さみしい夜の句会報 第114号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第114号(2023.4.23-2023.4.30)

第114回の参加者は89名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

2023年ゴールデンウィークと同じ期間『短歌ウィーク』を開催中(4月29日から5月7日まで)。この期間、短歌に関するさまざまなイベントが開催されおります。期間中ハッシュタグ「#さみしい夜の句会」と「#短歌の日」をつけてご参加ください!

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◆ 参加者(89名)

しまねこくん、萩原アオイ、石原とつき、小沢史、岩瀬百、えびたからいち、片羽anju 雲雀、何となく短歌、須賀善昭、星野響、流天、ゆう、syusyu、みくたん、水の眠り、馬勝、西脇祥貴、しろとも、元さん、のんのん、雷(らい)、思雨(スイ)、在原涙、雪上牡丹餅、奥かすみ、おかもとかも、藤井皐、西沢葉火、佐竹紫円、花野玖、さー、白石ポピー、みおうたかふみ、鷺沼くぬぎ、屑乃ハコ、石川聡、上崎、とるばどーる、輪井ゆう、まつりぺきん、さくら、まめのすけ、daist、たろりずむ、消々、涼閑、天やん、似鳥、川合大祐、1人用こたつ、森砂季、Ryu_sen、すずしろゆき、こたろう、睦月ヨシ、hyuutoppa 突波、氵酉 井 あ つ し、鴨川ねぎ、黒音、Nichtraucherchen、はゆき咲くら、mine、宮坂変哲、donkey、峯ひろき、カゲキ・ちゃけぞう、山田真佐明、菊池洋勝、とし、ぱさ、saku、mugwort、Born Slippy(モンモン)、む~みんママ、森内詩紋、さこ(砂狐)、海月漂、乙ノ、雲心、みさきゆう、太代祐一、凪ちひろ、此糸むら咲、M*A*S*H、朝の露となりて、まつもともとこ、新出既出20、ピーヒャラ、月波与生

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◆ 7・7、5・7・5 (川柳・俳句)

