さみしい夜の句会報 第145号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第145号(2023.11.26-2023.12.3)

第145回の参加者は76名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

今号から推薦作品が分かるように「*」で区切りました。1号から推薦作品はありましたが故意にわかりずらくしていました。しばらく続けてみて意味がないようであれば元の形に戻します。

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◆ 参加者(76名)

しまねこくん、菊池洋勝、水の眠り、徳道かづみ、まどけい、うつわ、はゆき咲くら、中村マコト、ヴたこ だょ、片羽 雲雀、古城エッ、syusyu、睦月ヨシ、輪井ゆう、みさきゆう、温(ハル)、西脇祥貴、さこ(砂狐)、元さん、西沢葉火、萩原 アオイ、たろりずむ、花野玖、おかもとかも、みりん、夭夭雷、馬勝、石原とつき、小沢史、鴨川ねぎ、何となく短歌、天やん、りゅうせん、宮坂変哲、岡村知昭、月立耀、蔭一郎、燕雀之心、やは、crazy lover、ゆりのはなこ、mugwort、まつりぺきん、丸山修平、すさこ、Take、ともなう、雷(らい)、かれん、小山あすか、れん、しろとも、海馬、汐音 葉月、佐竹紫円、水色の午後、凪ちひろ、ダリア220、もゆら、かきもちり、蝶々 瑠璃、いずみ、石川聡、上崎、山羊の頭、ラーラ、カゲキ・ちゃけぞう、ちゅけ⁽彩緒、シャンテ、Kei*、とるばどーる、苔空海・刈化士、kogomeyuki、時田計、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

