さみしい夜の句会報 第97号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第97号(2022.12.25-2022.12.31)

第97回の参加者は85名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

2023年が始まりました。今年も様様々な場所でたくさんの人に会いいろいろなことが起こると思いますがブレることなく続けていこうと思います。これからも表現する場としての「さみしい夜の句会」をよろしくお願いいたします。

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◆ 参加者(85名)

菊池洋勝、石川聡、sound0nly、石原とつき、霧雨魔理沙、のこりか庵、たろりずむ、水の眠り、秋鹿町、しまねこくん、雪上牡丹餅、馬勝、hyuutoppa、岡村知昭、電車侍、小沢史、かなず(梨山 碧)、とるばどーる、月硝子、輪井ゆう、花野玖、Emily、森内詩紋、日下昊、和泉明月子、藤井皐、太代祐一、金瀬達雄、ゆりのはなこ、M*A*S*H、syusyu、さー、む~みんママ、西脇祥貴、水星の長い午後、あき、山田真佐明、鴨川ねぎ、日月星香、K、弌定住佳、うたたね凛、とわさき芽ぐみ、雲上晴也、海馬、蔭一郎、岩瀬百、みさきゆう、直美、ハルウ、雷(らい)、まつりぺきん、宮坂変哲、流天紳音(るてしお)、おかもとかも、桂輝夜、Ryu_sen、donkey、蜜、PERCHES、fuu_、手羽たまこ、あ、おたま、せば、西沢葉火、かのん、えのきさん、Em、チューバ2022、星野響、元さん、しろとも、キンジョウ、高良俊礼、もゆら、野々原 蝶子、既刊委託中の汐田かるま、木野清瀬、水須ゆき子、東こころ、汐射ハルカ、楢崎進弘、タケ@俳句データベース ドットコム、月波与生

