さみしい夜の句会報 第111号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第111号(2023.4.2-2023.4.9)

第111回の参加者は103名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

真島久美子さんが主宰する「第11回卑弥呼の里誌上川柳大会」の参加者がついに900名を超えました。単一の川柳社が有料で開催する川柳誌上大会としては最大規模です。47都道府県すべてから参加があるというのもとんでもないことですが、入選率5%以下、つまり95%以上はボツという厳選でほとんどの人がボツであるにもかかわらず参加者が増え続けていることに川柳の希望を感じています。

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◆ 参加者(103名)

たろりずむ、Ryu_sen、佐竹紫円、Take、奥 かすみ、みさきゆう、何となく短歌、まこと、M*A*S*H、のんのん、しまねこくん、石原とつき、Born Slippy(モンモン)、まめのすけ、すずしろゆき、井本 和彰、太代祐一、ぱさ、岩瀬 百、涼閑、さー、流天、む~みんママ、水の眠り、雲心、秋鹿町、雷(らい)、しろとも、西脇祥貴、花野玖、みおうたかふみ、元さん、西沢葉火、とるばどーる、Nichtraucherchen、futuro、daist、はゆき咲くら、上峰子、おかもとかも、森川のと、佐竹紫円、菊池洋勝、とし、汐田大輝、凪ちひろ、萩原 アオイ、春町、石川聡、Niodori、社畜先輩、上崎、岡村知昭、星野響、斌、小沢史、Somekawa Yukio、まつもともとこ、Tatsuo Kanase、hyuutoppa 突波、日下 昊、一色、輪井ゆう、堀内古紙、天やん、弌定住佳、鴨川ねぎ、まつりぺきん、もゆら、鳴海、みくたん、屑乃ハコ、こたろう、みや、六月、おひたし中田、抹茶金魚、馬勝、星見冬夜、こばやし南子、どこにでもドア、此糸むら咲、中靍 水雲、須賀 善昭、mine、蔭一郎、宮井泉、海馬、二葉らむ、Tomoko、saku、とわさき芽ぐみ、森内詩紋、山田真佐明、せば、朔夜、cosmocaa、名犬 ぽち、海月漂、ひなとと。、ピーヒャラ、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

