さみしい夜の句会報 第105号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第105号(2023.2.19-2023.2.26)

第105回の参加者は102名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

3月18日、ラポール京都で開催される第二回「らくだ忌」は湊圭吾、暮田真名、真島久美子、八上桐子、新家完司、くんじろうといった番傘、塔の伝統川柳から現代川柳までの幅広い選者を集めた川柳大会のようで、通常の「らくだ句会」のようにディスカッションする時間があるのかは不明ですが、とても面白い試みだと思います。近郊の方は参加されてはいかがでしょうか。

6日より出かけるため、次回週報(106回)の締めは5日夜、発行は6日を予定します。

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◆ 参加者(102名)

電車侍、はかなし、M*A*S*H、しまねこくん、まつりぺきん、鷺沼くぬぎ、hyuutoppa、涼閑、何となく短歌、syusyu、花野玖、屑乃ハコ、片羽anju 雲雀、野良之コウモリ、蜜、上崎、たろりずむ、森内詩紋、西脇祥貴、石原とつき、元さん、馬勝、さー、とるばどーる、秋鹿町、しろとも、さこ(砂狐)、霧雨魔理沙、天やん、おかもとかも、うたたね凛、mine、みさきゆう、西沢葉火、海馬、すずしろゆき、うめたかな、ちゅんすけ、藤井皐、太代祐一、PERCHES、みおうたかふみ、抹茶金魚、麻丹mani、Nichtraucherchen、石川聡、涼、宮坂変哲、萩原 アオイ、水戸充希、和泉明月子、糸爪曜子、ふら、蔭一郎、白石ポピー、高木タツオ、輪井ゆう、鴨川ねぎ、みさきゆう、菊池洋勝、む~みんママ、はるこ、Kaorin、小沢史、longroof、森川のと、山田真佐明、井本和彰、小松 百合華、雪上牡丹餅、流天、ヤナ・ヤヌー、水の眠り、高良俊礼、岡村知昭、くわとろプロジェクト、弌式住佳、そのかな、Emily、ゆりのはなこ、水須ゆき子、ゆいん、ヨダレウルフコマソン(仮)、一筆居士、SAF B3、月硝子、donkey、crazy lover、雲心、黒い兎02、ǝǝɯouɐ、ちゃまめ、外村ぽこ、あやめ、桔梗菫、もゆら、嶌りす、バックジャウワァァ*2、Jack、まつもともとこ、銀浪、月波与生

