さみしい夜の句会報 第142号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第142号(2023.11.5-2023.11.12)

第142回の参加者は62名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

Twitter(X)に提出される川柳を読んでいると句会、大会で披講されるような作品がほとんどないことに気づきます。逆も然りで句会、大会でここに提出されているような句が披講されることはあまりありません。この断絶を当たり前と思うか残念と思うかで川柳との関わり方が随分変わってきます。私は残念と思う人間ですが「らくだ川柳」(代表くんじろう)も残念と思っている数少ない柳社ではないかと思っています。

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◆ 参加者(62名)

石川聡、古城エッ、夭夭雷、輪井ゆう、片羽 雲雀、温 (ハル)、何となく短歌、中村マコト、西沢葉火、岡村知昭、菊池洋勝、しまねこくん、丸山修平、syusyu、凪ちひろ、西脇祥貴、ダリア220、みさきゆう、元さん、水の眠り、月立耀、靈夢、池田 突波、上崎、とるばどーる、Tatsuo Kanase、馬勝、たろりずむ、りゅうせん、ひうま、Take、涼閑、うつわ、いずみ、おかもとかも、東こころ、かれん、しろとも、燕雀之心、蔭一郎、花野玖、まつりぺきん、朗読ムメイ.、もふもふ、鴻鵠之志、ぱさ、下野みかも、The Caught In The Rye、雷(らい)、小沢史、む〜みんママ、涼、さんちゃん、星野響、さー、Tomoko、モンシェリモモ人形作家、海馬、鴨川ねぎ、シン・シンゴ、佐竹紫円、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

