さみしい夜の句会報 第161号を発行しました

さみしい夜の句会
スポンサーリンク

                        UnsplashGreg Rosenkeが撮影した写真

スポンサーリンク

さみしい夜の句会報 第161号(2024.3.17-2024.3.24)

第161回の参加者は51名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

先日(3月9日)京都にて開催された「らくだ忌川柳大会」の披講の様子をYouTubeで鑑賞することができます。数年前までは考えられなかった画期的なことです。全国的に広まり2020年代の川柳人がどんな披講をしていたのか文化として遺っていってほしいと思います。

スポンサーリンク

◆ 参加者(51名)

しまねこくん、菊池洋勝、エミリー・メープル・ボーン、古城エッ、もふもふ、涼閑、syusyu、西脇祥貴、さー、クイスケ、おかもとかも、石原とつき、靈夢、西沢葉火、souko守宮、花野玖、片羽雲雀、夜鳥、蔭一郎、帰ってきた笛地静恵、しろとも、かれん、かぜみ すみ、池田 突波、水の眠り、小沢史、星野響、石川聡、東こころ、りゅうせん、ヴたこ だょ、五指奏、うつわ、電車侍、月立耀、温🌿 (ハル)、紗千子、唯有、汐田大輝、ダリア220、まつりぺきん、千春、白石ポピー、黒い兎02、涼、mugwort、何となく短歌、やぶ、名犬 ぽち、三代目 我道家幸四郎、月波与生

スポンサーリンク

◆ 川柳・俳句

鶯の十の位は別の鳥 しまねこくん

気絶する前に蝶々を呼んでおく しまねこくん

逃げる時亀は鳴くのか鳴かぬのか しまねこくん

ぼた餅は必ず黒を選ぶ主義 しまねこくん

ぼた餅を千個繋いで見れば邪魔 しまねこくん

肩越しに立ち読み越しに見る夜景 おかもとかも

歯ブラシのブラシはかため淡路島 蔭一郎

乳歯抜け春の長雨へとつづく 蔭一郎

スカートの下まいあがれ文京区 帰ってきた笛地静恵

サロメとは奇形のイドを持つ仲だ クイスケ

パンストの破れた魔女の宅急便 かれん

寄って来る鳩がわたしの目を見ない souko守宮

炭酸が町に馴染むのをみてた おかもとかも

mamma mia!サブリミナルお父ちゃん 片羽雲雀

春なだれ遺伝子配列ずれる音 りゅうせん

爆心の横のポストに入れました まつりぺきん

梅が咲き私は罅を秘めたまま 千春

包帯をほどいてみても沈丁花 小沢史

   *

幕間や駅弁の望潮魚の壺 菊池洋勝

初恋の超可愛い句詠むサロメ エミリー・メープル・ボーン

あぁ朝キャンセル料百パーセントの発熱 もふもふ

影になり日向になりしてアンブ 涼閑

あなた待つ納屋の麻縄あたたかし syusyu

凡人三十二世中島みゆき 西脇祥貴

服を買う子ども服じゃない服を買う さー

凍て返る 日に突然の プレゼント 靈夢

保護者ごちゃ言わんといてえ 西沢葉

集合は孕雀の軒を借り 花野玖

若駒やネオン街から遠ざかり 夜鳥

彼岸明け疼く奥歯の親不知 しろとも

なごり雪まうその指にさよならと 池田 突波

春雷に剥がれる自我の第六層 星野響

新作のコートに裏地が消えて春 東こころ

言い過ぎた申し訳なく繭になる うつわ

マグダラのマリアの説話ミルクマグ 石川聡

繰り返す脱皮の記憶にカサブタ 紗千子

風船みたい豆腐屋の頭蓋骨 汐田大輝

春霞今までシた人数えてた ダリア220

小糠雨ガラリに雀つるみをり mugwort

   *

酔っ払いの数としゃっくりの数が合う  月波与生

スポンサーリンク

◆ 短歌

社会派かエンタメ派かと分けんなよ ただ底流に転がる小石 水の眠り

死に損ないマイナスのどうしのわれらにはかけ算があり ほのかな灯り 水の眠り

それが恋 恋だったんだ「さよなら」と落ちた涙で溶けるバスボム 月立耀

どの道も迷路みたいでいつまでも迷子みたいな手探りの日々 かぜみ すみ

   *

6年を勤め上げた部下にまた定型文の挨拶をする 古城エッ

大海の荒波揉まれ辿り着き安堵のため息井の中の蛙 温(ハル)