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◆ 7・7詩、5・7・5詩

あの時の誓いてれんと溶け雨水 小沢史

右目だけナイフになって刺しまくる 石川聡

金色の栗鼠が多めの呉服店 岡村知昭

気負わずに燃えないごみに参加する おかもとかも

菫だろ、涙でしがみついとけよ! 抹茶金魚

コンティニューするほど膝が笑いだす 秋鹿町

歯並びにふるさとを飼う豚だった 西脇祥貴

かたくりの花イナバウアーを生み出しぬ syusyu

猫の恋アーリオ・オーリオ食べに行く 花野玖

百年のまばたきをして灰になる 上崎

きみの手に覆われ夜になった顔 糸瓜曜子

留守電をペトリコールが埋めつくす 上崎

遠雷・あれもパヴァーヌこれもパヴァーヌ 海馬

泳がないように瞼に描いてやる 抹茶金魚

子供から大人までのド 西沢葉火

サナギの中の金縛り 西沢葉火

ティファニーで赤貝だったバスツアー 馬勝

春の雪君らも六十代なのか hyuutoppa

先生に無視された日の逆上がり 高木タツオ

探梅に 一駅早く 降りにけり 電車侍

春闘を終えて1、2、3、ダー! M*A*S*H

春服の襟に着信履歴あり しまねこくん

熱はなかった 猫のいた冬 まつりぺきん

月おぼろ舟の墓場へ紙の舟 鷺沼くぬぎ

忘れ物ばかりしている人生だ 涼閑 

年を経て意味の分からぬ禁忌あり 屑乃ハコ

赤貝を食うも食わぬもきみ次第 片羽雲雀

劇場版『転生してもすぐ詰んだってま?』大ヒット公開中 野良之コウモリ

息苦しい春の雨のためのわるものは置き去り 石原とつき

姪が名前と年を聞いてくる しろとも

銀幕の裏に女優の哺乳瓶 さこ

人間の 器小さき 自分嫌 霧雨魔理沙

ネックレス梅酒大会の後に捨つ 天やん

通勤の目で追っかけたコンサートドーム うたたね凛

夕焼けがきれいでカァと鳴いてみた ちゅんすけ

喃語を話す静物画のティシュー 藤井皐

今川焼きがパスワードとは 太代祐一

あの日々を忘れはしない春の土 みおうたかふみ

納得がいかない 君の怒る理由(わけ) 麻丹mani

春風で花粉飛び交うつらい日々 涼

オクラホマミキサー終わるあと一人 宮坂変哲

四丁目へと三丁目から空母 蔭一郎

躓いた石また来たか足下に 輪井ゆう

白鳥の歌は誰にも届かない 鴨川ねぎ

掻き揚げと同じ中身や冬の空 菊池洋勝

公道にバックで出たが凍返る 井本和彰

告白の場所は第一駐車場 雪上牡丹餅

冬桜黙りて耐える春の夢 流天

こころの詐欺師集団 ヤナ・ヤヌー

高塔山シナロケ去って春の山 水の眠り

花びらが舞う風化した文字のごと 高良俊礼

月ふたつひとつ飾ってひとつ食べ 弌定住佳

現実と夢を往来する電車 そのかな

焼かれたるシシャモ口開け泣いている ゆりのはなこ

雪晴や開けては閉むる父母の家 ぽっぽ

いつの日か汽車に揺られてミルコメダ ヨダレウルフコマソン(仮)

