さみしい夜の句会報 第240号を発行しました

さみしい夜の句会
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UnsplashGeorge Liapisが撮影した写真

第240号の参加者は64名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

仙台から帰って体調を崩しましました。この週報の他「満天の星」発プロダクトの発行が少し遅れます。書き込みは従来通り続けて構いません。旅行すると体調を崩す、すっかりヤワになりました。

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◆ 参加者(64名)

クイスケ、藤井智史、西沢葉火、空野つみき、佐井杜有、なさわご、しまねこくん、カオルル、宮坂変哲、もじおーる、堀川朽葉、汐田大輝、べろぼっこ、鈴木正巳、fuu_、輪井ゆう、西脇祥貴、池田 突波、石川聡、天然石アクセサリーkiki’s、青海波、都まなつ、Nichtraucherchen、ARIA、美蟲角(びちゅうかく)、TATSU、片羽 雲雀、季川詩音、akao、ねるのいつ、非常口ドット、水の眠り、山田真佐明、souk、守宮、秋月祐一、蔭一郎、笛地静恵、岡村知昭、胡椒 黒、青山美樹、紺野水辺、もりや、ゆうたま、舞風 奏-かなで、星野響、雷(らい)、海月漂、しろとも、maz mo、まどけい、アリタ別館、霧雨魔理沙、江口ちかる。、鈴音、石原とつき、彩葉(いろは)、牛田悠貴、涼、何となく短歌、リコシェ、春永睦月、名犬 ぽち、中川 晶子、山羊の頭、月波与生

