さみしい夜の句会報 第93号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第93号(2022.11.27-2022.12.4)

第93回の参加者は101名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

合同句集の第2集の参加表明が12月末までとなっております。迷われている方は思い切って参加することをお薦めいたします。DMにて連絡ください。合同句集の内容を説明いたします。

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◆ 参加者(101名)

徳道かづみ、、電車侍、しまねこくん、石原とつき、小松 百合華、宮坂変哲、ESG、さー、風池陽一、太代祐一、菊原綾子、花野玖、syusyu、日下昊、む~みんママ、木野清瀬、チューバ2022、西脇祥貴、藤井皐、おかもとかも、とるばどーる、海馬、元さん、菊池洋勝、雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜、雲上晴也、ゆりのはなこ、あ、KBLib、岡村知昭、ひとつぶ、流天紳音(るてしお)、雪上牡丹餅、Ryu_sen、蔭一郎、涼閑、みさきゆう、hyuutoppa、片羽anju 雲雀、森内詩紋、mugwort、かのん☆後半人生の途中、銀の花、金瀬達雄、橘明月子、西沢葉火、夜間戦闘、蜜、直美、水の眠り、高良俊礼、梓川葉、望月 華(もちづき はな)、のこりか庵、天やん、まつりぺきん、キンジョウ、雪夜彗星、鷺沼くぬぎ、弌定住佳、輪井ゆう、【蛇ノ道】、星野響、najimi、石川聡、mari. a、ぽっぽ、棚場田敦也、kubotahiroko、crazy lover、さこ(砂狐)、鴨川ねぎ、桔梗菫、日月星香、東こころ、斌、正念亭 若知古、千春、あんこ、たろりずむ、抹茶金魚、Nobeuze、愛川 絢加、IZU、しろとも、ちゅんすけ、常盤みどり、瑠璃(Ruri)、柊 秘密子、雛子、sound0nly、須藤はる、鷹枕可、月立耀、ニンナナンナ、ShunSaito、名犬 ぽち、大本伸彰、千羽はる、東谷駿吾、わたなべじゅんこ、月波与生

