さみしい夜の句会報 第80号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第80号(2022.8.28-2022.9.4)

第80回の参加者は82名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

句会も80回目(80週)を超えました。1回目から皆勤の方もいて毎回週報を作りながら感激しております。少し句会らしくします。句についてのコメントを受けたい場合は、#コメ希望 を追加してください。また、#コメ希望 を見た方は、できるだけ(可能な限り)その句に対してのコメントをお願いします。コメントは作品に対してのみとします。引き続き「さみしい夜の句会」をよろしくお願いいたします。

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◆ 参加者(82名)

あ、しまねこくん、太代祐一、空瓶、ゆりのはなこ、さー、宮坂変哲、蔭一郎、白水ま衣、syusyu、iba、鷺沼くぬぎ、夜間戦闘(れん)、電車侍、星野響、西脇祥貴、ぽっぽ、生・存、おかもとかも、najimi、弌定住佳、高木タツオ、雲上晴也、向坂澪、天やん、馬勝、まつりぺきん、西沢葉火、−恷庵− 、玖、岡村知昭、小沢史、池田吉輝、涼閑、Tomo、海馬、美郷、桔梗菫、春宵飯店、なゆた、日下踏子、石川聡、Ryu_sen 、日月星香、石原とつき、Millicent.AlmondMilkLatte 、東こころ、Tomoko、風池陽一、月硝子、木野清瀬、達毘古、菊池洋勝、Mei、さぶきち、みや水也、岩瀬百、fuu_、crazy lover、和泉明月子、木之下恵美、HAKUBIKI、MIYA、む~みんママ、あお、Hina、たぶん、コネコノビッチ、水の眠り、抹茶金魚、鴨川ねぎ、さこ(砂狐)、棚場田敦也、ちゅんすけ、睦月ヨシ、たろりずむ、かなず(梨山碧)、com、高梅仁、kats-miz、森内詩紋、月波与生

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◆ 7・7詩、5・7・5詩

野葡萄乃1つは白にする規則 しまねこくん

僕をおかずにして下さい秋涼し あ

脅迫の材料としてのティンパニ 太代祐一

早起きをやり直してから髷を結う おかもとかも

寝返りの度に鳴り出す古時計 睦月ヨシ

串団子の串は感情的である 白水ま衣

流れ星神話に倣う避妊法 馬勝

女子だけのドッチボールは芋嵐 さー

光らずに世辞を言うのは難しい 白水ま衣

ヘネシーに漬けたZoomの下半身 海馬

土俵からなにを言っても出ない母 蔭一郎

コンテナに色なき風を積んだ船 蔭一郎

感想はブルーベリーのぶるーです MIYA

恐竜に追いかけられる不惑過ぎ 岩瀬百

そういうことは分母に言ってくれないか 白水ま衣

学校は雨冠がふさわしい Ryu_sen

蒸し焼きの鼻へごめんなさいのキス 岡村知昭

素描すら知らない国のこいのぼり 西脇祥貴

保護猫はみな野葡萄の眼をしたり 木野清瀬

最後まで眠たいままで逝くわたし 蔭一郎

お世辞抜きでとても竹輪ですね 白水ま衣

秋夕焼け逆走車には老夫婦 Tomo

加山雄三に戻って笛を吹く 岡村知昭

深夜二時まだ見たくないメールあり 空瓶

終電の窓が日めくりカレンダー まつりぺきん

入れ歯だと知ってるくせに落花生 馬勝

忍ばせた胸ポケットのバカヤロー 鷺沼くぬぎ

銀紙の対角線はNとN MIYA

虫の音に紛れて息を止めるふり さこ

時計から時間抜きとる難工事 涼閑

ケーキ屋じゃシモーヌ・シニョレ資本主義 西沢葉火

父母の背が二点透視で遠ざかる 鴨川ねぎ

秋の暮隣家の柿を二個盗む ゆりのはなこ

秋涼しスーパーマンは爪を切る 宮坂変哲

水色のリボンとなりに秋涼し syusyu

中指の突き指疼く休暇明 鷺沼くぬぎ

こっちだと有刺鉄線平気でつかみ 夜間戦闘(れん)