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◆ 川柳・俳句

祝福のアンチテーゼとカーチェイス クイスケ

サロメから少女探偵の三日月 クイスケ

純真を首に結んで張り裂ける クイスケ

寝相の悪い涅槃仏 Nichtraucherchen

エデンの東三丁目 Nichtraucherchen

曇天に手をさしいれて寝てしまう 江口ちかる

踏んできた海のしっぽを干している 江口ちかる

小鳥来て貴方は嘘つきだと言ふ 池田 突波

肝臓を振れば諸々の大吉 牛田悠貴

秋分の日はララ眠りキキひとり 蔭一郎

をみなえし陽キャ陰キャであるでなく akao

ワルツをπとするならば  西沢葉火

ふたごのきみをきみに見せたい  都まなつ

おはようを迷う近隣のひと  都まなつ

すきっぱらなら寝ましたよ 都まなつ

古すぎる飴玉の月 都まなつ

廃墟にも満たない切符 都まなつ

流星で回すガチャポン 都まなつ

切手が描いた炎の絵 都まなつ

今夜から瞳孔だけでバスを待つ 空野つみき

真っ暗な海岸パイプ椅子軋む 空野つみき

遺伝子揺らぐまいばすけっと ゆうたま

ビリギャルの化石差し出すエジプト軍 ゆうたま

諺は飲むまでもなく微炭酸 ゆうたま

そのジュゴンあのジュゴンより片頭痛 岡村知昭

雨降って固まる地主 汐田大輝

神主を仰向けに干す 汐田大輝

人間椅子から母の声する秋風裡 汐田大輝

たばたばこたばこたばこば酒を飲む 山田真佐明

トーテムポーリトマス試験秋の空 山田真佐明

淫乱の極みは肉の淀む紫波 山田真佐明

夜風吹きマダムの軽はミライース 山田真佐明

腹肉でマダムナースは福々す 山田真佐明

買い物の袋は2枚マダム結い 山田真佐明

ひらかれてつい声洩らす竜胆や 片羽雲雀

九十九羽の九官鳥と俺の空 TATSU

ババロアにはかせてみたい靴がある 佐井杜有

排水口から小父さんが覗いてる souko守宮

好きだよと言いながら火を近づける もじおーる

大臣の椅子借りてくる運動会 しまねこくん

ゴーヤからゴーヤに唄ふ子守唄 しまねこくん

笹舟にスエズ運河を流しこむ 佐井杜有

透明な悪魔に悔しがる生身 藤井智史

よはくにしめすうたになり ねるのいつ

空耳に赤い金魚がついてくる 水の眠り

ぷっちんとあきとタイルとだまされる 石原とつき

大雨に地球が燃えて泣いている 彩葉

   *

積ん読を実践します秋分の日 まどけい

後悔が心に刺さりトゲとなる なさわご

おにぎりの海苔しつとりと運動会 カオルル

異国にてマイノリティーとして生きる 宮坂変哲

病苦なき病も辛し薄紅葉 堀川朽葉

良き位置に鉄塔聳ゆ紅葉山 鈴木正巳

境界を越えておいでよ黄泉比良坂 fuu_

AIを霊能者にしたい親父 輪井ゆう

身を投げる法悦の嘘島みゆき 西脇祥貴

泥棒も見上げて泣くや星月夜 美蟲角

レンタルビデオのように生きろと言う 季川詩音 

詐欺メールだけが連絡をくれる深夜 非常口ドット

土蜘蛛と鵺をポン酢でいただきます 秋月祐一

腐蝕画の女王の創の夜々深し 笛地静恵 

くたびれてホームのベンチ沈み込む 青山美樹

処方薬たずさえてゆく秋日傘 紺野水辺

チョコが二倍のお値段シネよボケ もりや

秋霖にトゥルーエンドが口ごもる 星野響

捉えたものが消えた言葉の籠だけある 雷

放課後は甘くて酸っぱい 海月漂

どうしても爽やかになる退勤時 石川聡

秋湿り畳で蜘蛛も正座する maz mo

鰯雲はひとり5匹まで アリタ別館

大雨に地球が燃えて泣いている 彩葉

図書館の庭のヘチマやファティマの書 石川聡

   *

つわりがひどいピーチパイ 月波与生

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◆ 短歌

地図なんて読めない地図が読めたならこんな遠くに来てはなかった 鈴音

何度目の市役所だらう 多言語の秋の窓口除籍とる 堀川朽葉 

どこかで聞いた借り物の言葉で お前自身を語るな 天然石アクセサリーkiki’s

   *

道化のように踊りたいうっちゃって 絵に描いたようなお月さんの眼下 青海波

涕々と苦みをすべて呑みこんでラムにおぼれたアイスクリーム ARIA

地価の高い渋谷の天津甘栗を噛み締め食べる 温故知新の水の眠り

無理してもいいけどできればせんとってくれたら嬉しい友達各位 胡椒黒

意味のない願いも叶わない夢も 抱きしめたまま 私朽ちてく 舞風 奏

更年期 そのしんどさを 理解せず そんな元カレ やめて良かった 霧雨魔理沙

ぷっちんとあきとタイルとだまされる 大雨に地球が燃えて泣いている 石原とつき

地球とは宇宙の中の監獄で人類全て罪人らしい 涼

ふとした時思い出してね一年で一番長く話した人を 何となく短歌

地球ほど孤独ではないわたしだがそれでもきみはいてくれるかい? 春永睦月

家電たちの内緒話が響くからいつもより良いお酒をあける 非常口ドット

放課後に図書室にある辞典から恋と愛の違いを探そう 季川詩音

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◆ 詩 ・ 短文

トクン…トクン…と 心臓の声を聴かねばならない (ぺろぼっこ)

「詩は言葉ではない」と西脇順三郎は言った。同じように私も思う。「踊りは身体ではない」。身体から遠ざかり続けること。身体に固着すればおどりは失われる。(最上和子)  
 ~西脇順三郎にとって詩はビジョンだった。 「詩」=「踊り」、「身体」=「言葉」。 そして、「身体(言葉)から遠ざかり続けること」 最上さんのこの詩的な表現から伝わるものをしっかりと捉えたい。 別のしかたで。(堀川朽葉)

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◆ 作品評から

大臣の椅子借りてくる運動会 しまねこくん
 ~一時的に、大臣の座を奪うのかもしれません。この場合は物理的にです。でも、意外と快く受け入れてくれたりするのかもしれません。「借り物競走で必要になりました。少し使わせてください。」って。でも、運ぶのが大変。(季川詩音)

流星で回すガチャポン 都まなつ
 ~流星とガチャポンは意表を突く組合せだけでなく大小の対比もある。ガチャポンって運の良し悪しの意も。「〇〇の星の下に生まれ」も響いてきて色々読めて楽しい句♪(石川聡)

どこかで聞いた借り物の言葉で お前自身を語るな 天然石アクセサリーkiki’s
 ~綺麗事かのようにいうときに、誰かの言葉を引用するときがあると思いますが、本当に説得力がないですね。その人が放った名言は、その人の苦労とかそういうのがあってこその説得力なので、まったくの他人が用いても意味が変わってきます。(季川詩音)

異国にてマイノリティーとして生きる 宮坂変哲
 ~事実として、異国の地(タイに限らず)では、我々日本人はマイノリティー。「ようこそ」というところもあれば、そうじゃないところもある。とはいえ、「せっかく来てやったんだから日本の文化も受け入れてくれ」という態度は違う気がする。異国の地で生きることの難しさを表現した句。(季川詩音)

ゴーヤからゴーヤに唄ふ子守唄 しまねこくん
 ~ゴーヤーよいこだねんね~しな~。(名犬 ぽち)

レンタルビデオのように生きろと言う 季川詩音 
 ~冴えてますね!(堀川朽葉)

