さみしい夜の句会報 第110号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第110号(2023.3.26-2023.4.2)

第110回の参加者は97名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

「さみしい夜の句会」はネット句会です。現在インターネットを活用した句会もずいぶん増えました。ネット句会に慣れたら是非リアル句会も参加してみて下さい。川柳の話に限っていうとほとんどの人(だぶん98%くらい)はネットで川柳をしていません。ネット、リアルに関わらず句会は交流の場ですから川柳のフィールドを物理的にも概念的にも横断したり縦断したりする人がたくさん出てくればいいなと思っています。

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◆ 参加者(97名)

しまねこくん、石原とつき、奥かすみ、流天、萩原 アオイ、とし、ヨダレウルフコマソン(仮)、まめのすけ、蔭一郎、茶碗酒一杯、何となく短歌、片羽anju 雲雀、PERCHES、さー、はゆき咲くら、かのん、星見冬夜、森川のと、西脇祥貴、元さん、おひたし中田、東こころ、海馬、Born Slippy(モンモン)、屑乃ハコ、弌定住佳、しろとも、石川聡、佐竹紫円、おかもとかも、上崎、凪ちひろ、西沢葉火、のんのん、うめたかな、Ryu_sen、たろりずむ、海月漂、涼閑、すずしろゆき、みおうたかふみ、みさきゆう、お気楽草紙、こたろう、水の眠り、秋鹿町、もゆら、まつりぺきん、どこにでもドア、小沢史、此糸むら咲、longroof、とるばどーる、馬勝、雷(らい)、霧島あきら、髙田祥聖(たかだ しょうせい)、Tomoko、Take、Nichtraucherchen、鴨川ねぎ、さこ(砂狐)、岡村知昭、和泉明月子、まつもともとこ、森砂季、crazy lover、菊池洋勝、二葉らむ、hyuutoppa 突波、みくたん、カゲキ・ちゃけぞう、nawo giyaman、せば、柊琴乃(あさがお)、futuro、在原涙、星野響、太代祐一、mine、ほたる、抹茶金魚、三角カド、む〜みんママ、酉井 あつし、くらぽー、汐射ハルカ(波)、ゆりのはなこ、須賀善昭、ちゅんすけ、山田真佐明、おから村、宮坂変哲、花野玖、一橋悠実、臼田イチジク、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