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◆ 7・7詩、5・7・5詩

影踏みの鬼を負ぶっている冬至 蔭一郎

起き抜けにオルタナティブを買いに行く しろとも

誤解してしまうサンタがあのひとで 東こころ

悴みて雨降る前に書く手紙 hyuutoppa

木枯らしの舌の赤さは記録済み 海馬

物語に見放された殺し屋の元素一覧 石原とつき

ヤンマガの表紙をかざる二次曲線 おかもとかも

火の海にいる入れ食いの左ねじ 西脇祥貴

オイコラとタココラ重ね着膨れる しまねこくん

業またはサンバとしても使えます おかもとかも

あらすじも覚えていない年の暮れ 宮坂変哲

レスラーにしては水中花に似てる 岡村知昭

信長のポニーテールに課金する 秋鹿町

てのひらの木造平屋一戸建 西沢葉火

眼球の半ばは淡いほら話 西脇祥貴

生活音に厚みが無いと叱られている 岩瀬百

一人前になろういなり寿司で泣け 石原とつき

知恵の輪に吹き込んどいたシュルレアル 西脇祥貴

平方四角形の頭突きの失格は花束贈呈 石原とつき

思春期に浸り続けるおでん種 しまねこくん

年の瀬にセンチメンタル戦闘機 まつりぺきん

避妊した段ボールでも肉食だ 秋鹿町

人波をゆくペンギンを見せようか 海馬

全身のオノマトペが湯に溶けてゆく 岩瀬百

母方の祖父に山手線のタトゥー 太代祐一

はじまりはいつも十二月のコップ 蔭一郎

しまうまにそして一輪車に踏まれ 岡村知昭

電線の余りで作る注連飾り しまねこくん

深呼吸すれば半濁点の肺 とわさき芽ぐみ

隠された秘密もきっと明石焼き 雪上牡丹餅

ペヤングの白い部分に感じちゃう 雪上牡丹餅

ポン酢ポン酢生乾きでもいいよね 秋鹿町

君よりもマッサージチェアの美声 太代祐一

ポン酢への愛の止まらぬ比叡山 岡村知昭

ぬるすぎてピアスの穴が見つからぬ 小沢史

お年寄りの冬晴れの棒高跳びの押忍! 石原とつき

徳川の埋蔵金や朴落葉 菊池洋勝

夜廻りの拍子木聞いてみかん剥く 水の眠り

透過する年越しそばの素材集 石川聡

除夜の鐘 聴ひて戸締まり 床に就く 霧雨魔理沙

コイントス表が出たら天城越え たろりずむ

時間切れ告げるタイマー姫はじめ 馬勝

除夜詣 栗炒る湯気の 温さかな 電車侍

あんたたち酒の肴よ大晦日 かなず

片恋の日記焚火に笑われる 月硝子

大晦日まだ熱い太陽も血も 輪井ゆう

禍にありて御用納もひとりきり 花野玖

高いシの音で啜りこむ晦日蕎麦 森内詩紋

春を焦がれる我が身は凍え冬深く 日下昊

嫁であるわたしを恨む大晦日 和泉明月子

世界共和国立南極ペンギン大学初代学長ピース 金瀬達雄

牛乳屋セールスに来る年の暮 ゆりのはなこ

マフラーがもふもふになる成長期 M*A*S*H

内視鏡の管の絡まる大晦日 syusyu

ぼくこんなこわいえかけるよと五歳 さー

年の瀬に洗濯機の手入れしてる 日月星香

ありがとう逢えて良かったさようなら 弌定住佳

仕事納めて無口の始まり うたたね凛

旅雑誌顎でおさえる炬燵の間 雲上晴也

大晦日お味噌か醤油 k

砂浜の近くの路地の浜の砂 雷

雪山の家の灯りのたのもしさ 流天

俤を手放す冬の銀河哉 桂輝夜

初めての昆虫食はサソリから Ryu_sen

傲慢さはいて捨てる勇気あれば donkey

吐き出した紫煙に踊るあれやこれ 蜜

寅彦忌駱駝の鈴の音に醒むる PERCHES

行く年 来た年 その残穢 fuu_

ばんぺいゆ 掲示煮詰めて私信とす 手羽たまこ

盗まれた言葉も御用納です あ

年末年始や終末に忘れる恋はその程度 おたま

イエス様は重箱の隅に居る! 藤井皐

年の瀬や炭水化物襲来す 鴨川ねぎ

寒いから淋しと思うそれだけよ せば

雪空に まなざしのごと 真白の塔 かのん

ケンケンパ長き道のり冬の空 チューバ2022

救世主休眠状態冬うらら 星野響

夢の中の枯野から出られず死ぬ キンジョウ

海そして光輝く詩の痛み 高良俊礼

青白くはやくなびいて冬の雲 山田真佐明

トナカイがサンタを抱き終電車 木野清瀬

朴落葉ストロガノフは立ちん坊 月波与生

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◆ 7・7、5・7・5以外の短詩    

あの人の隣に名前並んでるただそれだけでコイって跳ねる さー

途中からハミングになる壁越しの歌をはきはき歌ってみてる みさきゆう

投影機ひらひら揺れる君の手は深海魚のようマルセイユ辺り 水星の長い午後

年越せぬと医師診立てける猫生のアディショナルタイム続くめでたさ のこりか庵

行ってきます、今日も明日も明後日もいつも変わらぬ毎日をと 水の眠り

指先が冷たいきみの手を繋ぐ気づかれぬよう後ろで繋ぐ とるばどーる

記憶の中のやさしい人はまたひとつ遠ざかりゆく む~みんママ

凍る町救急車のサイレンが昨日と今日の狭間を駆ける あき

上弦へ望遠鏡を向けたなら猫たち踊る豊かの海に 鴨川ねぎ

しなやかな君の手触り気を静め話す愚痴にも優しくしっぽ 直美

エゴばかり押し通してはいいねせず誰でも出キル一方通行 えのきさん

星の降る広い夜空を飛んでゆく自由の空気心が踊る Em

夜の闇そっと静けさ舞い降りて孤独な時間一人ためいき 元さん

北風に揺れる電線悲しげに家路促す冬の黄昏時 もゆら

ひさかたの光も分かち合う子らもそれらすべてが我にはあらじ 汐田かるま

中腰になると跳び乗る猫がゐて前世を思ひ出しさうになる 水須ゆき子

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◆ 詩

希なる望みを
歯を食い縛り
あるいは爆笑と共に
形にする きっと形にする (sound0nly)

