さみしい夜の句会報 第159号&160号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第159号&160号(2024.3.3-2024.3.17)

今回は第159&第160回の合併号となります。参加者は72名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

2024年4月22日(※吉野ヶ里川柳大会の翌日)#さみしい夜の句会 の第二回リアル句会・「春風句会」の開催を予定してます。 兼題:「春風」おひとり様一句 (#春風句会 としてXでの投稿も受付ます) 選者:月波与生、真島久美子さんによる共選 で投句締切は2024年4月15日です。

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◆ 参加者(72名)

帰ってきた笛地静恵、菊池洋勝、しまねこくん、山羊の頭、かれん、汐田大輝、佐竹紫円、syusyu、花野玖、クイスケ、西脇祥貴、乃梨子、奈津実、西沢葉火、何となく短歌、夜鳥、片羽 雲雀、水の眠り、岡村知昭、海馬、おかもとかも、しろとも、石原とつき、蔭一郎、ヴたこ だょ、りゅうせん、雷(らい)、涼閑、ビスケット日記、古城エッ、さー、石畑由紀子、温🌿(ハル)、片羽 雲雀、エミリー・メープル・ボーン、石川聡、souko守宮、まつりぺきん、朝森たけ、もふもふ、みさきゆう、うつわ、かぜみ すみ、ダリア220、天やん、石川聡、mine、唯有、桂月、しろとも、睡密堂(すいみつどう)、池田 突波、白石ポピー、千春、富永顕二、ゆりのはなこ、児島成、馬勝、靈夢、この街に恋をした、東こころ、やは、星野響、小沢史、鴨川ねぎ、雪夜彗星、輪井ゆう、M*A*S*H、アゲとチクワ、キジョウ、チャッコ・バリー、月波与生

