さみしい夜の句会報 第96号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第96号(2022.12.18-2022.12.25)

第96回の参加者は80名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

ツイートに表示回数が出るようになりました。表示に対して賛否はあるようですが「句会に提出した作品」であることを考えると露出の程度がわかることは悪いことではないでしょう。たくさんの人に読まれてこそのネット句会です。意欲的な作品をお待ちしております。

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◆ 参加者(80名)

 こばやし南子(不眠症の猫)、山田真佐明、しまねこくん、海馬、水の眠り、桔梗菫、西脇祥貴、蔭一郎、石川聡、雲上晴也、菊池洋勝、日月星香、電車侍、石原とつき、元さん、たろりずむ、ゆりのはなこ、霧雨魔理沙、鴨川ねぎ、ESG、おかもとかも、宮坂変哲、気まぐれ俺んちロード、しろとも、あ、流天紳音(るてしお)、花野玖、井本和彰、小松 百合華、syusyu、涼閑、太代祐一、みさきゆう、お気楽草紙、K、片羽anju 雲雀、まつりぺきん、岡村知昭、金瀬達雄、雪上牡丹餅、とるばどーる、徳道かづみ、みさきゆう、白水ま衣、さー、高良俊礼、森内詩紋、藤井皐、西沢葉火、月硝子、Ryu_sen、のこりか庵、hyuutoppa、小沢史、こっちゃん、雷(らい)、Hina、む~みんママ、えのきさん、東こころ、天やん、もゆら、donkey、わたしのみらい、夜間戦闘、あどぅま、ぽっぽ、手羽たまこ、M*A*S*H、とわさき芽ぐみ、かのん、輪井ゆう、mari. a、抹茶金魚、楢崎進弘、恐山にゃる、ひなとと。、木野清瀬、Tomoko、月波与生