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◆ 7・7詩、5・7・5詩

花道にキャットフードが散らばって 海馬

ジェイウォークで切り刻め 海馬

間違えて塗ってしまったムヒが効く たろりずむ

コスタリカに負けて防衛費を増やす 雪上牡丹餅

瞬きにしては透明な鱏だ 抹茶金魚

ドーナツと金木犀が合図した 千春

forget‐me‐not 尾崎より年下だった時もあったんだよな しろとも

マントラを唱えてモグラにはなれた 岡村知昭

案山子には案山子同士のための嘘 しまねこくん

わたくしの絶対数がわからない 水須ゆき子

捨てるべき所を探す長い鼻 西沢葉火

街灯に中原中也を読み聞かす najimi

みじん切りすれば小さくなる炬燵 しまねこくん

論点をずらし続けて枯野まで しまねこくん

火をのせて十一月は沖へ出る 蔭一郎

何枚も開く襖の果てに海 蔭一郎

Novemberの扉を閉めて見る火星 鷺沼くぬぎ

冬雷は音がはんぶん糖がはんぶん 西脇祥貴

青天のバックドロップみんな前夜 西脇祥貴

切実が常に紛れている夕陽 高良俊礼

濁音を押せば調べの出る街へ 高良俊礼

代案がスターバックスから届く 太代祐一

火葬場でピアスの骨を探してる 菊原綾子

世の中にある矢印を全て消す 雪上牡丹餅

結果はどうあれ3分クッキング 雪上牡丹餅

練乳を吐き出すだけの性行為 菊原綾子

モンキチョウの倍数に甘えてしまった 石原とつき

マサ斎藤だらけの鏡店 石原とつき

殻付きの牡蠣が財布に残るのみ しまねこくん

どの技も受けきってこそ年の暮 宮坂変哲

独りきり煙草を吸いに冬の海 宮坂変哲

ハブられる理由はきっとmod12 雪上牡丹餅

ラウンドの間に出して来る炬燵 しまねこくん

加減を知らぬ押しくら饅頭かな 菊池洋勝

知らぬ間に殺すリストに入れられて 木野清瀬

祖父の句に孫として出る私達 さー

ハッピーターンは幸せか 徳道かづみ

色変えぬ 松や城址は 人も無し 電車侍

緊急速報メールあり背中から紅葉(もみじ)すべし ESG

杜の奥山茶花一つ開く夜 花野玖

比べれば悲しみ尽きぬ冬ざくら syusyu

イルミネーションの眩しさは幻想の内に 日下昊

石段を数えて降りる師走かな チューバ2022

雨後の欠片も 無花果の粒も 懲らしめる 藤井皐

萌え萌えキュン 選択肢ナシ おかもとかも

微熱出てぼんやりと飲む葛湯かな とるばどーる

バス去りて何事もなく咳ばらひ 雲上晴也

風船になって社会を軽くした ゆりのはなこ

彼の丘に白木十字と凩 あ

葉の上に空山転ぶ雨滴かな 流天

「ぬばたまの」ぬばのほとりに置くレモン Ryu_sen

胸もとに守り刀を抱く人魚 涼閑

吾を映しはせぬかその冬の瞳 hyuutoppa

繰り返す孤独な夜と満ちる月 片羽anju 雲雀

ちゃぷんぽたんとゆたんぽのやさしさ 森内詩紋

しみしみのたまこんにゃくのうつくしさ 森内詩紋

天狼一閃穿つスカイツリー mugwort

小春日に カフェオレお供に プチ冒険 かのん

淡い恋解けて消えてく雪うさぎ 銀の花

法廷にゼリーに乗ったスクナビコ 金瀬達雄

熊眠るドーナッツの穴食べながら 橘 明月子

カタールや砂漠の地にも雨あられ 風池陽一

欠けた月堕ちた先ってきっと森 水の眠り

デロンギの傍にはりつく猫もどき 梓川葉

司祭館ベッドの下の三死体 のこりか庵

百年の孤独が溶けて食うおでん 天やん

占いの結果を弄る爆心地 まつりぺきん

ため息を 落とすカップに 冬木立 かのん

石蕗の花この時だけは主役よと 水の眠り

空風や旧き馴染みの報を載せ 雪夜彗星

戯れに雀も踊る鬼の宿 弌定住佳

雨の夜さあ蠢けよアスファルト 輪井ゆう

爪先がもうオリオンに届く頃 星野響

遠い過去に埋めた人は眠る山 あ

落ち込むと来てくれる三毛 石川聡

もみぢ葉の紫ちるちる秋雨夜 mari. a

粕汁を 自画自賛して 時節知る かのん

憂鬱を埋めたら咲いた鬱金香 kubotahiroko

無防備寝姿にくいヤツ crazy lover

追いかけた夢でくらった猫パンチ さこ

こたつにはねこねこねこねこねここねこ 鴨川ねぎ

落ち葉で埋め尽くされた通勤路 黎明

夢は嫌だから直ぐに落ち着きたい 日月星香

約束は忘れて月を愛でている 東こころ

ひつじスポンジおろした今日はカレー 斌

からすに せんどう されてる さんぽみち 正念亭 若知古

陽性の血液を蚊にくれてやる たろりずむ

眠りへと鋳型に拔かれ墜落す Nobeuze

最近寂しいからTikTokも投稿してます 愛川 絢加

絶園の冬にも冬の良い匂い IZU

ゴミ捨て場自分の死体が増えている 天やん

不確定要素としてのキリン堂 ちゅんすけ

離れてる気持ち知らせる霙雨 雛子

もの足りぬ落葉の深さ昼の月 鷺沼くぬぎ

水銀灯枯れ葉宇宙に透かす道 sound0nly

消さないでおこう砕け散るものだから 月波与生

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◆ 7・7、5・7・5以外の短詩    

読点を間違えたまま施錠して明日になれば ただの小噺 しろとも

「どちらさん?」わたしは孫ではなくなって祖母は祖母ではなくなっていく 小松 百合華

キスだった 確かにあれはキスだった 豆腐に唇つけたよなキス 小松 百合華

雪降れば思い出す人いることを誰にも言えずにまた冬が来る 小松 百合華

いつまでも神前に立ち手を合わす母の背中に手を合わす子ら 風池陽一

幾年も過ぎて尚思い出しその優しさに泣いている む~みんママ

寒月と夜の魔法でビルの群れただのジオラマ小さく見える 元さん

あの頃を君は忘れたようだからわたしも記憶裂いて捨てるね 雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜

