さみしい夜の句会報 第71号を発行しました

さみしい夜の句会
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さみしい夜の句会報 第71号(2022.6.26-2022.7.3)

第71回の参加者は92名でした。
ありがとうございました。参加された方の1作品以上を掲載しました。掲載のない方、誤字脱字等ありましたらDMにてご指摘下さい。

7月2日に『おかじょうき川柳ステーション2022』の川柳大会に参加してきました。川柳大会参加は2020年1月が最後なので約2年6か月ぶりのリアル大会の参加になりました。久しぶりのため近況報告と情報交換が主でしたが、人の交流が中心となるリアル開会はいいものだと認識しました。

また2年6か月経って以前とは少し違うとこともあり、少しずつ変わっていくのかな、という気もしました。ともあれ、大会が無事に開催されたことは喜ぶべき出来事でした。

『さみしい夜の句会』は365日24時間開催されている句会としてこれからも運営していきます。みなさんの参加をお待ちしております。

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◆ 参加者一覧 (92名)

参加者:海馬、mugwort、天やん、菊池洋勝、Moon、しまねこくん、以太、木野清瀬、藤井皐、涼閑、najimi、syusyu、玖々泉ろか、日月星香、桔梗菫、立木由比浪、蜜、せば、めい、たなかゆみ、西脇祥貴、まどけい、宮坂変哲、雲上晴也、石原とつき、しまねこくん、福織戸豊久、西沢葉火、茶熊さえこ、kiyoka、ゆりのはなこ、小沢史、月硝子、徳道かづみ、蔭一郎、紺野水辺、ジロー、松本薬夏、日下昊、岡村知昭、電車侍、星野響、longroof、砂狐、crazy lover、筑波うゆき、和泉明月子、雷(らい)、高木タツオ、太代祐一、玖、水の眠り、鷺沼くぬぎ、キンジョウ、東こころ、めい、む~みんママ、mi-co、石川聡、芹澤雨、さとすぃ、せば、かっとまん、日下踏子、六厩めれう、ともなう、鴨川ねぎ、城水めぐみ、はりはかる、思雨(スイ)、弌定住佳、ちゅんすけ、esumiyosㄤㄓㄞ、高良俊礼、Hiroki、阿笠香奈、旦悠輔、生・存、黒穂+、みや、たろりずむ、Rhanda、恭仁涼子、風斗、楽来、非天阿修羅、♠、mikisuzu、須藤田参四郎、クッキー党、みやちゃん③熊、月波与生

