さみしい夜の句会報 第109号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第109号(2023.3.19-2023.3.26)

第109回の参加者は100名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

「さみしい夜の句会」アカウントのフォロー数、フォロワー数とも2,000人を超えました。#さみしい夜の句会で投稿された方はできるだけフォローするようにしておりますので今までに2,000人以上の方が参加され、毎回2,000人以上の方へこの週報が届いています。何より毎週新しい人が参加してくる「場」となったことが設置人として驚きであり喜びです。ここを訪問されたすべての方に感謝いたします。

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◆ 参加者(100名)

石原とつき、海馬、まめのすけ、しまねこくん、茶碗酒一杯、何となく短歌、片羽anju 雲雀、小沢史、凪ちひろ、落ちる星々、屑乃ハコ、夜霧、みさきゆう、抹茶金魚、さー、石川聡、水の眠り、Born Slippy(モンモン)、PERCHES、hyuutoppa、萩原 アオイ、輪井ゆう、森川のと、みおうたかふみ、もゆら、元さん、たろりずむ、西脇祥貴、鴨川ねぎ、上崎、森内詩紋、Ryu_sen、mine、宮坂変哲、しろとも、東こころ、西沢葉火、mugwort、yellow、蔭一郎、鷺沼くぬぎ、花野玖、岡村知昭、森砂季、流天、Francis、雷(らい)、秋鹿町、ǝǝɯouɐ、おかもとかも、りりり、高瀬二音、おひたし中田、saku、futuro、Tatsuo Kanase、とし、こたろう、星見冬夜、かのん、まつりぺきん、ゆりのはなこ、のんのん、しろとも、クリスチ、藤井皐、取手呉兵衛、あぼがど、とるばどーる、どこにでもドア、fuu_、カゲキ・ちゃけぞう、ちゅんすけ、涼閑、麻丹mani、此糸むら咲、Nichtraucherchen、ぱさ、梓川葉、ムーキャット、日下 昊、霧島あきら、あこせみ、和泉明月子、うめたかな、千春、Tomo、雪上牡丹餅、n a k k y、汐田大輝、月草偲津久、む~みんママ、弌定住佳、電車侍、深川一平、Asura’s Haiku、町外れ、あらぴぃ、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

