さみしい夜の句会報 第98号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第98号(2023.1.1-2023.1.8)

第98回の参加者は112名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

あけましておめでとうございます。2023年も「さみしい夜の句会」の場を有効に使っていただければと思います。今回英語での川柳投句がありました。経緯を読んでいくと西脇祥貴さんが案内してくれたようです。ありがとうございます。ということで早速案内文を英文にしてみました。Googleの翻訳機能を使用したので間違いがあると思います。ご指摘いただければ幸いです。川柳のエッセンスが多言語化していくのであれば、設置者としてとても喜ばしいことです。(読めないけど)

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◆ 参加者(112名)

さくら、何となく短歌、Ryu_sen、太代祐一、しまねこくん、屑乃ハコ、花野玖、さー、syusyu、ヤナ・ヤヌー、流天、みさきゆう、しょおと、凪ちひろ、む~みんママ、とるばどーる、かわしま2日目、リュ〜ニャ叔父さん、石川聡、宮坂変哲、西脇祥貴、蔭一郎、菊池洋勝、日下昊、秋鹿町、たろりずむ、ひとり遊び、マンチカン星人、雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜、おかもとかも、一福千遥、馬勝、阿笠香奈、雲上晴也、和泉明月子、鴨川ねぎ、しろとも、タダノ ナイコ、石原とつき、ひなとと。、海馬、小沢史、まつりぺきん、汐田大輝、水の眠り、雪上牡丹餅、ゆりのはなこ、月硝子、Tomoko、えふぇ、longroof、Emily、岡村知昭、こばやし南子(不眠症の猫)、donkey、元さん、石神知輝、澱粉、もゆら、藤井皐、すずめ、ムーキャット、西沢葉火、金瀬達雄、あ、あこせみ、ふら、井本 和彰、森内詩紋、夕星 凪、梓川葉、りん、ǝǝɯouɐ、さとすぃ、のこりか庵、MIYA、輪井ゆう、べ、higurashi、M*A*S*H、天やん、とわさき芽ぐみ、手羽たまこ、せば、うたたね凛、鷺沼くぬぎ、岩瀬百、Tami、須賀 善昭、水須ゆき子、みしまゆう、星野響、電車侍、成瀬悠、しお味、K、思雨(スイ)、Shōnin、人見弐一、crazy lover、かなず(梨山 碧)、山田真佐明、直美、PERCHES、ぱさ、Moon、涼閑、かのん、ちかこ、木野清瀬、月波与生