なるべくはさくらを見ないようにする 蔭一郎

削っても削っても丸ゴシック体 上崎

濡れて帰る肉には肉のうつくしさ 西脇祥貴

ノマドとも違う者らに囲まれる まめのすけ

零時よりブリキの馬によるレース 岡村知昭

階下の旅の消毒液のえくすたし 太代祐一

中指の先から毒の入る春夜 せば

地球儀に餌を与える長閑さよ しまねこくん

春雷が半音狂う始発駅 星野響

魚から見た草原に迷いこむ 蔭一郎

女子トイレマークと思いきや古墳 おひたし中田

先端に行けば行くほど春の雨 しまねこくん

願わくば階段葬にしてほしい 蔭一郎

顔半分 猫の座標がズレている 森砂季

正夢のすべてにリサイクルマーク 上崎

道徳の副読本でカレーパン 岡村知昭

バスに乗りバスから降りてくる蛙 しまねこくん

六回の表みたいなギターソロ たろりずむ

三月に食べ残されたわたしたち 蔭一郎

陽炎のなかに入って診てもらう 蔭一郎

パンジーが向いてる方を答えなさい しまねこくん

振り返るたびぶらんこの揺れ止まる 蔭一郎

まんじゅうと背中を押してくれた風 まつりぺきん

黄昏にねるねるねるねをぶつける 秋鹿町

春北斗右投左打にして お気楽草紙

代走に出した蛙が干からびる しまねこくん

投票で選ばれてきた四月馬鹿 しまねこくん

ミクロなのに泣いていない 西沢葉火

その月は愛していないほうの月 東こころ

くちびるの震えは疾うにレトリック 海馬

ブランコの大波小波山呼んで 流天

慨世のエゴトリップが矩踰える ヨダレウルフコマソン

水卜アナ “みと”と呼んでた一週間 茶碗酒一杯

万愚説悲しきほどに乱舞せり 片羽雲雀

万愚節知らない街が燃えている PERCHES

振り向けば パッチワークの サクラ色 かのん

ものの芽とモノノケは似て里の山 屑乃ハコ

規制線の向こう側では恋人 しろとも

クラファンの好意や銀漢にて厚き 石川聡

駄菓子屋に今日はマグマが並んでた おかもとかも

弔いの夢を見ている握り鮨 のんのん

桜トンネルこの世の非常口 Ryu_sen

吐き出した暗闇の中溺れてる 海月漂

人生のゴールどこにも見えません 涼閑

弁当と闘う私弁当の行く先々で闘う家族 すずしろゆき

冗談を言い合えるかな四月馬鹿 みおうたかふみ

英国のカップに浸す菫かな こたろう

葱坊主指輪にしては癖強し 水の眠り

刃渡りのながさの肉のぬくもりね 小沢史

残酷な童話の主役むつごろう 馬勝

安売りの八百屋で郷に従う 雷

キキ&ママ&イイ&ララ 髙田祥聖

右腕をドリルに改造してみたよ 鴨川ねぎ

癖のある廃線たどる図書委員 まつりぺきん

上野から下る列車に伊達メガネ さこ

春燈に失くしたものを教えられ 和泉明月子

所詮ね庶民の家計わからんよ crazy lover

今晩の主菜を絞める春早し 菊池洋勝

花冷への平らな町に息をする hyuutoppa

日が落ちて誰が呼ぶやら夜泣き蕎麦 カゲキ・ちゃけぞう

秘密なら碁盤がすべて知つてゐる Nichtraucherchen

賑やかに咲いてさみしい桜ばな ほたる

ゆかりりが散らす雪柳の性差 抹茶金魚

夏が来ても手と足は冷たいの む~みんママ

ばらばらになって汚れみたい桜 氵酉 井 あ つ し

何したって思い出してしまう朧 くらぽー

図書館で演説中のチャップリン まつりぺきん

左折して本町通り春の雲 須賀 善昭

たんぽぽや心隠して空を見る 和泉明月子

笑い声窪んだ日からずっと冬 ちゅんすけ

激務席辞めどき逸し瀕死席 山田真佐明

上弦の月の歪な嗤い声 宮坂変哲

講堂の床きしむ音はるやすみ 花野玖

ぜんまいを干すあいみょんはみょんと呼ぶ 月波与生

滅亡の少し手前でする挿木 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

本棚に廃棄処分の札を貼る 愛を伝える儀式に見えた mine

必要な分のマステを引き出して仔鹿の体を容赦なく切る 佐竹紫円

電話口明けない夜はないというNPOの声だけ弾む   ゆりのはなこ

一筋のコントレイルは糸でんわ何も聞こえず空に消えたよ 星見冬夜

暗闇にバックブザーが鳴り響き夜しかできない引っ越しもある さー

君の歌 ちゃんとコトバの 味がする bean to bar の 板チョコみたいだ Okukasumi

ご趣味は?「宇宙人に誘拐されることかな」…「まぁ、ベテランだからね」 石原とつき

テープルのアクリル板が半減しなんか照れるねしゃべりにくいね さー

そうかあなたはイグアナですかならばわたしはゲーテです まめのすけ

よりによって年度の初日をエイプリルフールにしたやつ呼んでこい 好き たろりずむ

エイプリルフールといえど自分には嘘をつけずにライス大盛り たろりずむ

「会いたい」も「好き」も言わない関係に名前をつけないという勇気 萩原 アオイ

「捕まえた」 背に沁みる声  振り向くと誰もいなくて  懐かしい風 とし

