さみしい夜の句会報 第99号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第99号(2023.1.8-2023.1.15)

第99回の参加者は102名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

2023年も1月の半分が終わりました。1年の1/24が終わったわけで、ほとんど時の流れに付いていけてませんが、2023年はもう少し川柳の奥行きをお伝えしみなさんとシェアしたいと考えています。川柳の話全般は月波与生個人のアカウントに入れますので、本アカウント共々よろしくお願いいたします。

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◆ 参加者(102名)

 屑乃ハコ、しまねこくん、太代祐一、syusyu、藤井皐、みさきゆう、池田吉輝、む~みんママ、水の眠り、お気楽草紙、たろりずむ、秋鹿町、星野響、馬勝、菊池洋勝、弌定住佳、日下昊、花野玖、石川聡、元さん、おかもとかも、najimi、海馬、カゲキ・ちゃけぞう、雪上牡丹餅、西沢ズッコイ正智、抹茶金魚、とわさき芽ぐみ、longroof、鴨川ねぎ、マンチカン星人、こばやし南子、ヤナ・ヤヌー、雷(らい)、涼閑、西脇祥貴、Emily、電車侍、岡村知昭、日月星香、ゆくりなく、まつりぺきん、しろとも、千春、海馬、とけるくじら、Ryu_sen、麻丹mani、仁音(hitone)、水彩、碧乃 そら、石原とつき、山田真佐明、小松 百合華、月硝子、蜜、小沢史、Eureka、人見弐一、森内詩紋、片羽anju 雲雀、久久カナ、須藤はる、ぺ、(まつだ ゆか)、上峰子、はかなし、岩瀬百、hyuutoppa、徳道かづみ、タダノナイコ、風立 彩羽〈かぜたち いろは〉、ゆりのはなこ、うたたね凛、りん、蔭一郎、チューバ2022、PERCHES、ふら、何となく短歌、梓川葉、M*A*S*H、桔梗菫、datamarty_santana、iba、水須ゆき子、cissa possa芥川美香、天やん、輪井ゆう、雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜、のこりか庵、higurashi、影薄ネキ直美、凪ちひろ、5月の風をゼリーに、宮坂変哲、雲上晴也、mugwort、野々原 蝶子、さくら、extanka、ユシャぽむ、月波与生