殿さまの 家に生まれず 秋刀魚食ふ 電車侍

哭き声を曳いて流星宙深く 星野響

野葡萄を踏む男子学生の解放 生・存

帰り道忘れた人の夜に遭う najimi

懐かしき感覚だけがよみがえる 弌定住佳

雨降りに花咲く水母の養殖池 高木タツオ

爽籟に鳥追いカイトみぎひだり 雲上晴也

秋日影通夜待つ父のスポットライト 向坂澪

線香も蝉の声も絶ゆ八月尽 天やん

うんざりだ…蘊蓄やたらと語るやつ。 −恷庵−

フィクションとノンフィクションの扇置く 玖

野葡萄や制服苦手だった頃 小沢史

一陣のすずかぜ流る庫裡の裏 流天

三日月にも半月にもなれず居る 黎明

月見草スカイツリーもよくにあう 石川聡

呑みすぎて紅く色付く酔芙蓉 日月星香

ひさしぶりのふりをしてみる貴方に 東こころ

娘の背中と三〇年前の私の背中押す新学期 Tomoko

缶よりも瓶の語たらひビールかな 風池陽一

講閉じる頃野葡萄の念珠褪せ 月硝子

考える人いなくなる休暇明け 達毘古

前半の飲水タイム法師蝉 菊池洋勝

刑場へ引かれる男石叩き 岩瀬百

wait for no one. 遊びすぎた子供みたい… fuu_

若き日のあなたはそりゃあ綺麗でしたよ crazy lover

今さらと写真の妻の笑い顔 和泉明月子

終る葉月を惜しんで行水 日下昊

カーネギー あなたを読んで 忘れるわ HAKUBIKI

八月尽がらくたばかり握りしめ Tomo

夜の秋 シーツに溶けし熱 ぬくもる Hina

秋のひる置かれた場所で死になさい たぶん

猫はだめだと言う母の口紅 コネコノビッチ

思い切りエゴイストな天気 水の眠り

退屈に慣れて木槿を毟り飽き 抹茶金魚

想い出に指を浸せば滲む街 ちゅんすけ

椎間板ヘルニアという架空の国 たろりずむ

ハルさんがマスクしていて休日 かなず

九月尽そして燃え尽き症候群 月波与生

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◆ 7・7、5・7・5以外の短詩

ロンドン橋の薬草「ねえ、抱っこしてよ」明日は何日? 石原とつき

ほの白き壁際に立ち三毛猫は決して動かず夕焼けとなる ぽっぽ

夜明け前。皆寝静まる集落に、鈴虫たちの唄声が澄む iba

友ふたり帰ったあとの台所 口笛吹いて水仕事する 美郷

ついてないしんどい時はお早めに明日の私へバトンタッチ 春宵飯店

浴槽の 中でまんじり ともせずに ふやける体 更けて蝓く夜 なゆた

18歳若き日買ったあの本を全て読みたい出来るならば Millicent.AlmondMilkLatte

あの人の堕落はなにやら凛として努力のあともちらほら見える さぶきち

彼は誰の時こそゆらぐ霞漕ぐ星はいずこにあなたはいない みや

家族コミュ勝手気ままにログアウトコノウラミハラサデオクモノカ… あお

昼休み私の席はいつだってほかの誰かに埋められている 棚場田敦也

涙より血を流したいお別れにサディスティックなキスをください 宮坂変哲

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◆ 詩

さいごのせみがないている 
さいしょのくさひばりとともに
しつかなこえでないている
土の下をはう
たくさんのおとうとのために(日下 踏子)

からっぽの
こころの端に
誰か住む
こなきじじいか
むげんかがみか (木之下恵美)

