さみしい夜の句会報 第117号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第117号(2023.5.14-2023.5.21)

第117回の参加者は85名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

「さみしい夜の句会」作品集第2集を発行しました。今回は37名の方に参加いただきました。編者として作品集に手を入れてるわけではありませんが、通して読むと「さみしい夜の句会」のカラーが良いほうに出ている作品集になっていると感じました。ご興味がある方は手にとっていただければ幸いです。(Amazonにて購入できます)。句会が順調に続けば12月頃第3集の参加募集を考えます。引き続きご投稿よろしくお願いいたします。

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◆ 参加者(85名)

ゆう、奥 かすみ、saku、しまねこくん、何となく短歌、温 (ハル)、みさきゆう、syusyu、む〜みんママ、梓川葉、西脇祥貴、たろりずむ、雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜、東こころ、元さん、おかもとかも、高良俊礼、入竹野乃子、ツユクサ、M*A*S*H、西沢葉火、鷺沼くぬぎ、花野玖、しろとも、Tomo、Born Slippy(モンモン)、屑乃ハコ、リコ、石川聡、雪夜彗星、日下 昊、上崎、のんのん、宮井いずみ、凪ちひろ、佐竹紫円、小沢史、雪上牡丹餅、水の眠り、まつりぺきん、雷(らい)、流天、hyuutoppa 突波、さー、みおうたかふみ、とるばどーる、森砂季、球、秋日子の呟き、月硝子、千春、涼閑、ひなとと。、Take、屑乃ハコ、こたろう、KBLib、此糸むら咲、上峰子、鴨川ねぎ、弌定住佳、みくたん、石原とつき、Ryu_sen、菊池洋勝、片羽anju 雲雀、金菱枕、とし、紺野水辺、はゆき咲くら、吾亦紅、輪井ゆう、ゆりのはなこ、とわさき芽ぐみ、白石ポピー、ちゅんすけ、人見弐一、凪ちひろ、抹茶金魚、元さん、宮坂変哲、森内詩紋、シマダ、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

膝裏が産気づいてるのは秘密 小沢史

扉絵に泡だけ描いてある 不定 おかもとかも

領域を鴨がかすめて休校す 抹茶金魚

キスはまだなれど海ほほづき鳴らす syusyu

樹の中はみんなやさしいホログラム おかもとかも

乱丁で殖やす竹取物語 西脇祥貴

エアコンが去年の夏を吐き出して さー

カルダモン噛んだ爽快感ひとり 雷

しがらみが切れて陽気なジャンク品 Ryu_sen

町内へ報じる海女の解禁日 菊池洋勝

標的にされているのに照れるなよ 西沢葉火

逃げ道のほうから馬がやってくる 上崎

駆け落ちのお供はいつも季語辞典 おかもとかも

客を引く玄関先のラベンダー こたろう

ハンガーとハンガーがぶつかって、過去 上崎

おもたせのレモンピールよ永遠に 上崎

方舟は怪獣乗せて精いっぱい おかもとかも

こっそりと他人の庭に種をまく ツユクサ

「いいね」しかすることがない夏の月 みおうたかふみ

雨音で運転席を聴く 雷

弁解はフライドチキンほどの罪 宮井いずみ

年甲斐が有るか無いのか水中花 しまねこくん

薄暑来て悪魔祓いの封を切る 石川聡

若葉キラキラってんで、おいたかまってちゃん 石川聡

雷鳴がくれた味なミドルネーム 西脇祥貴

薔薇が咲く期間限定喫茶店 屑乃ハコ

大王と呼ばれる前の蛍烏賊 しまねこくん

青嵐アメ車はみ出す右カーブ Tomo

@が結べない 西沢葉火

合言葉いつもこころに棺桶を いとう

葉巻型腕時計式御意見番 おかもとかも

生れたての小鹿壊れかけのRadio たろりずむ

ブラウスを汚してうつくしい逢瀬 東こころ

貯め込んだアイスの当たり棒捨てる む~みんママ

紫陽花が授業を受ける深い海 千春

失せものは春を跨いで空の果て 涼閑

キイチゴの白昼酸しドライ寒し 白石ポピー

おしりから蚯蚓が出れば健康です M*A*S*H

宝くじ買って飛ぶのは明日にする 鷺沼くぬぎ

親も子も甘えてばかり四十雀 花野玖

金平糖前歯で囓る緑立つ しろとも

淡々と磨り減る僕を置いてゆく夜 リコ

手花火が消える夜空に星語り 雪夜彗星

霧の森に沈んでゆくは浮かぶはずの君の笑み 日下 昊

解体がやけに上手なお母さん のんのん

肉汁で飛行機飛ばす 雪上牡丹餅

斎場の時計の針で型を抜く まつりぺきん

松の実の頭蓋のごとく笠ひらく 流天

テントムシダマシの方に生まれたよ hyuutoppa

ヌン活は五重のスタンド、ブルース・リー 森砂季

錆びついたベアリングを回す仲人 球

首筋に兆す薔薇の芽の固さ 上峰子

ときめきの亡骸はもう捨てたかい 鴨川ねぎ

人知れず夜を纏いて忍び足 弌定住佳

理不尽な 出来事すべて 川柳に詠む みくたん

天道虫だましだまされ幸せよ 片羽雲雀

口角がバカになったよ薬指 金菱枕

芍薬や空だけ見れば大丈夫 紺野水辺

五月雨と カエルの声は 友達だ とし

うまくいく気がする初夏の見せる夢 輪井ゆう

長袖の理由訊かれて夏の空 ゆりのはなこ

知らん顔されてさみしい花苺 ちゅんすけ

インディゴブルー夏の日の空の色 人見弐一

木苺を含んで送るエールかな こたろう

壊れても病んでも走れサラリーマン 宮坂変哲

ユニセックストイレに穴を忘れる 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)  

