Unsplashのpaolo candeloが撮影した写真
第241号の参加者は66名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
「ジュ二ークの山文学賞」というのを開催してジュ二ーク募集していますが、本句会にもまとまった数のジュ二ークの投句が目に付くようになり期待が膨らみます。野沢省悟氏、平井美智子氏がどんな選をするのかもとても楽しみです。締切りは12月31日。紅白歌合戦を観ながら書いても十分間に合います。ご参加をお待ちしております。
◆ 参加者(66名)
クイスケ、カオルル,、ねるのいつ、しまねこくん、鈴木雀、猫塚れおん、akao、宮坂変哲、乙女の海外文学案内、笛地静恵、西脇祥貴、古城えつ、池田 突波、ARIA、安藤 蜜豆、Nichtraucherchen、佐井杜有、都まなつ、青海波、天然石アクセサリーkiki’s、鈴木正巳、美蟲角(びちゅうかく)、石川聡、三明十種、空野つみき、ひいらぎ、汐田大輝、万年青二三歳、多花巣うみ、非常口ドット、山田真佐明、涼、西沢葉火、蔭一郎、虚像、まどけい、季川詩音、しろとも、岡村知昭、アリタ別館、ぺろぼっこ(のろわれたぺろ)、気まぐれさん、片羽 雲雀、ゆうたま、夜ポエム寄る?、あきの つき、舞風 奏-かなで-、雷(らい)、砂原妙々、堀川朽葉、TATSU、水の眠り、ゼロの紙/もりまりこ、冬野志奈、牛田悠貴、不思議な話のアイン、リコシェ、なさわご、t o d o r o .、まーさん、名犬 ぽち、長尾景虎、わたなべじゅんこ、月波与生
◆ 川柳・俳句
サックスの悪の所有者への香油 クイスケ
サロメから香油を差し引いた重さ クイスケ
ひとつかみのねたみが肩に溶けていく クイスケ
腹を割ると微笑む中島みゆき 西脇祥貴
たくさんのぼっち集まってもひとり 宮坂変哲
鼻歌でとどめ刺されて九月尽 片羽雲雀
カフェラテを一口ねだる上半期 片羽雲雀
さよならをした日の月が突き刺さる 安藤 蜜豆
ふたりともふたごを産んで海は冬 岡村知昭
トゥモローとトウモロコシがビデオ見る 山田真佐明
お出かけのワイフの胸に秋の雪 山田真佐明
9台の電子レンジと輪舞曲する 山田真佐明
コロッケは闇の底から茶封筒 山田真佐明
居酒屋のマダムはトイレ我慢せず 山田真佐明
マダムよりキャベツの注文カウンター 山田真佐明
海よりも湖に似た夢を見る あきの つき
ふくらむとアンコがもれるご来光 汐田大輝
朝顔や其一の曜をおく屏風 ねるのいつ
飛ぶたびに羽毛は抜けていきました 西沢葉火
ペンだこを地球に置いてきたのだね 空野つみき
いんちきの青薔薇として生き残る 空野つみき
無花果の割れ放題の空き家かな 鈴木正巳
はんぺんは傘の骨組み 都まなつ
時計になったリピーター 都まなつ
シュレディンガーの紙だった 都まなつ
道端に彼岸おちてる 都まなつ
サイコロは今朝のふりかけ 都まなつ
風車小屋きらめきながら 都まなつ
しのびこむ小石そよそよ 都まなつ
クレヨンは桃こすってる 都まなつ
折り鶴を背なから破く 都まなつ
黙秘権うすくちしょうゆ浴びてなお 岡村知昭
射手座から二千字超のSMS 胡椒黒
ひよこ豆 フムスは彼に 乙女の海外文学案内
エキゾチックで 萌ゆる碧 乙女の海外文学案内
ぼくの心の中のダダ Nichtraucherchen
冬瓜を煮るひとり煮る三日食う 猫塚れおん
百舌鳥たちが枝に刺してゆく星座 蔭一郎
伐らないと竹は静かに絞めにくる 蔭一郎
空コップ握り曼珠沙華が白い 蔭一郎
横並びシッポの高さ競う会 TATSU
鳥肌にキャスターついてるよひどいじゃないか 牛田悠貴
落ちる前鮎は一声だけ鳴ける しまねこくん
*
十月の青空なにか欠けてをり カオルル
初夏もすぎ水の枯れては秋扇 ねるのいつ
通り魔のように仇を抱き締める 鈴木雀
秋霖やジーンズの匂いさえ愛し akao
雌狐のまず弱者から噛み切るか 笛地静恵
落つる鮎此処より川の名の変はる 池田 突波
遠吠えの聞こえるほうがこおり鬼 佐井杜有
しがみつくための 言い訳の量産 天然石アクセサリーkiki’s
高位置に舞い上がってゐる赤蜻蛉 美蟲角
踏切なってまた鳴って黄花コスモスほうらつ 石川聡
錆鮎や膓もなく金もなく 三明十種
前世からお互い知っていたね秋 ひいらぎ
暗闇であなたの寝顔眺めてる 万年青二三歳
配達の バイク割り込み 肝冷やす 涼
取り調べの最中からクラシック 季川詩音
ハレの日に隠れてひとり雨宿り しろとも
いっしょにいきたかったね いたかったね ぺろぼっこ
ネガティブだけでは存在しない。 ポジティブだけでも存在しない。ぺろぼっこ
枝豆が不味くなったら愛芽生え ゆうたま
本の暗い自分の影だった 雷(らい)
末日の川柳楽しパピプペポ まどけい
忘却に時をかける少女 堀川朽葉
黒猫がするりと逃げた夜が濃い もりまりこ
裏庭は刈らぬ露草終はるまで 冬野志奈
大気圏抜けて会津の夜風かな アイン
土曜日の長閑でのどかな朝下がり なさわご
*
気がつけば蛇になってる蛇の国 月波与生
◆ 短歌
秋草に絡みとられる君の髪 風散布種の引越し秋草や 水の眠り
夜濯ぎの浴衣をかけて覗きこむ水の深さに似たる月影 砂原妙々
*
長雨を鈴虫たちは生き延びる四つ葉の傘に肩寄せ合って 古城えつ
泳がせて「いってらっしゃい」嘘笑顔 偽りつづくアナタひとりで ARIA
忘れ薬 粉薬は苦くて嫌い色の味でいてよどうか 青海波
かなしさはまるであかりだ ひとしずく零れる涙光れるように 多花巣うみ
誘蛾灯夜中ずっと溺れてる羽の模様は哄笑のまま 非常口ドット
真っ黒な紙に光をまぶしては 思い出してる雷の音 アリタ別館
息を止め夜に溶けようとしても 鼓動が輪郭を浮かばせる 気まぐれさん
見つからぬ存在理由を空に問う影が薄いと言われ慣れても 夜ポエム寄る?
