さみしい夜の句会報 第251号(2025.12.7-2025.12.14)
第251号の参加者は64名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。
『第1回ジュ二ークの山文学賞』の締切は12月31日です。課題は『初』で4句1組でも応募となります。初めての取り組みであり参加者数が気になりますが、同賞はこの後も年1回ペースで継続していくつもりです。
◆ 参加者(64名)
クイスケ、休職さん(仮)、しまねこくん、何となく短歌、鈴木正巳、akao、蔭一郎、空野つみき、汐田大輝、猫屋敷メグル、真白(ましろ)といいます。、西脇祥貴、笛地静恵、石原とつき、気まぐれさん、中川 晶子、souko守宮、Nichtraucherchen、松本清展、都まなつ、砂のような、ナル、カオルル、雨声、モロッコひろみ、笛地静恵、涼、山田真佐明、なさわご、汐田大輝、藤岡あや、非常口ドット青海波、夜ポエム寄る?、西脇祥貴、あづみのマルコ、宮坂変哲、三明十種、水の眠り、しろとも、雷(らい)、片羽 雲雀、岡村知昭、東こころ、中村マコト、美蟲角(びちゅうかく)、季川詩音、石川聡、溺れる水草、まどけい、ゆうたま、鯖詰缶太郎、海月漂、西沢葉火、天然石アクセサリーkiki’s、ゆずる、ゆうたま、筑水せふり、jibi、鷺沼くぬぎ、Soul_Power、安藤 蜜豆、成瀬、月波与生
◆ 川柳・俳句
ばあちゃんの手首を飼い慣らすサロメ クイスケ
礼拝に行きそびれたら鳥使い クイスケ
塩鮭と超合金の眠る場所 石原とつき
伊勢海老の脚の奇数は虎の穴 石原とつき
裸婦または廃駅として無知になる 空野つみき
おじさんの息も混じつて白くなる しまねこくん
白菜に留守番させておいて塾 しまねこくん
持ち主の無い自転車に鳰が乗る しまねこくん
顰蹙の売り手買い手でシクラメン しまねこくん
純情な印鑑ばかり濡れている 汐田大輝
途中まで行けるガールズバーの尾根 汐田大輝
多目的トイレに落ちていた義眼 汐田大輝
ふたしかな記憶で走る市営バス 汐田大輝
楊貴妃の白髪を増やす陰謀論 ゆうたま
大げさな話のように盛り付ける 雷
包丁を見た目で選ぶ初任給 雷
マグナカルタはマグの中 Nichtraucherchen
爪を切る湖もまたつくられた 猫屋敷メグル
カーテン越しに円錐を知る 猫屋敷メグル
福音と呼ばれるものも添加物 猫屋敷メグル
掃除機に吸われ始めた私的私性 猫屋敷メグル
けがぬけてひとつのこっかがきえたよ 猫屋敷メグル
ともだちがいないのはあるごりむのせい 猫屋敷メグル
その装置として口角は否否否 猫屋敷メグル
行き止まり破線あふれて焦げた匂い 猫屋敷メグル
ラング・ド・シャしゃりりと火事を眺めつつ 蔭一郎、
白菜のかさ増し溢れおちる汁 片羽雲雀
サビ抜きの人生だった板橋区 山田真佐明、
いぶりがっこを手で分けよ 山田真佐明
金縛りから火をおこす 山田真佐明
木枯の少年バナナの匂ひして カオルル、
サフランもあの子がほしい 都まなつ
初雪やみかんを剥いている時の音 休職さん(仮)
*
主の祈り日々諳(そらん)じて冬籠 鈴木正巳
いびつな苺頬張りながら…初雪か? Akao
LINEでは届かぬ想い冬銀河 真白
天秤を二度漬けし中島みゆき 西脇祥貴
見返りを求める美人 笛地静恵
冬夜の雨に動かぬ蜘蛛と指先 気まぐれさん
正論が狂気に聴こえるときもあり 秋和 明
人形に置いていかれる souko守宮
初雪やきれいさっぱり癌疑惑 松本清展
陽があれば綻ぶ吾も山茶花も ナル
日曜の礼拝行くのもう飽きた 涼
待っている夜明けのような年明けを なさわご
聖夜だけ祈るジーザス・クライスト 宮坂変哲
虎落笛行く末報す傳手も無く 三明十種
ふるさとの白はどちらか聞かれても しろとも
すぐに来て狐いっぱいあげるから 岡村知昭
繋がりを隠せば蕩けてゆくダッツ 東こころ
言えなくて空を見ていた徒歩五分 中村マコト
悦びはゐづくに続く霜の道 美蟲角
Hoa sen và hoa anh đào Cái nào Cháoー 季川詩音
蝉氷壊すくらいの悪人です akao
アルデバランがまるで薔薇 石川聡
地震の日ふと思い出す漱石忌 まどけい
病棟に吹く隙間風 海月漂
シジミは歌を忘れない 西沢葉火
檻を掴む爪は短く切られ 天然石アクセサリーkiki’s
日めくりにまだ猫の名が出てこない しろとも
二度寝して世界の終わりやり過ごす モロッコひろみ
睡れぬ夜 目が明かぬまま 朝が来る 成瀬
*
急いで歩くとゆっくり走る どっち派? 月波与生
◆ 短歌
ハニーミルクが白過ぎて不安になる真っ赤な口でも飲んでいい? 青海波
だってローズマリー分からないよ今はただ まな板の上で踊ってるだけで 青海波
駄菓子屋の棚の隙間の缶詰は賞味期限が昭和百年 モロッコひろみ
図鑑には載っていない生き物を二人で見つけるだけの休日 ロッコひろみ
いっせいにパラボラアンテナ開いてく家路をめざす雨の改札 水の眠り
*
私にはサンタさんなど来なくって願いは叶わないとさとった 何となく短歌
人の子に生まれ落ちたる哀しさを月が見ていた氷のような 砂のような
何もかも知っている、いや何も知らない両親(りょうおや)というパズルの謎解き 雨声
木枯しに舞う エル・ドラドから来た渡り蝶 金の死骸が染め成した道 藤岡あや
人型を保てなくなる夜があり布団を被り必死に眠る 非常口ドット
大切な人の大切な人までも守れるくらい、強くなりたい。 夜ポエム寄る?
