さみしい夜の句会報 第70号発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第70号(2022.6.19-2022.6.26)

第70回の参加者は91名でした。
ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

『さみしい夜の句会』合同句集第1集ですが、おかげさまでたくさんの人に読まれているようです。嬉しかったのは文学フリマ盛岡にて、この句集を購入するために最初に訪問してくれた方がいらしたことです。さみしい夜の句会はTwitterで知っていたとのことで、たくさんの人の目に留まる句会になったのだと実感しました。

365日24時間開催されている句会としてこれからも運営していきます。みなさんの参加をお待ちしております。

※『さみしい夜の句会』合同句集はAmazonかWebショップ「満天の星」にて販売しております。

Amazonはこちら → 『さみしい夜の句会』合同句集

Webショップ「満天の星」はこちら → 『さみしい夜の句会』合同句集

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◆ 参加者 (91名)

najimi、石川聡、天やん、小沢史、汐田大輝、syusyu、以太、水の眠り、蜜、木野清瀬、めい、西脇祥貴、菊池洋勝、岡村知昭、海馬、玖、西沢葉火、蔭一郎、太代祐一、日の出、片羽雲雀、日下昊、crazy lover、黒穂+、Hiroki、桔梗菫、ゴトー、宮坂変哲、冨永顕二、雷(らい)、kiyoka、藤井皐、石原とつき、雲上晴也、satoshi iwasa、伽羅、Alexandre、ゆりのはなこ、六厩めれう、南州ロペス、玖々泉ろか、芹澤雨、馬勝、東こころ、輪井ゆう、ジロー、む~みんママ、鷺沼くぬぎ、Rhanda、思雨(スイ)、和泉明月子、熱海に行きたい、涼閑、汐音葉月、高良俊礼、ひぐらしおん、せば、生・存、越境者商会、城水めぐみ、高瀬二音、須賀善昭、立木由比浪、紺野水辺、めい、瓦すずめ、星野響、日下踏子、高木タツオ、たろりずむ、鴨川ねぎ、弌定住佳、いもと やへえ、MIYA、藤田ゆきまち、抹茶金魚、hyuutoppa、楽園、sound0nly、似鳥、mugwort、Moon、蔦きうい、須藤田参四郎、ブルース、mikisuzu、ペテンと楽園、御藩亭句会、憚譚之傍見、月波与生

