブリミナルな本能寺 りゅうせん

くよくよともぐもぐが仲睦まじい 岩瀬百

鼻息の音して地球温暖化 修平

笑われて踏み落とされた蛾の夕日 修平

案山子にもヤクルト置いて行きますね しまねこくん

秋の浜取つては返す鬼の首 しまねこくん

繋がった夜にパスタを巻き付ける 東こころ

夕空に蜻蛉さがして眼病む syusyu

泣き濡れてコバエの落ちた酒を飲む カゲキ・ちゃけぞう

白露の節エロ画像を送りました ダリア220

まだ青いカナリアだけで 西沢葉火

二度寝して白露はけふか昼の膳 もふもふ

旅人を見送る窓の夕茜 涼閑

やるせない夜を静かに閉じ込める 阿笠香奈

郷愁はホットケーキの香とともに 鴨川ねぎ

月にぎる猿と戯れ「狂気」聴く うつわ

夜の果てただ柘榴粒降りしきる 星野響

台風の雨掻き分けて水槽へ さー

シーシャ屋で吐露する白露 片羽雲雀

宿題の無い夏の一層淡い 輪井ゆう

秋晴に孤独遊ばす小部屋かな Tomo

○○の走りだったと路地の裏 雷

秋の水肩甲骨の回らない ひうま

足の爪塗り直したる餞暑かな 花野玖

ふたすぢのみちを歪めて恋とせむ あやめ

星月夜わが夢ひとつ放ちたり 佐竹紫円

京アニの 公判終わる まで生きる 霧雨魔理沙

くもり止めボタンを押して月曜日 まつりぺきん

半熟の卵白に似た朝の愛 雪上牡丹餅

星の下 あなたを探す 金木犀 藤野

慌てているねあなたの後ろの蔦 藤井皐

バカヤロウシンデシマエと羽化をする 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

来年の手帳が並びだす9月 人それぞれの時間軸がある saku

いきおいでキーボード打つ夜半すぎ 朝のコーヒーdeleteできた 水の眠り

今何をしてゐるだらうと思ふ時貴方も私を思つて欲しい 何となく短歌

真っ白い秋茄子ひかる高円寺純情商店街スーパーに 石川聡

終わりない起伏に飲まれ振り返る後ろ姿に手を伸ばしてる 古城

雨上がり街角が凪ぐ交差点暴れた夏を止めたシグナル 元さん

ありがとう屋根ある場所と寝る部屋を消えない傷を涙と怒りを 円山すばる

誰よりも輝いていた貴方見て流れるように去った青春 凪ちひろ

われらの内緒のオードブルの同時通訳に月々(ま、いっか) 石原とつき

番いのカラス 番いのアゲハ私は何処へ行けばいいのかしらね しろとも

森の奥白く細い煙のぼる今日もあの子は魔女を燃やした すみれ

手鏡を手回ししては彩変わる灰色雲もネズミの国に はゆき咲くら

失った、そう何もかも おめでとう プレゼントするね孤独だけど 比島アルト

さみしさを売りに来ました秋思とか代わりに良夜とか欲しいです ゆりのはなこ

浅茅生の篠突く雨に沈む日に余る想ひそ一つ溢るゝ ぱさ

体温で曇りし眼鏡布で拭く生の息吹と立ち位置を知る 燕雀之心

朝食をカフェでしようと意気込んで水も飲まずに家を出発 涼

踏まれても踏まれてもなほ身を固め轍となりて人を導く 燕雀之心

色なき風 主人(あるじ)うしなひしデスクには万年筆の亡き骸のある 碧乃 そら

いいじゃないキミとボクとのあいだなら大波小波そのチラリズム crazy lover

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◆ 詩

連れてって
連れてって
龍神さんの背に乗って
何処か遠くへ
連れてって (温(ハル))

ひとりになりたい
ひとりが好き
つぶやいて
ひとりにならず
よかったじゃん
見てくれてるんだもん (donkey)

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◆ 作品評から

borders on a baby on a baby chair 海馬
 ~Much violence, but true. Only we can’t see that, or ignore that. (西脇祥貴)

握手したあと手に残る秋の海 蔭一郎
 ~コロナ以来ほとんど握手をしなくなった。のは自分だけでもしかしたらみなさんは握手もハグもキスもコロナに関係なくバンバンしてたのかもしれない。じっと手を見る。 (月波与生)

浮ついたシャトルバスとは縁を切る りゅうせん
 ~イベント会場と繋がるシャトルバスには浮ついた人たちでいっぱいだが、そんなものを乗せるバスとは縁を切るというのである。大衆の中の孤独。(月波与生)

踏まれても踏まれてもなほ身を固め轍となりて人を導く 燕雀之心
 ~なるほど。さみしいうたです。(岡部杏里)

秋の浜取つては返す鬼の首 しまねこくん
 ~一寸法師に桃太郎かよ (鷺沼くぬぎ)

内側に手形の多い砂時計 蔭一郎
 ~勝手に川柳句として読みました。砂時計の内側に手形がある!なんだか不思議で不穏w
崩れながら落ちる「砂時計」と、なにがしか生きていたことの痕跡の象徴のような「手形」との取り合わせが抜群。直接の感情表現が皆無なのに、きゅっと切なくなるのはなぜだろうか? (石川聡)

笑われて踏み落とされた蛾の夕日 修平
 ~屈辱的な経験をした時の、悔しさと自嘲の混じった感情は、蝶でありたい自分と蛾のような自分とのギャップを感じる瞬間の感情に似ているのかも知れません。そして、そんな蛾の翅にある目玉のような模様は、なぜだか夕日のようにも見えて。(まつりぺきん)

お話にならないケーキ食します 太代祐一
 ~この場合の「お話にならない」は「議論に値しない」、「喋らない」、「小説や絵本等に出せるものじゃない」といろいろ解釈できそうですが、このケーキはどれにせよ寂しい味がしそうですね。みんなで食べてもなぜか孤独の味がしそうなケーキです。 (森砂季)

くもり止めボタンを押して月曜日 まつりぺきん
 ~月曜日の初めは仕事や学校で誰でも憂鬱になり得る。その時に酔い止めや風邪薬のような即効性を以って、心のモヤを霧消するボタンが目の前にある。サザエさんを鑑賞し終えた人々にそんなボタンを渡したい所存。(修平)

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◆ 第133回句会報ダウンロードはこちらから

第133回句会報(PDF)

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