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◆ 川柳・俳句

風船に産毛が生えて来る高度 しまねこくん

頼りたい時に貴方は牡蠣フライ しまねこくん

蝶々が開けてしまつた自動ドア しまねこくん

諦めて菜の花を摘む執刀医 しまねこくん

あつまってみせあうすきな粗大ごみ 蔭一郎

日が射して首から下は春の土 蔭一郎

髪の毛を解けば臭う禊月 かれん

薔薇という漢字の書ける雪ダルマ まつりぺきん

念力で折ってしまったガラスペン souko守宮

バス停のまわりに遠い旅がある 雷

言葉にはならないほうの型を取る 雷

インフルエンザB型ののののの茶碗 海馬

蒟蒻をのせるところがある宇宙 海馬

ほしい物リストへ入れる青いネギ りゅうせん

わたくしはチューリップの芽料理する 千春

チューリップ赦される日を待っている 千春

鼻毛からカーブがつづく愛宕山 汐田大輝

中入のざわめきに酔う手酌酒 石川聡

汚らしい傷ごと咲いてしまいなさい 片羽雲雀

木蓮に目隠しすれば同じ春 片羽雲雀

ファッションファッショ糞野郎 片羽雲雀

猫の恋辞書に不倫のなき平和 もふもふ

春おぼろ就活婚活してるふり もふもふ

階段のひとつひとつにティッシュ箱 さー

シーソーはこんなつもりじゃないと泣く おかもとかも

性的興奮覚ゆる波の花 菊池洋勝

後継者イエスか農家 西沢葉火

卒業のさくらコサージュバジルの香 りゅうせん

眠らないつもりダリアになるつもり 岡村知昭

ポスターの奥行きを出す花畑 輪井ゆう

   *

マンションの404にヨイトマケ 帰ってきた笛地静恵

父の歳越えゆくばかり入彼岸 syusyu

水温む然りとて遠き向かう岸 花野玖

寄り添ってもう冷たくなったサロメ クイスケ

くびきだった紀もある中島みゆき 西脇祥貴

お湯かけたら虹になる貝これですよ 奈津実

大根の花や適材適所なり 夜鳥

何かしら言いたげに噴く雪柳 しろとも

街の灯がひとつふたつと点る宵 涼閑

片割れはもう戻らない春手套 ビスケット日記

日に一度どうして、と言う鹿威し 石畑由紀子

傷心の連作それは人生だ エミリー・メープル・ボーン

天土を丸ごと抱えて舞い倒す うつわ

腰痛いSEXは出来ます孕鹿 ダリア220

訃報めが桜前線追い越して 天やん

ミスミモザチキンラーメンハイボール 池田 突波

七個目を揃えて願う鎮魂歌 富永顕二

さみしさに名前をつける日曜日 ゆりのはなこ

コジマでしょうかいいえコダマコダマ 児島成

パパ活で稼いで買った受精卵 馬勝

廃番の翼をもいで月に跳ぶ 紗千子

胃腸病み 一晩藻搔く 浅き春 靈夢

こいびとのつくるカレーに口説かれる 東こころ

たましいのさんぶんのいちある星座 やは

雛壇の中にはオペラ座の怪人 星野響

蕎麦ゆでる飛行機雲にかわるまで 小沢史

大粒の涙花粉で誤魔化して 雪夜彗星

春夕焼あの下ならば住めるかな M*A*S*H

悲しみは天ぷらにして塩で食う 鴨川ねぎ

   *

カフェラテに浮く宮城野親方の顔  月波与生

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◆ 短歌

手の中に収まる海を眺めてる 寄せては返す眠りに乗れず かぜみ すみ

人生のお昼休みが来ぬままにもう五時間目寝かせてください 虚見津山都

にっぽんを指でゆっくりなで上げる次々ほころぶ桜前線 水の眠り

オルガンを割った手首の静脈のはかなさに似た硬い残雪 白石ポピー

   *

ぐだぐだと否定するより穏やかになりたい自分みーつけた 山羊の頭

後悔の果実は熟しもう二度と戻らぬときの香りを放つ 佐竹紫円

お入りと布団を上げて呼んでみる手懐けたふりのひとりぼっちを 乃梨子

アガメムノン製は胃薬は甘いきっかけを青いを省く 石原とつき

雪の日に星が出ていて凍え死に諦めてまた君を頬張る ヴたこ だょ

違和感が確信になる瞬間になぜだかいつもオフコース聴く 古城エッ

春の雨冷たさ身体に沁みわたる温めようか鍋焼きうどんで 温

菜の花が畑一杯咲こうとも春物の服僕は買わない 朝森たけ

向こう側響く老人の祈る声小綺麗な店の列に並んで みさきゆう

結末がわかる ほらね、やっぱりね余計なお世話かもしれないね mine

物憂げに項垂れた花目にとめて君がしゃがんだ花なんか嫌い 唯有

薄玻璃を血より濃い赤で満たしてモノクロームの夜を彩る 睡密堂

AIの勇者が探し耕すは弱者と強者の端境の『並』 この街に恋をした

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◆ 詩・短文

親と子
姉といもうと
夫と妻
そしてまた子と親
すべてを分かり合えることはないのだろう。
無くして初めてわかること。
所詮
さよならだけが人生さ(桂月)

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◆ 作品評から

にっぽんを指でゆっくりなで上げる次々ほころぶ桜前線 水の眠り
 ~きれいな歌ですねぇ!その指の持ち主にあいたい!と思いました(アゲとチクワ)
 ~美しい…!その指が動くたびに春風がふわりと香りそうですね(キジョウ)

諦めて菜の花を摘む執刀医 しまねこくん
 ~「諦めて」の初句が重いです。友人の医師の「一番、悲しいのは、患者が亡くなったときではなくて、今の医学では(自分の知識と技術では)助けられないと、さとる瞬間だ」という言葉を、ふと思い出しました。(帰ってきた笛地静恵)

ファッションファッショ糞野郎 片羽雲雀
 ~思わず笑うくらいパンクっす(白石ポピー)

リンスインシャンプーイン四月の戯曲 上崎
 ~リンスの句は〈リンス・イン・魂(洗い流せない)柳本々々〉を思い出すが10年経ってようやく新しいのが出たか、と思った。(月波与生)

悲しみは天ぷらにして塩で食う 鴨川ねぎ
 ~塩を振らなくても塩味が…(チャッコ・バリー)

いい意味で卒業ですと放流す しろとも
 ~稚魚でしょうか。春らしい句だなあと思いきや、「いい意味で」。はて、卒業に意味があるとは。いい意味の卒業、悪い意味の卒業…。世の中の様々な卒業にはよしあしがあるのでしょうか。そして、セリフのようで放流を仕切る閻魔のような存在を感じます。稚魚1匹1匹は大人になるのにサイズや日数で決められるのかもしれません。放たれたあとは険しい大海原をたったひとりで冒険です。たとえ未熟であっても放流は放流。いい意味の放流は、サイズや生まれてからの日数ではなく放流できるような一人前の生魚試験なるものが存在して…。(かれん)

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◆ 第159回&160回句会報ダウンロードはこちらから

第159回&160回句会報(PDF)

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