たんぽぽぢやないよお前が飛ぶんだよ しまねこくん

木流しや行商人の待つ河原 菊池洋勝

喋らないたんぽぽだけが種になる しまねこくん

新月の中へ群がる蛍烏賊 石川聡

晴れていて支点以外の点を打つ 川合大祐

朗読家たちの抜き打ちテスト中 川合大祐

オペ室へ首長竜の鳴く夜に 消々

百歩譲って二歩下がる 西沢葉火

背骨が並ぶ瓦屋根 西沢葉火

昭和の日帰つてくれよウルトラマン しまねこくん

爬虫類みたいに切手を舐めるのね のんのん

恋人よ 骨になったらきれいだね のんのん

ときめきは前輪だけで出来ている しろとも

春の空天国の背が透けている 星野響

ぶらんこの板に溶接すべき足 しまねこくん

さようなら四月に眠る毛布たち 上崎

とこしえの背景としてねむる獏 上崎

痩せてきたピクトグラムに見覚えが Ryu_sen

泣かないで蝶はあなたとはんぶんこ 小沢史

菓子箱に春蚕の丈の揃いゆく 岩瀬百

花の夜に溺れてなるか磯嘆き 片羽雲雀

たかじんが歌ってエンド桜散る 須賀善昭

遠花火あなたと見上げるイリュージョン 流天

何も羨むものなかりけり竹の秋 syusyu

何も無い身に巡礼はきつい 水の眠り

独活を掘る聖地を奪い合う獣 馬勝

奔放な暮しの末路 ▶▶▶ おっとせい 西脇祥貴

まっ白な表紙のノートまだ使わずにおく 雷

Sを貫く資本主義こそドS 雪上牡丹餅

年ごろの娘あらあらあら子犬 おかもとかも

風と影がこわいよお母さんの遊具 藤井皐

カップ麺よりどりみどり昭和の日 花野玖

突風に爪を立てても虚無が居る さー

「指定の題なし」という題あり 雪上牡丹餅

年度末おえて五月の寝正月 みおうたかふみ

連休の 予定を誰か 埋めてくりゃれ みくたん

ふらここは眩暈の装置細い月 鷺沼くぬぎ

槍のごと数多の藤が降ってくる 屑乃ハコ

たなぼたの棚を探して壁見上げ 輪井ゆう

朝礼で合成された変異体 まつりぺきん

月月月月月月好きキライ まつりぺきん

答えてよ 問いが  悲しく星になる… さくら

薔薇色の石鹸ただのシーチキン まめのすけ

誘拐と気付かぬほどの暖かさ たろりずむ

中継が途切れ遭難文字の海 涼閑

あっあくび思い思いの肉垂で おかもとかも

GW仕事仕事仕事  天やん

彗星が小指の爪にはさまった 森砂季

抜けがけは許さないわよチューリップ すずしろゆき

春時雨街といふ画布に線描画 こたろう

癇の虫見つけ次第に抱きしめる 睦月ヨシ

納得のいかぬ夜もあり桜鱒 hyuutoppa

花園は月にいっかい海になる あぴゅたみゃ

鬱々として4月尽く 宮坂変哲

コロナちゃんころっと死んでくれないか? Donkey

囁きも飲み込み別れのハイボール カゲキ・ちゃけぞう

春霞み軍靴の音の高々と 山田真佐明

木流しや行商人の待つ河原 菊池洋勝

飛ぶ鳥を喰らうつもりか鯉幟 mugwort

わたくしが一粒種の片一方 さこ

生きているふりが上手な信号機 海月漂

オキザリス雨の土曜は寝坊して 雲心

父親が口笛吹いている 不味い 太代祐一

恋をした君はげんげに染まりゆく M*A*S*H

アンパンの顔が落ちてる登山口 月波与生

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◆ 5・7・5・7・7(短歌)  

聞いてるよ、それよりあそこ怪獣が、浮気? してるよ、ほら、怪獣が 峯ひろき

はだいろは40色あり、みどりいろは9色あり、くろいろひとつ えびたからいち

孵化したらわたくしだけに口を利くロールキャベツに包んだ鳥たち えびたからいち

テキーラはマウスウォッシュに最適です髄の砂鉄を豊かにします 白石ポピー

この脳の悲しいところを麻酔銃みたいに狙う君の射精が 萩原 アオイ

一筆書きをさげすまれることを宇宙はどうして 石原とつき

日曜の私を知らない君のこと大事にするねしまっておくね 何となく短歌

秩序とか 道徳とかに 背いてもただ抱きしめん  愛しい君を ゆう

同じ場所 ずっと立ってる だけじゃなく巡礼しなさい 独活の大木 みくたん

見つめてる落ちる夕日で髪を染めひかりの渦で視線を反らす 元さん

かなしみの果てに見え得るやすらぎととわの涙を求めてさがす 在原涙

毒のある人の言葉を反芻し口内炎もなかなか癒えない 奥 かすみ

葉に潜む棘をわたしも持っている 薊とはむかしご縁があって 佐竹紫円

テキーラをショットでいく夜(よ)脳髄はサルサの国へすべて忘れて 水の眠り

武家屋敷バーベキューして一休み川に近づき犬は吠え出す とるばどーる

忍びつつ泣けば流れる鼻腔への路(みち)は涙の暗渠だろうか daist

金メダルもらうの嬉しかったよな中身がチョコレートならなおさら 似鳥

寂しい夜はベーコンペッパーマカロニサラダの刑に処す 1人用こたつ

さよならを言えなかった日抜け殻のベッドと服むことのない薬 黒音

おなじ死を溺死と云へばみぢめだが入水は上京するかのようで Nichtraucherchen

見えているガラスに映えるトレンドと昼とは違う 夜の原宿 はゆさく

陽光が燦々と降り注ぎ、春  生かされている訳を知りたい mine

人生はだいたい100で出来ていて100番目だけツイートしてる 屑乃ハコ

奇怪な この箱何が 入ってる?お好きなように してくれと待つ とし

そこにいる声も聴こえるそのことがここにいないと冷たく告げる ぱさ

不自由が逆に心を解き放つ手枷足枷満員電車 saku

存在の消失は忘れ去られること憶えていてくれるかな Born Slippy

喉渇き口に少しの水含みゆっくりと流しこむ む~みんママ

今日こそはきっちりはらってもらいましょう 成仏するかはむこう次第で 森内詩紋

億とか兆とか御託はいいから宇宙よさっさと俺をのみこめ 乙ノ

添えられた花にも生きる意思はある綺麗と宥められるだけでは みさきゆう

探してる途中で娘が騒ぎ出し何を探していたか忘れる 凪ちひろ

戦場で死んでゆくもの貨幣価値いくらと数える退職届 此糸むら咲

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◆ 詩

特別には何も起きない黄金週間

寝て起きて納豆飯食べるだけ

それで幸せ (思雨)