予言すればするほど月光か砂場か少女なてっぺん 石原とつき

別にもうかなしくないわヤニくらでラリってるのが悔しいくせに ヴたこ だょ

寂しさと孤独をまぜると絶望が生まれる手品 誰でもできる 唯有

特急の遠吠えは届いたろうか氷の欠片みたいな月に 白石ポピー

メルカリで買ったiPhone不良品次は新品必ず買うぞ 涼

温まった風に急かされ若芽伸び無印良品週間始まる 何となく短歌

治ったら まずソースの濃い味のやつが食べたいな 黒い兎02

スポンサーリンク

◆ 詩・短文

投稿がありません。

スポンサーリンク

◆ 作品評から

ぼた餅は必ず黒を選ぶ主義 しまねこくん
 ~追分の団子は胡麻が好きでやんす(やぶ)

ぼた餅を千個繋いで見れば邪魔 しまねこくん
 ~美味しそうな始まりから急に現実に戻される、 スンッ てなるのがおもしろくて何度も何度も読んでしまいました。読むたびに、巨大な数珠のように連なるぼた餅がどんどん頭の中に広がって、動作不良を起こします。楽しいです。(さー)

包帯をほどいてみても沈丁花 小沢史
 ~傷が癒えた。ようやく包帯を解く。解放感がある。喜びもあるはず。けれど、祝福してくれる人が、周囲に、だれもいない。静かな夜。沈丁花だけが鮮烈に薫る。香りの強さが、孤独を強める。「みても」の語感の幼さ。少女だろうか。情感のある美しい句だ。(帰ってきた笛地静恵)

後継者イエスか農家 西沢葉火
 ~神技の領域!!流石に提唱者だ!(石川聡)
 ~作者提唱の #ジューニク 。もはや神業の領域。(月波与生)

猫の恋辞書に不倫のなき平和 もふもふ
 ~「辞書に不倫のなき平和」がとてもいい。良すぎて上五に何を持ってきてもハマってしまう。(月波与生)

逃げる時亀は鳴くのか鳴かぬのか しまねこくん
 ~あまり知られていないことですが、行灯が点滅しながら配送になります。(名犬 ぽち)

酔っ払いの数としゃっくりの数が合う  月波与生
 ~赤い顔をして酔っぱらうと、しゃっくりが出る人、いますね。向こうから来る、酔っぱらい。自分のしゃっくりと、妙にタイミングが合う。夜は深い。みな飲み仲間。さあ、次は、どの店へはいろうか。夜の飲み屋街の雰囲気を捉えた。(帰ってきた笛地静恵)

それが恋 恋だったんだ「さよなら」と落ちた涙で溶けるバスボム 月立耀
 ~すごくいいですね。バスボムというワードが出てきた途端に泣いている場所や様子が鮮やかに浮かびます。(三代目 我道家幸四郎)

にっぽんを指でゆっくりなで上げる次々ほころぶ桜前線 水の眠り
 ~桜前線は日本固有の言葉だと思いますが春一番と並んでココロをウキウキさせます。「にっぽんを」だと擬人法になっちゃうのでそのまま「こいびとを」でもよかったのではないかと思ったり。(月波与生)

髪の毛を解けば臭う禊月 かれん
 ~「臭う」は「匂う」でよかったのでは。「髪の毛」まで言うか「髪」で留めて別なことを書くか。解くに対して「禊月」は字面が硬くないか。等々もう少しいじれるかも。(月波与生)

スポンサーリンク

◆ 第161回句会報ダウンロードはこちらから

第161回句会報(PDF)

タイトルとURLをコピーしました