逃げ切ったゆびに淡水魚のぬめり 海馬

脚立だけずっと男らしくあった おかもとかも

多感期にもっと鉛を塗しなさい おかもとかも

無防備な背後にあなた触れますか 水の眠り

シューベルトに乗つて木がらし子をさらふ syusyu

初期不良すぎて何か可愛いな りゅうせん

いつどこで会つても同じラフランス しまねこくん

褒められる事まで下手で吊し柿 しまねこくん

星条旗みだらな亀の七並べ 西脇祥貴

眠れない菊人形に効く薬 馬勝

とっておきの銀貨で淡い嘘を買う 上崎

冬型の天パーすこし大人しめ 水の眠り

サヨナラと訳されていたオリオン座 中村マコト

きらきらの鳩で混み合う山手線 岡村知昭

右腕にピアノを移植しなくては 岡村知昭

朝顔になって咲きたいその首に 輪井ゆう

かわいても(負けない)血 石川聡

接点Aに木漏れB 西沢葉火

乾燥機のユニフォームかな蔓たぐり 菊池洋勝

大根役者の首引っこ抜く 丸山修平

最終便M性も心も置いて初冬 ダリア220

オリオンの盾今も君に逢いたい 池田 突波

ペンギンに飛べと叫んでから出禁 Tatsuo Kanase

立冬の磁力を充電するスマホ ひうま

囁いた呪文でひらく黒いバラ 涼閑

地球を座布団に釈迦瞑想す うつわ

切れ込みを入れて再出発の朝 いずみ

夢二式美人になって黙りこむ 東こころ

浮かされた熱の向こうで揺れる水 かれん

冬隣主は来ませりと口ずさむ しろとも

シーソーの相手はいつも石蕗の花 蔭一郎

やうやうと夢から醒めて冬に入る 花野玖

四番サード鈴木清順 まつりぺきん

立冬の眠れぬ夜明け検査陰性 もふもふ

どうせ今流す涙はJ-Pop 下野みかも

見ず知らずの私が訪ねて来た夜 The Caught In The Rye

末枯の道も眩しい東行き 雷

言いなりになるしかないか室外機 小沢史

雷鳴が今夜は特に重低音 涼

しあわせは頭の上の眼鏡だね さんちゃん

心臓がコスモスまみれ夕まぐれ 星野響

雨粒に混ざる銀杏の答弁 さー

竹輪には竹輪の事情があるのです 鴨川ねぎ

嵯峨野から亀岡までのオペレッタ 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

さみしくて声を出さずに歌うからハチドリの鼓動だけ響いてる みさきゆう

苦しくて途中下車するこの頃はどこの駅にもDAISOがある 何となく短歌

捨てられた仔猫みたいな悲しみは栞に込めて103ページ 古城えつ

終わりなどそんなものだよ 大きくも小さくもないこのもどかしさ 夭夭雷

悲しみは寂しがりだからたまに優しく撫でろ よろこんで鳴くよ 片羽雲雀

呑みすぎた夜は大体目が冴える明日になって動けないやつ 凪ちひろ

街の木々木枯らし吹かれクルクルと時間の風で散りゆく木の葉 元さん

出立の日の澄んだ朝ふりかえり手を振るきみが飛ぶ鳥になる 水の眠り

明けの明星金星と月 冬の寒さを引き寄せる 靈夢

メジャーリーグでMVPとって全国の小学校にサッカーボールを寄贈するボケをしてみたい たろりずむ

君が言う「ありがとう」の一言が何時何時までも心に沁みて Take

霜月や 姪和子抱き 母となり冬立つ日 若菜息吹きし 暖かさ 燕雀之心

感情の揺れ震える喜怒哀楽すべて毒と知る 孤独飲み込む 朗読ムメイ.

立冬や 暑さ寒さは 何処まで秋過ぎし 小春日和に 夏日かな 鴻鵠之志

愛を知り愛を喜び愛を問い愛を失い罪を贖う ぱさ

幸子の幸はどこへーいくぅ!あがた森魚の絶叫歌が流れる丑三つ時 む~みんママ

言わでものことをついつい繰り返し言って反省してまた言って Tomoko

世のさわぎ付き合う義理はありませんカレーおじやが美味しうましよ 佐々木ゆか

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◆ 詩

ハフハフと
熱々たい焼き食す時間
ありふれたものが
大切な時間(とき)
笑顔がとびきり光る (温(ハル))

また会おうなら すぐに会おう
地上にいるうちに 気持ちを伝えよう
きっとあなたにも誰かが訪ねてくるから(とるばどーる)

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◆ 作品評から

褒められる事まで下手で吊し柿 しまねこくん

 ~上手いですね。(シン・シンゴ)

御利用は計画的に文化の日 しまねこくん
一山に季語の溢るゝ文化の日 花野玖
 ~もう明治天皇の誕生日だと知らない人も多いだろう。バイトのおばちゃんは「11月3日って節分?」といってスルーされていた。(月波与生)

湯豆腐は崩れて君が話しだす 中村マコト
 ~単身赴任してた頃冬は湯豆腐ばかり食べていた時期がある。いろいろ大変で悩んでいたのだろうけどいつも酔っぱらって寝た記憶しかない。酒はその時の方が美味かったような。(月波与生)

出立の日の澄んだ朝ふりかえり手を振るきみが飛ぶ鳥になる 水の眠り
 ~美しいです……!(私の力では言語にするのが難しくて感動をお伝えできないのがもどかしいです!)(佐竹紫円)

卵産む隙間時間に二つほど 小沢史
 ~このままでも面白いが自分だったら「に」ではなく「を」にする。「隙間/時間」と切る読み方をさせたいのと説明くささを消すのとで。(月波与生)

再会は雨と珈琲ほどの距離 輪井ゆう
 ~「雨と珈琲ほどの距離」が魅力的な分上五が動いてしまう。言葉を探して中々見つからなかったのではないか。参考として〈むむむむむ郵便受けにぶなしめじ 森田律子〉を記す。(月波与生)

かぶとむし埋めたとこすら忘れてくように出会いを重ねてばかり 萩原 アオイ
 ~「埋めたこと」ではなく「埋めたとこ」。埋めたことは覚えているのだ。ということはすべて覚えていて忘れてくようにしている途中なのだ。(月波与生)

夢で飼う犬種がはっきりしない犬 りゅうせん
 ~夢だから犬種はお好きなようにできるのだが何故かはっきりしなくて困っている。犬が好きな人の夢なのだと思う。(月波与生)

噂ほど悪女でないのわたくしは 生卵なんか投げたりしない 水の眠
 ~先日「悪女は美人のこと。ブスに悪女はいない」という話になって、ブスの場合はただの「ヤな女」なのだという説に落ちついた。(月波与生)

ハロウィンがなかった頃のちらし寿司 
 ~少し前まではハロウィンで騒ぐこともなく家族にとっては11月1日の「寿司の日」が重要なイベントであった。ハロウィンとちらし寿司の言葉のバランスもいい感じ。(月波与生)

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◆ 第142回句会報ダウンロードはこちらから

第142回句会報(PDF)

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