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◆ 7・7詩、5・7・5詩

稟議書の夏のページが開かない 西脇祥貴

駄馬の背で赤鼻の中島みゆき 西脇祥貴

木枯らしのQいろとりどりの遊具 海馬

美味しいパン美味しいパンと攻めてくる 海馬

ご当地ソングのチープ・パープル 海馬

極月や帯番組のコマーシャル 菊池洋勝

余白だけ適当に食べ眠る漠 しろとも

せがまれて霧の缶詰あけている 小沢史

白ポインセチア殺れるものなら殺れ 小沢史

通勤の道に落ちている手裏剣 太代祐一

北国の季語を選んで開ける窓 とわさき芽ぐみ

愛国心ドライフルーツ食い過ぎて 海馬

近すぎて詣でた事のない神社 雷

画質良し青空好児だけがいる 藤井皐

孤独死のノンフィクションや畳替ふ 菊池洋勝

列の中ぽつねんとして冬日和 花野玖

ときどきは少女にもどりセロリ嚙む syusyu

藤棚を背なかに貼ってくれないか 太代祐一

ぱあの音が出せたらきっと吉が出る 雪上牡丹餅

かわいるかはひらがなの亜種らしい 石原とつき

着ぶくれてなかなか水になれませぬ 小沢史

ブロッコリー立ててテレビは映らない しまねこくん

てんかふ、雑炊、蝶番、それぞれ発情 石原とつき

妹と回り道のことはなす 石川聡

グレゴリー寒さむざむざ虫でした 石川聡

放送禁止用語に曇る鏡 太代祐一

脱ぐものがまだありますよ冬至風呂 syusyu

焼き立てのシルバー人材たち悪し 藤井皐

片眉を生クリームに置き換える おかもとかも

ヒューゴー!って北風誰を呼んでるの? 森内詩紋

メリークリスマス(うなぎパウダー付き) 白水ま衣

椎茸に褒められてからやって来る 岡村知昭

水槽で枯葉を飼っている彼女 蔭一郎

君のショールを掛けられ溶けてゐる途中 syusyu

風邪薬の消費期限へ貼る値札 菊池洋勝

待ちきれず触ってしまう冬の月 東こころ

伸ばす手は宙を泳いで溺死する こばやし南子

山の端を高く離れて冬の星 山田真佐明

蒼くて熱いカート・コバーン星になり 水の眠り

二人だけそのクリスマス夢の中 黎明

クリスマスひとの時計が零時指し 雲上晴也

星空よりロマンチックな聖樹 日月星香

オルガンの 聖夜の歌や 凍てし天 電車侍

クリぼっちいのちの電話繋がらず ゆりのはなこ

クリぼっち 良いさ私にゃ 本がある 霧雨魔理沙

クリスマス泣ける話のコンテスト たろりずむ

猫又に化けて二匹で酌しよう 鴨川ねぎ

21世紀知る置き配はサンタの発明  ESG

思い出に背を向けている缶ピース 宮坂変哲

戦メリの語を阿佐ヶ谷で耳にする あ

寒風のあまりの寒さ笑み浮かぶ 流天

無縁坂少し切ない夢ばかり 涼閑

ジョジョ立ちを試す深夜の車窓かな お気楽草紙

大好きで大嫌いだよ 12月 片羽雲雀

猛吹雪視野には全裸ロカビリー まつりぺきん

ぼた餅の廃棄を米国に詫びる 金瀬達雄

カツカレー強者ばかりが勝つ勿れ 高良俊礼

台本は丸めてポケットに捨てる 西沢葉火

湯ざめするまで失楽のキスをする 月硝子

学校の渡り廊下は失語症 Ryu_sen

大深度地下に猫の巣冬至の日 のこりか庵

腸詰のやうな電車に乗り冬至 hyuutoppa

ぬるぬると手から流れる猫 こっちゃん

マヌカハニーとピンク・フロイドと朝氷 Hina

子の寝息じっと縄見し短夜かな 天やん

鍋なべのお終いは美味麺か米 donkey

こっくりさんあの子の未来は案山子なの M*A*S*H

白葱の 色香にまよい 二本買う かのん

立ちつくすトウメイにされトガる声 輪井ゆう

冬銀河なみだ流るる果てにあな mari. a

損をしてまで踊って夕日 抹茶金魚

冬至という揺れないものの腹式呼吸 月波与生

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◆ 7・7、5・7・5以外の短詩    

オパールと言われ怒涛と押し寄せる象とおばさんたちときらめき 手羽たまこ

トナカイとサンタが駆ける鈴の音は吐息で曇るガラスの向こう 元さん

さみしさが溶けだすように湯は冷めて温めボタン押したって一人 小松 百合華

夜の灯を両手で掬い病室に今ひとたびの光の世界 みさきゆう

アイコンもIDも即変わってく関係の可視化ゆがんだ鏡 みさきゆう

必要なのは君だけでなのに手を離すことでしか守れなかった みさきゆう

へそで沸き 闇夜溢れて われかえるわれにとうとい 卑怯千万 K

傷口をなぞる指先冷たくて眉根を寄せるきみの横顔 とるばどーる

ダメだよと禁止されてたこと全部やらかしながら大人になった 鈴音

冬の野に黒く佇む鳳仙花揺さぶられれば弾ける言葉 さー

猫との暮らしも人との暮らしも一つの幸せな奇跡 む~みんママ

シガレット煙と吐息混じる雪黒服包む灰色の街 えのきさん

高く傘掲げて歩く冬の夜これでも入らない弱い雨 夜間戦闘

右耳に薬を落とす五分間ここは遥かな四畳半の海 ぽっぽ

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◆ 詩

一人パーティー開始!!
メリークリスマスイブ!!(気まぐれ俺んちロード)

手が届きそうで
届かない
あなたの
大きな背中(もゆら)

スラダン観たの?誰と?
M-1観たの?誰と?(わたしのみらい)

歌は編む
意味もわからぬ
戯け共
鳴かぬ鳥のが
美しかろう(あどぅま)

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◆ 作品評から

駄馬の背で赤鼻の中島みゆき 西脇祥貴
 ~娑婆駄馬堕。(楢崎進弘)

美味しいパン美味しいパンと攻めてくる 海馬
 ~海馬さんの句を日々読んでいると、こういうことだなあ、と思います。まじめとふまじめのあわい。まじめなふりしてふまじめ、まじめにふまじめ。そういう攻め方が結局、デススター唯一の弱点を突くことになるんじゃないかなあ、なんて。ちょっとZAZYさんっぽいですしね。。。(西脇祥貴)

思い出に背を向けている缶ピース 宮坂変哲
 ~寂しい。(恐山にゃる)

夜の灯を両手で掬い病室に今ひとたびの光の世界 みさきゆう
 ~世界観が良いですね (刺身をレモン仕立てに)

枯れていくサボテンに遣る水の粒きらわれてると多分知ってた 夏野ネコ
 ~さすがにこの歳になると「キラワれるのがアタリマエ好かれるのがキセキ」と思っていてもう毎日が奇跡だ。水をありがとう。(枯れていくサボテン)(月波与生)

アイコンもIDも即変わってく関係の可視化ゆがんだ鏡 みさきゆう
 ~すごく好きです。「ああ、これは」とゆっくりと腑に落ちて滲みてきました……。(ひなとと。)

ご当地ソングのチープ・パープル 海馬
 ~ありますねこういうこと。海馬さんの膝ポンだ!こないだ地元スーパーで、例のエレベーター・ミュージックっぽいやっすい曲がかかってたんですけど、なんか聞いたことあるなー、と思ったら、よりによってLed Zeppelin”Rock ‘n’ Roll”でした。(西脇祥貴)

誕生日それはロケットえんぴつね おかもとかも
 ~ロケットえんぴつは懐かしいがカラフルになって現在でも販売している。昨日と変わらないように見えて誕生日にはしっかり新しい顔になっているのだ。気づけ。(月波与生)

白ポインセチア殺れるものなら殺れ 小沢史
 ~白いポインセチアを買おうと花屋に。赤いポインセチアなら気にも留めない小さな疵が、何故か白には許せない。純潔とか処女性とか、白と云う色への異様な思い。嫌だ嫌だ。わたしの中にもそんなものがあるのか…。くぐもる女の叫びのように読ませていただきました。(木野清瀬)

必要なのは君だけでなのに手を離すことでしか守れなかった みさきゆう
 ~好きです(森内詩紋)

グレゴリー寒さむざむざ虫でした 石川聡
 ~『変身』のかさっとして薄暗い、それでいてちょっと滑稽な感じが素晴らしく表現されていて好きです!(Tomoko)

干し柿を許そう事なきを得よう 藤井皐
 ~イヤな干し柿のことも今日は許そう。クリスマスだもの。年に一度、あなたと『素晴らしき哉、人生!』を観ることにしよう。(月波与生)

湯を沸かす夜が溢れてこないよう 千春
 ~それぞれにばらばらにいろいろなことが起きても夜はいっせいに訪れる。夜を待っていたもの、夜が怖いもの、夜まで生き延びられなかったもの。遠くで誰かが湯を沸かす。(月波与生)

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◆ 第96回句会報ダウンロードはこちらから

第96回句会報(PDF)

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