ポケットの置き去りみかん淋しがりこれでもかとにぎにぎして蛇 溺れる水草
がらあきの俺達乗せて 電車行く 多摩川越えて 地球も横切れ 鯖詰缶太郎
花は散り つむじ風おき 舞い散った サヨナラをした 君の黒髪 ゆずる
ポケットにそっと仕舞った片恋は 届けられずにヨレヨレになる 真白
◆ 詩
隣りで寝息をたてる女房の
尻肉を掴む
寝息はひと時途切れて
やがて浅くなり
深くなる
隣りで寝息の女房の
顔に生えるうぶ毛を撫でる
寝息は乱れて
やがて整いはじめ
深くなる
夜明け前の窓
外路の電灯の光り
もてあました夜を
隣りの女に預けきれず
煩悶している
天井の豆球が
笑っている(山田真佐明)
◆ 作品評から
徒歩三十分かかる場所のファーーーー 猫屋敷メグ
~「ファーーーー」がいい。だって徒歩三十分もかかる場所なんだもの。「ー」も4回は必須。(月波与生)
図書館に二回返した本を買う 雷
~貸出期間2週間というのは長いようで短くて3冊借りると1冊は読まないで返すことが多い。最近本を運搬するだけの自分にようやく気づきAudibleに変えてしまった。(月波与生)
見返りを求める美人 笛地静恵
~不自由な正面向き…(筑水せふり)
白菜に留守番させておいて塾 しまねこくん
~これはもう常識ですよね。家のことは白菜に任せる。それぐらい白菜との信頼関係が構築されてるんです。だからその間は安心して塾に行ける。(季川詩音)
ポケットにそっと仕舞った片恋は 届けられずにヨレヨレになる 真白
~片恋は届かずとも ポケットから 昨シーズンの釣り銭が なんて事はあるよ(jibi)
顰蹙の売り手買い手でシクラメン しまねこくん
~買うからには、どっかで売ってないとね〜w(鷺沼くぬぎ)
寒波来る夜を少年探偵団 カオルル
すきやきは初めてといふ腐女子かな カオルル
~丸尾末広を思い出したからか2句ともとってもガロ。 少年探偵団、腐女子と「ごっこ」の世界がたまらなく愛おしい。(月波与生)
わたしだけさしあたりをもっていない 蔭一郎
~毎週大量の投句をしてくる作者であるが、サラっとこういう句を紛れ込ましてくるから気が抜けない。(月波与生)
目を吸ってくちびる吸って鯛のお頭 休職さん(仮)
~「目を吸って」で丸尾末広の絵を想像してドキドキしたが「鯛のお頭」で川柳らしくストンと落としました。(月波与生)
お嬢さん類語辞典に似ているね 汐田大輝
~コミュニケーション能力のひとつとして言葉の言い換えができる人があるがそれと類語辞典が似てなくもない。 これが褒め言葉か皮肉かは発言者の見た目。(月波与生)
鼻から牛乳が出るまでが夕日 アイン
~かなり強引であるが川柳は強引した言葉のひずみが面白かったりするのでとても川柳的。(月波与生)
少年の巣にネグリジェを詰めていく 空野つみき
~「ネグリジェを詰め」る行為は結構異常だと思うが「少年の巣」が異常をスポイトしている。こういう言葉の関係を見つけることが川柳の面白さだったりする。(月波与生)
韻を踏む金魚の後ろ足が折れる クイスケ
~独特の世界観がいい。下5は普通に「足折れる」でいいのでは。(月波与生)
いっせいにパラボラアンテナ開いてく家路をめざす雨の改札 水の眠り
~わぁ ステキ。色のコントラストと人の温もりが見えました(Soul_Power)
二度寝して世界の終わりやり過ごす モロッコひろみ
~名句です!。めっちゃ好きです(安藤 蜜豆)
裸婦または廃駅として無知になる 空野つみき
~イイネ。 ダークなトーンの具象画のような。。。(石川聡)
日めくりにまだ猫の名が出てこない しろとも
~待ち遠しいですよね。早く出てきて欲しいです。猫が出てくるカレンダー、かわいいですね。欲しいです。(季川詩音)