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◆ 7・7詩、5・7・5詩

karma chocolate dahlia: sex with a married man  Shōnin

起きてくれステージ上のスコップよ 成瀬悠

落涙の海のアリアのその調べ 涼閑

バファリンと同じポインセチアの色 しまねこくん

果ててなお有害図書になる暦 しまねこくん

門松が変に曲がっていい気持ち 梨山 碧

レッテルはニホンカワウソいい感じでしょ 石原とつき

(マンションの遠吠え)きみも卵子だね 西脇祥貴

令和逝き舌技まかせの魚ごっこ 西脇祥貴

初夢やいぢめる側に立ちしわれ syusyu

眉毛だけ十個揃つた福笑ひ しまねこくん

最後まで読まず元旦を閉じる 藤井皐

丁寧な説明だけの福袋 しまねこくん

泣けぬまま列を離れてシリウスへ 星野響

部首になるチーズとともにたたまれて 西脇祥貴

数の子の数は今年に笑う数 石川聡

御年賀のタオルは蟹にあげました 岩瀬百

腕枕されてる方の鏡餅 しまねこくん

サイン色紙の角へママチャリ 海馬

味噌煮込みまた引越しの夢を見る 秋鹿町

冬の朝マルチへ誘うラインかな ムーキャット

丸腰のゴリラは法で裁けない 手羽たまこ

ポムふたつ足りないプリン買ってきて とわさき芽ぐみ

新年やミサイルがまたどこか焼く 天やん

寝不足をリラへ換金するさかな 西脇祥貴

念のためコンパスで描く楕円形 MIYA

掃除機を手に切腹のへたり込み 太代祐一

仕事始さっそくとっ散らかって昼 花野玖

普段から喋らぬ友の寒稽古 菊池洋勝

屠蘇の杯大きくなって縮こまる 水の眠り

文字化けのお喋りがもう止まらない Ryu_sen

スポンジに吸収される甘い汁 雪上牡丹餅

落下傘ニアリーイコール包装紙 海馬

背中からプラネタリウムまで黒子 西沢葉火

スパイスによってくしゃみを変えている 西沢葉火

畳だと中身が分かる福袋 しまねこくん

さぶかると言うけどたぶんさぶからない たろりずむ

興味あるそぶりで鏡餅は割れ 太代祐一

こども向けはにわ図鑑の焼け残る 岡村知昭

勇気出しゼロを分母に入れてみる 雪上牡丹餅

それなのにぼくを疑わない水煮 岡村知昭

屍によく似たいちごパフェみたい 秋鹿町

雪隠に影のみ残す雪女 汐田大輝

寒の入り十年前の便秘薬 しまねこくん

横丁の猫の額を再開発 鴨川ねぎ

さげまんの真空パック鏡餅 馬勝

永遠に生まれ変わるが猿廻し 馬勝

元旦のドアに触れば静電気 しまねこくん

乳歯はもう化石になって役立たず おかもとかも

門松や発熱外来の明り 菊池洋勝

この指にとまらなければ鹿になる 蔭一郎

音速を突破するまで猿廻し しまねこくん

おままごと♪はしゃぐ七草刻む母 さー

まぐわった証拠に砂を孕んでる 小沢史

戻りたいあの日の前に咲く笑顔 さくら

くち噤む三十億のクロージャー Ryu_sen

帰り路に雨傘二つ静けさ二つ 屑乃ハコ

キラキラの泡立つ星の生ビール ヤナ・ヤヌー

ヨタヨタとのぼりきてまたひと休み 流天

手の位置が気になって眠れない夜 宮坂変哲

月明かり 不埒な緑 ジムキャリー マンチカン星人

疲れた人は何も出来ない 阿笠香奈

涙枯れひとりで仰ぐ冬の月 和泉明月子

たんぽぽの綿毛タックス・ヘイブンに まつりぺきん

母のなき七草の味にごうして ゆりのはなこ

落魄やそこらの草で七日粥 月硝子

空っぽの体抱えて息白し Tomoko

錠剤を飲み干し我も雪となり こばやし南子

ことよろも故意にリプなき削除する donkey

舘ひろしぃ早く兎をどかすんだ 藤井皐

酒抜いて悪夢に浸る 五日 朝 金瀬達雄

うらじろの葉はくるりしてもう五日 あ

もう冷めたラーメンの汁啜り泣く夜 あこせみ

新年も祝えないけどお疲れよ ふら

東京の少年ならず四日哉 井本 和彰

ため息が浮かばれない 夕星 凪

はじめから期待するなと言ったじゃない 梓川葉

開かない踏切 笑う福寿草 さとすぃ

迷彩の追手沸き立つ青田波 のこりか庵

停止した街をさすらう歳神も 輪井ゆう

枯れたへその緒握って遺影の前 べ

消費税にじゅうごぱーのお年玉 M*A*S*H

慎めと説く神籤吉まほろば路 higurashi

電源を刺さないままに餅を焼き せば

数式のあとの変換 みそ汁のξ(グザイ)  うたたね凛

新しいカレンダー病院の印のみがある ǝǝɯouɐ

日の始近づく其の終哉 須賀 善昭

電源を切って愛を終わらせる みしまゆう

朝日射し 汗湯気となる 初稽古 電車侍

セキュリティ パピプペポート 要求か K

除雪初め3時間耐久 頭から湯気 思雨

義仲忌100日で死にそうなエビ 人見弐一

恐妻にコントロールできてます crazy lover

初寝覚彼女の寝言撫で擦る 山田真佐明

初詣頼まないのに迎えにくる 直美

あけましておめでたかったもう二日 PERCHES

肥ってもかわいい雀が威嚇する しお味

除夜の鐘 聞いていたのは 5歳のわたし かのん

人買いのようで薄力粉のようで 月波与生

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◆ 7・7、5・7・5以外の短詩    