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◆ 7・7詩、5・7・5詩

きくらげを素通りしたいのに雨だ 岡村知昭

アイスティーしかない夜を腹筋す せば

喧嘩する赤い神社と黒い寺 西沢葉火

蚊の声や君の鼾の懐かしき 木野清瀬

号外で地球に住んでいると知る 蔭一郎

半夏生みちばたに茹で蛸が居り mugwort

首をくうっと曲げれば台風通過 海馬

ハクチョウの首をぐにゃりと謝らず 海馬

フジヤマのおいしい砂を煮ています 岡村知昭

海芋咲く皮から作る餃子かな 菊池洋勝

誤嚥性肺炎案ず燕の子 菊池洋勝

順番は前後しますが嘔吐感 以太

百合が貞操帯が「ありふれてない?」  石原とつき

井上の上履きだけが春だった 西脇祥貴

半夏生焼かれるものは白いもの 高良俊礼

父になる舟になるのと同じこと ちゅんすけ

古代魚に汚れたワンピースで抱かれ 藤井皐

鎖骨まで届いた波が生温い 城水めぐみ 

綿100%だと燃え尽きてしまう中島みゆき 西脇祥貴

菊挿してわたしはわたしを産み直す 木野清瀬

張見世に赤を競ひて金魚草 木野清瀬

寝に帰るだけならボートでもいいか しまねこくん

綿菓子のなかの虹には敵わない 太代祐一

さよなら天使一発芸を二発出す 海馬

黒南風や言い負かされる役回り 紺野水辺

内蔵に達する夏至の日の角度 しまねこくん

親友の背中に窓が三つある 西脇祥貴

号外で地球に住んでいると知る 蔭一郎

曲目に蚊の声があるカラオケ屋 しまねこくん

とうめいな切子の凹の闇たどる 小沢史

零れゆくレゾンデートル夜光虫 星野響

言い訳にならない笹の葉が二枚 砂狐

飛車が木へ戻ろうとする参議院 以太

変形する枕もとのヌートリア さとすぃ

夏祭り柄なし服がペアルック 天やん

切れた糸手繰るばかりの日が過ぎる 涼閑

茹だる夏逢いたいよコアラの母さん najimi

蚊の声や仕事がすんでふくらんで syusyu

止まないの心を濡らす夏の雨 玖々泉ろか

白南風にTシャツ何処と探してる 日月星香

黒南風で出られず戻る自転車よ 黎明

炎日やそらみつ里の鬱鬱と 立木由比浪

黒南風や打ち上げられし白い玉 めい

半夏生うどんを喰ふて汗拭う まどけい

ブラックジャック浅漬け茄子の破壊力 宮坂変哲

彼の目に悔し涙か夏の夕 雲上晴也

稼ぐって楽じゃないのよヒモへ云う 茶熊さえこ

孤独死の現場西日の強うして ゆりのはなこ

黒南風にうねるカラバッジョの絵筆 月硝子

で、アナタ、命は賭けてみましたか  かづみ

魚の口真似しても僕は人間 najimi

ホトトギス夜明けを見つけひとつ声 ジロー

夕凪の方程式の見当たらぬ 松本薬夏

薄い月がゆっくりと涙を溜め育つ酷暑 日下昊

海見ゆる 駅や少女の 夏帽子 電車侍

あついあついまだあつい longroof

梅雨空に歩みためらいみえぬ月 crazy lover

上司のお言葉沁み入る週末 筑波うゆき

鰹釣り今宵の空は星多く 和泉明月子

犯人の詩心棒読みするニュース 雷

やれやれと夏の夕陽が沈みゆく 高木タツオ

左右左と回る夏の朝 玖

紫外線ほうれい線も避けたいの 水の眠り

南瓜の葉くらいの畝る寛容さ 鷺沼くぬぎ

人妻としての自慰終へ髪洗ふ キンジョウ

切り売りをした身体から花が咲く 東こころ

彼氏ってどーやって作るんだっけ mi-co

教会が寝そべっている おもろいな 芹澤雨

水盤の極みを目指すボートかな 六厩めれう

ボート暴徒ボート~♪ボート暴騰ボート~♪ボート制約~♪ 石川聡

明日は来る 希望と残酷さに溢れ 鴨川ねぎ

言及のパラドックスに暮れかかる はりはかる

外つ国のうつつに沈む熱帯夜 esumiyosㄤㄓㄞ

消しゴムは使えば元に戻らない 阿笠香奈

大阪のおおらかさ夏のはじまり 旦悠輔

この首に絡まり泳ぐ金魚草 生・存

戦時の英雄平時の変質者 黒穂+

清原の清に桑田の田で清田 たろりずむ

生ぬるい風に、もうひとりは祭りかと問う Rhanda

晩餐です!喜んでほしいだけなのに 恭仁涼子

イマジンと書けば時事川柳らしくなり 月波与生

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◆ 7・7、5・7・5以外の短詩

こんな夜あの人となりに居たらなと秒で眠れるイビキのリズム たなかゆみ

思い出を忘れる薬が 有るのなら忘れるだろう 良いも悪いも 福織豊久

からっぽの部屋におもいが増えていくエアコンきかす寝苦しい夜 kiyoka

虫除けを耳なし芳一のごとく体中に掛け回っている夏の朝 む~みんママ

降りてきた夜を上手に受け止めて缶チューハイをゆっくり開ける かっとまん

どうしても赤椅子座り謝罪 プードル顔の彼信用ならん ともなう

君っぽい墓前に揺れる カンパニュラここなら会える 文句も言える 思雨(スイ)

人生に答えはないかもしれないがそれでも探す近い答えを Hiroki

どうしても竜宮城に行きたくて亀をいじめるこどもを探す 蔭一郎

◆/湖に落ちる幻目をひらくこぼれていたの気づかないまま みや

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◆ 詩

切なさの空の青

悲しみの海の碧

ココロは透明に

浮かびながら

揺らぎながら

ただ愛だけを感じていたい (Moon)

午前零時

ふくらはぎに

残された歯形

その娘、凶暴につき。 (蜜)

今日は何だかまた恐怖心が強いので布団で寝てる。

でも不眠症悪化で1日4時間寝れたら良い方

目の下クマ出来とるから伸ばしてるたまに目立つから

色眼鏡かけてる時もある。

何だか寂しく感じた夏なのに

淋しい秋のような気持ち (風斗)

