さみしい夜の句会報 第254号(2025.12.28-2026.1.4)
第254号の参加者は60名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
さみしい夜の句会の川柳に特化した句会『真夜中句会』を立ち上げました。主に中級車以上の方を対象とする川柳句会です。詳細は(https://forms.gle/U9h6mew4sbbhNELNA)に記入しました、ご参加をお待ちしております。
◆ 参加者(60名)
クイスケ、しまねこくん、鈴木正巳、山田真佐明、笛地静恵、汐田大輝、雨声、ふくろうたかこ、台風のめ、西脇祥貴、Nichtraucherchen、藤岡あや、青海波、、憚譚之傍見、西沢葉火、空野つみき、真白(ましろ)といいます。、涼、美蟲角(びちゅうかく)、天然石アクセサリーkiki’s、非常口ドット、依藤まろ(いとうまろ)、塩の司厨長、Yuta25144090、宮坂変哲、雷(らい)、胡椒 黒、あづみのマルコ、カゲキ・ちゃけぞう、栗井ゆずる、しろとも、石川聡、気まぐれさん、霧雨魔理沙、季川詩音、あしあと、何となく短歌、まどけい、ユミヨシ(ナギ)、何となく短歌、そうこにし、山羊の頭、恋衣、石原とつき、白水ま衣、朝暮ミナミ、墨染、薄明かり、モロッコひろみ、砂原妙々、月階柚、不思議な話のアイン、snuddle、ぺろぼっこ、なさわご、佐井杜有、蔭一郎、スナシ、川上 黒冬、月波与生
◆ 川柳・俳句
見つからぬ日記サロメの寝正月 クイスケ
ルッキズムのメイクを木っ端にしてよ クイスケ
国宝級の逆さまつげ クイスケ
長葱の先のシベリア寒気団 佐井杜有
地球を売って得たお金 白水ま衣
ダブルピースが泣いている 白水ま衣
ジオラマの動物園の雲になる 空野つみき
マカロンの海にひしめく馭者の声 空野つみき
ラーメンの湯気が私の顔になる アイン
ポインセチアの毒見役 都まなつ
月にてふ ※はなれてみてね 都まなつ
やくそくの小指を贈る 都まなつ
スノードームは孵らない 都まなつ
髪の毛をすすってうまい 都まなつ
ゆうれいのバスに乗れない 都まなつ
正月は蝉の抜け殻 都まなつ
初夢の跡形もない 都まなつ
せんべいは百舌よくしゃべる 都まなつ
子育ての理想とポインセチアの葉 しまねこくん
二冊目は妻の視点で書く日記 しまねこくん
一人なら一人の年が明けるだけ しまねこくん
指揮者の手にも盆踊り 西沢葉火
ひとり用マフラーなので涙拭く 宮坂変哲
ゲシュタルト的におそらく父である 宮坂変哲
思春期の一歩手前の除夜の鐘 しろとも
活きの良い初夢だけど競りに出す しろとも
ラー油とは指の隙間で会いましょう 汐田大輝
富士山頂で完熟林檎の空咳 汐田大輝
リセットがもう近いなと空を見る 汐田大輝
イーヨーに耳栓をした罪と罰 汐田大輝
兵隊に行く前に燃やす鼻毛 汐田大輝
頭だけ見せてジャングルジムはシャイ そうこにし
カニカマの主旨を曲げつつ雀の巣 笛地静恵
群雄閑居して不善を茄子畑 笛地静恵
兄をみたと日記に記す大晦日 雷
々の形に倒れた中島みゆき 西脇祥貴
空を売る青空市で雲を売る 山田真佐明
あの森はキャスター付きでわがままで 胡椒 黒
*
冬晴や土葬のため一時帰国 季川詩音
書初めに餓鬼大将の見事な字 鈴木正巳
薄い記憶が焦げてゆく ふくろうたかこ
保元平治バーフバリ Nichtraucherchen
風花や君が好きだと気づく朝 真白
高齢の 親父を連れて 初詣 涼
正月も三日となれば風立ちぬ 美蟲角
遠き火事おののく子の背擦る父 依藤まろ
冬の星俳句の闇に堕ちていく Yuta25144090
積雪の季節退席 塩の司厨長
街灯に紫煙くゆらせ舞う霙 カゲキ・ちゃけぞう
どうもどうものタルティンブーケ 石川聡
お疲れねピクッときたらサロンパス 山羊の頭
春のポルノの水を撃ち見ず乙女ら踊る 石原とつき