失くしてくこの先ずっとそれならさ 消えたいなんておかしいのかな 舞風 奏
わたくしを彩るひかりいつまでも曇ったガラス射抜いておくれ リコシェ
今までに出会ったあなたの片隅で面白おかしく踊っていれたら t o d o r o .
その蟻は誰に知られる事も無く地の底で生き働き死んだ 宮坂変哲
◆ 詩 ・ 短文
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◆ 作品評から
冬瓜を煮るひとり煮る三日食う 猫塚れおん
~私この句がなんともいいなぁ!好きだなぁ!と思ったのですが、なんせ俳句を知らず(そして日本語も知らず)コメントが出来なくて、、、でも好きです!(まーさん)
その蟻は誰に知られる事も無く地の底で生き働き死んだ 宮坂変哲
~それを人は知らず知らずのうちに踏んでいっていますね。「誰に知られる事も無く」って切ないけど本当にそうだなと思いました。最近は人間もそうなりつつあるような、、。(季川詩音)
落ちる前鮎は一声だけ鳴ける しまねこくん
~落ち鮎はすべてそうだからね。「おちる~」と鳴く鮎が多いらしい。(名犬 ぽち)
何度目の市役所だらう 多言語の秋の窓口除籍とる 堀川朽
~市役所は警察と並んでいくのが億劫な場所であるが、振り返ってみれば今日は何度目の訪問だろう。窓口へ行くと外国人が大声で何かを主張していた。(月波与生)
ひらかれてつい声洩らす竜胆や 片羽雲雀
~なんとも艶っぽい句で、#性愛句集倶楽部 でストックしたいくらい。あと東京卍リベンジャーズのキャラクターに灰谷竜胆というのがいて、そちらの竜胆かも。(月波与生)
夜風吹きマダムの軽はミライース 山田真佐明
~「軽はミライース」が妙に現実的で、マダムの年収やら生活やらが想像できて面白い。川柳だからってナイフのようなキレキレの言葉を使わなくても面白くなる一例。(月波与生)
すきっぱらなら寝ましたよ 都まなつ
~都まなつさんもジュ二ークを書いて面白い句が増えている。「ジュ二ーク山文学賞」にも是非参加してほしい。出来て間もないジュ二ークが広がっていくのを見てるのは楽しい。(月波与生)
秋分の日はララ眠りキキひとり 蔭一郎
~こんな可愛らしい句も書けるのかとすこしびっくり。上五が縛られているから秋分の日なんだろうけど、もっとぴったりな言葉が入ればさらに良くなる句。(月波与生)
ハレの日に隠れてひとり雨宿り しろとも
~「ハレ」と、「晴れ」をかけていて、しかもそれが雨との対比になっている。偶然かもしれないが面白いと思いました。特別な日なのに、雨宿りをするしかないという悔しさも感じました。(季川詩音)
伐らないと竹は静かに絞めにくる 蔭一郎
~手入れされない竹林が、続々と人家に押し寄せる。かまって、かまって、かまってよ。人々は押し寄せる竹林に恐れるだけで、かまってあげない、あげられない。熊もそう。鹿もそう。ヒトの怠惰のせいで、散々な状況だ。ヒトは己を静かに絞める。竹が来なくても、自分の手で絞めあげる。(岡村知昭)
飛ぶたびに羽毛は抜けていきました 西沢葉火
~ヒトをはじめ、地の歩く生き物は、空飛ぶ鳥に憧れる。だけど、空飛ぶ鳥たちは、地を歩く生き物たちに憧れる。空を飛ぶとき、風は壁となり、雨や雪からは逃げられない。羽毛は次々と抜けて、抜けきったら地に墜ちるのみ。でも鳥たちにとって生きるとは飛ぶこと。羽毛?くれてやるよ。(岡村知昭)
ネガティブだけでは存在しない。 ポジティブだけでも存在しない。ぺろぼっこ
~どちらも天秤の様な絶妙なバランスで成り立つ。(長尾景虎)
空コップ握り曼珠沙華が白い 蔭一郎
~よくよく味わうとすごく切なくなりますね。1日を反省して寝ます(わたなべじゅんこ)