このあとで私の言う事忘れてねそして黙って私を忘れて 何となく短歌

包開け 色とりどりの お菓子たち どれにしますか どれにしようか はゆさく

世の中の全てが好きと沈丁花 アスファルトには本音を語る 森川のと

泣き顔で見えない嫉妬笑い声嘘でかためたフィクションのよう 元さん

悲しみや辛さのイデア諸共にウソで固めて虚数の箱へ アルト

抜け出せば忘れてしまう過去だから噂話で語り継がれる 弌定住佳

墨染めの枝の色濃く桜花咲くなぜこれほどに人は恋うるか 凪ちひろ

家々が余計なものと映るとき桜の声を私は知らない うめたなか

くぐもった硝子の眼をした少年はラムネの泡と弾けて消えた みさきゆう

なんだっけおもいだせないだいじこと忘れられないつらいおもいで もゆら

幸せは目に見えないはずなのになぜさわれて熱くて息をしている どこにでもドア

最終バスを見送りながら頬張る餃子の熱さよ longroof

偶然に映った動画見つけたのたった三秒寝たままの君 とるばどーる

花束を散らせるほどの風のなか進めスーツのおじさん明日へ 霧島あきら

手の平に収まる硬い温もりの 奥に無限に繋がる世界 Tomoko

闇の奥一番鶏と吠える犬しとしと雨音戸を叩く音 Take

バスチーユ陥落をおさめた写真がTwitterでバズっていたよ Nichtraucherchen

感性と春風ともに吹きぬけてクリームコロッケかじらせる 二葉らむ

春眠の夢よ覚めるなこの恋は久方ぶりに釣り上げた鯉 みくたん

三月も末になってふと気付く過ぎてしまった大切な日の事 Take

奥歯噛み耐えに耐えぬき人並みと流れ流れてドブ桜 nawo giyaman

過去からは逃れられぬと知った夜バスタブがふと狭く感じた 柊琴乃

墨色に染まった僕の傷心は闇夜を越えて夢見る丘へ future

悲しみを背負う背中はうつくしい あなたの夜はいかがですか? 在原涙

たすけての声も届かず過ぎる日々心震わすわずかな涙 future

祖母の言う鏡はつねに磨くよう今夜の化粧は死に顔みたい 汐射ハルカ

ウタマロで洗えば頑固に染み付いた「さみしい」もよく落ちるでしょうか? おから村

嫌な夢逃げ出し覚めた午前二時となりの寝息に身を寄せ眠る 三角カド

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◆ 詩

よく切れる刃物は痛くない
まるい言葉はひどくいたい
夜中の河川橋から手を伸ばすとき
中天の月は
介錯を請けるや否や?(此糸むら咲)

更年期障害?花粉症もか?
低体温の熱中症で暑くて寒くて
キツいです。(まつもとともこ)

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◆ 作品評から

またわたしまわたわたわたまたわたし 藤井皐
 ~「またわたし/まわたわたわた/またわたし」と定型で読んだが他の切り方もあるか。「真綿綿綿」を挟んで「またわたし」のリフレイン。(月波与生)

英国のカップに浸す菫かな こたろう
 ~菫をカップに浸すってとってもロマンチック(みくたん)

六回の表みたいなギターソロ たろりずむ
 ~野球だとして、六回って、まだ終盤でもなく、ちょっと中だるみしそうな微妙な感じで、しかも、「まだ」表って…個人的に好きなタイプの句です(笑)(まつりぺきん)

ぜんまいを干すあいみょんはみょんと呼ぶ 月波与生
 ~何となく分かります。ゼンマイのあの渦状の所を見ると,あいみょんを「みょん」と呼びたくなると思います。ちなみに,私が最近ハマっているあいみょんの歌は「強くなっちゃったんだ、ブルー」です。(一橋悠実)

プレミアムロールケーキのプレミアムみたいなやさしいことして朧 此糸むら咲
 ~「プレミアムロールケーキ」のプレミアム感はお手軽だけど勇気は少し必要で。「朧」は頼りなさなんだろうか。(月波与生)

黄水仙ピアニッシモしか無い校歌 しまねこくん
 ~校歌は大声でがなる(フォルティッシモ)が基本だが黄水仙の校歌はピアニッシモ「しか無い」。何でやねんであるが、この何でやねんを見つけると川柳は成功に近づく。(月波与生)

業務用下北沢をワゴン車で おかもとかも
 ~「業務用下北沢」がいい。ワゴン車(で運ぶのだから)業務用下北沢は人力で持てない程度には大きく、大型トラックで運ぶには小さすぎるのだろう。(月波与生)

その星はケーキ座のいちごになるのですいませんほらおいしそうです 落ちる星々
 ~「ほらおいしそうです」の着地が面白い。「ケーキ座のいちご」の作り方のもワザとらしくない。苺が嫌いな人には会ったことがない。(月波与生)

このあとで私の言う事忘れてねそして黙って私を忘れて 何となく短歌
 ~切な良過ぎます!(臼田イチジク)

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◆ 第110回句会報ダウンロードはこちらから

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