最後までブルーノートのスケールの大人の顔して愛せなかった みさきゆう

さびしさはどこまで聴いてもサビのないメロディみたいな分からなさたち とわさき芽ぐみ

二のゾロ目予定日まえに便意かと思えば産まれ午後三時の子 水の眠り

土砂降りの街のなかではお互いの境い目なんかグレーに溶けた 水の眠り

線路はまいにち絡まったり逆立ちしたりを夢見ている 石川聡

起き出した朝のカフェでは◯活の鼓動とカップが序曲奏でる 奥かすみ

今までの 軌跡辿りて 振り返る胸に宿すは 成長の証 ゆう

日常と非日常をつなぐ新幹線 旅の終わりは何処からだろう saku

いつの日か迎えに来ていただけますかそう思うほど気力失せ果て なんとなく短歌

無理せんでいいよと肩を抱き寄せる貴方は人に気を使いすぎ 梓川葉

君が言う恋する中にいる人が私ではないと気付く瞬間 雪の空

一人きり迷路のような人ごみのひかり始めた街に飛び込む 元さん

パフェ食べて美味しかったの「た」のところ辿り着いては一人侘しき 入竹野乃子

もしも願いが叶うなら来世は君に膝をつき愛を誓うよ Born Slippy

かんづめの看病既に四日経ち咳き込む娘の寝顔見守る 凪ちひろ

重やかに広がる雲の先に立ちペトリコールは痛みとともに 佐竹紫円

君のこと声も仕草も忘れてる覚えてるのは誕生日だけ とるばどーる

酢を知る花鳥風月愛しいと思える日また我に来るのか 秋日子の呟き

足掻いても足掻いても誰にも等しく二十四時間過ぎるだけ ひなとと。

夜明け前稜線白くなり始め今日一日の憂鬱の始まり Take

ひとり寝のベッドの中に潜り込む何かが噛んだお尻が痒い KBLib

誰かが果てた夜明けの星よあなたが泣かずに眠れますよう 此糸むら咲

大玉を送るといった夏が来るスイカ睨んでメロンを愛す はゆさく

一日を塗りつぶしたくて描いた薔薇 はみ出た今日が紡ぐ不眠症 吾亦紅

変化する街へ静かに憤る 踏みつけるなよ白いマスクを 森内詩紋

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◆ 詩

眩しい青空。
悲しい時に限って晴れる。
どこまで
神様に見放されてるのだろう。(温 (ハル))

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◆ 作品評から

暗い箱 血まみれシャドーボクシング Tatsuo Kanase
 ~〈舐めて癒す ボクサーの傷わかき傷 羨みゆけば 深夜の市電 寺山修司〉 作者の表現したい世界は寺山とそんなに違わないと読んだ。では差異はどこだろう。(月波与生)

青情情情情情情情情情情情情情情情情 西脇祥貴
 ~〈夕焼けの中の屠牛場牛牛牛牛牛牛牛牛牛牛 木村半文銭〉を知らないで書くか、知ってから書くか。作者は知ってから書いているので模範囚なのかもしれない。(月波与生)

見る夢が無いなら虹を見ていろよ しまねこくん
 ~と言われて虹を探している(月波与生)

歳時記をしまった後の口約束 雷
 ~「歳時記をしまった後」という措辞がいい。大切なものを使わずに大事なことを言おうとしている。が、上手く伝わる筈もない。あなたはあなたの歳時記で話すべきだ。(月波与生)

カルダモン噛んだ爽快感ひとり 雷
 ~「爽快感」からの「ひとり」に心を持っていかれました。圧倒的な孤独。(花野玖)

若葉キラキラってんで、おいたかまってちゃん 石川聡
 ~石川さん初めまして。こんばんは。いつもお世話になっています。
おいたかまってちゃん、って誰かモデルがいるのですか?私は地方に住む俳句、短歌、川柳ともに初心者で、周りにも教えてもらえる人もいません。石川様の俳句に日々勉強させて頂いています。未熟物ですがさみしい夜の句会に参加させて頂き有り難く思います。もし何が失礼がありましたら遠慮なく仰って下さいませ。(こたろう)

美少女になりたいわたし美少女に美少女にああなんもしてない 春町
義務感で出勤してる義務感で家路に向かう義務感で寝る 何となく短歌
 ~言葉を繰り返す面白さ。(月波与生)

太つてる時に限つて夏が来る たろりずむ
 ~ホントにそうだよなーと笑ってしまった。もうサリーみたいな服でごまかすのはやめようとココロに誓いましょう。 (月波与生)

おもたせのレモンピールよ永遠に 上崎
 ~「おもたせ」という言葉、完全に忘れていました。いいですね。(まつりぺきん)

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◆ 第117回句会報ダウンロードはこちらから

第117回句会報(PDF)

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