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◆ 作品評から

テキーラをショットでいく夜(よ)脳髄はサルサの国へすべて忘れて 水の眠り
 ~いいねを10回連打したい(朝の露となりて)
 ~情熱的な中に、しっかりとクールな芯が通っているようで、とてもかっこいいです……!(佐竹紫円)

月月月月月月好きキライ まつりぺきん
 ~好き 嫌い‥‥花びらで占いしてるようなイメージ?(まつもともとこ)

奔放な暮しの末路 ▶▶▶ おっとせい 西脇祥貴
 ~絵文字川柳、面白いなぁと、自分もいつか挑戦しようと思うのですが、環境(例えば、ブラウザとか、PC・スマホとか、コピペできるかとか)に依存しそうで、思った通りにできるかなぁ…となかなか勇気が出ないんです(笑)(まつりぺきん)

風と影がこわいよお母さんの遊具 藤井皐
 ~好きです。(新出既出20)

とこしえの背景としてねむる獏 上崎
 ~うっかり寝落ちて少しの罪悪感とたたかい中のこんな時間に、しみますね……!(西脇祥貴)

見つめてる落ちる夕日で髪を染めひかりの渦で視線を反らす 元さん
 ~素敵だなぁ(ピーヒャラ)

コンタクトレンズに依存した世界 愛していない→裸ではない 春町
 ~前半と後半のブリッジである空白をどう読めばいいのだろう。「愛していない→裸ではない」の愛想の悪さがとてもいい。連作で読みたい。(月波与生)

消え方を思い出せない蜃気楼 星野響
 ~感動の終幕か何も起こらず終わるのか自分の消え方は誰にも予測がつかない。思い出せないのは消え方か?存在の仕方か? (月波与生)

朝礼で合成された変異体 まつりぺきん
 ~校長先生の話がやけに長くてバタバタ生徒が倒れていくタイプの朝礼、あれはバイオホラーに出てくるような究極生物を生み出す生体実験だったんですね…!(森砂季)
 ~「合成される」じゃなくて「合成された」ってとこポイントですね。もう既に成されてしまった合成。それが「変異体」のかなしみと笑いを生み出していたと思います。 (川合大祐)

そこにいる声も聴こえるそのことがここにいないと冷たく告げる ぱさ
 ~この歌、とても好きです。唸りました。(奥かすみ)

愛されるとはなんだろう 真夜中にいたみを抱いて絵本は眠る daist
 ~愛されることを描かれた絵本を絵本は読むことができない。自分を読んだ人が感動してる意味を絵本は知らない。愛されたいと思いながら絵本は眠る (月波与生)

ゆるされてゆるした後のしゃぼん玉 千春
 ~まだ許してない人、あと何人いますか?あなたがゆるす前に先に「ゆるされて」いるのかもしれません。(千春)

背骨が並ぶ瓦屋根 西沢葉火
 ~瓦屋根と背骨が似ているって気づきませんでした。とても面白いですね!ネプリの「背骨」も四つの句で変化する風景を見られてワクワクしました。(森砂季)

さみしい夜のほうが無敵だったし 糸瓜曜子
 ~無敵といえば〈鉄棒に片足かけるとき無敵 なかはられいこ)〉を思い出す。まわりは敵ばっかりで無敵とは縁がない自分はつまんない奴だな、と(ときどき)思う。(月波与生)

ソナチネの4小節を繰り返す蛹が蝶になり始めてる *紫陽花*
 ~ソナチネの繰り返し、蛹が蝶になる繰り返し…。丸尾末広の絵を延々と見ていることと似た怖さを感じる。(月波与生)

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◆ 第114回句会報ダウンロードはこちらから

第114回句会報(PDF)

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