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◆ 作品評から

号外で地球に住んでいると知る 蔭一郎
 ~「地球以外全部沈没」、駅頭に号外が出回る。度重なる星間旅行、離人症、単身赴任、いまはケプラー186fに居住していると信じていた。でも、違ったらしい。号外を手に帰宅する。外星人面の配偶者が煙を喫んでいる。どうやら歯車をかけちがえたらしい。 (以太)

喧嘩する赤い神社と黒い寺 西沢葉火
 ~赤いきつねと緑のたぬきの勢いで稲荷神社と古刹とが争う。新しい血と古い血、共産主義と無政府主義、様々な因縁がくんずほぐれつしてくらげなすただよえる日本列島のかたちが定まってゆく。令和国産み譚のささやかな一幕として。 (以太)

親友の背中に窓が三つある 西脇祥貴
 ~人体は、目も耳も肩甲骨も、左右対称で偶数か単独が基本。三つ目は個人の努力の賜物であり、第三の窓も、また親友の努力の結晶だろう。その努力を見せ合え理解しあえる友人関係が、ここにはある。 (以太)

アイスティーしかない夜を腹筋す せば
 ~痩せたい。だから腹筋運動をしては、無糖のアイスティーを飲んでいる。そんな夜を何回も繰り返し、繰り返し。意味もなく夜を二つに折って、また開いて。(西沢葉火)

とうめいな切子の凹の闇たどる 小沢史
 ~江戸切子と薩摩切子の違いは何だろうと検索してみましたら、色ガラスの薄い江戸切子は明暗くっきりのシャープさが、薩摩切子は厚い色ガラスを削るので濃淡のグラデーションが、それぞれの魅力なのだそうです。凹の闇に人それぞれ、その時々、様々な風景が浮かびます。今夜の傷はどちらかな‥。 (木野清瀬)

夕凪の方程式の見当たらぬ 松本薬夏
 ~夕凪や力と力のつり合いぬ (楽来)

イマジンと書けば時事川柳らしくなり 月波与生
 ~イマジン=レノン=平和とすぐ連想してしまいます。それは戦禍にいる国を忘れないため。核なき世界は遠く霞んでこの句から伝わりました。 (ゆりのはなこ)

梅雨空に歩みためらいみえぬ月 crazy lover
 ~今日も灼熱だった我が地域ですが来週は台風が恵みをもたらしてくれるのかな…豪雨災害は御免こうむりたいけど。 (非天阿修羅)

変形する枕もとのヌートリア さとす
 ~nutria under the pillow that transforms (♠)

指が手に生えた写真を撮っていた  以太
 ~不思議なテイストの作品!赤ん坊の手がイメージされてしょうがないです。赤ん坊なら急に何が生えても不思議じゃないような。ちょっと植物的かも…。現実的には手袋をしてして、手袋のどこかから指がもれて突きだしたらこんなかな。 (涼閑)

画数が多い結婚適齢期 たろりずむ
 ~と、あらためて見ると画数が多い。画数のひとつひとつが折り合いをつけねばならない世間様の数だとすると、つくづくとメンドくさくなったものだ。結婚も適齢期も。(月波与生)

寝に帰るだけならボートでもいいか しまねこくん
 ~ボートを使って家に帰る者の句と読んだ。それとも複数の家を持ち、ボートを一つの寝床にしている者か。ボートでもいいかということは他にも移動もしくは寝床の選択肢があるのだろう。とすると、家はどこにあるのか。読み手はナニモノか。想像が膨らむ一句。(日下踏子)

ボート暴徒ボート~♪ボート暴騰ボート~♪ボート制約~♪ 石川聡
 ~暑き朝言葉の鳴りて目が覚める〜♪懐かしぃ今も流れるウタカシラ…オハヨウゴザイマス 元気出ました (mikisuzu)

どうしても竜宮城に行きたくて亀をいじめるこどもを探す 蔭一郎
 ~能動的逃避、とでも呼ぼうか。景色を考えれば海辺のはずなのに気分はドライ (須藤田参四郎)

張見世に赤を競ひて金魚草 木野清瀬
 ~あ~素敵ですわ。金魚草の季語で、最初に吉原浮かびました。私にはそれを表現するのが難しく、響子さんの作品に、まさに今感動しております。私、一時期、江戸の暮らしにはまり、吉原も心にぐっと来ます。最高。(クッキー党)

人生に答えはないかもしれないがそれでも探す近い答えを Hiroki
 ~人生に愛はないかもしれないが それでも愛すうらぎられても コンニャン夜中 (みやちゃん③熊)

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◆ 第71回句会報ダウンロードはこちらから

第71回句会報(PDF)



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