懐かない犬が困った顔している 雷

もう描かれている絵のなかの風 雷

一斉に念じて収入印紙飛ぶ おかもとかも

寝癖ぴんぴん銀杏落葉を敷きつめて いずみ

表情を今ごろ読めて顔は思い出せず 雷

夜に見えなくなったひと、光かな やは

君の町から来た雲が降らす雪 中村マコト

畳まれる十一月のパイプ椅子 蔭一郎

家出から戻った姉と観るテレビ 中村マコト

国境で遊んでばかりいるスズメ まつりぺきん

筋肉少女帯の霹靂地図 水の眠り

遊園地だった記憶はバス停の名前だけ 中村マコト

ライオンズマンションなのか?お前んち 馬勝

迷ったらここでレレレをする決まり おかもとかも

小春風いつも左折の角を右 花野玖

鯛焼が女に変わる一部始終 しまねこくん

  *

寒凪や空中分解の軍機 菊池洋勝

欲しがりな人こそそこに並ぼうか 徳道かづみ

焼酎に漬けたらさぞかし旨い臓 まどけい

書割の白き峰々燃え上がる うつわ

減らず口縫われた神の物語 片羽雲雀

大根干す正義歪んで美味くなり syusyu

初デート猫を百匹用意して 睦月ヨシ

光もう空に吸われて人も透け 輪井ゆう

ひび割れた指先しみる涙の雫 温

粗製濫造はハッカな中島みゆき 西脇祥貴

網膜からはみ出る君の残像 砂狐

酸っぱいは成功の桃 西沢葉火

淋しさをわかってくれる一等星 みりん

駅長のことのほか表面張力な黙読さらに 石原とつき

うつくしい卵巣ならよかった 小沢史

みんなみんなエジソンのせいにして暖まろう 鴨川ねぎ

「大好き」を刻むさよなら冬茜 天やん

祈るたび虹が痩せたり浮腫んだり りゅうせん

初恋やあの娘の夢を今も見る 宮坂変哲

セクシー田中さん観る夜や冬ぬくし syusyu

梟のいなくてやかましい港 岡村知昭

綿棒を耳に差し込む白い部屋 うつわ

凛とせし 安達太良真弓 虎落笛 燕雀之心

あー今日も仕事終わればガンガンと crazy lover

北風に財布の中もカラッカラ ゆりのはなこ

間隙を透けて鷦鷯の兆し mugwort

イカ同分 丸山修平

密やかにおおんおおんと夜が泣く すさこ

さみしんぼエンドロールで缶酎ハイ ともなう

マサチューセッツ効果大 西沢葉火

讃美歌に飽きた天使はジャズを聴く 小山あすか

癒し欲しい れん

冬浅し太腿がまだはしゃいでる   しろとも

へそでミルクを沸かす父 海馬

コーヒーに注げぬミルクあわいの熱 かれん

かざはなを知らないわたしと合わないでしょ?  ダリア220

むらさきのりぼんをかける羽根も挿す 上崎

東雲の夢のパープルフォビアなの 石川聡

寺町に雁鳴く夜の密かごと ラーラ

休日の終わりを告げる22時のベル カゲキ・ちゃけぞう

  *

伝言ゲームさびしい耳朶を出しなさい 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

買ってきた電気毛布はデビュー日にニャンモナイトを先輩と呼ぶ 古城エッ

夜が明けるひとりで整えるシーツあなたの跡よ消えろ消えろ消 蝶々 瑠璃

家系図の最後をかざるわたくしは進化の大樹の美しい枝 水の眠り

海溝にねむる秘密の宝石は私が生きているだけ生きる 水の眠り

世の中が全て難癖付けるから僕は一生口をきかない Take

朝だけど私の部屋は深海だから溺れて沈め ヴたこ だょ

  *

今晩は【照り焼きチキン】お隣りさんのレシピ引用 はゆき咲くら

幸せの理由を並べてはだから大丈夫って思ってた秋 みさきゆう

車窓から秋の景色の紅葉は凍てつく冬のスローガラスに 元さん

煮魚の骨を取ること自分では食べない果実を買うことが愛 萩原 アオイ

格調が高くなるんだ「神様」を「神々」にするだけで短歌は たろりずむ

電球が眩しすぎると感じては双子の流星待ち草臥れて 夭夭雷

君のない街も勝手に寒くなるイルミネーション勝手に灯る 何となく短歌

冬の雨こうしてきっと忘れゆく空も記憶も上書きされて 汐音 葉月

秒針が歩みを止めることはなくかなしみはいつかやさしさとなる 佐竹紫円

カウボーイ ジャンキーズの音みたいに 僕も優しくなれたら良いな 水色の午後

さみしさを言葉にしたら落ち込んだ何も言わなきゃ良かったのかな 凪ちひろ

あーすわーむ、あーすわーむ、せめてあたたかいつちでねむれますように かきもちり

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◆ 詩

真っ暗な部屋
星の光が差し込んだ
星の煌めきは子守唄
優しい光を抱きしめ
 ゆっくりゆっくり
夢の世界に舟をだす (もゆら)

さみしいの
なにゆえか
かなしいの
憂いても
何事も
自分故
遠吠えだけ
満月に (山羊の頭)

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◆ 作品評から

きずあとに都を造るシジミチョウ まつりぺきん
 ~「都」は京の方がいいと思う。「シジミチョウ」も小灰蝶を選ぶかな。いい漢字だし。(月波与生)

幻想がむくんで靴下が脱げる りゅうせん
 ~このような、本当に何気ないけれど思考をする余白を与える句を書きたい。脱げたのは靴下だけれど、幻想ばかりがむくんでいたらきっと包んでくれていたはずの人も知らずに失うことになるのかも。幻想って何だろう、と考えてみる。詩を書くことが幻想かと言うと、私は逆に今生きているこちらの世界がまぼろしのようにも思えてくる。死者の世界をまぼろしと捉えることも出来るが、幻想に耽っていると靴下が脱げている。まるで私のことのようではないか。(かれん)

てにをはをくすぐられるとたまんない おかもとかも
 ~川柳を手直しすると「てにをはを」いじって劇的に良くなる快感を味わうことが結構ある。この快感を味わいたくて推敲していることもあるくらい「たまんない」時間。(月波与生)

焼き芋になれなきや何にもなれねえぞ しまねこくん
 ~「ここでやっていけないのならどこに行ってもダメだ」というブラック企業のおっさんのような言いぐさであるが「焼き芋になれなきや」は可愛い方のおっさん。(月波与生)

コーヒーに注げぬミルクあわいの熱 かれん
 ~コーヒーに入れられるのは多分ミルクか砂糖かどっちも(チョコ入れる人もいますね)あまーい砂糖ではなく、まろやかにするミルクを「注げない」のは相手の好みでしょうか。常温のミルクを「間」にしたのか、はたまた自分のこころに擬えて「淡い」にしたのかしら、と思いました。(ちゅけ⁽彩緒)

海溝にねむる秘密の宝石は私が生きているだけ生きる 水の眠り
 ~水の眠り、という名乗りと響いていて素敵だと思います。(シャンテ)

時雨来て塩分の濃い犬吠える 汐田大輝
 ~「時雨」と「犬」には何の関係もないが「塩分の濃い」が犬の存在を際立たせた。塩分の控えめな犬もいるんだろうな、きっと。(月波与生)

ベニズワイガニと叫んで禁固二年 岡村知昭
 ~今年はベニズワイガニが豊漁で例年より割安感があるらしい。が叫ぶと禁固二年なのでご注意を。「禁固二年」の意味不明が面白い。(月波与生)

イチョウなら銀河になった喧騒に静かに佇む銀河になった ユウ
 ~「銀河になった」の繰り返しが効果的。 (月波与生)

もう描かれている絵のなかの風 雷
 ~おはようございます。素敵ですね✧(Kei*)

初恋やあの娘の夢を今も見る 宮坂変哲
 ~いい思い出だからですよ(とるばどーる)

酸っぱいは成功の桃 西沢葉火
 ~何事も試す価値ありですね。柿酢も桃のように美味しい。残る柿皮と米とぎ汁の三昧。(苔空海・刈化士)

買ってきた電気毛布はデビュー日にニャンモナイトを先輩と呼ぶ 古城エッ
 ~本当だ…ニャンモナイトだわ!可愛らしい短歌ですね(kogomeyuki)
 ~ニャンモナイトという言葉がぴったりですね。(時田計)

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◆ 第145回句会報ダウンロードはこちらから

第145回句会報(PDF)

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