さみしい夜の句会報 第148号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第148号(2023.12.17-2023.12.24)

第148回の参加者は56名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

合同作品集の参加申し込みは12月31日までです。作品集には20句(もしくは20首)を載せることができます。新作でも既出作品でもOKでエッセイは任意参加。締切は2024年1月31日(エッセイは2月29日)。参加費は無料ですが作品集の購入をお願いしております。

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◆ 参加者(56名)

しまねこくん、片羽 雲雀、りゅうせん、古城エッ、宮坂変哲、菊池洋勝、ヴたこ だょ、水の眠り、syusyu、以太、ビッケたん、石川聡、西脇祥貴、輪井ゆう、雪夜彗星、石原とつき、西沢葉火、温(ハル)、川合大祐、花野玖、中村マコト、何となく短歌、いずみ、かれん、crazy lover、Take、さー、蔭一郎、比島アルト、おかもとかも、天やん、一橋悠実、東こころ、うたたね凛、涼閑、汐田大輝、白石ポピー、鴨川ねぎ、たろりずむ、池田 突波、みさきゆう、凪ちひろ、まつりぺきん、エミリー・メープル・ボーン、元さん、M*A*S*H、靈夢、ゆりのはなこ、夭夭雷、岩瀬 百、半岬ちろ、山羊の頭、星野響、、みんみん、名犬 ぽち、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

笑点が消えるアングラ理容室 川合大祐

クリームを悪人が買う作話して 川合大祐

ショール縫う石屋に向けて憑る神 川合大祐

人形に肺が宿りだした霜夜 蔭一郎

寝る前に加湿器が吐くアフォリズム 蔭一郎

帰り花ターンオーバーあんふぇあ 蔭一郎

審判に隅で秘密を打ち明ける おかもとかも

逮捕ではなくて任意のシクラメン しまねこくん

歳の差は気にしませんよ鮫ですよ しまねこくん

侘助やすることリスト長いまま いずみ

国歌斉唱レモンの切断面 以太

転校生はたべきりサイズ りゅうせん

東京靴流通センターから啓示 まつりぺきん

  *

生まれなかった聖夜 福音 シングルマザー 片羽雲雀

二日酔いシケモクを吸うクリスマス 宮坂変哲

送迎へ積む車椅子冬田道 菊池洋勝

描くものになにを盗らるる枯木かな syusyu

何だろうこんな屁の出るクリスマス ビッケたん

薬莢裏返すひとつひとつの中島みゆき 西脇祥貴

出涸らしの物語がいい熱愛 輪井ゆう

雪は脳裏から剥がれた記憶かな 雪夜彗星

招待ジョーはあしたまで 西沢葉火

薬飲み般若湯飲む風邪つ引き 花野玖

ハイライト咳き込むように笑う父 中村マコト

殻むけどドクンと躍る生命力 crazy lover

眠剤の効き目弱くて冬の月 天やん

乱されてしまう雪景色の街に 東こころ

Xの風船に見惚れて無口 うたたね凛

冬の月 私の罪は罪じゃない 一橋悠実

かなわない願いひとつを胸に抱く 涼閑

山鳩の脳の奥まであたたかい 汐田大輝

酒瓶が鳴る夜の裾を漂白 白石ポピー

歴史書の頁を破る小市民 鴨川ねぎ

聖樹圏途切れし駅の二人かな 池田 突波

セーターは世田谷区まで逃げました M*A*S*H

冬桜JK根拠なき自信 岩瀬百

宗教という虚無冬の大三角 星野響

止まらない時計を入れる箱がない 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)