アマンダはフォームがとてもきれいだねフィギュア相手に呟いてみる KBLib

途中まで食べたところで気が付いた味噌入れてないじゃん お湯ラーメン ひとつぶ

雨粒のはねて消えゆく水紋と記憶のかけら響くパヴァーヌ みさきゆう

傷口がズキンズキンと疼くのは心が言葉を持たないからか みさきゆう

こんにちは、ヴィーナス満ち欠けを見てますまっすぐ撃たれた冷たい光 夜間戦闘

夜露ふる深きため息肩に受け凍える心包むやその手 直美

好きやわと指でなぞられ好きになる父に似ているらしい鷲鼻 望月華

美しい思い出 この町の軒先で朽ちてゆく犬小屋たちよ キンジョウ

さしあたりあの日の夢が目の前の極彩色のケーキであると 棚場田敦也

蛇みたい夜に騙され気づかない無数のコード絡まるイルミ あんこ

今日だけは明日からはを繰り返し枯れ果てていく日々と私が 常盤 みどり

白黒の球の行方も知れずして夢は木枯らしの彼方に霞むなり 瑠璃

きみのいる世界は少しやさしくて涙がでるよ手を繋いでて 柊 秘密子

真っ白い鳥の凍って墜落し雪と呼ばれる冬がじき来る 須藤はる

正しさの雁字搦めに囚はるる正気の黴壁呪ひさびつつ 鷹枕可

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◆ 詩

私には 誰にも言えない
「秘密」がある
だから 「呪い」のように 「祈り」続ける
いつか溶けて 「無」に帰すように

私には 誰にも知られては
「イケナイ」「秘密」 が アル (蜜)

押し花や 無賃列車と鑑みた
皺の蔓延 浄財よ鳴れ
真相の 螢火生きた 
火葬の途 群れたら最期 門前に散る
暮れ泥む 呼吸の在処 死の目覚め
リヤカー笑んだ 告訴の麻酔や 汝に非
乏しき穴場 情愛や
抱き合え寡黙 挟みの我が禍 (蛇ノ道)

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◆ 作品評から

「どちらさん?」わたしは孫ではなくなって祖母は祖母ではなくなっていく 小松 百合華
 ~じんとしました…。祖母のこと思い出して…。色んなことあったなぁ、と。
ありがとうございます。(月立耀)
 ~ばあちゃん…仕方なくても寂しいですね…(ニンナナンナ)

独りきり煙草を吸いに冬の海 宮坂変哲
 ~孤独感を感じさせる言葉を3連で重ねて来たのが良いですね (ShunSaito)

あの鳥は私をヒトの標本と見ている 窓の向こうは流動 みさきゆう
 ~窓の向こうにいるのは鳥なのか私なのか。標本という確かなものと流動という不確かなもの。窓を挟んで揺らぐ平衡感覚。(月波与生)

論点をずらし続けて枯野まで しまねこくん
 ~故郷をはなれて速き赤とんぼ(名犬 ぽち)

鯛焼を裏返したら裏の顔 しまねこくん
 ~「裏返したら裏の顔」は裏切りで別の何かを読み手は期待する。そして裏の顔を裏返したら表の顔になるかといえば、やはり「裏の顔」。世界はありのまま以上には変わらない。(月波与生)

ハッピーターンは幸せか 徳道かづみ
 ~ヒールターン。踵を返す。ここから幸せに向かうのか、それとも幸せはこれまでか。いいえ幸せは、今のこの時。ポリポリ。(西沢葉火)

必要とする時にだけ集められ捨てられていく側の僕です 常盤 みどり
 ~集められた瞬間に「捨てられていく側」であることがわかる。なぜなら僕だから。哀しいとは思わない。なぜなら僕だから。(月波与生)

何枚も開く襖の果てに海 蔭一郎
 ~昔話に『見るなの座敷』というのがある。この海に漕ぎ出したらきっと戻れなくなるのだろう。(森内詩紋)

人生の2%を皿洗い sound0nly
 ~人生、と大上段に構えながらその内の2%の話をする落差。ひろゆきの本『1%の努力』のアイロニーになっているような。(月波与生)

青天のバックドロップみんな前夜 西脇祥貴
 ~青天と岩石落としは霹靂を介して繋がるけれど前夜はどうにも繋がらない。同質なものの組み合わせ異質なものの組み合わせ普通だがそれが同居しているところが面白い。(楢崎進弘)

街灯に中原中也を読み聞かす najimi
 ~いいなあ。何の詩だろう。(大本伸彰)

メイド型アンドロイドの液漏れを直すために行くゴーストタウン 夜間戦闘
 ~「液漏れ」はモノが壊れていく予兆でありヒトの生理でもある。ヒトに戻らないために人のない街へ行く。(月波与生)

しみしみのたまこんにゃくのうつくしさ 森内詩紋
 ~ウッ、これ好き……(千羽はる)

臀筋を野性保護区に指定した Ryu_sen
 ~臀筋はお尻の筋肉。野生ではなく野性。ここを鍛えるとヒトとしての佇まいに緊張感が出て来るので男女問わず保護区にしたいもの。(月波与生)

傷口がズキンズキンと疼くのは心が言葉を持たないからか みさきゆう
 ~外から見えにくい痛みを自覚的に言語化するのは、けっこう大手術が要るのよねえ……などと1日考えて、今。(森内詩紋)

落ち込むと来てくれる三毛 石川聡
 ~寄り添わぬ三毛のいる家の橙(東谷駿吾)

ジェイウォークで切り刻め 海馬
 ~よもやのJwalk(わたなべじゅんこ)

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◆ 第93回句会報ダウンロードはこちらから

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