川柳発祥の日(8月25日)を祝う会

句会
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慶紀逸って、誰?

今年(2022年)は慶紀逸没後260年。
川柳が単なる万句合興行に留まらず他の雑俳から分かれて文芸になったのは、慶紀逸編の『誹諧武玉川』からといわれています。これを手本にしたのが『誹風柳多留』であり、これは句の見本としてその後の多くの川柳作者のテキストとなりました。『誹諧武玉川』が世に出なければ『誹風柳多留』の誕生はなく、文芸としての川柳はなかったかもしれないのです。

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川柳・十四字詩・滑稽俳句・前付け句

慶紀逸の顕彰を行う今回の《慶紀逸翁260年》の行事では、当時の句会に倣って開催されますが、あまり馴染みのないものもあります。手元の案内文に解説が記載されていますので、少し紹介しましょう。

十四字詩、十四字

俳諧の短句すなわち「77」の形式の十四音の定型詩です。一題目の「いくさ」は「戦」や「戦争」等をテーマに77の形式でよんで下さい。二題目の「けい」(上下)は77の十四音の内、句頭が「け」ではじまり句尾が「い」で終わる形式です。だだし「けい」で始まる語は不可。「十四字」とは雑俳の課題形式で正確には「十四字詩」とは別です。
  け〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇〇い
の要領で「〇」に一音ずつ入れれば、一句が整います。
これを「十四字の上下」といいます。

滑稽俳句

江戸時代には「滑稽発句」、明治期には「滑稽俳句」と称して通常の格式ばった発句や俳句に対して滑稽を中心によんだ句です。川柳も笑いの文芸ですが、アイロニーやシニカル、絶望の笑いといった人間が描かれます。滑稽俳句では、十七音を基本としますが、無季、自由律、分かち書き等内容や形式は自由です。

前句付

川柳という十七音の文芸の元になった「川柳万句会」の形式です。77の前句を課題として、これに響き合う575の付け句を作ります。ご存じの前句付には、
  前句  切りたくもあり切りたくもなし
  付句  盗人を捕らえてみれば我が子なり
がありますね。これは、川柳より古い時代の作例ですが、初代川柳の時代には、「賑やかな事賑やかな事」など更に簡略化された前句が題として出されました。今回は「運のよいこと運のよいこと」の十四音にマッチする十七音の付句を作って下さい。

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川柳は文化か?

現在、川柳を愛好する人は全国にどのくらいいらっしゃるのでしょう。
よく、引き合いに出される言葉として「俳句100万人、短歌30万人、川柳10万人」がありますが、川柳を書いている者としての実感としては、サラリーマン川柳やシルバー川柳を愛好する人を含めてそのくらいで、サラ川は川柳に含まないという考えの人もいて、そういう人だけだと1万人いるのかどうか。川柳は絶滅の危機に瀕しているといってもいい状態です。

振り返って、慶紀逸が『誹諧武玉川』を著した時代はどうだったのでしょう。
十四字(上下)や滑稽川柳を書いて笑い合ってたくらいですから、もっと大らかな句会だったのではないでしょうか。
川柳も、長年染み付いた澱のようなものを流し、原点回帰することも必要ではないかと思います。

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慶紀逸翁260年 記念法要・公募句会投句用紙はこちらからダウンロードできます

投句用紙はこちらからダウンロードできます
投句の際は印刷してお使いください。

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