今年にはどんな世界が待っているか不思議な文字の柔らかな世界 Emily

季節ごと優しくそよぐ風となるあなたを包む大気でいたい みさきゆう

ごきげんようマスクのくにへ帰ります羽を畳んでお化粧をして さー

あたたかな豆電球に照らされておとなになつてもしづかな寝息 水須ゆき子

定食のお椀の端が欠けていて今日はソースをかけていい日だ さー

かくれんぼの鬼が私を忘れたまま祖父とSwitchをはじめる 石神知輝

じゃあお前がやれよで黙りたくない俺たちが来ました longroof

褒めなくてはいけないという浮力から解き放たれて沈みゆく舟 たろりずむ

世界中の遠吠え受け止めてウルフムーン煌々と光る しろとも

百人一首の英訳読みて批評せる我はなにほどかものを知りたる 何となく短歌

吐く息の白さで頬の赤みには気づかれぬままやり過ごせんか しょおと

雨音と気圧の上がりのせいやろか体内時計狂いっぱなし 凪ちひろ

あの恋もこの恋もそこでしか咲かない花だった。 む~みんママ

冬空の星降りそうで吐く息もチチリと音がしそうなしじま とるばどーる

もぎたての今と感情共にして流れた時も君の御守 リュ〜ニャ叔父さん

あんこが苦手で鯛焼きを尻尾以外海に放つ 日下昊

つま先が 冷えたままで 布団の中寝返りうつも なかなか寝付けず ひとり遊び

「憎むほど愛したかった」冬空を西に流るる雲がつぶやく 雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜

この先は渡らない川渡れない彼岸のススキ手を振り返す タダノ ナイコ

雪が痛いことを知っている故郷は汚れ嫌う風が吹き下ろす ひなとと。

得意ではないけど失望させるのは上手なんだよ任せといてよ えふぇ

冬の夜この手抜け出た白い息氷点の空 消えていく 澱粉

逢えない時間寂しさで妄想する彼はちょっとしたアイドルに変わる もゆら

お正月過ぎた証のゴミ出しに台車を押したお姉様たち すずめ

蓮根擂る モヤッ として も 仕方ない そんな の わかっ ちゃ いるんだ けど さ 森内詩紋

さよならと 手を振る君に 幸あれと 祈る気持ちに 嘘はないけど りん

ロータリー北極星を軸にして仕事始めを時計回りに ǝǝɯouɐ

おでん鍋で膨張してる半平も時間が経てば萎む理 鷺沼くぬぎ

淋しくて 胸の真ん中 淋しくて 声なき声も ただ虚しくて べ

初夢を縁起良いものにしたくて枕の下に茄子の漬け物 しお味

しつかなるなれのゆめみをのそむみにしつこゝろなきはつはるのよひ ぱさ

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◆ 詩

積み重ねた白紙
かすれた筆致
たしかにあった
喜怒哀楽の
残り香 (一福千遥)

麻酔切れ
目覚め現実
長い夢
見ていたような
不思議な記憶 (元さん)

鈍色に
見えにし空にも
やがて来る
日の光柔らかに
咲き示す春 (Moon)

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◆ 作品評から

年の瀬にセンチメンタル戦闘機 まつりぺきん
 ~「センチメンタル戦闘機」は年末のジタバタ感があって面白いなあ。年が明けてしまうとセンチメンタル戦闘機も去る。リセットできる人間だけが生き延びる。(月波与生)

おままごと♪はしゃぐ七草刻む母 さー
 ~伝統行事を楽しむ明るい台所の様子が、リズミカルに表されていて、楽しい。上五を、おっままごとっ、と声に出して読んでみると、さらに楽しさが増しました。(花野玖)

この先は渡らない川渡れない彼岸のススキ手を振り返す タダノ ナイコ
 ~このうたたいへん好きです(森内詩紋)

寒の入り十年前の便秘薬 しまねこくん
 ~使うか使うまいか悩んでる人の顔が浮かんで思わず笑ってしまいました 逆に効きそう…(ちかこ)

物語に見放された殺し屋の元素一覧 石原とつき
 ~「殺し屋」から「元素一覧」へのジャンプが面白い。そんな殺し屋は「物語に見放された」存在なのだ、という言葉の連絡もサラリとしていていい。(月波与生)

まぐわった証拠に砂を孕んでる 小沢史
~砂を孕む
この句は、女にとって踏絵かも知れません。わたしは踏めません。胸を張って踏みません。踏まない自分がうれしい。ありがとうございます。(木野清瀬)

令和逝き舌技まかせの魚ごっこ 西脇祥貴
 ~魚じゃないとやってられないよう~ポリポリポリ!(蔭一郎)

全身のオノマトペが湯に溶けてゆく 岩瀬百
 ~所詮オノマトペの塊だと思えば気負わずにいけるというもの。みな太郎冠者次郎冠者なのだ。(月波与生)

投影機ひらひら揺れる君の手は深海魚のようマルセイユ辺り 水星の長い午後
 ~昨日BS4Kで『ニュー・シネマ・パラダイス』が放送されていましたね。「投影機ひらひら…」でこの映画を思い出しました。(月波与生)

母方の祖父に山手線のタトゥー 太代祐一
 ~「母方の祖父」というのも微妙な関係の人の「山手線のタトゥー」というインパクトのあるしろもの。いい祖父なのだろう。(月波与生)

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◆ 第98回句会報ダウンロードはこちらから

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