画像提供:eloigomez_ ( Pixabayより)
さみしい夜の句会報 第264号(2026.3.8-2026.3.15)
第264号の参加者は48名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
#さみしい夜の句会から川柳句会を切り離した「真夜中句会」も3回目となりました。川柳限定ですが投句をお待ちしております。
◆ 参加者(48名)
クイスケ、しもじょう、七澤銀河、あづみのマルコ、しまねこくん、汐田大輝、鯖詰缶太郎、非常口ドット、カオルル、西脇祥貴、水の眠り、Nichtraucherchen、雨声、つきの さかな、月階柚、砂原妙々、宮坂変哲、石原とつき、松本清展、東こころ、石川聡、白水ま衣、蔭一郎、鈴木正巳、もふもふ、桑原雑、田中美蟲角、織田奇妙丸、山田真佐明、安藤 蜜豆、coma、しろとも、笛地静恵、空野つみき、織部ゆい、片羽 雲雀、須藤純貴、台風のめ、まどけい、山羊の頭、西沢葉火、なさわご、季川詩音、涼、大山 晶子、不思議な話のアイン、栗井ゆずる、月波与生
◆ 川柳・俳句
オリーブの葉裏全てにラメ仕込む クイスケ
あたためた椅子を分け合う金曜日 クイスケ
冥途には誰もいないとつい踊る しもじょう
なごり夜をカエルアンコウイザリウオ 石原とつき
空き箱を欲しい人には会えてない coma
わたしには青い山から流れます 山田真佐明
乳を揉む漢になってなごり夜 山田真佐明
人の痛みを知れビーム Nichtraucherchen
君にしか見抜けぬ嘘をついたのに 安藤 蜜豆
百あれば乱と呼ばれるつくしんぼ しまねこくん
諸説あります (※諸説あります) 白水ま衣
金太郎飴の狂気を恋と呼ぶ 白水ま衣
サーカスの象の寝息や春の星 カオルル
ライナスの毛布を持つて卒業す カオルル
苺にはこのモヤモヤがわからない 汐田大輝
ヴィーナスの指が奥歯にからまるの 汐田大輝
雲ひとつなき春雷を挿す花瓶 蔭一郎
起きてすぐカストラートを肌に塗る 空野つみき
木曜日 もうコロッケはこりごりだ アイン
*
アフリカの雪に怯えるハシビロコウ 七澤銀河
計算上熟れない中島みゆき 西脇祥貴
右よりは左で左よりは右 宮坂変哲
なごり夜の少年ししゃもの執念 石原とつき
入院の三日目やっと春を食ふ 松本清展
両想いかもしれなくてチョコレート 東こころ
辣韭を剥いて夜が明ける媼 もふもふ
縁無くもお返しチョコを買ふおのこ 田中美蟲角
静かさに 寒さ薄れて 風が凪ぐ 織田奇妙丸
毟り取る為だけの羽根植える春 しろとも
譲らない涙はミモザ聞かせてよ 片羽雲雀
指紋が光る冷蔵庫 西沢葉火
是非はなくそこに命があるだけだ なさわご
煮凝を見つけた人はどんな人 季川詩音
仕事辞め 家でのんびり 暮らしたい 涼
花冷えや吾は散歩をサボりけり まどけい
珪化木斬り倒すほどの斧を持て 大山晶子
虻(あぶ)飛んでB29のエンジン音 鈴木正巳
疾き風を 冷たく思ふ 雲流れ 織田奇妙丸
*
カマトトは帰らず電池交換後 月波与生
◆ 短歌
思い出を味が消えないガムみたく命とともに噛み続けるね つきの さかな
新しいドレミを考えてみました 暇で死にそう ヴィワメナポヲタヌ〜♪ 鯖詰缶太郎
*
春先の雪は桜と抱き合って二度と読まない手帳を燃やす 七澤銀河
沈黙を装う君のまなざしはまだ燃えている炉の灰のごと あづみのマルコ
スト缶でお腹の中を消毒し夜の名残を追いかけて寝る 非常口ドット
反射して鏡になったビルの中部長はかわいいアリスにおなり 『昨日のお題からどれでも』 水の眠り
狭い土地だからだろうか変わらない面子と顔合わせだった 雨声
誤作動で走り続けた心臓が今日から正常に戻るだけ 月階柚
血のような夕焼けを飲む街のはじ私の肩を海みたいに抱く 砂原妙々
全員とはいきませんが結構な人数のお客が黙祷してる気配でした。 石川聡
陽のもとに虚空の如しわが魂は闇の奥にて過剰なりせば 桑原雑
叶わない夜に別れを来世こそ結ぶ小糸はお日柄もよく 織部ゆい
夜一人寂しさ埋める酒瓶もあと一杯で空っぽになる 須藤純貴
姿見に彼の気配を探してもわたしの目鼻が遠のくばかり 台風のめ
飛び立つと皆同じ向き気になるの じっとできないかなしい性か 山羊の頭
さびしい俺は 幽霊役を街中で 頼まれたとして 熱演、するだろ?
三月のさそりのいない天の川ヨハネと鐘と銀河鉄道 栗井ゆずる
私を追い抜いた亀が言った、 「なんだ、ただの坂道じゃないか」
◆ 詩
はん と犬は ないた
犬の 息は 白い
ほん の数分 風下に居て
かん と石が ブリキに当る
ねえ つまらないん だけどお
姪が ばばあはよお と悪態をつく
ばばあはよおどうせきたねえんだから
はっきり引っ込んでればいいんだしー。
わたしの平手が姪の頬をぶった (山田真佐明)
◆ 作品評から
諸説あります (※諸説あります) 白水ま衣
~諸説にも諸説があってマトリョーシカみたいになっているのかもしれません。本来は、いろいろな説がありますという意味だったのかもしれませんが、近年は、間違えたときの責任を避けるために使うこともあるような気がしてます。(季川詩音)
バス停に人魚を棄ててずっと雨 空野つみき
~バス停に人魚を棄てる不条理。生き延びられるようそれからずっとの雨。(月波与生)
いやな人 いやな人 ひとつとばして んー、やっぱ いやな人 で、夢始まって。 鯖詰缶太郎
~いやな人率50パーセントは正常。この世はほぼ全員いやな人で、それを好きになるゲーム(のようなもの)(月波与生)
ハイヒールの客も加はり磯遊び 鈴木正巳
~いきさつはわからないが映像が浮かぶ句。ハイヒールの貢献。楽しさがつたわる。(月波与生)
シンバルを知らないんだぜ氷河期は 大山 晶子
~氷河期は氷河期世代のことと読んだら氷河期そのものかも知れない。オーケストラにシンバルが混ざると出番まで聴いている方も緊張するが、氷河期は知らないらしい。(月波与生)
計算上熟れない中島みゆき 西脇祥貴
~「未熟な」として最初は捉えましたが、次に思いついた「若々しい(老いを感じさせない)」の方が個人的には気に入った解釈でした。「計算上」とあることで、現実はそうはいかないんだという悔いも感じました。(季川詩音)


