さみしい夜の句会報 第223号を発行しました

さみしい夜の句会
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UnsplashJezael Melgozaが撮影した写真

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さみしい夜の句会報 第223号(2025.5.25-2025.6.1)

第223号の参加者は45名でした。ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。投句はテキストにてお願いします。テキスト以外の投句は週報に反映しませんのでご注意願います。

先般募集しておりました『海の川柳』、いよいよ6月22日にZINEが発行されます。併せて19日から29日まで自由港書店さんにて『海の川柳』の展示会とZINEの販売を行います。特選句、選者句、自由港書店セレクトの計15句を店内に展示します。22日は神戸文化ホールにて全日本川柳2025神戸大会が開催されます。神戸で川柳を楽しもう。

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◆ 参加者(45名)

クイスケ、海馬、しまねこくん、カオルル、蔭一郎、輪井ゆう、流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬、笛地静恵、石川聡、西脇祥貴、牛田悠貴、夜ポエム寄る?、宮坂変哲、しまりす、西沢葉火、水の眠り、何となく短歌、季川詩音、鈴木正巳、汐田大輝、古城エッ、ぺろぼっこ、雷(らい)、麻月 逃避中、谷下弱弱(たにしたつよし)、アリタ別館、ひいらぎ、片羽 雲雀、akao、苺、まどけい、椎名つの、しろとも、憚譚之傍見(たんたんのぼうけん)、もん、呪街の跡地、霧雨魔理沙、JK、膝の上のねこ、dani 膣のような、さちの扉、名犬 ぽち、Oleksandr Koval、コマさん、月波与生

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◆ 川柳・俳句

ミッションは寒い絵画に入ること クイスケ

王の角を高く上げるレトロジャズ クイスケ

双六で上鳥羽駅に絡まれる 海馬

ラジオから金魚を縦に積みかさね 海馬

熾天使が天秤をあかるく燃やす 椎名つの

ざらざらと春の破片をのんでみる 椎名つの

居眠りを100グラムずつ売りに出す しろとも

箱舟へゴキブリすでに卵産み 笛地静恵

あざみ野を濾過するための水時計 汐田大輝

マッチ擦るつかの間お酢になっていた 汐田大輝

右脳から鏡の中に引きこもる 汐田大輝

夏服に袖を通しただけのこと カオルル

夏木立風は自由とかそうじやないとか カオルル

百合の香に天窓の星落ちてきし カオルル

人類の一日分を飲んでいる  西沢葉火

歴史から一歩離れた所に蚊 しまねこくん

線香は嫌だな百合を立ててくれ しまねこくん

夏物の包帯だから薄いのね しまねこくん

しゅわしゅわとたつなみそうのとおるのど 蔭一郎

跳び蹴りのバナナをかわす偽バナナ 蔭一郎

さざなみを夏の木立に聴きにゆく 蔭一郎

初恋を夏の木蔭はさえぎるか 蔭一郎

お互いに英語で話す夏の木々 蔭一郎

五臓六腑がみんな別腹に落ちてくる 牛田悠貴

   *

のっぺらぼう気取りで礫を投げる 輪井ゆう

ABC予想あいつはたぶんAまでは 笛地静恵

ものすごくマーライオンのウロコ館 石川聡

手の平は売れないし中島みゆき 西脇祥貴

揚げ足にくっついている週刊誌 宮坂変哲

海月にはきっとなれない私かな 季川詩音

深夜二時コメント欄が味方かも 季川詩音

抱く孫に祭半纏着せ氏子 鈴木正巳

妖は何百年の孤独 ぺろぼっこ

戸籍には届出人の顔がない 雷

蓮の祈りも夢の中 アリタ別館

初夏の森みどりは優しいのち抱く ひいらぎ

白百合を絵筆で染めて塗り替えて 片羽雲雀

水中花誰かが捨てて最期かな akao

分けてても別れきれない明太子 もん

百人一首の日コップの中の大嵐 まどけい

独り言なら一人でやってくれ という独り言 呪街の跡地

AI 株価動向 する時代 霧雨魔理沙

日曜の夜気分が乗らない出勤の朝 JK

   *

コンプラ違反で縮小するGODZILLA 月波与生  

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◆ 短歌

少しずつ色づいてゆく紫陽花の梅雨の代筆やわらかな雨 水の眠り

雨足にショパン、ゴスペル、ニルバーナ更新をするプレイリストを 水の眠り

   *

だんご虫が肩よせあって暮らす宇宙よ 私の5月を返してくれぬか 流離するおかん時々オクラちゃん桃瀬

音もなく流れ落ちる涙が熱を持つ、生きろと言う、私に逆らって 夜ポエム寄る?