かたちだけ蛇のようだが真人間 汐田大輝
 ~対義に〈人間の姿をした蛇〉がある。ならば「かたちだけ蛇」の方がいい。蛇をブンブン振り回していたというバイトのおじさんの武勇伝を聞かされる。(月波与生)

何度目の市役所だらう 多言語の秋の窓口除籍とる 堀川朽葉 
 ~外国人が増えてきて、市役所の案内も多言語になってきました。地域差もきっとあるような感じはしますが、英語や、韓国語、中国語、フランス語、ベトナム語、インドネシア語あたりは馴染み深いですね。わざわざあるということはそれなりに需要があるのだろうと思いますね。(季川詩音)

トーテムポーリトマス試験秋の空 山田真佐明
 ~短腹句、サンゲタン句が好きです。作者ならではの言葉の斡旋と語順の組み立てになっていて、それが独特の韻律感を生んでいるような印象が来ます。抑制の効いたユーモアと少しの哀愁(石川聡)

詐欺メールだけが連絡をくれる深夜 非常口ドット
 ~深夜に来るメールといえば、詐欺メールですね。でも、夜中に来ることで詐欺だと気づけますし、夜中だからこそ被害に遭う人もいるのかもしれません。 「いまは営業時間外だからネットで支払ってくれ」とか、本当に巧妙化してます。勿論、そんなことはないですが。詐欺ですね。(季川詩音)

からだからからっぽになるだからから 都まなつ
 ~からから句の響きが面白い。「だからから」の終わり方もいい。ひらがなだけにしたのもいい。(月波与生)

巨峰から北海道へ名義変え クイスケ
 ~北海道とはいささか広いが巨峰にとってはそれほどでもないと信じているのだろう。名義変えした途端九州の兄貴が帰ってくる。(月波与生)

真っ暗な海岸パイプ椅子軋む 空野つみき
 ~「真っ暗」だけど波の音は聞こえる。海岸にあるらしいパイプ椅子の軋みが聞こえる。波の音と椅子の軋み、真っ暗な空間に、ふたつの音が混じり合う。真っ暗、ひたすら真っ暗。ふたつの音だけの空間で、自分の存在が軋みだす。真っ暗の向うに、海も椅子は、本当にあるのだろうか。(岡村知昭)

家電たちの内緒話が響くからいつもより良いお酒をあける 非常口ドット
 ~冷蔵庫と掃除機が日頃の扱われ方を愚痴る。絡まり合ったコンセントたちの苛立ちは募る。電子レンジの言い訳を蛍光灯が叱る。テレビとパソコンの不仲は相変わらず。飛び交う声の中、私はいつもよりいい酒を呑みながら、高みの見物。悪いな君たち。でも、君たちの主は、この私だ。(岡村知昭)

どうしても爽やかになる退勤時 石川聡
 ~いつも、豊かな季語と、味わいのあるお写真をありがとうございます。 最近、ひねる俳句、転調のある俳句がつくれないし、作ったこともないな、と自分で気づいています。蕪村のような直球で鮮やかなものはめったにできるものでないな、ともわかってきて… でも豊かな俳句作り楽しみたいです(中川 晶子)

ゆで卵黄身とヒヨコと同じ色並行世界で隣を見ない 青海波 
 ~前半の「黄身とヒヨコと同じ色」も面白いのだけど、「並行世界で隣を見ない」は不思議なことを言葉にする人もいるもんだなあと思いました。(月波与生)

今ぼくの背中に中指で触れた? ミの鍵盤になった気がした 憚譚之傍見

~GO-BANG’Sが歌った「ドレミのまほう」は名曲であるが残念ながら今聴くことはできない。後半「ミの鍵盤になった気がした」の内省がとてもいいと思う。(月波与生)

ずる休み猫のおでこのにほひ吸ひ 秋月祐一

 ~「にほひ吸ひ」とはまたずる休みっぽくていい。猫は家にも2匹いるがおでこの匂いは嗅いだことがない。ずる休みをしなくっちゃ。(月波与生)

今死んであげたのが中島みゆき 西脇祥貴

 ~日本で一番中島みゆきの句を書いている男、西脇祥貴の一句。耳をすませば「誕生」が聴こえる。(月波与生)

放課後に図書室にある辞典から恋と愛の違いを探そう 季川詩音

 ~ドラマ「舟を編む」が思い出されました(山羊の頭)

空耳に赤い金魚がついてくる 水の眠り

 ~ピアスなどのアクセサリーだと思いましたが、「空耳」なのですね。となると、空想の世界で、アクセサリーをつけているのかもしれません。空耳が多く、「空耳」も自分の体のひとつのように感じるときってあるのかもしれません。(季川詩音)

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