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◆ 7・7詩、5・7・5詩

桃だけど桃ではなくて雨になる 芹澤雨

喪服着た蟻の遺族の蟻の列 蔭一郎

濁り鮒いちばんしあはせなときに syusyu

ぐさっ、ぐさっ、とアイスキャンデーの棒 海馬

画数が多い結婚適齢期 たろりずむ

腹筋がつりて家蠅が友達で 瓦すずめ

LOVEよりも重いピリオドわたしには石ころ 木野清瀬

ぬかるみの楽園もあり梅雨茸 木野清瀬

三つ編みを解いて編み直して夏至 紺野水辺

自転車のハンドルだけは噛らせない 海馬

指が手に生えた写真を撮っていた 以太

手土産の浜昼顔で始まった 生・存

どの木にも烏賊ぶら下げる見舞い客 蔭一郎

声の無い校舎に立てている音叉 西沢葉火

家族にも羽とおぼしき跡がある 藤井皐

やさしいひと木綿とうふの角にいた najimi

部品屋が街のどこかを出荷する 雷

しなやかな風の舞台のレジ袋 雷

ダメな日もアルカンタラと 夏至夜風 南州ロペス

青林檎一つ夜待つ相図かな 木野清瀬

大人げない大人でいいの桜桃忌 木野清瀬

夜間頻尿めざめて宗教映画みる satoshi iwasa

皆キュウリだけど俺だけズッキーニ 宮坂変哲

せふれなど必要ないのごめんなさい 水の眠り

夜中の駅で待つ遅延とか 水の眠り

もこもこが邪魔をしている夏至の夜 水の眠り

ドトールを出禁になる日を夢想する 太代祐一

ヒンドゥーの教えを二文字借りてくる 西脇祥貴

無辺光 こういう腐り方もある 西脇祥貴

月面の西の海かな麦嵐 菊池洋勝

保育士の脱皮は風の一部品 以太

夏雲や3t半の午睡たち 天やん

子かまきりたちでつくった合奏団 紺野水辺

黙らずにトンカツの毛を抜いている 岡村知昭

歯の要らぬカツト水菓子立夏かな 菊池洋勝

見たことあるような似ていない人、さようなら Rhanda

夏至の夜誰かがアカウントを消し せば

目印のキリンの柄が消えた町 城水めぐみ

アリバイを仕込んだはずの走馬灯 星野響

短夜の瞼とられてしまひけり ゆきまち

前略の次は蟷螂の赤ちゃん MIYA

ソフトクリーム蕩けて滑り落つ轍 mugwort

夏川を渡り損ねてモノクロに 汐田大輝

九月で閉まる百貨店 石川聡

ほんとうはあんたじゃないと囮鮎 小沢史

ひいふうみ蛍数へる君の声 玖

無意識の量産されたセクシスト 片羽雲雀

幼き我が影が手巻きする木下闇 日下昊

夕立に月をさがす我迷い道 crazy lover

あなたももう金曜日の人 ゴトー

川柳の五七奪い盗るマフィア 冨永顕二

失われた詩は月下「ある意味、うらやましいよね」 

石原とつき

昼休み尖った日ざし雲の峰 雲上晴也

吐息にも菌糸からます梅雨きのこ 伽羅

途中で消えてた蚊取り線香泣き笑い Alexandre

蜃気楼見える旗振り日に焼けて ゆりのはなこ

愛すべき役に立たなさ梅雨茸 六厩めれう

咲かないで君に捧げる彼岸花 玖々泉ろか

髪洗う見せるか迷う火傷痕 馬勝

愛なんて重いだけですお月さま 東こころ

負けいくさカードの意味も知らぬまま 輪井ゆう

ハンカチで幸せのクズくるみたり ジロー

ホトトギス聞くたび思うあの頃は泣いていた む~みんママ

楊梅やぽとぽとと重なりアスファルト 和泉明月子

眠気にも負けず嫌いな夜の猫 熱海に行きたい

終着の駅は眠りの森にある 涼閑

来たる夏至 夜の短さ 憂う星 汐音葉月

オオデマリ虹を渡りて夏至注ぐ 高良俊礼

桜桃忌メロス墓前を駆け抜ける ひぐらしおん

涼もうよ星座の上に正座して 日の出

子鹿鳴く第三者には面白し 須賀善昭

定型のりずむ転げて青みどろ 立木由比浪

蛍光灯スイッチ紐にクリスタル 日下 踏子

星屑となりてオクラは生ゴミへ 高木タツオ

どぶ川に詠み人知らずの句を流す 鴨川ねぎ

正直さ本音を絞る難しさ 弌定住佳

午後からの予定を足が蛸もある 抹茶金魚

夜の電車汚れて着きぬ桜桃忌 hyuutoppa

夢中と霧中のあいだを彷徨う 悪くない sound0nly

ストラップって、死語なのかなぁ 似鳥

体重計で判る空腹の重さ 月波与生

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◆ 7・7、5・7・5以外の短詩

大切じゃないことばかり覚えてる 英単語とか思い出せない めい

青ふちのハンドミラーにうつるのはかならず雨にふられるわたし 蔭一郎

会社から帰ってきたらバス停が妻のかわりに立っていたんだ 蔭一郎

真っ白な選挙ポスター貼ってあり開票すぐに当確となる 蔭一郎

幸運は冷凍保存できますか?辛さで言うと何辛ですか? めい

いろくづに聖なる意味を与へしは原初のものの残存思念 黒穂+

朝なんて来なけりゃいいと思っても来たらやっぱりホッとするんだ Hiroki

濁世間我が心まで濁らせじもし濁らばと会えぬと知れ 楽園

いつも行く浜昼顔の咲く海辺今年も時期と独り黄昏 黎明

金持ちになったら金さえあればって言えなくなるねなってないけど 鷺沼くぬぎ

立ち止まる老いた青年その横を駆け抜けてゆくペイルライダー 越境者商会

紫陽花のうろに巣食う蜘蛛おまえこの指かんでごらん 高瀬二音

拒まれることを恐れる蝙蝠の震える羽ばたきのマズルカよ 鷺沼くぬぎ

魂のムの辺りの空っぽに飴でも詰めて出かけよう めい

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◆ 詩

西の空見る夕暮れ時

伝えられない

君への愛を

せめて今だけ

抱き締めたい (Moon)

