#2 借景 永末恵子第三句集

句集
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基本データ

著者   永末恵子 

発行所  航跡社

発行日  1999年4月4日

プロフィール(句集発行時点のもの)
1954年  広島生まれ
1989年7月  同人誌『白燕』入会
1993年4月 『白燕』退会
以降無所属

著書  (句集発行時点のもの)
1989年9月  歌集『くるる』
1991年8月  第一句集『発色』
1994年12月  第二句集『留守』
1999年3月 第三句集『借景』

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借景

 すべては断片であるという認識。消えたり現れたりするそのモノ、コトへの懐かしさ。それを懐かしんでいる自分を何処かから見ている自分。それをまた何処かから誰かがみているだろう。仮の景色として。

 そのような仮の、断片を、遠い視線をすくい上げる俳句という小さな詩型があったことを心から感謝したい。

 (19991年2月15日 後記より抜粋)

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作品

全体はⅠ~Ⅳの四部構成。
二十数年前の句集とは思えないエバーグリーンな句集です。
Ⅰより十句を紹介します。

霰降るふっと不思議な笑い方  永末恵子(以下同じ)

浜側の鉄路を跨ぐときあたたか

なにもかも姿造りにして立夏

バルコンや排水口が二つある

一瞬よ紀貫之もらっきょうも

サングラス最短距離を鳥は飛ぶ

落丁の居ても立っても川蜻蛉

虹が出る任天堂は何処にでも

おにぎりに両手を使う秋の昼

徐々に徐々に十一月は奥歯かな

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