夕暮れの町を隠した手のように 海馬

またわたしまわたわたわたまたわたし 藤井皐

秘密ごと焼かれたお好み焼きの底 東こころ

方舟ってキンモクセイな排気ガス 西脇祥貴

海哭けば父かとぞおぼゆる系中島みゆき 西脇祥貴

皮肉屋の店先にある絹豆腐 まめのすけ

消えかけの人の製造年月日 まつりぺきん

拾ってから見つけやすくなった海鼠 抹茶金魚

マカロンに近づくほどに歳をとる おかもとかも

業務用下北沢をワゴン車で おかもとかも

そうこうしたところで羊羹はゆっくり狂気 石原とつき

黃水仙ピアニッシモしか無い校歌 しまねこくん

菜の花のゆうれいを飼う新校舎 海馬

わたしなら16番目の月が好き みおうたかふみ

涙雨浴びる名のらない門番 輪井ゆう

直角を作れば縦に花の冷え しまねこくん

輝かぬものの仲間に木瓜の花 しまねこくん

食パンの肘のあたりに溜まるジャム 上崎

網戸から押し入ってくる天使たち 上崎

繰り返す普通のひとの普通のラ 秋鹿町

ハーブティーなにを解っていると云うの 千春

替え玉が出頭前に犠打を決め 茶碗酒一杯

花冷えの夢喰う獏の手をとって 片羽雲雀

「あ」と打てば愛茜泡哀貴方 小沢史

星ひとつで星座を作ってみたよ俺座 夜霧

空き地を四姉妹チューリップ 石川聡

桜餅妙な噂を聞きました hyuutoppa

目を閉じて最初に見えた櫻花 みおうたかふみ

子猫のステップぴょこり花が咲く 鴨川ねぎ

草餅を頬張る眩しい庭先で 森内詩紋

ガムランに神の身柄が降りそそぐ Ryu_sen

アイかけるアイはマイナス1独り 宮坂変哲

抽選でデッドボールを引き当てる しろとも

ウサギ小屋に隠すつらら 西沢葉火

五分咲きの花や街道急くあえか mugwort

目を瞑るまで菜の花に波しぶき 蔭一郎

花冷えや窓際族が忙しい PERCHES

春の川群像劇ということに 鷺沼くぬぎ

茅花抜く下唇をそつと噛み 花野玖

怖いこわいコワイ怖くてこき下ろす 岡村知昭

恨めしや 銀座線はどこですか 森砂季

花曇り活気の文字が薄い旗 雷

点滴は血管巡り脈打つ春 ǝǝɯouɐ

大天使イクサの椅子が飛んだ春 Tatsuo Kanase

花束のリボンの負荷を解いてやる Ryu_sen

荒波に正面向けば受け流せ 流天

水たまり蜂が一匹浮かんでた こたろう

空見てもヒメキンセンカ止まぬ雨 星見冬夜

夢のごと 君といた日の 花霞 かのん

花のやうに僕を忘れてください hyuutoppa

消しゴムで春の輝き消しに行く ゆりのはなこ

静脈を巡る透明だった星 のんのん

カーテンを開けたら月も僕を無視 クリスチ

むざんやなクソリプの元の真面目ツイート 取手呉兵衛

ツイートをしてもひとり あぼがど

昼の写真しか上がらない fuu_

缶ビール  飲み干しツマミ  独り言 カゲキ・ちゃけぞう

ハルカスに響く親父のアホボケカス ちゅんすけ

霞みたつ時間に潜む分岐点 涼閑

月曜3時施設の母に電話する 麻丹mani

春分や乗客同士拍手して ムーキャット

彼岸中日かすみの様な香が煙る 日下 昊

北限の地がまた北上している 霧島あきら

初蝶や真っ直ぐに行く花も見ず 和泉明月子

春の雲僕の居場所はここにある Tomo

返り血は隠してくれぬ赤シート 雪上牡丹餅

韮好きの投手と捕手のバッテリー n a k k y

幽体離脱しているうちに霧になる 汐田大輝

春雨や雪を解かして鍋にゐる 月草偲津久

魔法使い幾星霜へてただのヒト 弌定住佳

朧月 植物園の 白さかな 電車侍

もくれんは百済の民のように散る 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

世の中のドリンクバーのドリンクをぜんぶ混ぜ合わせたような闇 たろりずむ

プレミアムロールケーキのプレミアムみたいなやさしいことして朧 此糸むら咲

動物の形を模したクッキーは卵不使用 君は必要 mine

輪になって踊ってみれば何となく体で覚えてる踊れなさ たろりずむ

犬猫を愛するように愛でるキミ好きの温度が違う悲しさ りりり

待ち合わせ場所だけ風が強くってハッピーエンドの予感しか無い たろりずむ

このあいだ君を回転寿司の皿の上でみかけたんだたぶん 落ちる星々

その星はケーキ座のいちごになるのですいませんほらおいしそうです 落ちる星々

ポタポタと足もと濡らす水滴の優しい雨は伴走者となる 何となく短歌

君ってばポンデリングを一列に虫みたいにして食べるんだね おひたし中田

一度死んだ気になってみたあの日からもう十年が経ちました 凪ちひろ

食べているロングライフのクロワッサン1日2個の5日で消費 屑乃ハコ

ドーナツの穴にロマンを見出せずただ美味しくてそれでもいいか みさきゆう

午前二時二十二分の心拍が四月が来るよ告げていて草 さー

夜桜に暖かい風ふいたなら聞こえないようささやいてみる 水の眠り

土砂降りの気持ちの整理落ち着かず水たまり照らす空の青さ Born Slippy

すきということを確信したよるにきみのまえからいなくなりたい 萩原 アオイ