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◆ 7・7詩、5・7・5詩

ホンモノの寝言は空気より軽い おかもとかも

成人を代表してのガムテープ しまねこくん

早駕籠を乗り継いで来る受験生 しまねこくん

二日目の成人式はまろやかだ 秋鹿町

祖母の棺にブロッコリー敷き詰めて 人見弐一

懇願の蛍光ペンは起訴猶予 Ryu_sen

数の子の隙間隙間に修行僧 しまねこくん

13歳キウイはみんな毛むくじゃら 海馬

うちに来て急に老けていく新刊 輪井ゆう

先代の頃は無かった秘伝のたれ たろりずむ

鯛焼のモデルになった魚だよ たろりずむ

放課後になれば語彙を返します おかもとかも

ヤクルトにくびれながらのハルモニア 西脇祥貴

ピザ切るきみの笑む角度 石川聡

気遣いの杏仁豆腐 いいんだよ 太代祐一

鯛焼きは湿るはらわたから湿る 小沢史

寒の月褒めて殺してくれないか しまねこくん

肉まんやカラシニコフは安い銃 海馬

お気に入りだけど変動相場制 西沢葉火

隣人のキリンの首を細くする 秋鹿町

夜想曲第2番は最終列車と共に ぺ

カリフラワー加はり鍋のなか平和 syusyu

秘め事と相性良くて寒鮃(カンヒラメ) 水の眠り

食パンとショパンは似てる白の比率 屑乃ハコ

ちょんまげが日本人より似合ってる たろりずむ

物欲は畳んで踊り場にしたい 西脇祥貴

幸せは東京駅の本棚に 雪上牡丹餅

糸切れて駱駝は酷く眠くなる 千春

思い出し笑いの犀を眠らせる 岡村知昭

実名で報道された鎌鼬 馬勝

冬木立少年と窓すれ違う 星野響

窓に住むさかなの指は五角形 秋鹿町

待ち合わせ場所はモールス信号の満ちあふれる 石原とつき

散りぎわを逃して湯豆腐は硬化 小沢史

夜神楽やみだらになるは別の間で syusyu

ほとほとと泣いているなあ源氏パイ 藤井皐

ほんとうは、モテてみたかった松本清張 む~みんママ

芽キャベツて口に出したら弾んでる 水の眠り

終電車マスクの中の血の匂ひ お気楽草紙

大丈夫世間は君に無関心 弌定住佳

月冴ゆそばかすだらけのバナナ 日下昊

福達磨バベルの塔の夢を見ゆ 花野玖

はしたないキミの踝TOKYOも冬 najimi

機械の嘘が見抜けない カゲキ・ちゃけぞう

ポチだって総理大臣で良いよね 雪上牡丹餅

蓮だって咲いちゃうくらい赤味噌 抹茶金魚

誕生日チョコレートパイはんぶんこ 鴨川ねぎ

シャンプー16連打 使い切れ! マンチカン星人

鈍色の空と風に乗る烏かな こばやし南子

ポーランド経由の消防車 ヤナ・ヤヌー

目を閉じた音楽がすぐ終わる 雷

ケンカして焦土と化した台所 涼閑 

「あら!富士」と 叫ぶ童や 冬茜 電車侍

石蕗花ランプのように照らす色 日月星香

道ならぬ恋の血のいろ 寒椿 ゆくりなく

大戦の卵で出来た目玉焼き まつりぺきん

何度でもいってあげるよ『大丈夫』 麻丹mani

丑三つの寝酒で沈む枯れ野かな 仁音(hitone)