桃色の窓から孤児の音がする 西脇祥貴

四股名ですかと問えば猫の縄張り 秋鹿町

龍天にもみあげはどうされますか たろりずむ

産湯まで遡るのが風呂嫌い まめのすけ

なけなしのテーマソングを川へ流す おかもとかも

(チクタク)産声の練習の古墳沿いの素敵 石原とつき

沈下橋ほどのしぶとさ春の鬱 宮井泉

桜の木の下にわたしだけ来ない 蔭一郎

電柱が積極的に犀である 岡村知昭

膵臓に飛び込んで春のめきめき 秋鹿町

弁当が笑いもしない誕生日 秋鹿町

目次には載らないほうの砂糖水 上崎

あらすじになってあなたに刺さりたい 上崎

牛タンのタンは悪魔のタンでした 上崎

まだあいうえお順なり入学式 hyuutoppa

爆笑の唐草模様から逃げる 岡村知昭

ややあって日本語だけの外国語 みおうたかふみ

のの様を囲んで甘茶すまし顔 水の眠り

わさびから練りわさびへと進級す しまねこくん

初蝶は投票箱に逃がすと良い しまねこくん

当分は輪投げの的の新社員 しまねこくん

グロー球つけ替えパッと古い本棚 雷

傘ささず雨粒の仮性包茎 秋鹿町

繰り上がるロケット鉛筆新学期 さー

オペラ座の怪人のペラペラなところ 海馬

またいつか小雨のなかで逢いましょう 蔭一郎

サヨウナラサカモトリュウイチの12  Ryu_sen

誰だっていいわけじゃないけどもういいさ まこと

あそこだけ蝶々で隠す国家機密 M*A*S*H

火をつけて笑おう明日は何しよう のんのん

県庁の外観仰ぐ花の昼 井本和彰

しんどさがフロアを沸かす緑いろ 太代祐一

鮫の目やパステルカラーのワンピース 岩瀬百

くちびるにふれるふれない闇の息 涼閑

わからないことばかりですなにもかも 流天

お手洗いにいけど鼻噛むばかり花粉症 む~みんママ

アネモネや風の娘であった頃 雲心

あの日から背骨抜かれた烏賊のまま しろとも

花冷えや昔のメール読み返す 花野玖

ランチまでは話さないで 西沢葉火

夜桜や散りゆく姿痛ましき とるばどーる

指先に無濾過な言葉たちの群れ 上峰子

火塗れの目刺劣等感募る 菊池洋勝

妄想を  裏切らなくて 春は行く とし

ならぬ堪忍マヌルネコ 石川聡

朧夜に鍵盤が液状化する 星野響

新幹線トンネルの中ツイート 斌

罅割れた踵から漏るビリジアン 小沢史

上空のアトランティスを見ないふり Tatsuo Kanase

春陽に輝く残雪がもう遠く 日下 昊

雨音も ここだよと鳴く 変拍子 一色

散る桜いつでも春は一度きり 輪井ゆう

シェービングフォームでシャボン玉試す 堀内古紙

吾子の泣く選挙カー喧し春の宵 天やん

生き辛さ孤独で解消旅の空 弌定住佳

分かれ道 辞任かアニメポリス・ペロ まつりぺきん

愛に逢い  藍 似合う頃  哀に逢う みくたん

逃水の帯を掴むも逃げられる こたろう

背脂で汚れた聖書復活祭 馬勝

まだだよね死後硬直が来るまでは こばやし南子

シルバーの給与遅配に燕の子 須賀 善昭

フリージア精神科医も飲む薬 馬勝

季節柄タンゴスタイルの救世主 二葉らむ

心地良い眠りを夢見て眠れない脳 saku

悲しみにオクラ納豆聖飯 山田真佐明

真夜中に落ちた椿と目が合うた せば

満天星の花かしましく合唱部 月波与生                             

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)  

