さみしい夜の句会報 第124号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第124号(2023.7.2-2023.7.9)

第124回の参加者は79名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。何度か書いていますが投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

九州北部、中国地方への記録的豪雨がもたらした水害、土砂災害などにより、犠牲となられた方々に哀悼の意を表すると共に、避難生活をされている方々、被災された皆様方に謹んでお見舞い申し上げます。「いちご畑とペニー・レイン」でご一緒した真島久美子さんが佐賀県(吉野ケ里町)であり何かと心配ですが、Twitterに句会を開催している写真が載っていたので無事なようです。しかしこんな時に句会開催とは…。

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◆ 参加者(79名)

宮坂変哲、藤井皐、しまねこくん、片羽anju 雲雀、moca、Tatsuo Kanase、ひうま、何となく短歌、syusyu、凪ちひろ、Tomo、水の眠り、西脇祥貴、元さん、モリマサ公、おかもとかも、石川聡、温(ハル)、抹茶金魚、石原とつき、Born Slippy(モンモン)、汐田大輝、夏野ネコ、ダリア220、花野玖、流天、さー、佐竹紫円、む~みんママ、岩瀬百、月硝子、しろとも、雲心、小沢史、みさきゆう、とびら、りゅうせん、短歌初心者、涼閑、donkey、crazy lover、涼、奥 かすみ、輪井ゆう、まつりぺきん、かのん、蔭一郎、とるばどーる、菊池洋勝、hyuutoppa 突波、黒穂2022、上崎、岡村知昭、西沢葉火、ゆりのはなこ、雪上牡丹餅、はゆき咲くら、宮原 凱、睦月ヨシ、東こころ、萩原 アオイ、鷺沼くぬぎ、馬勝、たろりずむ、雪の空𝒮𝒪ℛ𝒜、太代祐一、みや、snuddle、日下 昊、Tomoko、路地裏のくじら、とし、草太朗、みおうたかふみ、M*A*S*H、めたもん、森砂季、名犬ぽち、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