冬晴れに長靴浸し家路かな 山田真佐明

父ちゃんとタッチ交代ナノボット 月硝子

左上に煌めき見てる寒鮃 Eureka

ゴーレムのほろろんろろろろろろろろ 上峰子

陽に吠えるナンバーワンになりたくて 徳道かづみ

非正規に世間の風は冷たくて ゆりのはなこ

目覚ましのボタンが遠い四日かな 菊池洋勝

初冠雪に干し芋重ねて見入る朝 うたたね凛

たまにだが葱はわたしを切り刻む 蔭一郎

餅間のシャッフルを待つピアスかな hyuutoppa

雪女まっ白猫と夜道ゆく 鶴子

蛸の木が凧をとらえる他人丼 PERCHES

湯島駅至近の昭和レトロ飲み 梓川葉

円安で中身の減った淑気かな M*A*S*H

竈猫人より温い何処を知る 黎明

愛愛し余は満足じゃ冬ざれニャ datamarty_santana

寒椿よもひもすがら待つてゐる iba

西でふった雨 薫る ぺ

幣の風前髪そよがす初祓 のこりか庵

人生の伴走となれドラム奏 higurashi

大海の夢か現か水枕 5月の風をゼリーに

初売りやパンドラの箱またひとつ 雲上晴也

彩りの濃し成人の日のAEON  mugwort

行き止まり陽だまりばかり猫がいる 月波与生

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◆ 7・7、5・7・5以外の短詩    

ゴミの日の危機的時間にメイクとか興味ない方の私が走る さー

あのひとは親族だろう無理をして悲しい顔を作っていない たろりずむ

読みたくて読みきれなかった本たちが 集う宇宙があるかもしれない ふら

窓辺にて水に根下ろすヒヤシンス毎日伸びてラピュタが空を 紳音

シャンプーハットひとつの重さぶんにまでやっと回復してきた命 岩瀬百

半角のアスタリスクのニュアンスで片方だけのルビーのピアス みさきゆう

盗まれて盗み返して自転車のサドルの素晴らしい互換性 たろりずむ

よちよちと歩くゴジラにしてみれば人はありんこビルはおもちゃだ みさきゆう

地味グループの男子の私服が地味ながらに加瀬亮の部屋着っぽくて良かった たろりずむ

置き配にしてしまったら誰一人話しかけてくれない一日 みさきゆう

ともだちと呼べばほろりとわいてくるこころはちょっとめんどくさくて とわさき芽ぐみ

君にしか見せてないとこ自分でも見たことなくて、これだから恋は みさきゆう

窓ガラス雨の水滴流れ落ちまだ見ぬ空は瞳の記憶 元さん

悲しみに想ういつかの三月に君と別れし思い出しつつ Emily

何もせず時が経つのは蝸牛だからとうそぶく お前は人だよ とけるくじら

いつだって応援するしついてくよ信じたいからまだ夢見せて 水彩

ひび割れた僕の心臓 君の手が治してくれたいのちの歯車 碧乃 そら

飼うならば犬と言うよな明るさで暮らすならおまえなんてあなたは 小松 百合華

強張った小指ばかりが冬らしくミトンのファーに引っかかってる 森内詩紋

繋いだ手ポケットに入れ温めるあなたもきっとわたしを捨てる 片羽雲雀

返信を止めてしまったDMをつららに触れるように読む夜 久久カナ

片時も離れずいよう冷凍庫に忘れ去られたパピコのように 須藤はる

どちらかが身の千切れる悲しみをいつか抱くことになる結婚 (まつだ ゆか)

規制などされてもないが外せない固着している心のチェーン タダノ ナイコ

山の端に あの日と同じ 月が出る となりに君は もういないのに りん

ゆふやけはみかんの色とおもひつつ第2ゲートへ向かふ早足 水須ゆき子

まったく無断ご注意ください冬ざれニャ 芥川美香

さよならを言えず終わった日に咲いた花へ囁きはじめて涙 雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜

遠く離れた故郷の冬に想いを馳せて。夢でかける雪の原    影薄ネキ直美

一歳を越えた頃から育児書の役には立たぬ千差万別 凪ちひろ

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◆ 詩

研がれて炊かれて酢をまぶされて海苔に巻かれて並べられて捨てられる米と誰かの想いが春を連れてくるよ (longroof)

猫はお昼寝
誘惑するメロンパン
貴方と私で黄泉比良坂 (蜜)

昔から
ずっと変われず
生きている
さみしい夜が
しんしんと降る (はかなし)

あまりにも世界と私が関係のない午後、真昼なのに夜みたいな空を泳ぐ、本を読むようにあなたを読みたい、幸せになりたいね、とあなたは言った、幸せになりたいね、と君は言った、少女という宗教を信仰している、炎のような雨が降っている、うまくいかない命を抱えている、季節が止まらないから、私も止まれなかった(野々原 蝶子)

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◆ 作品評から

早駕籠を乗り継いで来る受験生 しまねこくん
~ありえない光景に、初見は単に面白い句だと思ったのですが、もう1度読んで、どうか試験開始時間に間に合いますように、と祈るような気持ちになりました。(花野玖)

熱源を仰せつかる中島みゆき 西脇祥貴
~めちゃ好きですこれ(extanka)

ごきげんようマスクのくにへ帰ります羽を畳んでお化粧をして さー
~すっかり世界は「素顔の知らない人」ばかりになってしまった。マスクをとり初対面のように出会うときぼくたちはわかり合えるのだろうか。(月波与生)

丁寧な説明だけの福袋 しまねこくん
~タブレットにしてもスマホにしても高齢者には扱いにくいよくわからない世の中になってしまった。「丁寧な説明だけ」は十分ビジネスになるのだ。(月波与生)

初恋をトングで拾う宅建士
~ちょっとこれ切なすぎて苦しい…ウォー(ユシャぽむ)

褒めなくてはいけないという浮力から解き放たれて沈みゆく舟 たろりずむ
~「~てはいけない」を今年はやめて解き放たれてみた。「沈みゆく舟」が舟でなくなる瞬間にみる空。(月波与生)

スパイスによってくしゃみを変えている 西沢葉火
~古川柳のような肌触りで。昨日ネット句会とリアル句会の断絶、などについて聞きましたが、まずは自分の泳ぎ方で泳いでみては?と言っているような句。(月波与生)

人生の伴走となれドラム奏 higurashi
~韻を踏んでますか…?
伴奏  →伴走…… ドラム奏
そう 思っちゃいました
私もハマってしまい 川柳 7つも 投稿しましたW
教えてくれてありがとう (さくら)

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◆ 第99回句会報ダウンロードはこちらから

第99回句会報(PDF)

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