新しい年が来るのを待ち望む
ことが出来ずにただ夜になり
いつの日か夢の様な話だと
今想っても遅い過去を (Emily)

窓際を気遣う人と夜半の冬
コンビニの買い出しまでに夜冴ゆる
すが漏のカーポート下とつとつす (山田真佐明)

孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独孤独泣。(はるう)

愛し合うふたりが沈黙し続けているときだけ、そばに流れる美しい川があって、その川のきらめきを僕に分けてくださいと言っても、誰も分けてくれないだろう、それが、愛し合うっていうことなら、僕の孤独は誰にも奪えないまま、雪原に立つ牡鹿になって首を伸ばし、森の向こうからやってくる朝日を見つめ、まつ毛の先に、雪が、触れるはずなんだ。
目を覚ますたびに、僕はどうして、傷ついているのだろう。どうやったって、誰かが必ず、死にたいと思っている朝に目覚めるということを、僕は無視して、生きていけなかった。(野々原 蝶子)

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◆ 作品評から

高いシの音で啜りこむ晦日蕎麦 森内詩紋
 ~すごい勢いで啜ってる!(汐射ハルカ)

風邪薬の消費期限へ貼る値札 菊池洋勝
 ~割引の値札は消費期限を隠すように貼られることが多い(と感じる)。古い風邪薬は効き目が悪いのか(と感じる)。みなさま、風邪薬のお世話にはならずによい年をお迎えください。(月波与生)

藤棚を背なかに貼ってくれないか 太代祐一
 ~背中ではなく何故か「背なか」。背一面に咲く藤は見事なものであろう。リアルでは沼津の藤棚は美しかった。(月波与生)

母方の祖父に山手線のタトゥー 太代祐一
 ~「母方の祖父」と限定することでリアリティを持たせつつ、「山手線のタトゥー」という柳味のある違和の世界。本当にそんなタトゥーがあるなら、見てみたいかも。(まつりぺきん)

禍にありて御用納もひとりきり 花野玖
 ~カチッとした句ですけど「禍にありて」だと社会性が出てしまいメッセージ性も含まれてしまうので、上五は無意味なもののほうがいいかと。
 ポンジュース御用納もひとりきり (蔭一郎)

北国の季語を選んで開ける窓 とわさき芽ぐみ
 ~仙台市より南へ住んだことがないので南国の生活に憧れる。であるが「北国の季語を選ぶ」に愛と勇気を感じた。(月波与生)

画質良し青空好児だけがいる 藤井皐
 ~球児がいないのはどうしたことか。違和感は画質がよくなったからだろうか。いつもと変わらない日常が少しずつ崩れていく。(月波与生)

お年寄りの冬晴れの棒高跳びの押忍!
 ~男性ならブブカ。女性ならイシンバエワ。(楢崎進弘)

ときどきは少女にもどりセロリ嚙む syusyu
 ~このような想像をしてしまうセロリは不思議な野菜。セロリを毎日食べてしょっちゅう少女に戻ってほしい。(月波与生)

夜廻りの拍子木聞いてみかん剥く 水の眠り
 ~この御句好きです(とるばどーる)

寒いから淋しと思うそれだけよ せば
 ~この句ものすごく共感します。淋しさってそんなものですよね。(タケ@俳句データベース ドットコム)

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◆ 第97回句会報ダウンロードはこちらから

第97回句会報(PDF)

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