晦日の日おせちを数多作るなり まどけい
暦の都合でなかったクリスマス 朝暮ミナミ
月冴えて骨の奥まで夜が来る 砂原妙々
部屋の中 手ばかりヒラヒラ踊る ぺろぼっこ
画面越し忘れてくれと祈る指 なさわご
*
亀になる前に饂飩は食っておけ 月波与生
◆ 短歌
来世ではきっと2人一緒だよ でも私、今、一緒にいたい 墨染
マンドリン叩けばパンと跳ね返り 皮膚だ よく見て 息をしている 台風のめ
ああ、あれは結婚式ですよ 僕が白い貝殻踏み潰したのは 憚譚之傍見
あけおめに何もめでたくない今日も 言葉は誰かの救いになるし あしあと
*
ひさかたの値上げばかりのご時世に大きくなったドーナツの穴 笛地静恵
何かを増やしながら何かを減らしながら そうでしか生きられない小枝の鳥 雨声
マンドリン叩けばパンと跳ね返り 皮膚だ よく見て 息をしている 台風のめ
遠い未来 あの星にまで辿り着くはず 君のことばは光になって 藤岡あや
降るものは天の涙というらしい 躊躇われて遮断する傘 青海波
紡ぐ日々から なぜ 君だけが消える 可惜夜(あたらよ)抱いて 天然石アクセサリーkiki’s
元日の夜から水が零れ落ち使い果たせよ今年の不運 非常口ドット
書き初めの墨まだ乾かぬ恋だから息を殺して朝を待つ部屋 あづみのマルコ
無防備にあしを踏みこむ泥濘のゆきどけみずが靴にしみいるう 栗井ゆずる
あのときを反芻するたび消えていく 記憶は無声映像になった 気まぐれさん
ヒーリング サウンドはまる 「スピ」デビュー 私もつひに 縋る年明け 霧雨魔理沙
「大丈夫」で 心を満たしてみる ちがうよと 心は返事する ボクは拗ねてるんだろうか ふくろうたかこ
大波も小波も全部かぶるからずぶ濡れの私見て笑ってて 何となく短歌
気づいてた雪がキュキュッと鳴っている その足音が君のじゃないこと ユミヨシナギ
愛犬がおしりをぴたりくっつけた 初めて胸が痛いと気づく 恋衣
惹かれ合うさみしさと僕そこに君 ぬくもりと愛そこにいる君 薄明かり
病院の集団部屋の鉢植えにドングリ埋めて芽吹きを待つ日々 月階柚
全身が心臓みたいなぜ君は私をこんな女にするの snuddle
◆ 詩
鳥居が流れる
泡と氷を含み
賽銭の方へ流れる
神主が慌てている
慌てるが
慌てるだけで
衣服を解かず
眺めている
朝日が
割れ釜の底から飛び上がり
鳥居の上に乗る
鳥居が祝詞を
聴きそびれ
さらに賽銭の方へ流れる
朝がないところに
朝が来ている (山田真佐明)
◆ 作品評から
空を売る青空市で雲を売る 山田真佐明
~最初に文章すごくシュールでいい 売るっていう しかも青空市ってすごくいい 空だぁあああああ 狂気です ってのもいい 言葉が新鮮で面白いのが魅力ですねー(スナシ)
ゲシュタルト的におそらく父である 宮坂変哲
~このご時世ですから、「母」の可能性もあるのかもしれません。捉え方によっては、主人公は、性別に違和感のある人なのかもしれないとも思いました。(季川詩音)
一人なら一人の年が明けるだけ しまねこくん
~『吾ひとり寒き正月』 放哉万歳!(川上 黒冬)
二冊目は妻の視点で書く日記 しまねこくん
~ギャグ漫画みたいで面白いと思いました。でもこういう捉え方もあるのかもしれません。自分の視点だけではなくて、様々な視点から1日を振り返る。その中で気づくこともきっとあるのだと思います。「自分はこう思っていたが、妻は違うかもしれない。」そこで反省することもあるのかも。(季川詩音)
兵隊に行く前に燃やす鼻毛 汐田大輝
~「兵隊に行く前に燃やす鼻毛」どこの毛でも、燃やせば死体を焼く臭いがする。それも鼻毛とは。どうせ生きては帰れない。自らの葬儀を密かに済ます。「兵隊に」「行く前に」の助詞「に」のあえてのくどい重なり。反戦の句は難しいのですが、肩の力を抜いて、成功していますね。年末に秀句を読みました。(笛地静恵)