私たち 子供じゃないけど イチゴ味 SAF B3

大豆ハンバーグに未練押し固め 月硝子

貴方もよ私もなのよちゃんとして donkey

真夜中にナースコールより響く声 crazy lover

春灯や恋のあわいにある『秘密』 雲心 

ふりかえる あの日と同じ 夜風の匂い 黒い兎02

頼りない足に明日は任せられない ǝǝɯouɐ

火にかける 融けるチョコと解ける記憶 ちゃまめ

おぼつかぬ羽にまかせて花を行く 輪井ゆう

アネモネの黙って首を傾げ居り あやめ

時々名前の意味を忘れてる子 桔梗菫

月が出てないからさ もゆら

極寒の夜空を星のささやき Ryu_sen

敵にも味方にも踊り場にもなれず 月波与生

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◆ 7・7、5・7・5以外の短詩 

見えますか?あなたが投げた無意識のトゲがたくさん刺さっています みさきゆう

夕陽色 だが外は寒いのだろううおんうおんと木が泣いている みさきゆう

絶対に抜けてはダメなものとしてピアスホールを開けましたのピ たろりずむ

価値観の違いで済ませた結論はパクチー、セロリ、みたいな苦味 小松 百合華

ああ犬が大好きなんだなあとわかるあなたの作る猫の短歌で たろりずむ

夢オチかどうかを先にチェックしてから読む長く重いツイート たろりずむ

めりこんだままの背中の林檎から広がる熱さえ愛せてしまった はかなし

ふと届く言葉がAEDとなり前へ進めと明日へ誘う 何となく短歌

軋む音 涙は辛い わたくしの胛はもう羽根には成れぬ 森内詩紋

願い星光り集めたパビリオン自分の明かり見つけに探す 元さん

鼻ひとつ塞がるだけでもがくほどあやふやになるヒト呼吸法 さー

姿見に裸体映してふと思うオトコでもなしオンナでもなし とるばどーる

偽りの仮面をかぶり生きていく子供の笑顔はいつも無邪気で mine

眠れずに寝返り打てばからころと白だけ残るドロップが鳴く すずしろゆき

君待つとわが恋終わり見えなくて雨樋伝う次の燕も うめたかな

時ならぬ恋する猫の鳴き声に四季の乱れを思い知る夜 Nichtraucherchen

手付かずのおかずが冷蔵庫で笑う「まるであなたの人生みたいね」 萩原 アオイ

三角を綺麗に描く相関図貴方が放つ矢に触れれたら 水戸 充希

何処までかあてひとつなくうろうろと杖も持たずに歩き続ける 和泉明月子

消え去った後は記憶の中にだけ 捨てたいものも愛しいものも ふら

春の土よりも冷たい掌で触れた小さく震えた染みた 白石ポピー

荷造りが上手になったときめきはいつかは消えるこれも捨てよう はるこ

えーもっと話したいよという君を車窓の風と送る家まで Kaorin

投票しても納税してもなお政府は左上の政策 longroof

今日だって何も変わらず笑えない今夜は星を眺めたかった 森川のと

何気ない一日の朝の日を浴びて毎日を少しづつ楽しみゆく Emily

昼休み君の寝顔が愛おしい少しいじわるスマホに記録 ゆいん

また会える 銀河鉄道 星の海遠く時の輪 接する処 一筆居士

いつもなら笑ってくれる冗談を君が無視する火葬場だった 外村ぽこ

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◆ 詩

アインシュタインに
問いかける夜
1秒はほんとに
1秒なの?(蜜)

PTA会長涙卒業歌
性格の良き子寂しく卒業す
徳を説く式辞に耐えて卒業す(PERCHES)
夜の帳が下りると現れるあなたの世界
朝の鳥たちが鳴く前に 又夜にね と帰っていく(む~みんママ)

犬が遠吠えしている
黙っている少年と月
冷え冴えている夜空は
瞬く星々を浮べて
そろりそろりと西へ向かう
少年は遠い母を思う
白いため息と月が時折重なり
遠吠えの野犬に
自分を重ねている
同じ月の下に埋められた
亡母の遺骨を抱いて
眠りに就くことを
夢見つつ (山田真佐明)

今日の君は、空を見上げましたか?
今日の君は、笑顔で過ごせましたか?
今日の君は、誰を想っていますか?
今日の僕は、やっぱり君が好きです
明日の僕も、きっと君が好きです
この気持ちはどこへいくのかな?
自分でも、わかんないや(くわとろプロジェクト)

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◆ 作品評から

サナギの中の金縛り 西沢葉火
 ~さなぎは自主的に幼虫から動かない状態に入る。外見は能動的な静止。さなぎの内部では細胞が激しく変態しているだろう。しかし、その変態が金縛りに。さなぎの外観は変わらないのに、途端に死の影が巻き付くような不穏。12音構成のスタティックな不穏に心象の喩を感じる。(石川聡)

オクラホマミキサー終わるあと一人 宮坂変哲
 ~好きな人の手前で終わるのよね(嶌りす)

手付かずのおかずが冷蔵庫で笑う「まるであなたの人生みたいね」 萩原 アオイ
 ~意外と一晩寝かすと美味いおかずもある。(バックジャウワァァ*2)

歯並びにふるさとを飼う豚だった 西脇祥貴
~哀愁漂う句。豚の歯並びって想像だけどあまり整っていなさそう。そんなかっこよくない歯並びに豚には豚のふるさとが。ふるさとってかっこよくないけど、愛着のあるもの。下五の過去形が豚の行く末を物語っている。豚のドナドナ。(太代祐一)

グルテンを足して日脚を伸ばします しまねこくん
 ~2月半ばも過ぎだいぶ日没が遅くなってきました。今週から筋トレも再開し、運動を終了して食べる「おやつ」が楽しみです。(月波与生)

夢の中で聞いた答えが椿する 抹茶金魚
 ~「椿する」、さっぱりわからない。ただ夢の中で答えを貰うことは度々あって、昨夜は乗り換え電車の時間を教えて貰う夢だった。夢の中はいい人ばかり。(月波与生)

花びらが舞う風化した文字のごと 高良俊礼
 ~いいですねぇ(Jack)

刺青で父だと分かる週刊誌 たろりずむ
 ~「月刊実話ドキュメント」では毎回刺青ヌード写真が掲載されていますが、それが父だったとわかった時の衝撃。たーしに描いてほしいです。(月波与生)

熱はなかった 猫のいた冬 まつりぺきん
 ~猫が居て、冬でも心は温かかったのでしょう。 
猫がいなくなって寒くて淋しくて病で熱が出た?(まつもともとこ)

夕陽色 だが外は寒いのだろううおんうおんと木が泣いている みさきゆう
 ~あたたかそうな夕陽と冷たく強い風の対比がさみしさを募らせて、木の鳴き声が哀しげで、幹を抱きしめたくなりました。(銀浪)

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◆ 第105回句会報ダウンロードはこちらから

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