さみしい夜の句会報 第268号を発行しました

さみしい夜の句会
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UnsplashNicholas Bartosが撮影した写真のNicholas Bartosが撮影したイラスト素材

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さみしい夜の句会報 第268号(2026.4.5-2026.4.12)

第268号の参加者は38名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

青森も雪が融けました。昨日、弘前公園で桜の開花宣言。20日頃には満開、27日頃にはりんごの花が咲くでしょう。1年でもっとも清々しい季節です。
こんな季節には寺山修司を読み返したくなります。

僕は五月に誕生した/僕は木の葉をふみ若い樹木たちをよんでみる/いまこそ時 僕は僕の季節の入口で/はにかみながら鳥たちへ/手をあげてみる/二十才 僕は五月に誕生した(「われに五月を」 寺山修司)
書を捨てて、街へ出てください。​​​​​​​​​​​​​​​

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◆ 参加者(38名)

クイスケ、七澤銀河、空野つみき、しまねこくん、カオルル、山田真佐明、汐田大輝、何となく短歌、鈴木正巳、佐井杜有、Nichtraucherchen、月階柚、あづみのマルコ、蔭一郎、田中美蟲角、岡村知昭、東こころ、不思議な話のアイン、雷(らい)、奇妙丸、雨声、なさわご、安藤 蜜豆、三明十種、桑原 雑、詠んでみた水草、しろとも、akao、宮坂変哲、季川詩音、水の眠り、ふくろうたかこ、石川聡、まどけい、松本清展、詠んでみた水草、よもやま さか、月波与生

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◆ 川柳・俳句

国境を越えないように無花果を クイスケ

早寝とはシリコン製の型である クイスケ

湯豆腐の瞬間移動やってみた 汐田大輝

ご夫人の胸から下がアドリア海 汐田大輝

相方と呼吸を合わせ犬を抱く 山田真佐明

朧夜の陰毛ゆらりゆらりかな カオルル

水替えて厨の蜆眠らむか カオルル

住民の苦情を鳩にする係 しまねこくん

タイトルで買つた書籍が鳩と化す しまねこくん

還暦になれば挿木で蘇生する しまねこくん

コンドルも洗濯物も春嵐 しまねこくん

ジェンダーが分かれる前のむつごろう しまねこくん

やどかりの遺跡であつた貝の山 しまねこくん

有害な図書を浮かべて春の川 しまねこくん

穴を出て穴へ戻つてしまふ熊 しまねこくん

肉眼で見へる細菌風光る しまねこくん

人形の前後左右に汽車を置く 空野つみき

退屈をモダンローズの茎に貼る 空野つみき

秒針の狂った兄と飲むホッピー 佐井杜有

緩やかに巻き取られて行く四月の音 七澤銀河

逃亡犯と共に一夜を過ごす猫 七澤銀河

朝焼けの誤配に護符の縄梯子 蔭一郎

リュウグウノツカイしたたる滑り台 蔭一郎

手招いた椅子におもちゃの鬼子母神 蔭一郎

野を焼きて胴だけ残るこけしかな 蔭一郎

砂山に棒いっぽんの市街戦 蔭一郎

夜半(よわ)荒れてさくらを見たくないこころ リコシェ

悲しみと濡れてマダムは安座する 山田真佐明

慣れてきた耳で桜を見てもみる 雷

警備員も長靴を履く直売所 雷

   *

踊る阿呆の赤い靴 Nichtraucherchen

読経で踊る蛙や花手水 田中美蟲角

三叉路の河馬をどうするまず拭う岡村知昭

両想いなのでシャンパン入りのチョコ 東こころ

スサノオはチョコミントの匂いがする アイン

寒暖や 巡る月夜の 濃く淡く 奇妙丸

後先を考えもせず春嵐 安藤 蜜豆

図りかね 影を踏む猫 身を縛り 桑原雑

酔う更け食らわばたい焼き 詠んでみた水草

メートルをあげるおじさん花筏 宮坂変哲

酔ってますよという誰もいないのに しろとも

脳みその吾は花年様華の頃 akao

木の芽雨自由を手にし独立す 季川詩音

イラン要らんとドナルド氏 ふくろうたかこ

遅いもくれん早いもくれんと終はりにけり 石川聡

独学で川柳詠むや春の雨 まどけい

無罪放免くれずも一度来いてさ肺の塊正体不明 松本清展

   *

カブトムシ雨の予報を信じない 月波与生

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◆ 短歌

父ちゃんもフランス語できたらいいのに フランス語のスタンプ送るよ 雨声

バス停のキリンがいなくなっていて春になったと納得をする 月階柚

幸せを比べてみても意味ないとわかっていても揺れる天秤 なさわご

   *

転勤を祝ってくれてありがとう朗報として伝わったのね 何となく短歌

勤めとは鍵を磨くに似てゐたり開けぬ扉にあなたを待ちて あづみのマルコ

湯煎して型いれをするチョコレートふわふわ言葉で育てたかった 水の眠り

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◆ 詩 ・ 短文

ぼくという人間がいたこと
それを忘れたくて
青い星を造ってみました
きみはここで眠っているだけでいい
ぼくだけが疲れ果てていればいい
ぼくはここで始まりを見届けたい
きみの頬を撫でる
ぼくの頬を抓る
何周もした跡がついている(空野つみき)

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◆ 作品評から

読んでない本のレビューを書く四月 しまねこくん
 ~新しい生活、虚栄心、あるいは「そうあるべき自分」を演じなければならない焦燥感。「四月」という季節設定が巧み。(月波与生)

縫い代をすすむ仔牛が折り返す 蔭一
 ~布の上を仔牛が歩いているのか、裁縫の「まつり縫い」のような動きを仔牛に例えたのか。単調なリズムの中に、牧歌的な風景が入り込んでくる感覚がいい。(月波与生)

シルクハットから足音がぽろぽろ 空野つみ
 ~シルクハットから、ハトやウサギではなく「足音」が出てくる。しかもそれが「ぽろぽろ」とこぼれ落ちる。聴覚と視覚の混濁。 (月波与生)

発火する犬の毛並みのモース硬度 クイス
 ~ 「犬の毛並み」という柔らかいものに対して、鉱物の硬さを示す「モース硬度」という冷徹な尺度を持ち出す対比。イメージの跳躍。「発火する」という動詞が火花のような鋭さを鮮やかに描き出している。(月波与生)

茹ですぎのパスタと揉める親知らず 七澤銀
 ~ 日常の「不快」をユーモアに転換した句。本来なら柔らかいパスタは親知らずに優しいはずなのに、あえて「揉める」と表現した点に、噛み合わせの悪さや生活の苛立ちが凝縮されている。(月波与生)

肉眼で見へる細菌風光る しまねこくん
 ~しまねこ君けつのまわりの風光る(よもやま さか)

有害な図書を浮かべて春の川 しまねこくん
 ~これはもうすべて水に流してしまおうという結論でしょうか。見たことさえも忘れてしまいたい。そんな微かな希望かもしれません。(季川詩音)

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