長かったような

短い夜が明ける

胸に隠した喜び

まだ出さないで

一昨日の夜想う (蜜)

風呂上がり ベランダ

麦茶を飲みながら

夜風に吹かれてた 氷がカラとなく (kiyoka)

発芽した緑を愛しみ

方程式を解きたくない彼女は

膝を抱えて緑に話す

言葉で伝えるのは苦手だけど

彼女は生きている

緑の傍らに淡々と (思雨(スイ))

朝の洗濯物がパリパリに乾いたので二回目の洗濯をして

どんぐりキッチンのランチにゆっくり来てみたら

ご飯がなくなりましたという大盛況

けいえむさんも来られて話に花が咲く〜

とりあえずご飯炊けるまでちょい吞みセット(いもと やへえ)

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◆ 作品評から

夜中の駅で待つ遅延とか 水の眠り
 ~大伽藍の待合室ときおり小声の放送が「いま、セントルイス西を出ました」と、ささやくアパラチアの森をくねくね彷徨っている汽車の匂いがたちこめます。大好きな句、写真も (蔦きうい)

前略の次は蟷螂の赤ちゃん MIYA
 ~時候の挨拶もなく、いきなりおびただしい数のカマキリの赤ちゃんが生まれた。小さいのに、どれもがもうカマキリの姿をしている。皆が一斉に草々へ向かって急いでいる。カマキリの顔で。
(西沢葉火)

しなやかな風の舞台のレジ袋 雷
 ~昔、霜田誠二が全裸で繰り返しレジ袋を宙に舞わせるパフォーマンスを観た。今、ここはビルの間にぽっかりと空いた場所。風が円を描き、ステージになった空間。そこに一枚のレジ袋が舞う。ポリエチレンとは無縁なしなやかさを纏って。(西沢葉火)

青ふちのハンドミラーにうつるのはかならず雨にふられるわたし 蔭一郎
 ~好きです。(須藤田参四郎)

夕立に月をさがす我迷い道 crazy lover
 ~迷いた先に光さす場所
こんな下の句どうでしょう。連歌は日本のコール&レスポンスですね。 (ブルース)

ぬかるみの楽園もあり梅雨茸 木野清瀬
  ~おぉ…きのこ椅子… (mikisuzu)

部品屋が街のどこかを出荷する 雷
 ~部品屋が駆ける軽トラのエンジン音、そして街の「どこか」から部品の取り外される音が響く。音だけなのでいつも何を取り外してどこへ行くのか疑問だった。街道でふいに部品屋の軽トラを見る。帽子を目深にかぶった部品屋、後ろの無蓋荷台には決して視線の合わない人が座っている。 (以太)

体重計で判る空腹の重さ 月波与生
 ~お腹すいたと声なき声が聞こえてきそうです。空腹で判るのはさみしさ。今日もお腹すいたと声なき声が聞こえてきそうでさみしいです。 (ゆりのはなこ)

無辺光 こういう腐り方もある 西脇祥貴
 ~ステキだ、とてもステキだ……!
  今日はこの句に出会えたので良い日です(ペテンと楽園)

九月で閉まる百貨店 石川聡
 ~西口を去るデパートはウルトラマン、似ていたよ(御藩亭句会)

もこもこが邪魔をしている夏至の夜 水の眠り
 ~つげ義春の「夜が摑む」を思い起こされる佳句。(蔭一郎)

社から帰ってきたらバス停が妻のかわりに立っていたんだ 蔭一郎
 ~出迎えてくれるのがヒトじゃなくてもいつもの景色に「帰ってきたな、今日も」ってホッとする晩がある。少なくとも私には。(須藤田参四郎)

桃忌メロス墓前を駆け抜ける ひぐらしおん
 ~こういうの見つけましたよ。(憚譚之傍見)

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◆ 第70回句会報ダウンロードはこちらから

第70回句会報(PDF)

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