左だけ涙がでます半分はあなただったの空っぽでいる みさきゆう

きみがいた故郷が香るこぎん刺しの花っこ挟む夜明けの本に みさきゆう

特売の人魚の切り身がメカジキの隣の並んでそれでも高い 萩原 アオイ

元カレと作ったピクルスの瓶が空気を読んで蓋が開かない 萩原 アオイ

さみしさに似ているからとドーナツのあなをなくしてあげる君がいい 中靍 水雲

一番の歌になりたいわけでなくふとした時に浮かべてほしい みさきゆう

北の地で燃えるエロスとタナトスを封印できぬ亀甲縛り 水の眠り

気の抜けたウィルキンソンを口移すあなたのむこうのあなたの遺影 此糸むら咲

あまりにも綺麗に逝ってしまうから 今日もあなたがいると思った mine

童顔で舌っ足らずなアイドルの死刑が決まる結婚報告 屑乃ハコ

雨音と君の寝息と耳鳴りが同時に聞こえる春の真夜中 Take

美味しいを脳内変換ありがとうさらに変換愛しています 奥  かすみ

後ろからハグして欲しいだけなのに背を向けたまま 待ち疲れたよ 奥 かすみ

ルービックキューブ六面揃えたらバラバラにして野生に帰そ 春町

雑踏に君の背中を見つけてから無音の駅がザワザワしてる奥 かすみ

気まずくてあるきはじめる横顔と壁に映った木漏れ日の白 みさきゆう

牛すね肉ほろほろ崩れ積年の怒りほどけてゆく洋食屋 すずしろゆき

瞬間接着剤の瞬間の「キス魔に気をつけなきゃね」 石原とつき

声にするタイミングを逃したみたいほんの三秒前の空白 佐竹紫円

散り切って盛りを過ぎても葉桜と名づける国に生まれて生きる 何となく短歌

出逢うまで殻から出れず臆病で笑顔育むキミはお日様 アルト

言い出せず後ろ姿を眺めたり俯いたりの木漏れ日の陰 ぱさ

閉じた夢遠くの空の忘れ物夜の向こうで何かを探す 元さん

じゃんけんと云われて思い出せるのは池田澄子の句なクラスター Nichtraucherchen

真っ白なこころ示唆するいでたちか闇夜を照らす幸運の猫 future

もう背伸びしないし顔も上げないし手も伸ばさない俺なのに春 daist

春の音ヒュウヒュウとゴウゴウで代わりばんこにすれ違い一礼 はゆさく

焦がれてはひとりで飲んだ毒さえも恋と思えばそうなんだろう 森川のと

この世でイチバン甘いクリームソースまみれのタンジェリン最高 汐田大輝

左右前後正邪振り切り星空へ目指すヨタカの夢は光りて Niodori

天才がめんどくさくてしたがらぬ仕事を拾い飯にありつく 社畜先輩

蒼い鳥天使の羽根よ帰り咲き蒼く凛々しく宇宙を游ぐ Somekawa Yukio

いつからか嫌な夢しか見なくなったいい夢はたぶん忘れてしまう 凪ちひろ

心なき言葉吐く人不愉快な我の心に怒り染まる もゆら

わだかまる思い蓋して幾星霜捨てることさえ出来ないままで 鳴海

みえなくていいものばかり消えたくて消えることなどできはしないの みや

死にたいと叫びながら行くコンビニの灯りによって生かされている 六月

思い出す牧草ロール見る度にもう食べれないコロンのことを おひたし中田

モジャらざるモジャのモジャるがモジャじゃれてモジャれよモジャれモジャんぬるモジャ 抹茶金魚

白砂に取り残された傍惚れも潮が満ちれば海に還れる 星見冬夜

あまりにも綺麗に逝ってしまうから 今日もあなたがいると思った mine

キョロキョロと落ち着かないのはなぜだろう お腹がちょっとすいてるせいか Tomoko

泣かないであなたもちゃんと好きだからそれで泣き止む私もももも どこにでもドア

眠れない夜の積み木は鮮やかに更けてゆくからぬばたまと呼ぶ とわさき芽ぐみ

行く春を追い越してゆく若人が不意に蹴飛ばす老いた慣習 森内詩紋

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◆ 詩

「あかんで」と
笑ってくれて
ありがとう (もとこ)

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◆ 作品評から

後ろからハグして欲しいだけなのに背を向けたまま 待ち疲れたよ 奥 かすみ
 ~その背中 ぎゅーして髪にキスしても?男だってね臆病なもん
勝手に引RT失礼します。男も鈍感でバカで臆病なんですよね。
好きであればあるほど、不安になる生き物なんです。(朔夜)

よりによって年度の初日をエイプリルフールにしたやつ呼んでこい 好き たろりずむ
 ~大嘘つきに限ってエイプリルフールは嘘をつかずまっとうに生きるらしい。その人はあなたの隣にいるから気をつけた方がいいよ。(月波与生)

零時よりブリキの馬によるレース 岡村知昭
 ~馬券売り場に居るおじさんの目はだいたい虚ろだ。もはや走ってるのは馬でもカブトムシでもゼッケンを付けてればいいのかも知れない、と虚ろな目でmitegvjfする。(月波与生)

もう背伸びしないし顔も上げないし手も伸ばさない俺なのに春 daist
 ~最高!(cosmocaa)

当分は輪投げの的の新社員 しまねこくん
 ~アイテ。ちゃんと投げろや!ごるらあ!!(名犬 ぽち)

元カレと作ったピクルスの瓶が空気を読んで蓋が開かない 萩原 アオイ
 ~ピクルスの瓶の蓋が開かない〜確かに発酵時に勢いよくガスがでて逆転し真空状態に?
気読む⁈ここにシークレット㊙️がありそうな 中々劇場的です (Somekawa Yukio)

電話口明けない夜はないというNPOの声だけ弾む   ゆりのはなこ
 ~傾聴のはひたすら相手の話を聴くこと。励ましたりカッコイイことを言った瞬間にあなたはブロックされるだろう。明けない夜もあるのだ。(月波与生)

濡れて帰る肉には肉のうつくしさ 西脇祥貴
 ~「濡れて帰る/肉には肉のうつくしさ」と二つの場面での言葉として読んだ。ひとつは情景、ひとつは心情として。(月波与生)

弁当が笑いもしない誕生日 秋鹿町
~お誕生日おめでとう!川柳でイケイケ(死語)の鹿ちゃんを楽しみに応援しています(海月漂)

きみがいた故郷が香るこぎん刺しの花っこ挟む夜明けの本に みさきゆう
 ~花っこが可愛いです
○○っこって聞き慣れてるのでなんだかほっこりしました(ひなとと。)

君の歌 ちゃんとコトバの 味がする bean to bar の 板チョコみたいだ Okukasumi
 ~4月になって新しいドラマの主題歌があいみょんの〈愛の花〉に変わりました。「コトバの 味がする」歌ですね。(月波与生)

女子トイレマークと思いきや古墳 おひたし中田
 ~「古墳」はこんな風に使えるのかと驚きました。
言葉はまだまだ意外性に満ちています。(月波与生)

閉じた夢遠くの空の忘れ物夜の向こうで何かを探す 元さん
 ~沁みます(ピーヒャラ)

一筋のコントレイルは糸でんわ何も聞こえず空に消えたよ 星見冬夜
 ~コントレイルから糸電話へ繋げてまた雲へ戻っていく広がり。
何も見えなくても青空。(月波与生)

なるべくはさくらを見ないようにする 蔭一郎
 ~桜酔いしてしまうので桜を長い時間見てはいけないよ。この地もまもなく桜が満開になり桜酔いした人間があちこちに倒れるよ。なるべくはさくらは見ないほうがいいよ。(月波与生)

牛タンのタンは悪魔のタンでした 上崎
 ~ルビ川柳。「悪魔的に」という表現がありますが、リスクがあっても手を出してしまう魅惑のようなものを上手く表現していると思います。この句もその延長線上で、上手く牛タンを料理されているなぁと(笑)(まつりぺきん)

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