郵便番号とかは書かない人だけど夜になったら帰ってきます たろりずむ

広大なペンギンたちのすみかだねメルカトル図法の南極は 水の眠り

正論の塊だったあなたから溢れた鱗はムラサキだった 古城エッ

レシートに個人タクシー組合の北支部とあり加藤タクシー 石川聡

   *

明日もちゃんと生きてるわけないって言って泣くから蝶々結びの包帯を降参の旗として ヴたこ だょ

どうあるべきか来るもの(例えばらっきょう)はいまさら惑星 石原とつき

会いに行く生憎会いに行きたくなく会いにくいまま本音は会いたい 何となく短歌

浴槽に浮かぶ柚子の実眺めては今年もここまで来たかと思い Take

放り出す通学鞄忍ばせた読みたい本は読みたいままで さー

撃鉄がカチリと上がり放たれて あなたのせいだ、あなたのせいで 比島アルト

アドベントカレンダーみたいに届くきみの言葉に灯されている みさきゆう

片恋で終わった方が良い恋も世にあるのだとアラフォーは知る 凪ちひろ

終わりいつ岸田政権?  あの日空何色だろう雲はあるかな エミリー・メープル・ボーン

遊歩道冬の呼吸が街に舞う景色の色は白い息へと 元さん

LINEオプ 一晩ずっと やっている ライブトークに 少し距離置く 靈夢

十二月炊き出し村で分かち合う白息と白息重なり合って ゆりのはなこ

掌で掬えるだけの六花すら僕には扱えないよ、1℃ 夭夭雷

新聞配達バイク音は不眠の合図19になってもまだこわいよ 半岬ちろ

こころなく萎えた人には立ち向かわんメンヘラ気取りそこは空虚さ 山羊の頭

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◆ 詩

酒まわり
うとうと 夢の中
邪魔する呼び出し
迷惑電話
せっかくイイ夢みてたのに(温(ハル))

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◆ 作品評から

ゆどうふふふふふふびどうしててまよ 石川聡
 ~「ふ」の切れ目がわからないし後ろの「しててまよ」もどう読むのかわからない。豆腐が熱すぎて気が狂いそうなのはわかる。(月波与生)

フォロワーを全部外して大晦日 中村マコト
 ~年賀状じまいとか人間関係リセット症候群とかすぐに思いつきますが「大晦日」だと当たり前なのでもっと飛ばしたほうが面白くなります。(月波与生)

抜歯するこれから水を産むために 千春
 ~産むのは人や動物でもなく水。流れることを彷彿とさせるが、利益にならないこと、無駄なこと、何にもならないことのための抜歯は何か儀式のようにも感じさせる。果たして水を産むことは本当に何にもならないことだろうか?と再度自分に語りかけてくるような句。(かれん)

大根を洗って水も洗われる 蔭一郎
みぎかわのからだの水だけがあふれ 小沢史
抜歯するこれから水を産むために 千春
 ~「水」三句。それぞれ作者の個性がみえて面白い。水は書きやすいが類想句にもなりやすい。(月波与生)

心臓とハートの場所は違うから繕いながら燃やせばいいよ 水の眠り
 ~「心臓とハートの場所は違う」がいい。以前「心」と書いて「はあと」と読むキラキラネームを見たが、そうよ違うんだよと言いたかったんだよ。(月波与生)

よく冷えた電池で動きだす時計 雷
 ~電池交換時、たしかに新しいのはひんやりしてるかも。「これから熱い仕事して動かしてやろうじゃないか!」という仕事人の決意を感じるというか気のせいというか。(月波与生)

人形に肺が宿りだした霜夜 蔭一郎
 ~モノを生身化する表現の力。
はいがやどりだ / したしもよ
中七・下五の句跨りによる転生の違和感。
生身に転生したとしても、絶望に満ちた霜夜であるという、ディストピア感。
日本のシステムの何もかもが綻びて、何かの引鉄で崩落する危機感を炙りす一句に読めて仕方がない。(石川聡)

殻むけどドクンと躍る生命力 crazy lover
 ~ドクンと躍るで生命力を感じます。豊かな海の産物をいただく。感謝ですね。(みんみん)

歳の差は気にしませんよ鮫ですよ しまねこくん
 ~私はサメでも気にしない(名犬 ぽち)

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◆ 第148回句会報ダウンロードはこちらから

第148回句会報(PDF)

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