冷房のタイマーセットして通夜へ たろりずむ

山椒魚月刊ムーで知る歴史 馬勝

神社からTSUTAYAから更地から砂 おかもとかも

不登校だけど山椒魚だしな しまねこくん

学歴が違ふトマトとミニトマト しまねこくん

夏の花ひみつが増えてゆくばかり 東こころ

抜け道の対象年齢外となる おかもとかも

夕立と背中合わせに書く手紙 上崎

公園を吐き出す河豚やトロンボーン 抹茶金魚

三叉路のどこから来たか麦藁帽 抹茶金魚

もしかして履いてないのか青葉闇 しまねこくん

遺品の中から避妊具 水の眠り

つぶやきながら菫になっている動詞 ひうま

おにぎりの具はアルタイル塩多め しろとも

足首だけで触る夕凪 岩瀬百

抱っこ拒否の猫を各自で用意せよ 抹茶金魚

三十路だと知ればなおさらプチトマト しまねこくん

何故にシェフは気紛れ半夏生 しまねこくん

木製であればぎりぎり風鈴か しまねこくん

カクカクと機械のやうな小鳥かな 宮坂変哲

ささくれは小さい悪のことである 西沢葉火

饅頭のあんこの辺にある詩情 睦月ヨシ

罰として銘菓になってもらいます 太代祐一

配列について葉っぱを刻みつつ 藤井皐

紫に灼けて爛れてリンデロン 片羽雲雀

イシの木にしてやろうかと抱き締める Tatsuo Kanase

雄ですか雌ですか問へばちくりと刺すくらげ syusyu

秘宝館からは左脳薫る便り 西脇祥貴

夏も闇を溜め続け大社の森よ 石川聡

扇風機あたし空虚になっていく 汐田大輝

小暑過ぎアレだけだったと振り返る ダリア220

梅雨晴間未読のメール読み返す 花野玖

あのコらはすももの夢に朝寝する 流天

遠泳を笑顔で描く大人たち さー

言い訳に疲れ見上げる月涼し 佐竹紫円

SNS増やして孤独感を足す 月硝子

裸身の蛾白繭誦すやジムノペティ 雲心

星合の夜ね子殺しのこの身にも 小沢史

いちにちのミュート外して傘の中 りゅうせん

声だけをさらっていった風、緑 涼閑

隠れたのマシマシ所望天の川 donkey

昭和を懐かしむ日本人 crazy lover

鉄板が火力強くて真っ黒け 涼

レインコートの花柄はくすむ晴れ 輪井ゆう

玄関でサーカス小屋が燃えている まつりぺきん

語らいの ソーダ水から 雨の音 かのん

空のよにからりと成らず梅雨の晴 とるばどーる、

ほうたるの水で動かす発電機 菊池洋勝

Tシャツの袖にキャメルとマッチ巻く hyuutoppa

荒梅雨や五百羅漢の忍び泣く 黒穂2022

遂に泣くかにかまぼこを揚げて泣く 岡村知昭

湖は地球の涙梅雨出水 ゆりのはなこ

象牙の塔を売っている 雪上牡丹餅

若楓 次世代を仰ぐしなやかに はゆき咲くら

半夏生いつだっけ惚けるマダコ 日下昊

ツィッター不調怪獣牙を剥く とし

あつすぎてマウス握って寝落ちする みおうたかふみ

何度でもよみがへるなら蚊になるか M*A*S*H

カオナシのカオで空欄を埋めなさい 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

生きているにもかかわらず生きている缶に残った水を舐めとる 草太朗

スパゲッティ上手に食べられなくたって大人になれる なってしまうの 奥 かすみ

押しピンを刺されたままで色彩を徐々に失う卒業写真 奥 かすみ

真夜中にあなたの声は揺りかごで束の間の甘い夢に浸って moca

街雀小虫追いかけ捕らえ居り在るべき様に吾項垂れる 何となく短歌

寝室を変えても娘ぐっすりで眠れないのはわたしだったわ 凪ちひろ

どうやったって 解決しない 違和感ならば 逃げちゃ Tomo

思い切り息をふきこむふうせんは満たされもせずしぼみもせずに 水の眠り

梅雨空で明日も雲に閉ざされる続く暑き日変わることなく 元さん

てめえこのチェーン店系居酒屋で白飯ひとつたのめるかおい? モリマサ公

惑星直列は前座は駅長は蚊取り線香合戦の限りなく 石原とつき

久々に電話をかけた泣いていたただうんうんとかえしてくれた 比島アルト

これ以上好きが膨らまないように嫌いなところ数える馬鹿だね 月色萌果

もう見えぬ背には翼があったんだでないと進めないんだ私 夏野ネコ

貴女はガラスケースに入った大輪のバラ私は踏まれても咲くかたばみの花 む~みんママ

しらぬまにあわいひみつはふえてゆきあぶくぶくぶくはじけてみえた みさきゆう

久々に会った何年ぶりだろう結局話もできないなんて 短歌初心者

ぱらぱらと画鋲は落ちて梅雨空はめくれたままでもうすぐ明ける 蔭一郎

切り分けるたびに西瓜が匂い立つ黄色い実ならびっくりマーク 宮原 凱

172円じゃ君の街までの1/10も行けないけれど 萩原 アオイ

ひび割れを修復できる術はなく後ろ髪だけとりあえず切る 雪の空

前よりも華やかな色塗るようになったのきみの残り香のせい みや

「だから(好き)」も大事だけどあなたには「にもかかわらず(惹かれてしまう)」 snuddle

強くなる 打たれ傷付き泣きながら 褒められ撫でられ愛されながら Tomoko

ただ泣きたい こんな真夜中があることを あの子はきっと知らないのだろう 路地裏のくじら

朝なんて来なくていいと願っても憎らしいほど正確な針 とびら

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◆ 詩

誰かの哀しみを
死を
揶揄して
笑うものではない (温(ハル))

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◆ 作品評から

紫に灼けて爛れてリンデロン 片羽雲雀
 ~皮膚科のおくすり 笑笑(とるばどーる)

抱っこ拒否の猫を各自で用意せよ 抹茶金魚
 ~用意完了。(背中を向けてます)(めたもん)

しらぬまにあわいひみつはふえてゆきあぶくぶくぶくはじけてみえた みさきゆう
 ~みさきさんのこの辺りの感じで詠まれる歌は好物です。何とも言えぬ切ない感じが好きだったりします。(Born Slippy(モンモン))

三叉路のどこから来たか麦藁帽 抹茶金魚
 ~読んだ人まで迷子になりそうですね。麦藁帽をかぶってる人物は、夏の日差しのせいで顔の影が濃くなっていて表情がうかがえない感じがします。ミステリアスで面白いです。(森砂季)

Nothing’s gonna change my worldを切り裂くそこが晴天だ 藤井皐
 ~〈Nothing’s gonna …〉 はビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」の引用と思われますがそれを引き受ける「…そこが晴天だ」の切れが心地いい。(月波与生)

ブラウザの戻るボタンに八百比丘尼 まつりぺきん
 ~「八百比丘尼」のところに何を入れるか。できるだけ作者の〈手〉は見せない方がいいのだけど人魚の肉を食べた「八百比丘尼」に〈手〉が見えるか、見えないか。(月波与生)

夏なんてポンジスキーム二人乗り ツマモヨコ
 ~「夏」「二人乗り」に意味を持たせず言葉の重さを抜いている。「ポンジスキーム」は重い意味があるが知らなければリズムのいい軽やかな言葉。バランスの妙。(月波与生)

梅雨冷に一万バレルの世迷言 岩瀬百
 ~「一万バレル」が迫力があってよい。ちなみに1バレルは158.987リットル。満タン5回分くらい。(月波与生)

何故にシェフは気紛れ半夏生 しまねこくん
 ~男心と秋の風、が元々の言い回しらしいけれど、バブルの頃は女心と…みたいな感じがあったかな?シェフの場合は星の数とか、予約の取れない店のとか、気紛れは立ち位置が上の人たちに許されるのか。ん〜、極個人的に自分だけの気紛れを敢行したい、ローコストで(苦笑 (鷺沼くぬぎ)

木製であればぎりぎり風鈴か しまねこくん
 ~セツコ!それは木魚や(名犬 ぽち)

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◆ 第124回句会報ダウンロードはこちらから

第124回句会報(PDF)

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