さみしい夜の句会報 第152号(2024.1.12-2024.1.21)
第152回の参加者は58名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
句集報をまとめてると毎週のように新しい人が書き込みにて参加されているのがわかります。「読んでるよ」と言われることも増えてコンテンツが育っていることも実感しています。創作者が集まりやすい場として機能するよう、今後もたくさんの作品をお待ちしております。
◆ 参加者(58名)
しまねこくん、雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜、虚見津山都、古城エッ、syusyu、温(ハル)、睡密堂、石川聡、水の眠り、おかもとかも、凪ちひろ、西脇祥貴、いずみ、しろとも、石原とつき、西沢葉火、海馬、souko 守宮、傾自郎、朝森たけ、ダリア220、花野玖、汐田大輝、小沢史、片羽雲雀、山羊の頭、蔭一郎、りゅうせん。菊池洋勝、うつわ、みさきゆう、さー、相馬絵梨子、雷(らい)、のはるん、雪夜彗星、馬勝、Tatsuo Kanase、まつりぺきん、透影 弦、エミリー・メープル・ボーン、池田 突波、佐竹紫円、Tomo、岡村知昭、やは、涼閑、かきもちり、唯有(ゆう)、宮坂変哲、酔名、東こころ、あまおと、白石ポピー、らっくん、まつもともとこ、キニー・コーヴェル、月波与生
◆ 川柳・俳句
眠れない熊が来てゐるお買物 しまねこくん
新成人たちまち石にする呪文 しまねこくん
冬眠を許可して貰ふ診断書 しまねこくん
嘘ばかり吐く路面電車がすれ違う 海馬
愛日のそらを甘噛みするおんな 蔭一郎
数式のどの分母にも竈猫 蔭一郎
犯人は亀になり損ねた君だ 岡村知昭
ふたりまで観覧していい動物 やは
跳ねる ぼくには遠くがみえる瞼 やは
一月やひとの喧嘩をただ見てる Tomo
正夢をマヨネーズから搾り出す 汐田大輝
極道の骨から中央フリーウェイ 汐田大輝
品書きに載らない夜を歩いてる しろとも
アとウの音が出ない口笛を吹く しろとも
星空がもっと必要埋めるには souko 守宮
味の無いおむすび市民体育館 まつりぺきん
底冷えの子宮を研いでレル・ラレル 片羽雲雀
リヤカーを引くモノクロの同業者 雷
メレンゲドール踊り疲れてラ変体 りゅうせん
ジャガイモのガレット風のラ変体 りゅうせん
ふぐちりや函館港で消えたひと 傾自郎
大寒のためらい傷を撫でている 傾自郎
腰椎は白紙のままでいいですか いずみ
ではここで五臓六腑に乗り換えます おかもとかも
牛のごと吊るされ焼肉屋のコート 池田 突波
*
石段の雪にころぶな初大師 syusyu
雨よりも雪よりも紙屑がいい 睡密堂
浮沈浮沈の筆先ぐらし 石川聡
金字塔銀字塔背のびをする中島みゆき 西脇祥貴
泣き虫のアイデンTT 西沢葉火
うぬぼれるほど愛されてない大寒 ダリア220
白き頬透き通りゆく寒の雨 花野玖
眠る子の右耳の痣冬苺 小沢史
唾付けておけば治ると寒見舞 菊池洋勝
死にたくなったらきみを呼んでみるよ うつわ
ちりとりで掬いきれない月末や 相馬絵梨子
空冴ゆる遠の夜景も吸われよう 雪夜彗星
初芝居猪木がいない国技館 馬勝
豆柴がオオカミになるダンシングシヴァ Tatsuo Kanase
待ち合わせ同じメニュー笑ったね 山羊の頭
父逝きて仰いだ空に冴ゆる星 佐竹紫円
まっさらの白紙さみしい時もある 涼閑
すぐにタグを忘れる かきもちり
それなりにロクでもない人生だった 宮坂変哲
金曜日見知らぬ人のふりをする 東こころ
*
どの色で描くか真冬の「あったかい」 月波与生
◆ 短歌
「趣味は復讐かな」ちょうど遊星はベーコンはまぎれ込む孤独 石原とつき
旅にでる時にだけにする腕時計ひんやりとして深呼吸誘う 古城えつ
レシピなど誰も知らないありあわせ囲んでやがて家族になった 水の眠り
味のないこんにゃく好むわたくしはささやかな良さがわかる大人に 水の眠り
妻として母として生きてきたけれどその寄る辺なさ一艘の舟 水の眠り
冷えきったカイロをごみ箱に入れるおそらくそんな感じの別れ 虚見津山都
自転車にうしろを向いて乗っている。どこに向かっているんだろうね 海馬
急坂も我が家の跡も失言も平らに均す航空写真 さー
明日、目が覚めても部屋が真っ暗で傾いた陽が泣いてたらやだな 透影 弦
侘助は殺してしまおうかと思う毎年思う誰も知らない 白石ポピー
*
「今度行こ」待つのをやめた日を思う今あの頃の君に会いたい 雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜
動かしづらい身体でもなんとか かんとか風呂に入れる 幸せだ 温(ハル)
五月雨に君のくれにし言の葉の断片をまだ胸に持ってる 凪ちひろ
人になどとても言えない恋をして心の奥にそっと仕舞って 朝森たけ
ソプラノの冬は透明サンザシのくいは抜けないままだとしても みさきゆう
冷風に肩をつぼめて散歩道時を忘れず咲く梅の花 のはるん
舐めるたびあたしの顔を赤らめる冷えた君って最高なのよ エミリー・メープル・ボーン
星仰ぐ あなたが選んだこの道に守られたものを両手で捧げ 唯有
クリスマス、年末年始もわが辞書には休肝日という言葉はあらず 酔名
◆ 詩・短文
掲載はありません。
◆ 作品評から
人になどとても言えない恋をして心の奥にそっと仕舞って 朝森たけ
~切ないです…でも、秘めたる恋って良いですね
「心の奥にそっと」に切なさと背徳感を覚えます
素敵…(あまおと)
妻として母として生きてきたけれどその寄る辺なさ一艘の舟 水の眠り
~涙がでちゃう(山羊の頭)
侘助は殺してしまおうかと思う毎年思う誰も知らない 白石ポピー
~侘助は、私の中では 原田芳雄さんなので できれば助けてほしい…(らっくん)
泣き虫のアイデンTT 西沢葉火
~T Tが顔文字の涙って、狙いましたね!(まつもともとこ)
ソプラノの冬は透明サンザシのくいは抜けないままだとしても みさきゆう
~静かに佇む白い冬の世界の中に赤い色、声のようなピアノの弦を小さく弾いたような綺麗な高い音がメロディを刻んでいるような情景が浮かんでとても好きです…!!(キニー・コーヴェル)