もうたぶん舌のやけどは治ってる唐揚げ食べて君を忘れる 森川のと

誰もがさ大切な人みんな幸せそんな社会それがいいよね もゆら

引き留めた時間の風にさらされて言葉にもなく約束もなく 元さん

0か100、値打ちがあるのか無いのか、感受性とは虚しいだけさ yellow

青草のぬくい匂いと団子になって山の空気の下りて瀬戸内 高瀬二音

低い声出すと頭が下がります喉仏様への敬意かな おひたし中田

桜が咲くと思い出すトラック走ると揺れる部屋 saku

もう前へ進む道しか選べない一花咲かす誓いの桜 future

春雨に 田畑の草木(くさき) 青々と勢い増して 季節は進む とし

最初から気づいていたよ君の目は見守るように私を見てた とるばどーる

八月の二人の秘密無印のベッドには荷が重いだろうに どこにでもドア

受け入れられざるものとして生を受け受け入れられざるものとして死す Nichtraucherchen

寂しさを夜の隙間に閉じ込めてあと少しだけ息をしてみる ぱさ

さっきまで胸の間に溶けていた君の香りがまた遠くなり 梓川葉

月さえも家の中へは来ないのね誰も来てない3LDK あこせみ

健康でまだ書けぬことある友へカレーライスの頻度を問いたい うめたかな

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◆ 詩

日の帰りのバス
老夫婦がご遺骨を持っていると、思った
見ると、ケーキ屋さんの袋だった
が、やはりお葬式の帰りでご遺骨を、ケーキ屋さんの袋に入れているようだった、、。(む~みんママ)

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◆ 作品評から

星ひとつで星座を作ってみたよ俺座 夜霧
 ~その星はケーキ座のいちごになるのですいませんほらおいしそうです(落ちる星々)

海哭けば父かとぞおぼゆる系中島みゆき 西脇祥貴
 ~戦艦霧島と共に海の底にいる叔父を思いました。海を見れば荒れていても凪いでいても叔父を思います。(深川一平)

ん寄りにいますラナンキュラスより 上峰子
 ~「ん寄り」がどこかわからない。でも「ラナンキュラス」はそこにいる。自分が想像できるありったけの「ん寄り」を今夜も探し歩く。(月波与生)

この国の体温として暮らしてる おかもとかも
 ~句を読んで「この国の体温」はどのくらいか考える。平熱か高熱かはたまた低温か。想像できた体温こそが現在の自己体温なのだ。(月波与生)

ひとつだけなかまはずれがありますと問題文はさらりと告げて たろりずむ
 ~こうして人は学校で「なかまはずれ」を学ぶ。それからずーと「なかまはずれ」にされてる感を抱えて生きてきた。多数派なんだけどな。(月波与生)

やわらかな鳥居を心臓に建てる 上崎
 ~「やわらかな鳥居」は何を意味するのであろうか。それを大事な「心臓に建てる」という。行為は儀式なのかもしれないし日常なのかもしれない。(月波与生)

消えかけの人の製造年月日 まつりぺきん
 ~直感的に好き!消えかけの人の体のどこかにある製造年月日を消える前に保存出来た時、一体何が起こるのか?次元、時限、記憶、記録、消滅、再生、遺産、DNA、IPS細胞、といった連想が掲句から導きだされた。味わい深い。(石川聡)

何者にもなれぬままで夜走る苺ショートの祝福よあれ おひたし中田
 ~かつて大谷翔平にも「何者にもなれぬ」ときがあった。昨日彼をみた数多の何者でのない者も、いつかきっと何者かになれる日が来るだろう。祝福あれ。(月波与生)

抽選でデッドボールを引き当てる しろとも
 ~ロシアンルーレットみたい(元さん)

電波法上@は春の水 Ryu_sen
 ~ほとんどの人間は@をぶら下げて生きている。@のない人間は世界からOffされた存在になる。今日も人間はたくさんの@を付けて出かけていく。(月波与生)

空き地を四姉妹チューリップ 石川聡
 ~four sisters
in the vacant lot
tulips(Asura’s Haiku)

ぽっぽるぽぽっぽるぽると鳴いている名も無き鳥よ名付けられるな みさきゆう
 ~「名付けられるな」がいいですね。すべてのラベリングから逃れた名も無き者たちがたどり着いた地。(月波与生)

恋人がいるのに地動説ですか 蔭一郎
 ~世界の中心で愛を叫ぶ恋人同士は天動説のはずが地動説だという。分別のある二人に祝福あれ。(月波与生)

君ってばポンデリングを一列に虫みたいにして食べるんだね おひたし中田
 ~可愛い 好き(町外れ)

網戸から押し入ってくる天使たち 上崎
 ~天使をまるで蚊のように。押し入ってくる、の少し迷惑なニュアンス。こういうイメージの逆転のような句、大好きです。(まつりぺきん)

ドーナツの穴にロマンを見出せずただ美味しくてそれでもいいか みさきゆう
 ~良いのです 美味しいのだから(あらぴぃ)

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◆ 第109回句会報ダウンロードはこちらから

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