繰り返す不安な声を止めたくて歌・本・映画に逃避してみるしまりす

変わろうとしている午後に号砲のように鳴りだす初夏の遠雷 何となく短歌

そら豆は鞘を弾けて1人立つこれから先に夢抱きつつ 古城エッ

ほどけたらいい こんがらがった腐れ縁立ち上り消える 紫煙の行方 麻月 逃避中

肉まんを半分にして食べやすく満月を割るみたいな孤独  谷下弱弱

予期しないクライマックス訪れて栞を挟み紅茶ひと口 しまりす

一人にはなりたくなくて聞いている通話を切った後の耳鳴り 苺

改正戸籍法に於いて「無」と書いて「ぼく」と読ませるのありですか 憚譚之傍見

すれ違う くらいでちょうど よかったの 会えば会うほど 蟻地獄の穴 膝の上のねこ

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◆ 詩・短文

私は牛丼が大好きです。でも、食事をするときはいつも一人です。誰か一緒に来てくれる人はいますか?友達が必要です。 dani 膣のような

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◆ 作品評から

ものすごくマーライオンのウロコ館 石川聡
 ~『ものすごく』とあることから、見たときに抱いたその感情をそのまま表現してるような気がして新鮮です。また、「マーライオン」というワードにより、シンガポールというワードがなくても、シンガポールというのが伝わってきます。(季川詩音)

ABC予想あいつはたぶんAまでは 笛地静恵
 ~数学の本で、ABC予想というのをはじめて見たとき、A問題、B問題、C問題みたいになっているのかと思い、「Aぐらいなら解けたり、、笑」と謎の希望を感じたことがありました。(季川詩音)

夏木立風は自由とかそうじやないとか カオルル
 ~いいえ、風は自由が良いのです。夏木立に集まる風は、心まで優しく揺らせてくれます。(さちの扉)

お互いに英語で話す夏の木々 蔭一郎
 ~木が会話するとはなかなか面白い考えだと思います。しかも英語なのですね。日本のことではなく、海外かもしれませんし、本当に日本なのかもしれないし、いろいろ想像が膨らみます。(季川詩音)

線香は嫌だな百合を立ててくれ しまねこくん
 ~怖い俳句。すでに墓の中に入っている者の視点。目の前に線香が立っている。抹香臭いものは、嫌いなんだよ。視界が、煙で霞むじゃないか。それよりも、墓場の百合が、すっきりと立っているところを、見ているだけでいい。曼殊沙華と同じく毒がある。土葬の俺に、ネズミも、寄り付かないからな。(笛地静恵)

海月にはきっとなれない私かな 季川詩音
 ~くらげって、「海月」と「水母」がありますが、わたしはなんとなく「水母」の字面がいいなと思ってます。 掲句のかな止めはわざとでしょうか? わたしだったら くらげにはきっとなれないのよわたし とかにしちゃいます(蔭一郎)

蓮の祈りも夢の中 アリタ別館
 ~蓮という花は、汚い水の中で咲くと言われてます。その粘り強さを表現していると詠みました。しかしながら、『夢の中』とあることから、そんなものは意外にも通用しなく、「祈りというのは常に儚いものだ」とも詠めました。(季川詩音)

夏物の包帯だから薄いのね しまねこくん
 ~うすうすも夏向きだから薄いのか。(名犬 ぽち)

初夏の森みどりは優しいのち抱く ひいらぎ
 ~森の緑がとても美しいですね。もうすぐ夏が来ます。(Oleksandr Koval)

二代目のアルゴリズムに塩を振る 成瀬悠
 ~「二代目」も「ルゴリズム」も「塩を振る」も関連性がないがひとつの句として言葉の微妙なバランスを保ち立っている。(月波与生)

後ろから追い抜いていくその一瞬君は私を逆行してる しまりす 
 ~「君は私を逆行してる」か…。あらためて読むと面白いです。逆行した君はどうなっていくのだろう。(月波与生)

オクラホマミキサー全員死刑囚 汐田大輝 
 ~「オクラホマミキサー全員」までで面白いので「〇〇〇」は何にするか悩むところ。「死刑囚」は意外な方だと思う。(月波与生)

百合の香に天窓の星落ちてきし カオルル
 ~良い句ですね。天窓に星が落ちてくる。それも百合の香に誘われて。(さちの扉)

繰り返す不安な声を止めたくて歌・本・映画に逃避してみるしまりす
 ~不安なときにエンタメに触れるとなんだか安心しますね。また、『逃避』という表現も興味深いです。エンタメに触れることでまた頑張ろうと思い、現実に戻ってくる。なのでおそらく、ネガティブな逃避ではなくて、ポジティブな逃避なのだと思いました。(季川詩音)

揚げ足にくっついている週刊誌 宮坂変哲
 ~週刊誌といえば、芸能人の熱愛や政治家の不祥事あたりが記事になりやすいです。とくに芸能関係に関しては、家まで尾行したりするケースもあるようで、それが原因で芸能界を引退する人もいます。真剣交際、不倫問わず、プライベートなことはそっとしておいてほしいなと思いますね。(季川詩音)

卒業後いまだ新鮮な後悔 輪井ゆう 
 ~「新鮮な後悔」がいい。卒業後、制服、通学路などどんどん色褪せていくが後悔は新鮮。いったい何をしたものが。(月波与生) 

くるしまずにのりまきになる方法 汐田大輝
 ~たしかにのり巻きにされるとかんぴょうやらきゅうりやらにぎゅうぎゅうされて苦しそうだ、方法を聞いてみたい(月波与生)

深夜二時コメント欄が味方かも 季川詩音
 ~一言でホッとすることもある。 午前二時、 踏切に望遠鏡を担いでいってる人もいる。(コマさん)

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◆ 第223号句会報ダウンロードはこちらから

第223号句会報(PDF)

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