暑い夏 熱い夏
何かを燃やし
猫の生命さえ、燃やし尽くし 夏がいく
あなたは遠く 後ろ姿に
取り残された私は
夏の終わりに 
ただ佇んでいる (む~みんママ)

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◆作品評から 

ひとりきりサイケデリック盆踊り 鴨川ねぎ
 ~「サイケデリック盆踊り」といういかした踊りを踊っているがひとり。この世界には自分しか知らない楽しみがが無限に存在している。 (月波与生)

銀紙の対角線はNとN MIYA
 ~銀紙はいつも宇宙からのメッセージを受信している。いま二つのN星がそれぞれにNであることを主張している。宇宙に反発が絶えないのは、四角い銀紙に対角線があるからだろう。(西沢葉火)

賢治は逆流し、しばし立ち止まる 藤井皐
 ~「賢治」とは誰か?宮沢?宮本?逆流して立ち止まるとは?擬人?途中の「、」は何? 無数の?を残したまま何も語らず句は終わる。(月波与生)

ついてないしんどい時はお早めに明日の私へバトンタッチ 春宵飯店
 ~早くお休みになったぶん、明日早起きできて、ツキのある一日を長めに満喫できますよ、きっと(com)

稲刈りや『展覧会の絵』のテンポ mugwort
 ~『展覧会の絵』が面白い。稲刈りはミレーの絵の風景であることに気づく。「テンポ」をよりエモーショナルな言葉にするとゴーギャンになる。(月波与生)

月見草スカイツリーもよくにあう 石川聡
 ~おはようございます。お茶目な太宰が印象に残る作品でしたね。(高梅仁)

保護猫はみな野葡萄の眼をしたり 木野清瀬
 ~綺麗な句ですね。始められた頃の句より視点が広がってる。(kats-miz)

折鶴をほどけばころり恥骨落ち 小沢史
 ~映像的であるが恥骨は想像よりやや大きい。「ころり」のイメージとしては尾骨なのだが句の表情としては恥骨が合っている。悩ましい。(月波与生)

線香も蝉の声も絶ゆ八月尽 天やん
 ~「尽」って、全てが無くなる感じがします。「八月尽」だと八月の全てが。明るさも音も匂いも。(向坂澪)

ケーキ屋じゃシモーヌ・シニョレ資本主義 西沢葉火
 ~こういうことです、こういうことなんですよ……。声に出して読んでみてくださいよ、一句が今日一日を巻き返してくれる。意味? いくらでもあるでしょうよ句の中に。いくつでも抜き取りなさいよ。余裕ですよ、横綱の余裕。こうやって資本主義とおもしろおかしくやっていく余裕ですよ。(西脇祥貴)

座右には最果タヒがありて処暑 玖
 ~「座右には」「ありて」のゴツゴツ感と「最果タヒ」は一見合っていないのだけど、不思議な整合性を感じる。最果タヒという固有名詞の懐の深さだろう。(月波与生)

コンテナに色なき風を積んだ船 蔭一郎
 ~見やりて吾はひとり鯊釣る(森内詩紋)

夕闇のオルゴール化が止まらない 白水ま衣
 ~闇という得体の知れないものがオルゴールのリズムに単純化されていく。「わかるもの」だけが存在するふたしかな世界。(月波与生)

カルピスより濃いつきあいは嫌だな 海馬
 ~カルピスを「初恋の味」と言ったのは創業者。夏休み、友達の家で飲んだカルピスは家のよりずっと濃かった。とかカルピスの思い出は人それぞれで尽きることがない。(月波与生)

早起きをやり直してから髷を結う おかもとかも
~早起き、やり直し…からの髷。いいですね。
この句を思い出しました。
〈髷を切る時代は変わったんだから 芳賀博子〉(まつりぺきん)

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◆ 第80回句会報ダウンロードはこちらから

第80回句会報(PDF)

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